16 / 34
第1章
16話 エルムについて
しおりを挟む
部屋に戻るとベットで横になり、エリーの居る空間へ行った。
「エリーいくつか聞きたい事があるんだけど」
「私に答えられる事でしたらどうぞ」
エリーはいつも通り歯車の空間にいた。
「まずはありがとう。あの時エリーが話し掛けて来なかったらあのまま岩に押し潰されていたよ」
「いえ、この機体に傷が付くのは私の本意ではありませんので」
「なるほどね、それじゃあ1つ目の質問、あの時体を動かしたのってエリー?」
僕が起きている状態でエリーが話し掛けられるのはそう言うものだとして、これだけはまず聞いておきたかった。
「そうです。外からでしか直せない場所があれば私が操作しなければいけませんから」
それもそうか。
僕に言われても直せる自信は無い。
「そうか、じゃあ2つ目。ゴーレムと戦っていた時に、魔力の消費量が多いはずの強化を使ったけど思っていたよりも魔力を消費してないんだ。その理由って知ってる?」
罠を探す時に魔力感知を使った時はいつも通りすぐにお腹が空いた。
なのに戦闘後はあまりお腹が空かなかった。
僕の常識からすると魔力消費量が多い魔術を使った為、戦闘後は倒れるほどの空腹に襲われると思っていたがそうはならなかった。
「宿主様は生き物にはその肉体によって、効率良く使える魔術が異なるというのはご存知ですか?」
「え?そんなのがあるの?」
魔術を大きく分けるとホーリーアローなどの属性魔術、強化などの身体魔術、魔力感知などの無属性魔術の3つに別れる事は知っていたけど、それは初耳だ。
「はい。例えばエルフですと属性を操る属性魔術が効率が良く、身体強化の魔術が効率が悪いとなっています。このエルムにとっては身体強化の魔術が効率良く使える魔術だった為、魔力をあまり使わずに済んだと言う事です」
この後、他の種族についても教えてくれたが、その中で人間だけはそういう効率が良くなったり、悪くなったりする事は無いらしい。
「そうだったんだ・・・それじゃあエルムの体で効率が悪い魔術ってなに?」
「ファイアーボールとかの属性魔術ですね」
「あーだからあの時、魔力が一気に無くなったのか」
僕は最初にゾンビと出会った時の事を思い出していた。
その話が本当なら僕の戦い方を変える必要がありそうだ。
「えーと、なんで初めに言ってくれなかったの?」
これを知っていれば空腹に悩まされる事も少なくなったと思うんだけど。
「聞かれませんでしたので」
うん。知らない事は質問できないからね。
エリーはピンチになれば助けてくれるけど、基本的に聞かれなかった事は教えないスタイルなんだね。
そんな気はしてたけど。
「他に何かエルムについて僕に伝えていない事とかってある?」
「答えられません」
聞いても教えてくれない事が多いけど。
「まぁいいや。また危なくなったら助けてね」
「了解しました。ですが私が助けられるのは1日1回ですので、危険には近付かないで下さい」
制限が決められているという事は何か制約でもあるのだろうか。
「何で1日1回なのかって」
「答えられません」
「うん。そう答えるだろうなって思ってた」
この後、エリーにもう朝だと言われたので起きる事にした。
いつも通り宿の食堂で朝食を食べていると。
「明日出発する事になった」
起きてきたタツヤにそう告げられた。
話を聞いてみるとタツヤが町を移動したいのを知っていたバラオンさんが、目的の町バルベルへ行く商人の護衛依頼を勧めてきて、それを受ける事になったらしい。
護衛依頼は町を移動する為、ブロンズランク以上の冒険者しか受けられない依頼だ。
タイミングが良いのに加えて、依頼主の商人というのがダミアンさんだったので迷う事なく受けたと、タツヤが言っていた。
運命さんにはいつも驚かされます。
「エリーいくつか聞きたい事があるんだけど」
「私に答えられる事でしたらどうぞ」
エリーはいつも通り歯車の空間にいた。
「まずはありがとう。あの時エリーが話し掛けて来なかったらあのまま岩に押し潰されていたよ」
「いえ、この機体に傷が付くのは私の本意ではありませんので」
「なるほどね、それじゃあ1つ目の質問、あの時体を動かしたのってエリー?」
僕が起きている状態でエリーが話し掛けられるのはそう言うものだとして、これだけはまず聞いておきたかった。
「そうです。外からでしか直せない場所があれば私が操作しなければいけませんから」
それもそうか。
僕に言われても直せる自信は無い。
「そうか、じゃあ2つ目。ゴーレムと戦っていた時に、魔力の消費量が多いはずの強化を使ったけど思っていたよりも魔力を消費してないんだ。その理由って知ってる?」
罠を探す時に魔力感知を使った時はいつも通りすぐにお腹が空いた。
なのに戦闘後はあまりお腹が空かなかった。
僕の常識からすると魔力消費量が多い魔術を使った為、戦闘後は倒れるほどの空腹に襲われると思っていたがそうはならなかった。
「宿主様は生き物にはその肉体によって、効率良く使える魔術が異なるというのはご存知ですか?」
「え?そんなのがあるの?」
魔術を大きく分けるとホーリーアローなどの属性魔術、強化などの身体魔術、魔力感知などの無属性魔術の3つに別れる事は知っていたけど、それは初耳だ。
「はい。例えばエルフですと属性を操る属性魔術が効率が良く、身体強化の魔術が効率が悪いとなっています。このエルムにとっては身体強化の魔術が効率良く使える魔術だった為、魔力をあまり使わずに済んだと言う事です」
この後、他の種族についても教えてくれたが、その中で人間だけはそういう効率が良くなったり、悪くなったりする事は無いらしい。
「そうだったんだ・・・それじゃあエルムの体で効率が悪い魔術ってなに?」
「ファイアーボールとかの属性魔術ですね」
「あーだからあの時、魔力が一気に無くなったのか」
僕は最初にゾンビと出会った時の事を思い出していた。
その話が本当なら僕の戦い方を変える必要がありそうだ。
「えーと、なんで初めに言ってくれなかったの?」
これを知っていれば空腹に悩まされる事も少なくなったと思うんだけど。
「聞かれませんでしたので」
うん。知らない事は質問できないからね。
エリーはピンチになれば助けてくれるけど、基本的に聞かれなかった事は教えないスタイルなんだね。
そんな気はしてたけど。
「他に何かエルムについて僕に伝えていない事とかってある?」
「答えられません」
聞いても教えてくれない事が多いけど。
「まぁいいや。また危なくなったら助けてね」
「了解しました。ですが私が助けられるのは1日1回ですので、危険には近付かないで下さい」
制限が決められているという事は何か制約でもあるのだろうか。
「何で1日1回なのかって」
「答えられません」
「うん。そう答えるだろうなって思ってた」
この後、エリーにもう朝だと言われたので起きる事にした。
いつも通り宿の食堂で朝食を食べていると。
「明日出発する事になった」
起きてきたタツヤにそう告げられた。
話を聞いてみるとタツヤが町を移動したいのを知っていたバラオンさんが、目的の町バルベルへ行く商人の護衛依頼を勧めてきて、それを受ける事になったらしい。
護衛依頼は町を移動する為、ブロンズランク以上の冒険者しか受けられない依頼だ。
タイミングが良いのに加えて、依頼主の商人というのがダミアンさんだったので迷う事なく受けたと、タツヤが言っていた。
運命さんにはいつも驚かされます。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く
burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。
最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。
更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。
「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」
様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは?
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界のんびり冒険日記
リリィ903
ファンタジー
牧野伸晃(マキノ ノブアキ)は30歳童貞のサラリーマン。
精神を病んでしまい、会社を休職して病院に通いながら日々を過ごしていた。
とある晴れた日、気分転換にと外に出て自宅近くのコンビニに寄った帰りに雷に撃たれて…
================================
初投稿です!
最近、異世界転生モノにはまってるので自分で書いてみようと思いました。
皆さん、どうか暖かく見守ってくださいm(._.)m
感想もお待ちしております!
転生特典:錬金術師スキルを習得しました!
雪月 夜狐
ファンタジー
ブラック企業で働く平凡なサラリーマン・佐藤優馬は、ある日突然異世界に転生する。
目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中。彼に与えられたのは、「錬金術師」としてのスキルと、手持ちのレシピブック。
素材を組み合わせてアイテムを作る能力を持った優馬は、錬金術を駆使して日々の生活を切り開いていく。
そんな彼のもとに集まったのは、精霊の力を持つエルフの少女・リリア、白くフワフワの毛並みを持つ精霊獣・コハク。彼らは王都を拠点にしながら、異世界に潜む脅威と向き合い、冒険と日常を繰り返す。
精霊の力を狙う謎の勢力、そして自然に異変をもたらす黒い霧の存在――。異世界の危機に立ち向かう中で、仲間との絆と友情を深めていく優馬たちは、過酷な試練を乗り越え、少しずつ成長していく。
彼らの日々は、精霊と対話し、魔物と戦う激しい冒険ばかりではない。旅の合間には、仲間と共に料理を楽しんだり、王都の市場を散策して珍しい食材を見つけたりと、ほのぼのとした時間も大切にしている。美味しいご飯を囲むひととき、精霊たちと心を通わせる瞬間――その一つ一つが、彼らの力の源になる。
錬金術と精霊魔法が織りなす異世界冒険ファンタジー。戦いと日常が交錯する物語の中で、優馬たちはどんな未来を掴むのか。
他作品の詳細はこちら:
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/270920526】
異世界で生き残る方法は?
ブラックベリィ
ファンタジー
第11回ファンタジー大賞が9月30日で終わりました。
投票してくれた方々、ありがとうございました。
200人乗りの飛行機で、俺達は異世界に突入してしまった。
ただし、直前にツアー客が団体様でキャンセルしたんで、乗客乗務員合わせて30名弱の終わらない異世界旅行の始まり………。
いや、これが永遠(天寿を全うするまで?)のサバイバルの始まり?
ちょっと暑さにやられて、恋愛モノを書くだけの余裕がないので………でも、何か書きたい。
と、いうコトで、ご都合主義満載の無茶苦茶ファンタジーです。
ところどころ迷走すると思いますが、ご容赦下さい。
アオノ冒険記─異世界にはチートではなく二つ前の前世で覚えた最強魔法を手にして行きます─
どらいあい
ファンタジー
青野と言う一人のアラサーが異世界に最強の魔法使いだった前世を思い出してその時に手にしていた魔法の力を持って転生した。
これは中身はスケベでアラサー、外見はフツメンの青年が送るチートあり冒険あり、たまにやり過ぎとかもある異世界王道ファンタジーである。
これは別サイトに投稿していた作品のリメイク版です、キャラクターの設定からストーリーから変えまくったのでほぼ別物ですが。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる