58 / 99
第1章
47 俺のいない世界で
しおりを挟むあれから2人で話し合いをして今では良い雰囲気だ。
エードラムの機嫌も良い。
スクスクと大きくなっている。
そうなれば、俺には別の事が待っている。
ヒースさんと相談し、先ずはヒースさんのお弟子さん達に分娩について学んでもらう。
参考になるテキストも時間の合間合間に作っていた。それももう少しで完成する。
「アルフィーノ。ヒースさんの弟子って何人くらいいるんだ?」
人数に合わせて準備をするから、おおよそで構わないから知っておきたい。
「俺が剣を習っていた頃は20人程いたけど、今は6人……いや1人独立したって言ってたから5人か」
以前より体力的に無理のない人数へ、独立した後弟子を取らず減らしたのだということだ。
今のお弟子さん達も何時独立しても良い程にはヒースさんの元で学んでいるそうだ。
「1度顔合わせしておきたいんだが可能だろうか?」
ヒースさんは何時も身軽にヒョイヒョイと1人で現れる。
お弟子さん達もヒースさんが強いのを知っているから1人で出かけても何も言わない……らしい。同行を求めるそうだがのらりくらりと躱しているそうだ。
「ヒースさんにも都合が良い日を聞かないとな」
俺が帰還するまでに独り立ちできるくらいにはなって欲しい。
そうすればヒースさんと2人で帝王切開の手術も何とかなるだろう。いや。何とかしてもらわないとな。
「…………。かしこまりました」
最近アルフィーノが時々おかしな反応をしている気がする。
ジィっとアルフィーノを見ていると、俺を振り返り首を傾げる。
うん。こういうところは何時もと変わりないんだが……
気の所為か?
アルフィーノのの頭をガシガシ撫でてやる。ちょっと嫌がる素振りをみせるが大人しく撫でさせてくれる。
う~ん………何だろう?
「アルフィーノ。何かあるのか?」
「……。いいえ」
うん。やっぱりおかしい。
でもなぁ……本人が言いたくないなら踏み入ってまで聞くのもなぁ……
「アルフィーノ。何かあるなら言ってくれ。言ってくれないと分からないからな。でも、お前が言いたくないなら聞き出すことはしない。言いたくなったら、言えるようになったら話してくれ」
俺が帰還するまでに解決するだろうか。
可愛い弟分の悩みくらい解決してやりたじゃないか。いいお兄ちゃんになりたいんだ。
俺が帰還しても覚えてもらえるように……
アルフィーノの目をジッと見つめる。
アルフィーノも俺を見つめる返しているが、不意に視線を逸らす。
なんだろうね~
あ~…………
「好きなヤツでもできたか?」
俺があっちこっち顔を出すから今までとは違う交流ができたんだろう。その中でいいヤツでもいたのか?
アルフィーノの身体が少し強ばったのを見逃さなかった。
「あはは。そうか~」
何故か少しモヤッとした感じがしたが、それよりもニヤニヤ笑いが止まらない。
可愛い弟分が恋をしたかぁ~
「誰とは追及しないから。安心しろ」
アルフィーノは俺を睨むように見つめてきたが、俺は気にも止めないように振る舞いアルフィーノを揶揄う。
「声は掛けたのか?相手はちゃんとお前のこと認識してんだよな?」
アルフィーノは嫌な表情をして俺から視線を逸らす。
言いたくないんだな。
その気持ち大事にしたいんだな。
「そうか。そうか……」
アルフィーノから視線を外し窓の外を眺める。
明るい光が溢れていてアルフィーノの幸せな未来のようだと思った。
アルフィーノは俺のいない世界で生きていかなくてはならない。それを支えてくれるヤツがいるならそれは幸せなことだ。
少し淋しいような悲しいような……弟が兄離れする時ってこんな感じなのかな……
「アルフィーノの思いが届くといいな……」
窓の外を眺めながら小さく小さく呟いた。
************
お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
************
35
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
隊長さんとボク
ばたかっぷ
BL
ボクの名前はエナ。
エドリアーリアナ国の守護神獣だけど、斑色の毛並みのボクはいつもひとりぼっち。
そんなボクの前に現れたのは優しい隊長さんだった――。
王候騎士団隊長さんが大好きな小動物が頑張る、なんちゃってファンタジーです。
きゅ~きゅ~鳴くもふもふな小動物とそのもふもふを愛でる隊長さんで構成されています。
えろ皆無らぶ成分も極小ですσ(^◇^;)本格ファンタジーをお求めの方は回れ右でお願いします~m(_ _)m
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる