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第1章
43 出産
しおりを挟む午前中は準備をし、ジャックロードの出産に備える。
「もうすぐお昼だね。早ければ午後イチかな。早めに昼食摂りますか~」
呑気にそんなことを話していたらプラヴァスの呼ぶ声が聞こえた気がした。
ん?呼ばれたか?
「呼ばれたような気がする」
俺は寝室の扉に向かい、ノックをする。
中の様子を伺っているとプラヴァスの声が聞こえた。
「セイゴ殿!!!」
やっぱり呼ばれてた!
思ってたより早いな。
プラヴァスどんだけ励んだんだよ。
「カルロス!お湯の準備を。ヒースさん達はまだかユージニア確認して」
2人に指示を出し、アルフィーノを振り返る。
初めはソワソワ落ち着きなかったのに、今は記録用紙とペンを持っている。
(アルフィーノ。聞こえるか?)
「!!はい!!」
「頭の中で喋ってみろ。俺の方で拾う」
(?こう?これでできてる?)
「大丈夫だ。中に入ったらこれで様子を伝えるし、指示を出す」
「分かりました」
そう。以前襲撃に来たやつ、アルフィーノがいない間とか困ったので念話なるものを習得してみた。困ったことがあれば、直ぐにアルフィーノに伝えられるようにアルフィーノの魔力を覚えた。
今回初めて使ったが、アルフィーノも焦ることなく(セイゴだから~で)新しい魔法を受け入れていた。
「じゃあ、行ってくるわ」
皆を振り返った後、寝室の扉に手をかける。
「プラヴァス。入るぞ」
衝立の前でもう一度声をかけようかと口を開いたらプラヴァスが切羽詰まった声で俺を呼んだ。
「セイゴ殿!」
「あ~。落ち着けって。取り敢えず、そっち行っても大丈夫か?」
「……はい」
プラヴァスの返事を聞き、衝立から顔を出す。
ジャックロードは寝かされているが相変わらず焦点が合わないようだ。プラヴァスは貫頭衣のような物を着て、ジャックロードの傍にいた。よく見るとジャックロードも寝衣の上だけ着ているようだ。
「プラヴァス。風呂場で着替えてこいよ」
そう声をかけ、清潔をかける。
プラヴァスは不安そうに頷き着替えを持って風呂場に向かった。
「ジャックロード。分かるか?」
俺の声に僅かに頷いたように見えた。
「赤ちゃん産むぞ」
その一言でジャックロードの目に光が戻る。
「セ……イゴ……?」
「ああ」
ジャックロードが辺りを見回している。
プラヴァスを探してるのか?
「足元にいるぞ」
そう教えてやるとホッとした表情になったので合ってたんだろう。
「皆がお前のサポートをする。大丈夫だ。安心して挑め」
ジャックロードは俺を見て力強く頷いた。
プラヴァスを見ると彼も強く頷いた。
「セイゴ。お腹何か変な感じ?する」
「ああ。赤ちゃんが今出てこようと頑張ってるんだよ」
ジャックロードを安心させるために俺が後ろから抱え魔法を使うことを説明しベッドへ上がる。
「……納得はしたが何か嫌だ」
プラヴァスが子供みたいな事を言いだした。
「ぷっ。あはは……」
そんなことを言ってられるのは今のうちだ。
本格的に胎児が降りてきたらそれどころじゃなくなるだろうからな。
プラヴァスが取り乱さなければ良いがな。
「プラヴァス。取り敢えず手を入れて赤ちゃんの頭が届く範囲にあるか診てくれ」
プラヴァスが「はぁ?」って表情で俺を見る。
「分娩がちゃんと進んでるか分からないだろう?俺がしていいなら確認するが?」
「ジャック……ちょっと我慢して……」
俺に触らせるのは嫌だったようでジャックロードに声をかけるとゆっくり確認をしてるようだった。
時々ジャックロードから艶っぽい声が漏れてくる。
まあさっきまでナニが入ってただろうからそうなるわな。
「……セイゴ。子袋の口が……開いてる!」
プラヴァスが驚愕といった表情で声も上擦ってる。
「そうだな。赤ちゃんはそうやって産まれてくるんだ。開きはどれくらいだ?」
俺の問にプラヴァスは何かを探るような表情になる。
「……指3本分……くらい……」
うんうん。
胎児が1620gだったから順調に降りてくるかな。
「なぁ、セイゴ……子袋までがいつもより短い気がする……」
「ああ。そうだな。赤ちゃんが産まれてきやすいようになるんだ」
「………………」
プラヴァスはジャックロードの身体の変化に興味津々といった様子だ。これなら大丈夫かな?
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お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
予約投稿日にちを間違えてました。
すみませんm( __ __ )m
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