もう一度……〜女神の依頼を受けて召喚された世界で俺の人生が変わりました〜

ソラ

文字の大きさ
7 / 99
第1章

7 アンジェリーク

しおりを挟む

青白い魔法陣の光が徐々に弱くなり、薄暗い周囲がますます見えなくなる。
少しの不安と初めての世界に何時も冷静を心がけている気持ちが揺れる。

『異世界より来ていただきました。誠吾さんです。1年半後には元の世界に帰られますが、この世界を守って下さる方です。丁重におもてなしををして下さい』

今まで頭の中で聞いていた女神の声が耳を通して聞こえてくる。
頭の中で聞いていた声と違い威厳のある声だった。

魔法陣の光が消え暫くすると薄暗さに目が慣れてくる。
消えた魔法陣から少し離れた所に数名の気配を感じ其方に視線を向けた。

そこにはゲームやアニメで見るような黒っぽい濃い色を基調とした軍服のような服を着た長髪の男と白っぽい色を基調とした神官が着る法衣のような服を着たサイドを肩までに切りそろえた50歳くらいの男と同じような服を着た20~30歳代と思われる男が5名ほどいた。暗くて20~30歳代と思われる男達は白っぽい服を着ていることしか分からないが……。

『誠吾さん。大司教と司教達、それに誠吾さんの護衛をするこの国の騎士団長です』

女神の声が頭の中に響く。
おぉ~。
使い分けができるのか!

『こっちの方が神力の消費が少ないんですよ』

なんてちょっと驚いて女神と頭の中でやり取りしている間に黒っぽい軍服(でいいんだよな?)を着た男が近づいてきた。

「女神シルフィーナ様より申しつかっております。貴方様の護衛をさせていただくアルフィーノと申します」

バリトンの声が簡素に自己紹介を告げる。
アルフィーノと名乗った護衛の男は白っぽい髪に色の薄い……水色っぽい瞳だった。
いや~。薄暗くてあまり色がはっきり分からない。
まあ、声は何処の声優だよ!ってくらいにいい声なんだが、色の薄いは睨むように鋭く拒絶の色を覗かせている。
自己紹介と共に左手を胸に当て軽く頭を下げるが一瞬たりとも俺から視線を外さない。

異世界から来た人間を胡散臭いと思ってるんだろうなぁ。
まあ、暫く様子みて折り合いが悪かったら女神に相談かな。

それよりも……シルフィーナって女神の名前か?
女神って呼んでて名前聞いてなかったわ。

『そう言えば名乗ってませんでしたね』

またしてもテヘペロって続けて聞こえてきそうな雰囲気の女神の声が頭の中に響く。
おいおい。
さっきの威厳のある感じどこいった~?
名前に関しては俺も聞かなかったしな。今知れてよかったってことにしとこう。

『……私そんな性格じゃないんですよ。コレが素です。誠吾さんの前でくらい楽に会話させて下さいよ~』

何とも締まらない女神だなぁ。
この3日間こんな感じだったし今更威厳見せられても困惑するわ(笑)

それよりも、女神シルフィーナ…………風か?

『ご名答です!誠吾さん!よくわかりましたね』

まあ、現代日本人だし。ゲームやアニメやラノベでお馴染みだし。
しかし、風の女神ってことは火や水や土の神もいるって事か?

『あぁ~。そう思いますよね………。アンジェリークには今私しか神はいないんですよ』

………………。
訳ありか。

ぼんやりとした表情で、頭の中で女神とやり取りしていたからかアルフィーノの視線が更にキツくなる。
アルフィーノに視線を戻した時には視線で殺されるんじゃないかと思うくらいには剣呑としたものになっていた。

「あ~。申し訳ない。俺は霧島きりしま誠吾せいご。女神サマに頼まれて召喚に応じた。女神サマとの約束は1年半だ。その間にやれる事はやりたいと思っている。忙しくなるかもだけどよろしく頼むよ」

女神と頭の中で会話してたなんて言ったらおかしな人間ヤツだと思われても困るし、サラリと自己紹介だけしてみた。
俺が名前を名乗ると司教達が小声で何かを言っているのが分かったが声が小さく離れていた為内容までは聞き取ることが出来なかった。
アルフィーノから司教達へと視線を移すとそれに気がついたのか司教達も静かになる。

「家名があると言うことは誠吾殿は貴族なのでしょうか?」

アルフィーノが鋭い視線とともに尋ねてくる。
あれ何時だっけ平民にも苗字つけろってやつ。明治に入ってからだったよな………
150年くらい前か?平民苗字必称義務令だったか?

「あ~。うん。こちらの世界アンジェリークでは貴族しか家名がないのか?俺の国では150年ほど前に平民にも家名をという法令ができて皆が家名を持っているんだ。俺の国では貴族という階級制度はないよ」

貧富の差はあるがな。そこまで言う必要も無いだろう。

「………貴族では……ない……」
「ああ。そうだな」
「貴族ではない者に学がある?」

あ~。中世ヨーロッパ風なのか?
識字率が低いってことだよな。

「俺のいた世界全ての国でって訳じゃないが、俺のいた国では7歳から15歳の学校での教育が義務付けられてるから識字率は9割以上だな。学校では四則計算も習うし、学年が上がれば他国語も習う。それが義務付けられているんだよ」

俺の説明にアルフィーノと共に少し離れたところにいる大司教と司教達も目を見開いている。

「………なるほど………」

真顔になったアルフィーノは何か考え込んでいる様子を見せていた。




************

お読みいただきありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

************
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

隊長さんとボク

ばたかっぷ
BL
ボクの名前はエナ。 エドリアーリアナ国の守護神獣だけど、斑色の毛並みのボクはいつもひとりぼっち。 そんなボクの前に現れたのは優しい隊長さんだった――。 王候騎士団隊長さんが大好きな小動物が頑張る、なんちゃってファンタジーです。 きゅ~きゅ~鳴くもふもふな小動物とそのもふもふを愛でる隊長さんで構成されています。 えろ皆無らぶ成分も極小ですσ(^◇^;)本格ファンタジーをお求めの方は回れ右でお願いします~m(_ _)m

平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます

クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。 『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。 何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。 BLでヤンデレものです。 第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします! 週一 更新予定  ときどきプラスで更新します!

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

処理中です...