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第一章 ドク博士、何か発明す
第9話 『どう見ても爆弾』
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「おいおい、助手くん。さっきからどこを見ておる。タイムマシンなら、目の前にあるではないか」
ドク博士は、自身が背にしているタイムマシンに助手くんが注目するよう、にこやかな顔で右手を『おいでおいで』するみたいに振ります。
それにより、助手くんはようやく、きょろきょろするのをやめ、ドク博士が完成させたというタイムマシンに目を移します。
「え? タイムマシンって、もしカシて……ソレの事デスか?」
ドク博士は、褒められたと思ったのか、両腕を曲げ、腰に手を当てながら「どやぁ」と言いたそうな顔で姿勢を取り直します。
「で、デスガ、博士……」
タイムマシンを再度、目のあたりにした助手くんは、少し言い淀んだあと、素直な感想を口にしました。
「コレ、どう見テモ【爆弾】なんデスが」
「爆弾じゃからな」
ドク博士は、真顔でしれっと返しました。
直後、助手くんとドク博士との間に僅かばかりの沈黙が走ります。因みに、どのくらい僅かかというと、具体的には四コママンガなら、一コマぐらいの間でしょうか。
次のコマに入るタイミングで助手くんは、ドク博士が先程口にした内容が全く理解出来ないという気持ちと、それをなんとか理解しようという気持ちが同居した、なんとも言いしれぬ複雑な感情で、顔を右肩あたりに『ぎぎぎ』と伏せました。
それでも、助手くんは思考回路をフル回転し、言葉を吟味すると、ようやく顔をあげ、次の言葉を口にします。
「これ、ドウ見ても【爆弾】ナンですガ」
先程と、同じ台詞でした。
「爆弾じゃからな」
先程と、同じ回答が返って来ました。
ドク博士は、自身が背にしているタイムマシンに助手くんが注目するよう、にこやかな顔で右手を『おいでおいで』するみたいに振ります。
それにより、助手くんはようやく、きょろきょろするのをやめ、ドク博士が完成させたというタイムマシンに目を移します。
「え? タイムマシンって、もしカシて……ソレの事デスか?」
ドク博士は、褒められたと思ったのか、両腕を曲げ、腰に手を当てながら「どやぁ」と言いたそうな顔で姿勢を取り直します。
「で、デスガ、博士……」
タイムマシンを再度、目のあたりにした助手くんは、少し言い淀んだあと、素直な感想を口にしました。
「コレ、どう見テモ【爆弾】なんデスが」
「爆弾じゃからな」
ドク博士は、真顔でしれっと返しました。
直後、助手くんとドク博士との間に僅かばかりの沈黙が走ります。因みに、どのくらい僅かかというと、具体的には四コママンガなら、一コマぐらいの間でしょうか。
次のコマに入るタイミングで助手くんは、ドク博士が先程口にした内容が全く理解出来ないという気持ちと、それをなんとか理解しようという気持ちが同居した、なんとも言いしれぬ複雑な感情で、顔を右肩あたりに『ぎぎぎ』と伏せました。
それでも、助手くんは思考回路をフル回転し、言葉を吟味すると、ようやく顔をあげ、次の言葉を口にします。
「これ、ドウ見ても【爆弾】ナンですガ」
先程と、同じ台詞でした。
「爆弾じゃからな」
先程と、同じ回答が返って来ました。
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