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ナトジャの村の中心には数軒の宿屋の他、雑貨屋や料理屋、それに牛乳売りの姿があった。
村の少し外れに鍛冶屋があってそこで防具などが買えるらしい。
宿屋に部屋をとった俺たちは、荷物を預けて買い物に行くことになった。
俺が持っている金や宝石の価値がわからないから預けるとかできず、俺は全部持ち歩くことになったけど、正直宝石をいっぱい持っているのが落ち着かなかった。
挙動不審に見えないだろうか、と思いつつ俺は辺りを見回した。
いっぽう、アレクシアさんはだいぶ軽装だった。
背負っていたリュックはなく、変わりに小さなナップサックを背負っている。
「とりあえず、革の鎧は雑貨屋で買えるから短剣を鍛冶屋で手に入れましょう。ユーキは弓矢、扱える?」
「え、あ、弓?」
そうか、弓矢があるのか。ファンタジー世界だもんな、弓矢、普通にあるよな。
高校生の時、一年だけ弓道をやっていた。かっこいい、って思ったからだ。
でもあんまり上達しなくて辞めちゃったんだよなぁ……
「えーと、ちょっとだけなら……」
でも和弓とはかってが違うよなぁ……
俺の頭の中に、とある有名ゲームの主人公がもつ弓矢の図が浮かぶ。
和弓にくらべて小さいイメージだし、撃ち方も違ったような気がする。
俺の答えにアレクシアの目が輝いたような気がした。
「え、ほんと? 本当なの? 弓矢使えるの?」
「あ、う、うん。少しだけしてたことあって……でもあんまりうまくないけど」
「それって練習していたことがあるって事よね? なら私が教えるから、弓矢を買いましょう!」
すごく高いテンションで言い、アレクシアは歩き始めた。
どうやら俺が弓矢使えるのが嬉しい……のか?
そういえば、エルフって弓矢使うイメージがある。
でもアレクシアさんの装備に弓矢は見当たらない。
腰にぶら下げている短剣だけだ。
背中に背負っていたリュックはなく、そのかわりにナップサックを背負っている。
でも鎧や武器は持ったままってことは、やっぱなんか危険があるのかな。
漫画なんかだと、武器持ったまま、町をうろつくもんな……
「ねえ、ユーキはお金は持ってるの?」
「え? あ、うん」
内心ビクビクしながら俺は頷く。
このカバンの中の金が、どれ位の価値かわかんないけどけっこう価値があるかもしれないもんなあ……
「たぶん、そこそこあるからだいたいの物は買えると思う」
「あら、ならよかったわ! もってないならちょっと仕事して稼がないとだから」
仕事ってなんだ……
モンスターを倒したり、おつかいしたりとかあるのかな。
浅いファンタジー知識であれこれ考えていると、アレクシアさんはひとつの店を手で示して言った。
「じゃあまず雑貨屋ね。リュックや水筒とポーチとか買わないと。そんな装備でよく旅をしてこれたわね」
旅なんてしてないしな……そう思いながら俺は苦笑いを浮かべた。
店の看板には「バルベの雑貨店」とある。
店先にはネックレスとかブレスレットといった手ごろな値段の商品が並んでいる。
……なんだろう、知らない文字なはずなのに、字が読める。それに、値札を見てこれが安いのか高いのかなんとなくわかる。
何で俺、ここに来たんだろうなぁ……
そんなことを思いながら俺はアレクシアさんに連れられてその店に入った。
村の少し外れに鍛冶屋があってそこで防具などが買えるらしい。
宿屋に部屋をとった俺たちは、荷物を預けて買い物に行くことになった。
俺が持っている金や宝石の価値がわからないから預けるとかできず、俺は全部持ち歩くことになったけど、正直宝石をいっぱい持っているのが落ち着かなかった。
挙動不審に見えないだろうか、と思いつつ俺は辺りを見回した。
いっぽう、アレクシアさんはだいぶ軽装だった。
背負っていたリュックはなく、変わりに小さなナップサックを背負っている。
「とりあえず、革の鎧は雑貨屋で買えるから短剣を鍛冶屋で手に入れましょう。ユーキは弓矢、扱える?」
「え、あ、弓?」
そうか、弓矢があるのか。ファンタジー世界だもんな、弓矢、普通にあるよな。
高校生の時、一年だけ弓道をやっていた。かっこいい、って思ったからだ。
でもあんまり上達しなくて辞めちゃったんだよなぁ……
「えーと、ちょっとだけなら……」
でも和弓とはかってが違うよなぁ……
俺の頭の中に、とある有名ゲームの主人公がもつ弓矢の図が浮かぶ。
和弓にくらべて小さいイメージだし、撃ち方も違ったような気がする。
俺の答えにアレクシアの目が輝いたような気がした。
「え、ほんと? 本当なの? 弓矢使えるの?」
「あ、う、うん。少しだけしてたことあって……でもあんまりうまくないけど」
「それって練習していたことがあるって事よね? なら私が教えるから、弓矢を買いましょう!」
すごく高いテンションで言い、アレクシアは歩き始めた。
どうやら俺が弓矢使えるのが嬉しい……のか?
そういえば、エルフって弓矢使うイメージがある。
でもアレクシアさんの装備に弓矢は見当たらない。
腰にぶら下げている短剣だけだ。
背中に背負っていたリュックはなく、そのかわりにナップサックを背負っている。
でも鎧や武器は持ったままってことは、やっぱなんか危険があるのかな。
漫画なんかだと、武器持ったまま、町をうろつくもんな……
「ねえ、ユーキはお金は持ってるの?」
「え? あ、うん」
内心ビクビクしながら俺は頷く。
このカバンの中の金が、どれ位の価値かわかんないけどけっこう価値があるかもしれないもんなあ……
「たぶん、そこそこあるからだいたいの物は買えると思う」
「あら、ならよかったわ! もってないならちょっと仕事して稼がないとだから」
仕事ってなんだ……
モンスターを倒したり、おつかいしたりとかあるのかな。
浅いファンタジー知識であれこれ考えていると、アレクシアさんはひとつの店を手で示して言った。
「じゃあまず雑貨屋ね。リュックや水筒とポーチとか買わないと。そんな装備でよく旅をしてこれたわね」
旅なんてしてないしな……そう思いながら俺は苦笑いを浮かべた。
店の看板には「バルベの雑貨店」とある。
店先にはネックレスとかブレスレットといった手ごろな値段の商品が並んでいる。
……なんだろう、知らない文字なはずなのに、字が読める。それに、値札を見てこれが安いのか高いのかなんとなくわかる。
何で俺、ここに来たんだろうなぁ……
そんなことを思いながら俺はアレクシアさんに連れられてその店に入った。
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