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2 必要なもの
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必要なものって言われたってわかるはずもなく、服位しか思いつかなくて。
輿入れにしては荷物が少ないんじゃなかろうか?
明後日出発するとなった日。
侍女のメロディが、床に座り込み私の荷造りをしながら言った。
「荷物、少ないですね」
「だって、持っていきたいものないし」
そう答え、私もメロディを手伝い準備を進める。
そもそも私は庶民育ち。
王族が結婚するとき何を持っていくかなんてわかるわけがない。
服は色々と買い与えられたけど、そんなに持っていく気持ちはなくって、トランク二つで済んでしまった。
それに宝飾品と、本位かな。持っていくものは。
「ねえ、メロディ」
「何でございましょう?」
「ノエル大公ってどんな人かわかる?」
私の問いかけに、メロディは首を傾げた。
「ラローシェ公国と我が国はずっと戦争をしておりますからねえ。大公の詳細は正直何も。ただ」
と言い、メロディは私の方を見て神妙な顔をして言った。
「ただ、何よ?」
「ラローシェ公国の民は獣の血を引くと言われています。なので獣人がいて、彼らはとても力が強くて、だから我が国はラローシェに勝つことができなかったと聞いています」
獣人……かあ。
そういえば、講義で聞いたっけ。
この大陸に住んでいるのは人間だけじゃないって。
でもここ、リュシエル王国には人間以外いないので、獣人がどんなものなのか想像できなかった。
「ラローシェ公国も、王国と同じように先代が数年前に亡くなられたんだっけ?」
「はい。時期が合いすぎて陰謀ではないか? って話もありましたけど……互いに代替わりしたから和平交渉に入ることになったらしいですよ?」
前国王……もとい、私の父にあたる人が亡くなったのは二年ほど前。
ラローシェ公国の大公も同じくらいに亡くなられたんだよね。
六十過ぎたら長生きだっていうけど、前国王はたしかまだ五十前だったような?
亡くなった年齢がちょっと若いから、陰謀めいたものは確かに感じるけど……二年ちょっと前って国内外で病気が流行ってそのくらいの世代の人、けっこう亡くなってるんだよね。
私のお母さんも流行病で死んじゃったし。レストランのおかみさんも、隣のおじさんも。
まあ、良くも悪くも、王国も公国も代替わりしたおかげで和平交渉できるようになったのはいいことだと思う。
戦争が始まって五十年。
互いに疲弊するだけでなんにも変わんないんだもん。
ラローシェ公国の土地を王国が支配していたけれど、ラローシェは独立を宣言。
ラローシェは国内で採れる鉱石を武器に、周辺国に独立を認めさせたけど、王国は認めなくって戦争になったらしい。
なんで仲良くできないんだろ? って思うけれど、私に難しいことはわからないしな……
でも、平和になって、私と大公が結婚することで世の中安定するならその方がずっといい。
……ちょっと怖いけど。
知らない人と結婚かあ。
王宮に連れてこられて、そう言う話が出てくることは覚悟していたけど……
私、十八歳だもんね。
二十歳前後で結婚するのが当たり前だから……普通なんだけど、実感はない。
「ミレイユ様」
「何?」
「ラローシェ公国からひとりだけ侍女を伴うことが許されていて、私がお供することになりました」
言いながら、メロディは準備の手を止めて私の方にずい、と近づいてくる。
そして私の両手を掴み、真面目な顔をして言った。
「私が、ミレイユ様をお守りします」
そう言った彼女の手はちょっと震えていた。
よかった。
私、ひとりじゃないんだ。
王宮に来て私はずっとひとりだった。
兄のギュスターヴとまともに会話をしたことは殆どない。
勉強を教えてくれた講師たちと、メロディを始めとする侍女たちとしか話をした事がない。
二年間、私はこの王宮に閉じ込められてきた。
でも、その生活はもうすぐ終わるんだよね。
明後日、私はラローシェ公国に旅立つ。
汽車と馬車を乗り継ぎ一日がかり、らしい。
戦争やっていたから汽車はラローシェ公国の国境まで伸びてないもんね。
朝に首都を出発して、あちらに着くのは夜だとか。
私はメロディの手を握り返し、微笑んで言った。
「よかった。貴方が一緒で。ひとりじゃあ不安だもん」
「ミレイユ様、王宮から出たことないですもんね……初めて出る先が外国でしかも結婚のためだなんて……」
言いながら、メロディは複雑な顔をする。
結婚するのって幸せで嬉しいことだと思うんだけど、まあ、私の場合そうとも言い切れないもんなあ……
和平の証、と言えば聞こえはいいけど。
人質みたいなものよね。
私が公国にいればギュスターヴ王というか、王国は手を出しにくくなる……かなあ。
私と王は、半分血が繋がってるとはいえ全然仲良くないしな……
「本来なら、もっと条件のいい方と結婚できるでしょうに……よりによって敵国の大公と結婚だなんて……」
敵は言いすぎな気がするけれど……つい最近まで戦争やってたからしょうがないか。
私は苦笑して、
「大丈夫よ。私は外に出られて嬉しいし、ひとりぼっちになって途方に暮れて娼婦にでもなろうかって思っていた時に比べたらよほどいいかな。敵だったけど、もう敵じゃないんだから」
娼婦は言い過ぎかもしれないけど、それくらい途方に暮れていた。
周りでもたくさんの人が死んで、暗い雰囲気で。
王様も死んじゃって。
あぁでも、新しい王様が即位するってなった時、いっきに雰囲気変わったっけ。
それまでの暗い雰囲気を吹っ飛ばすかのようにお祭り騒ぎで、ちょうど流行病もおさまって来たのも重なって。
そして、国王は一年かけて国中を周ったらしい。
国民に寄り添う姿が国民にウけて人気急上昇だとか。
だから今回和平交渉できたのかも?
ラローシェとの和平に反対する声もあるらしいけれど、国王人気のお陰でその声は抑え込まれて国民には歓迎されているとか。
若き国王の英断、だとか新聞は書きたてている、らしい。
「もう敵ではない……確かにそうですけど、心配です」
メロディの目に涙が浮かぶ。
そんな泣くようなことじゃないと思うけど。
でも、私の事心配してくれる人がいるっていうのがちょっと嬉しかった。
私は微笑んで、
「ありがとう、メロディ。私ちゃんと、幸せになるから」
と言い、彼女を抱きしめた。
輿入れにしては荷物が少ないんじゃなかろうか?
明後日出発するとなった日。
侍女のメロディが、床に座り込み私の荷造りをしながら言った。
「荷物、少ないですね」
「だって、持っていきたいものないし」
そう答え、私もメロディを手伝い準備を進める。
そもそも私は庶民育ち。
王族が結婚するとき何を持っていくかなんてわかるわけがない。
服は色々と買い与えられたけど、そんなに持っていく気持ちはなくって、トランク二つで済んでしまった。
それに宝飾品と、本位かな。持っていくものは。
「ねえ、メロディ」
「何でございましょう?」
「ノエル大公ってどんな人かわかる?」
私の問いかけに、メロディは首を傾げた。
「ラローシェ公国と我が国はずっと戦争をしておりますからねえ。大公の詳細は正直何も。ただ」
と言い、メロディは私の方を見て神妙な顔をして言った。
「ただ、何よ?」
「ラローシェ公国の民は獣の血を引くと言われています。なので獣人がいて、彼らはとても力が強くて、だから我が国はラローシェに勝つことができなかったと聞いています」
獣人……かあ。
そういえば、講義で聞いたっけ。
この大陸に住んでいるのは人間だけじゃないって。
でもここ、リュシエル王国には人間以外いないので、獣人がどんなものなのか想像できなかった。
「ラローシェ公国も、王国と同じように先代が数年前に亡くなられたんだっけ?」
「はい。時期が合いすぎて陰謀ではないか? って話もありましたけど……互いに代替わりしたから和平交渉に入ることになったらしいですよ?」
前国王……もとい、私の父にあたる人が亡くなったのは二年ほど前。
ラローシェ公国の大公も同じくらいに亡くなられたんだよね。
六十過ぎたら長生きだっていうけど、前国王はたしかまだ五十前だったような?
亡くなった年齢がちょっと若いから、陰謀めいたものは確かに感じるけど……二年ちょっと前って国内外で病気が流行ってそのくらいの世代の人、けっこう亡くなってるんだよね。
私のお母さんも流行病で死んじゃったし。レストランのおかみさんも、隣のおじさんも。
まあ、良くも悪くも、王国も公国も代替わりしたおかげで和平交渉できるようになったのはいいことだと思う。
戦争が始まって五十年。
互いに疲弊するだけでなんにも変わんないんだもん。
ラローシェ公国の土地を王国が支配していたけれど、ラローシェは独立を宣言。
ラローシェは国内で採れる鉱石を武器に、周辺国に独立を認めさせたけど、王国は認めなくって戦争になったらしい。
なんで仲良くできないんだろ? って思うけれど、私に難しいことはわからないしな……
でも、平和になって、私と大公が結婚することで世の中安定するならその方がずっといい。
……ちょっと怖いけど。
知らない人と結婚かあ。
王宮に連れてこられて、そう言う話が出てくることは覚悟していたけど……
私、十八歳だもんね。
二十歳前後で結婚するのが当たり前だから……普通なんだけど、実感はない。
「ミレイユ様」
「何?」
「ラローシェ公国からひとりだけ侍女を伴うことが許されていて、私がお供することになりました」
言いながら、メロディは準備の手を止めて私の方にずい、と近づいてくる。
そして私の両手を掴み、真面目な顔をして言った。
「私が、ミレイユ様をお守りします」
そう言った彼女の手はちょっと震えていた。
よかった。
私、ひとりじゃないんだ。
王宮に来て私はずっとひとりだった。
兄のギュスターヴとまともに会話をしたことは殆どない。
勉強を教えてくれた講師たちと、メロディを始めとする侍女たちとしか話をした事がない。
二年間、私はこの王宮に閉じ込められてきた。
でも、その生活はもうすぐ終わるんだよね。
明後日、私はラローシェ公国に旅立つ。
汽車と馬車を乗り継ぎ一日がかり、らしい。
戦争やっていたから汽車はラローシェ公国の国境まで伸びてないもんね。
朝に首都を出発して、あちらに着くのは夜だとか。
私はメロディの手を握り返し、微笑んで言った。
「よかった。貴方が一緒で。ひとりじゃあ不安だもん」
「ミレイユ様、王宮から出たことないですもんね……初めて出る先が外国でしかも結婚のためだなんて……」
言いながら、メロディは複雑な顔をする。
結婚するのって幸せで嬉しいことだと思うんだけど、まあ、私の場合そうとも言い切れないもんなあ……
和平の証、と言えば聞こえはいいけど。
人質みたいなものよね。
私が公国にいればギュスターヴ王というか、王国は手を出しにくくなる……かなあ。
私と王は、半分血が繋がってるとはいえ全然仲良くないしな……
「本来なら、もっと条件のいい方と結婚できるでしょうに……よりによって敵国の大公と結婚だなんて……」
敵は言いすぎな気がするけれど……つい最近まで戦争やってたからしょうがないか。
私は苦笑して、
「大丈夫よ。私は外に出られて嬉しいし、ひとりぼっちになって途方に暮れて娼婦にでもなろうかって思っていた時に比べたらよほどいいかな。敵だったけど、もう敵じゃないんだから」
娼婦は言い過ぎかもしれないけど、それくらい途方に暮れていた。
周りでもたくさんの人が死んで、暗い雰囲気で。
王様も死んじゃって。
あぁでも、新しい王様が即位するってなった時、いっきに雰囲気変わったっけ。
それまでの暗い雰囲気を吹っ飛ばすかのようにお祭り騒ぎで、ちょうど流行病もおさまって来たのも重なって。
そして、国王は一年かけて国中を周ったらしい。
国民に寄り添う姿が国民にウけて人気急上昇だとか。
だから今回和平交渉できたのかも?
ラローシェとの和平に反対する声もあるらしいけれど、国王人気のお陰でその声は抑え込まれて国民には歓迎されているとか。
若き国王の英断、だとか新聞は書きたてている、らしい。
「もう敵ではない……確かにそうですけど、心配です」
メロディの目に涙が浮かぶ。
そんな泣くようなことじゃないと思うけど。
でも、私の事心配してくれる人がいるっていうのがちょっと嬉しかった。
私は微笑んで、
「ありがとう、メロディ。私ちゃんと、幸せになるから」
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