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ゆきお君事件
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うちのクラスでも一年生の頃から同じクラスだったゆきお君がそんなヒキョーなウンコマンのひとりだった。
彼はゆうすけ君事件のウンココールのときも率先して叫んだし、それにぼく以上の「ウンコマンはっけんごっこ」の名人だった。昼休みクラスの誰も気づかないうちに「ウンコマン」を発見したことを得意そうに5限目の始業時にクラスの子たちに報告してまわっていた。
そんなゆきお君は算数の授業中、突然立ち上がり「先生、おしっこ」と堂々と手を上げて言った。「行ってらっしゃい」と先生も何気なく答えた。そして彼は教室を出て行った。
授業中おしっこに行くというのも珍しくないので、そのときはクラスの男子たちも、「あーっ、休み時間にトイレに行かなかったから今頃ションベンしたくなったんだな」程度のノリであまり気にしている様子は見えなかった。
でも、ぼくはチェックを怠らなかった。廊下から聞こえてきた足音はどこか普通でなく急いでいて誰もいない廊下に響くのが聞こえた。ぼくはもしやと思って授業そっちのけで足音に耳をすました。
そして、教室のすぐ近くの西側の「男子児童便所」あたりで止まったかと思うと、バタンと乱暴に個室のドアを閉める音が聞こえた。
その音はいくら乱暴に閉めても、距離の関係で入口近くのこの席ぐらいしか聞こえそうもない小さな音だったのでクラスの子たちに聞こえた様子はなかったけど、ぼくの耳にはウンコマンになったというそのときの彼の一番隠したい秘密がバレバレだった。ゆきお君が個室の中でおしりを出してしゃがんでいる光景が想像できるようだった。ふだん他の子をウンコマンとからかっているアイツも結局ウンコマンになったんだ。ヒキョーなヤツだなと思うとぼくはおかしくて仕方がなかった。
でも、ぼく以外のクラスの子たちが、ゆきお君がウンコマンになったことをに気づき始めたのはかなり後のことだった。西側の「男子児童便所」に行ったはずなのに戻って来なかった。授業中にかかわらず次第に教室はざわざわしだしたんだ。
「ゆきお君、もどってこないよ、心配ね」と気遣って女子の一人が言うと。
「ゆきお、アイツ、きっとうんこしているんだろう」男子の一人があけすけに言った。ぼくはそんなクラスの勝手なおしゃべりの中でこっそり西側の「男子児童便所」の方に耳をすました。するとようやく長いうんちが終わってゆきお君が水を流しドアをあけてウンコマンになって教室に戻ってくる一部始終が聞こえた。だんだんゆきお君の足音が大きくなって彼が4年2組に近づいてきているのがぼくにもわかった。音が大きくなるたびにぼくの胸のドキドキはより強くなっていった。
この教室の騒ぎの中で先生もとうとう「こら、静かにしなさい!」と先生は叫んだ。「先生も心配だから見てきます、皆さんは自習していてください」と言って先生が教室を出ようとしていた。その時、後ろの戸が開いてゆきお君が戻ってきた。
ぼくは思わず先生のところに向かうウンコマンになったゆきお君の全身を見回した。特に気になったのが彼の黒い半ズボンのおしりの部分だった。ついさっきこのおしりの割れ目からうんちが出ていたのか。そう思うとぼくはコーフンしてちんちんが少し固くなった。彼もぼくのそんな視線に気づいたのかぼくから目をそらして伏せた。そしてぼくの脇を通るときうんちのニオイがした
彼はぼくの脇を通ってそっと先生のところにきて「先生戻ってきました」と報告した。「ゆきお君、こんなに長くどこに行っていたの」と先生が聞くと「おしっこ」と一言つぶやいて席に戻った。
先生はそれ以上なにも聞かなかったが、彼がウソをついていることは、もうぼくだけでなくクラスの子たちにも公然の秘密だった。隣同士顔を見合わせて笑っている子もけっこういた。それはただ時間が長かっただけでなく、ゆきお君から漂ってくるうんちの臭いのにおいに気づいたクラスの子がけっこういたようだった。
家は汲み取り式のトイレだったから、三日分のうんちの量が特に多くて時間がかかっていたときや入っていたときや便槽にたまってきたとき服に匂いがつくのは当たり前だったけど、学校のような水洗トイレでも服ににおいがつくことがあることをそのときぼくは初めて知った。
実際、そのすぐ後の休み時間に「男子児童便所」におしっこに行くと、個室のそばでゆきお君はクラスの男子に取り囲まれてさっそく「くせー、ここで授業中ゆきおがクソしていたのか」と追及されていた。
実際よほどゆきお君はその個室で大量のうんちをしたらしく。とても臭くてついたばかりのヨゴレも残っていて、便器を取り囲んでそれだけを見学している子も何人かいた。
ゆきお君は「おしっこだよ!」と必死に反論したけど「ずいぶん長かったし、それに教室に入ってきたときウンコのにおいがしたぜ」と言われてゆきお君は返す言葉もなかった。しまいにはゆきお君は泣きそうな顔で「あのときはおしっこだけのつもりだったんだよ、でも便所に行ったらしたくなって・・・」と必死に言い訳にならない言い訳をした。
でも結局今度は彼が「ウンコマン」になる番になってしまった。そして彼は三週間ずっと「ウンコマン」だった。
彼はゆうすけ君事件のウンココールのときも率先して叫んだし、それにぼく以上の「ウンコマンはっけんごっこ」の名人だった。昼休みクラスの誰も気づかないうちに「ウンコマン」を発見したことを得意そうに5限目の始業時にクラスの子たちに報告してまわっていた。
そんなゆきお君は算数の授業中、突然立ち上がり「先生、おしっこ」と堂々と手を上げて言った。「行ってらっしゃい」と先生も何気なく答えた。そして彼は教室を出て行った。
授業中おしっこに行くというのも珍しくないので、そのときはクラスの男子たちも、「あーっ、休み時間にトイレに行かなかったから今頃ションベンしたくなったんだな」程度のノリであまり気にしている様子は見えなかった。
でも、ぼくはチェックを怠らなかった。廊下から聞こえてきた足音はどこか普通でなく急いでいて誰もいない廊下に響くのが聞こえた。ぼくはもしやと思って授業そっちのけで足音に耳をすました。
そして、教室のすぐ近くの西側の「男子児童便所」あたりで止まったかと思うと、バタンと乱暴に個室のドアを閉める音が聞こえた。
その音はいくら乱暴に閉めても、距離の関係で入口近くのこの席ぐらいしか聞こえそうもない小さな音だったのでクラスの子たちに聞こえた様子はなかったけど、ぼくの耳にはウンコマンになったというそのときの彼の一番隠したい秘密がバレバレだった。ゆきお君が個室の中でおしりを出してしゃがんでいる光景が想像できるようだった。ふだん他の子をウンコマンとからかっているアイツも結局ウンコマンになったんだ。ヒキョーなヤツだなと思うとぼくはおかしくて仕方がなかった。
でも、ぼく以外のクラスの子たちが、ゆきお君がウンコマンになったことをに気づき始めたのはかなり後のことだった。西側の「男子児童便所」に行ったはずなのに戻って来なかった。授業中にかかわらず次第に教室はざわざわしだしたんだ。
「ゆきお君、もどってこないよ、心配ね」と気遣って女子の一人が言うと。
「ゆきお、アイツ、きっとうんこしているんだろう」男子の一人があけすけに言った。ぼくはそんなクラスの勝手なおしゃべりの中でこっそり西側の「男子児童便所」の方に耳をすました。するとようやく長いうんちが終わってゆきお君が水を流しドアをあけてウンコマンになって教室に戻ってくる一部始終が聞こえた。だんだんゆきお君の足音が大きくなって彼が4年2組に近づいてきているのがぼくにもわかった。音が大きくなるたびにぼくの胸のドキドキはより強くなっていった。
この教室の騒ぎの中で先生もとうとう「こら、静かにしなさい!」と先生は叫んだ。「先生も心配だから見てきます、皆さんは自習していてください」と言って先生が教室を出ようとしていた。その時、後ろの戸が開いてゆきお君が戻ってきた。
ぼくは思わず先生のところに向かうウンコマンになったゆきお君の全身を見回した。特に気になったのが彼の黒い半ズボンのおしりの部分だった。ついさっきこのおしりの割れ目からうんちが出ていたのか。そう思うとぼくはコーフンしてちんちんが少し固くなった。彼もぼくのそんな視線に気づいたのかぼくから目をそらして伏せた。そしてぼくの脇を通るときうんちのニオイがした
彼はぼくの脇を通ってそっと先生のところにきて「先生戻ってきました」と報告した。「ゆきお君、こんなに長くどこに行っていたの」と先生が聞くと「おしっこ」と一言つぶやいて席に戻った。
先生はそれ以上なにも聞かなかったが、彼がウソをついていることは、もうぼくだけでなくクラスの子たちにも公然の秘密だった。隣同士顔を見合わせて笑っている子もけっこういた。それはただ時間が長かっただけでなく、ゆきお君から漂ってくるうんちの臭いのにおいに気づいたクラスの子がけっこういたようだった。
家は汲み取り式のトイレだったから、三日分のうんちの量が特に多くて時間がかかっていたときや入っていたときや便槽にたまってきたとき服に匂いがつくのは当たり前だったけど、学校のような水洗トイレでも服ににおいがつくことがあることをそのときぼくは初めて知った。
実際、そのすぐ後の休み時間に「男子児童便所」におしっこに行くと、個室のそばでゆきお君はクラスの男子に取り囲まれてさっそく「くせー、ここで授業中ゆきおがクソしていたのか」と追及されていた。
実際よほどゆきお君はその個室で大量のうんちをしたらしく。とても臭くてついたばかりのヨゴレも残っていて、便器を取り囲んでそれだけを見学している子も何人かいた。
ゆきお君は「おしっこだよ!」と必死に反論したけど「ずいぶん長かったし、それに教室に入ってきたときウンコのにおいがしたぜ」と言われてゆきお君は返す言葉もなかった。しまいにはゆきお君は泣きそうな顔で「あのときはおしっこだけのつもりだったんだよ、でも便所に行ったらしたくなって・・・」と必死に言い訳にならない言い訳をした。
でも結局今度は彼が「ウンコマン」になる番になってしまった。そして彼は三週間ずっと「ウンコマン」だった。
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