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第25話 お便所のきまり
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ぼくは、うしろのオンナベンジョにいる先生が早く出てくれないとうんこできなかったけど、おしりの口の中もパンパンでおなかも痛くなっていた。
もう立っていられなくなって仕方なく、ぼくは足元の白い便器をまたぐと、見ていた便器の底の水のたまった部分におしりの口が吸い寄せられるように腰を下ろししゃがんだ。
それは、下は運動靴とくつ下以外は何もつけてないうんこしているそのものの姿だったけど、立っているよりは、しゃがむほうがガマンできそうな気がしたし、修学旅行のバスの中で車酔いして吐きそうになった時、出せるのがバスの窓しかなかったのにくらべれば、いつでもすぐ近くのそこに向かっておしりの口を開くことができる思うと気が楽だった。
便器にしゃがむと天井がすごく高く見えてぼく自身が1年生になったような気がした。
そして、ぼくは後ろのオンナベンジョの先生もこうしてしゃがんでいるんだろうとふと思って後ろを振り向いた。そうしたら、ぼくの丸出しになったおしりと運動靴のかかとの他に敷き詰められたタイルの奥の壁の下の隙間から影のようなものが一瞬見えた。しかし、それはすぐに消えたからその時は気にはとめなかった。
ぼくはあらためて正面を向くとぼくの目の前には真鍮でできたトイレットペーパーのホルダーと保健の先生がガリ版で作った「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」が貼ってあった。トイレットペーパーは切った後があって今日も誰か使った手で切ったあとがあった。
「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」は1年生の時から保健の先生が全校朝礼の時間に口で説明していたのは何度も聞いていたけど、4年生のおなかをこわしたときは本当にあわてていたので、こうして貼ってあるのをまとめてきちんと読むのは小学生最後の学校でのうんこになるはずの今がはじめてだった。
ただ、ここは1年生が使うための児童便所なので1年生の目の高さに貼られていて、六年生のぼくに読みにくかった。
でも、いつまでも出ないうしろのオンナベンジョの先生に対して、ぼくは少しでもうんこのことから気をそらそうと何度も読んだ。それには1年生でも読めるように全部ひらがなでびっしりとこう書かれてあった。
あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり
・このおべんじょはあなみしょうみんなのおべんじょです、よごさないできれいにつかいましょう。・できるだけ、あさごはんをたべてからがっこうにいくあいだにいえでうんこしましょう。
・がっこうではやすみじかんのあいだにがくねんできめられたおべんじょをつかいましょう。
・じゅぎょうちゅうにいくときはせんせいにことわっていきましょう。
・つかうときはこのかみがはってあるほうにむいて、できるだけまえにあしをおいてしゃがみましょう。
・うんこやおしっこがおわったらトイレットペーパーをちぎってふきましょう。
・トイレットペーパーをつかいすぎないようにちゅういしましょう。
・おわったらかならずみずをながしましょう。
・よごしてどうにもならないときはほけんのせんせいにおしえてね。
・おべんじょをでるときはかならずせっけんでてをあらいましょう
この中で「このおべんじょはあなみしょうみんなのおべんじょです、よごさないできれいにつかいましょう」だけはすごく良くおぼえていた。
これに加えてしゃがむときの足の位置を示した便器とズボンを膝まで下ろしおしりを丸出しにしてしゃがんでいる男の子のけっしてうまいとは言えないイラストが入っていた。つとくんやぼくがのぞいた1年生の子たちが、この男の子やぼく自身と同じようにおしりを丸出しにして「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」を読んでいたと思うと、すごくエッチだった。
でも、これを読んでいる間にうんこをする姿勢になったせいか何度も三日間おなかの中にかたいものがぼくのおしりの口を開こうと迫ってきた。しかも、その間隔はだんだん短くなってきた。
しかたなくガス抜きでぼくはミを出さないようそっとおならをして、うんこをおしりののどの奥に飲み込んだけど、そのおならのうちの何回はぷすーと恥ずかしい音がしてしまった。相変わらず、後ろの先生はおしっこやうんこどころかおならもせず、まるで息を殺しているかのようにきばる声さえ聞こえなかった。たぶん、おならの音も先生にはうしろの聞こえていたはずだった。
でもそれさえも限界がきておしりの口がひくひくするようになってきた「早くして、早く出て先生、そうじゃないともう出てしまうから」ぼくはそのとき心の中で何度もつぶやいた。
(続く)
もう立っていられなくなって仕方なく、ぼくは足元の白い便器をまたぐと、見ていた便器の底の水のたまった部分におしりの口が吸い寄せられるように腰を下ろししゃがんだ。
それは、下は運動靴とくつ下以外は何もつけてないうんこしているそのものの姿だったけど、立っているよりは、しゃがむほうがガマンできそうな気がしたし、修学旅行のバスの中で車酔いして吐きそうになった時、出せるのがバスの窓しかなかったのにくらべれば、いつでもすぐ近くのそこに向かっておしりの口を開くことができる思うと気が楽だった。
便器にしゃがむと天井がすごく高く見えてぼく自身が1年生になったような気がした。
そして、ぼくは後ろのオンナベンジョの先生もこうしてしゃがんでいるんだろうとふと思って後ろを振り向いた。そうしたら、ぼくの丸出しになったおしりと運動靴のかかとの他に敷き詰められたタイルの奥の壁の下の隙間から影のようなものが一瞬見えた。しかし、それはすぐに消えたからその時は気にはとめなかった。
ぼくはあらためて正面を向くとぼくの目の前には真鍮でできたトイレットペーパーのホルダーと保健の先生がガリ版で作った「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」が貼ってあった。トイレットペーパーは切った後があって今日も誰か使った手で切ったあとがあった。
「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」は1年生の時から保健の先生が全校朝礼の時間に口で説明していたのは何度も聞いていたけど、4年生のおなかをこわしたときは本当にあわてていたので、こうして貼ってあるのをまとめてきちんと読むのは小学生最後の学校でのうんこになるはずの今がはじめてだった。
ただ、ここは1年生が使うための児童便所なので1年生の目の高さに貼られていて、六年生のぼくに読みにくかった。
でも、いつまでも出ないうしろのオンナベンジョの先生に対して、ぼくは少しでもうんこのことから気をそらそうと何度も読んだ。それには1年生でも読めるように全部ひらがなでびっしりとこう書かれてあった。
あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり
・このおべんじょはあなみしょうみんなのおべんじょです、よごさないできれいにつかいましょう。・できるだけ、あさごはんをたべてからがっこうにいくあいだにいえでうんこしましょう。
・がっこうではやすみじかんのあいだにがくねんできめられたおべんじょをつかいましょう。
・じゅぎょうちゅうにいくときはせんせいにことわっていきましょう。
・つかうときはこのかみがはってあるほうにむいて、できるだけまえにあしをおいてしゃがみましょう。
・うんこやおしっこがおわったらトイレットペーパーをちぎってふきましょう。
・トイレットペーパーをつかいすぎないようにちゅういしましょう。
・おわったらかならずみずをながしましょう。
・よごしてどうにもならないときはほけんのせんせいにおしえてね。
・おべんじょをでるときはかならずせっけんでてをあらいましょう
この中で「このおべんじょはあなみしょうみんなのおべんじょです、よごさないできれいにつかいましょう」だけはすごく良くおぼえていた。
これに加えてしゃがむときの足の位置を示した便器とズボンを膝まで下ろしおしりを丸出しにしてしゃがんでいる男の子のけっしてうまいとは言えないイラストが入っていた。つとくんやぼくがのぞいた1年生の子たちが、この男の子やぼく自身と同じようにおしりを丸出しにして「あなみしょうがっこうのおべんじょのつかいかたのきまり」を読んでいたと思うと、すごくエッチだった。
でも、これを読んでいる間にうんこをする姿勢になったせいか何度も三日間おなかの中にかたいものがぼくのおしりの口を開こうと迫ってきた。しかも、その間隔はだんだん短くなってきた。
しかたなくガス抜きでぼくはミを出さないようそっとおならをして、うんこをおしりののどの奥に飲み込んだけど、そのおならのうちの何回はぷすーと恥ずかしい音がしてしまった。相変わらず、後ろの先生はおしっこやうんこどころかおならもせず、まるで息を殺しているかのようにきばる声さえ聞こえなかった。たぶん、おならの音も先生にはうしろの聞こえていたはずだった。
でもそれさえも限界がきておしりの口がひくひくするようになってきた「早くして、早く出て先生、そうじゃないともう出てしまうから」ぼくはそのとき心の中で何度もつぶやいた。
(続く)
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