短パンうんこ

理科準備室

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体育の時間の草取り

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2限の終わりのチャイムが鳴った。ぼくの長かった算すうの授業がやっと終わった。
「きりつ、れい、次の体育の時間はグラウンドの草とりをします、4年3組のみなさんは休み時間の間に体そう着に着がえてグラウンドの体育かん前出口に集合してください」
 先生のそれを聞いたぼくはほっとして立ち上がり、そして礼をした。本当は、ぼくは前の算すうの時間の終わり20分くらいの前のドリルを解いているときからうんこがしたくなっていた。おなかまで痛くなっていて、家までどころか昼休みまでガマンできそうもなかった。おかしいな、ぼくはまい朝学校に行く前に必ずうんこするし、今日の朝もしてきたはずなのに。
 でも休み時間は10分しかなくて、次は体育だから、その間に体そう着に着がえるから、どちらかというと便じょが長くて朝の学校にいく時間までぎりぎりがんばるぼくは、着がえた後の残りの短い時間中におしっこするのがせいぜいで、おなかのものを全ぶ出せる自信がなかった。
 でも、それより問題なのは休み時間だから便じょに他の子がまだいるかもしれなかった。その子たちが見ている前でしゃがむ方に入ったら、ぼくはヒーロー、じゃなくて「うんこもらし」と呼ばれるのは確じつだった。本とうにもらしたんじゃなくても、きちんと便じょでしても、そこが学校ならば「うんこもらし」なんだ。しかもうんこ中に上や下からのぞかれて、冷やかされるのは確実だった。
 だから、ぼくは周りの子たちと同じように、そのままここできがえるしかなかった。ここ厚葉あつは小は女子は体育用ぐ室で着がえることになっていたけど、ぼくたち男子は教室で着がえた。上ぎをぬいで机の上に置くと、ぼくはそのままズボンを下ろして、下がパンツだけの格好になった。ぼくの学校ははだし教育をやっていたので運動ぐつをはいていなくてズボンをぬぐのは楽だった。
 でも、こんなふうに学校で下がパンツだけのすがたになるのは、体そう着や水着にきがえるときと、あと便じょでうんこするときだった。ぼくは、家でうんこするときは便じょの前でズボンをぬいで入るけど、体操ぎにきかえている今もそれだった。この後、パンツを下ろしてしゃがめばいつものうんこするときのまったく同じだ、それですぐにラクになれるんだとおしりの穴までせまってきていたうんこはぼくにささやいた。
 でも、ここは便じょじゃなくて4年3組の教室だ・・・パンツを下ろさなくてもこの格好で便じょまでろう下を歩いていくわけにもいかなかった、ぼくはあわてて短パンをはいた。
 それでも次の時間が体育で、しかもグランドの草取りだったのは、もう夏休みが近づいていて外の日ざしもきつかったけど、うんこがしたくなっているぼくにとって本当に不幸中の幸いだった。同じ授業中でも国語とか算数とかの教室のふつうの授業に比べたら、競ぎで盛り上がっている体育の方がこっそりぬけ出せそうだった。
 でも授業の内容が鉄ぼうとかとび箱とか短きょり競争だったりしたら、おなかに来るしょうげきでとてもがまんできそうもなかった、3年生のころ、とび箱で飛んでる最中に短パンからボトっとおだんごみたいなうんこが落ちてきて本当に「うんこもらし」になった子をみたことがあった。その子は着地して立ち上がると短パンのすきまからうんこがボロボロ落ちてきて、その子は立ったまま泣き出したけど、見ていたぼくたちは大ばく笑だった。たぶん今のぼくみたいに授業中ずっとガマンしていたけど、飛んだしょうげきでおしりの穴が開いたのだろう。
 その点、ただの草とりだったら草をとるふりをしていれば、仮に体育の便じょに行くことができなくても、1時間はすごせそうだった。それに同じ授業中にこっそりぬけ出して便じょに行くとしても、ふつうのズボンよりも、体育の短パンの方が楽にうんこできそうな気がした。ベルトで止まっているズボンよりゴムで止まっている短パンの方が簡単に下せるし、そのままでもズボンをはいているよりもいつも下はパンツだけの家でうんこするときの格好にずっと近そうでラクにできそうな気がした。
 そして、ぼくはそでとくびのところに青い線が入っていて厚葉小の校しょうが大きく入った名ふだがぬい付けられた体そう着のシャツを着ると、体操ぼうをかぶってゴムで顔に留めた。体そうぼうは紅白どちらでも使えるものでで、耳のあたりにマジックでぼくの名前が書かれてあった、厚葉小では男女関係なく毎年春の運どう会前にひっくり返して表になった色でそのまま運どう会の紅組・白組にふり分けられるけど、今年は赤だった。体そうぼうが赤なのは女子みたいでふだんからからイヤだったけど、便じょに行くとちゅうに目立ちそうで今は特にイヤだった。
 体そうぼうをかぶるとぼくはみんなといっしょに体育かんに向かった。そして体育かんから直接グランドに出れる出口の近くに並んだ。先生は「これから草とりをはじめます、みんなできるだけグランド中に散らばってください」と言った。といっても、みんなはもう日ざしが照りつけていて暑くなっていたのに。ほとんどの子はグランドだと体育かんの反対側のはしにあるプールとか野球のバックネットとかサッカーのゴールとか日なたの方へかけていった。
 でも、ぼくが行きたかったのは体育かんの便じょだった。でも、そのまま行くといくところがだれかに見つかるかもしれないので。まずはだれにも目につかない「じょうかそう」のあたりにいくことにした。その近くに体育かんの入口があって、体育かんの便じょもすぐそこだった。そこでがまんしていれば、もしかするとうんこも引っこんでいかなくても済むかもしれなかった。
 「じょうかそう」は体育かんと校しゃのわたりろう下のすぐ外にあり、厚葉小の子たちや先生が学校の便じょで流したおしっこやうんこが集まるところだった。ぼくが小学生だったころ厚葉町にはまだ下水道がなくて、水せん便じょがあるのは町で厚葉小だけだった。1年生の入学してすぐに先生から水洗便じょの使い方をおしえてもらったときに、ふつうの家のくみ取り式じょでしたうんこやおしっこはバキュームカーが吸い取って持っていくけど、学校でしたものは水に流してどこに行くのですかと先生に質問したとき、あのグランドのすみの「じょうかそう」で集まり、「びせいぶつ」いう目に見えない小さな生き物の力を借りてにおいを消したりきれいな水に変えて川に流しますと先生は答えた。
 「じょうかそう」といっても厚葉小のそれは地めんにうめられたレンガで囲まれた一角にたくさんのマンホールやコンクリートのみぞがあるだけで、家の便じょみたいにえんとつみたいなものもなかった。コンクリートのみぞにはそこに足をふみ入れても落ちないようにフタがされていたが、そのフタはあみ目が入っていて中が見れるようになっていた。その「じょうかそう」の場所は特に立ち入りは禁止されてなくて、今回の草取りのはんい内でもあったけど、いつも体育館の日かげになっていてうす暗かったしコンクリート打ちっぱなしの部分が多くあったりするので昼休みでもそこにはいく子はいなかった。
 でもぼくはときどき昼休みにグラウンドに出たついでにだれかのしたうんこが流れていないか気になってその「じょうかそう」の一帯に入り、そのコンクリートのみぞをのぞくことがあった。コンクリートのみぞはいつも水が流れていたけど、うんこが流れているのを見たことはなかった。でも、家のくみ取り式便じょのにおいとはちがう、コンクリートみぞからただよってくるうすめられた清けつな感じのうんこやおしっこのにおいをぼくはすきだった。
 でも、今度はあの体育かんの便じょでしたぼくのうんこがもうじきここを流れるんだ、何気なくコンクリートのみぞの中を見ていたぼくの頭にそんなことがうかんだ。ぼくはバナナくらいかバナナの半分くらいの出したてのうんこがプカプカと流れているのを想像してちょっとはずかしくなった。でも、そのときうんこが出たいのが少し治まってよかった。少なくともこの3限いっぱいは何とかなりそうな気がその時はした。でも、その先は想ぞうもできなかったけど。
 すると声が聞こえたのでそちらの方をふり向くと、5メートルほどはなれた向こうに二人ともぼくと同じ赤い体そうぼうをかぶったみつお君とさちお君がしゃがみこんで草を取っていた。「じょうかそう」付近には草を取っている子はぼくはみつお君とさちお君の三人くらいだった。さちお君はぼくを見つけると「そこにいたんだ!」と声をかけてきたけど、幸いにも二人はそれからは昨日のテレビの話に夢中で、ぼくのことをあまり気にしている様子はなかった。
 ぼくも草を取るふりをしながらその子たちが早くその場から立ち去ってくれないかと思いながら、昨日のテレビの話とともに時々ゆれる二人の丸くてしろい短パンのおしりをちらちら見ていた。体育かんから出たときに比べたらうんこはおさまっていたけど、それももしかするとまた便じょに行きたくなるかもしれない感じがした。もし今度は二人がまだいるのにがまんできなくなったらどうしようか不安だった。
 でも、そんなふうにじぶんのおしりのことがきになっていたぼくは二人のおしりを見ていると、ふたりの短パンの上からふたつのほっぺたの間にある穴のことが気になってしかたがなかった、今日の朝もあそこからうんこが出てきたんだろうな、とか、もしかして二人も本とうはあの丸いおしりの中がぼくみたいにうんこでいっぱいになっているのかな、というエッチなことがつぎつぎとあたまのなかにうかんできてちんちんが少しかたくなった。よく見るとみつお君の白い短パンには土がついていて、それがまるでうんこが付いているみたいでおかしかった
 しかし、テレビの話に気が取られている二人の手のほうは時々動くぐらいだったのが、その二人の手のゆっくりさがだんだんぼくにはがまんできなくなっていた。さっきまでひっこんでいたうんこがまたあの子たちがあそこの草取りを早く終えて行ってくれないと、ぼくはおなかが痛くてしかたがなかった。おまけにおなかもぐじゅぐじゅとという音がして、確じつにやわらかい方の下りだった。
 でもぼくは下りでほっとした。本当は学校はうんこするところではないから、ふつうのうんこをするのはがっこうをよごすことでズルだったけど、下りでおなかがいたいならば保けん室に行って休むこともあるから、学校の便じょでしてもズルじゃないとぼくは少しあんしんした。三年生のときおなかをいたくなって保けん室にいった子がいて、保けん室にいったあとも下りで何か便じょにいったけど、その子はズルじゃなかったのでだれも「うんこもらし」とからかわなかった。だからぼくはあの二人がいなくなったらいくことに決めた。
 それから何分も草取りをしてやっと二人は立ち上がり日なたのプールの方に向かって走り出した。草取りが終わったようだった。その子たちとは逆に体育かんの入口に向かって今でも走り出したしたかったけど、完全に向こう側に消えるのを見守った。その間、何回かぼくは少しでもラクになるようにおしりの穴をゆるめてうんこといっしょにおなかにたまっていたおならを音がしないようにこっそり出した。
 そして、その子たちの姿が見えなくなったのを確認してからぼくは立ち上がった。そのとき、おなかに力が入り、おしりが思わずプッと小さな音をたてたのが聞こえた。ぼくは思わず周りを見回したけど、もうみんな日なたの方に行っていてだれもいなかったので気にしなかった。ぼくは体育かんの入口を目指して走った。本当は授ぎょう中便じょに行くとき先生に言わなければならないきまりだけど、先生はバックネットの近くにいるし、まあいいや。
 ぼくはみんなと同じようにはだしだったので体育かんの入口の足洗い場で足を洗い、そのまま体育かんに上がった。

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