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第六章:繋がりゆく、想いの道

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 軽く処理をした後、和也はベッドの上で白亜を抱きしめたまま、寝転がっていた。
「白亜さんさー、寂しそうにすんなら、まず人の話を最後まで聞けよ」
「和也は家政夫を辞めるって言った……から、全部終わらせたかった、と思って」
「辞めんのは家政夫として、白亜さんから給料貰う事。その後はバイト続けっから、家事は分担しようぜ……って言いたかった」
 こしょこしょと、腕の中の白亜の耳を、指先で擽る。目を細め、もぞもぞと身を捩らせる白亜の仕草を、和也は可愛らしいと思って触れ続けていた。
「んぅっ、分担?」
「そ。間借りしてる同居人になるって事。ただし、オレが白亜さんを大好きだって事に変わりはねーから、二人きりの時は今まで以上にエロい事されんのは覚悟する事」
「それは……どういう……」
 ぽかんと口を開けて、白亜は和也を見つめた。いつからこんな間抜け面までするようになったのだろうかと、和也は苦笑いを浮かべた。
「本で読んだ事ぐれーはあんだろ?同棲するって事だ」
「んんん?あっ、ああーーー!」
 喘ぐ声とは違う、素っ頓狂な叫び声を上げた後、白亜は薄明かりの中でも分かる程、頬を朱に染めた。和也から離れようとしてか、腕の中で激しく暴れようとするが、和也の腕はそれを許さなかった。男性にしては華奢な白亜の身体を、がっしりと抱きしめて、離さない。
「そ、そ……そんな……ハレンチな!」
「あんだけエグいプレイをノリノリでやりまくっといて、どの口が言うかなー?白亜さん」
 むにゅりと白亜の頬を軽く摘んで横に引っ張る。思った以上に柔らかく、よく伸びる頬だ。
「ごめんなひゃ……っ♡ふぅ」
「何に対しての謝罪だ」
「明日から……我もがんばる」
「口調が崩れてっけど、もしかして普段の口調って……白亜さん、無理してた?」
「……う。い、威厳というものを保たねばならぬのだ」
「オレの前じゃ、要らねーよ。他に誰も見てねぇ時は、喋りやすい方でいろ」
 ぅっ、うぅ……と小さく呻き声を出し、和也の腕の中で白亜は身を震わせた。あやすように、震える背中を撫でる。
「はーっ、はい……ぬしさま大好き、です♡」
 少し眠たそうな甘ったるい声。喋りやすいように、には「ぬしさま」呼びも入っていたのか。白亜が気に入ってるなら、呼び方は好きにすれば良い。呼称は、誰が誰だか判別する為に、悪口は無視するとして、それ以外なら呼ばれた時に反応出来るモノであれば何でもいいと和也は考えていた。名前に拘る必要は、あまり無い。
「白亜さん、眠いんなら目え閉じろ。今日はこのまま、寝ちまえよ」
 小さく頷き、和也に緩く抱きつきながら、白亜はまどろみの中に落ちていった。無垢を絵に描いたような白亜の寝顔。その頬に、和也はそっとキスをした。
「お休み、オレの可愛い神様」

 次の日。朝は特に変わった事は無かった。筈なのに……今は、何なんだこの状況。
「お帰りなさい♡ぬしさま」
 和也がバイトから帰ると、待ってましたと言わんばかりに玄関先で白亜が三つ指をついて出迎えた。問題は、服装だ。
 一度目を逸らしてから、二度見でじっくりと白亜が身に纏うものを確認する。はぁ、と、和也の口から盛大なため息が出た。若干の頭痛を感じた。
「ダメだろ白亜さん!そんな格好で玄関先に出て来んな!」
 そんな格好。何か、ピンク色のフリフリした細い紐のようなものと、ニーハイソックス。その上からフリルたっぷりの白いエプロンを身につけている。
「ぬしさま……これ、間違ってます?」
 和也はサッと玄関のドアを閉めて鍵をかけた。キョトンとする白亜の肩を、両手で掴んで、深呼吸。
「どうしてそうなった」
「ぬしさまが昨日の夜、同棲だと言うから。それっぽい着物を引っ張り出して、お帰りの時間までに準備しました♡」
「……あのなぁ。来客がありそうな時間はそれでウロつくな。やんなら配信の時だけにしろ」
 靴を脱ぎ、家の中へ上がった和也は白亜の腕を引き、縁側へと向かった。
「白亜さん、そこで少し待ってろ。動くんじゃねーぞ」
「は……はいぃっ♡」
 色々分かっていない道祖神は、人間に対しての誤解も多いと、和也は薄々勘づいていた。その上で、二階の配信部屋から淫具を選び、風呂敷に包んで持ち、白亜を待たせている縁側へと戻った。
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