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第三章:素顔のままで
⑤
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「食い終わったら行く。シャワーを浴びて、我の部屋で待っておれ」
恥ずかしそうな、遠慮がちな声で、白亜は言った。
生まれて間もないアラミタマがある今なら、搾精で力を回復させ、蓄える事が出来るかも知れない、と。狐や淫魔の類いは、そうやって力を得る事もあるのだと。
シャワーを浴びて和也は、白亜の部屋に初めて入った。着物の吊るされた衣紋掛けが二つ、文机に箪笥、敷かれたままの年季の入った寝具。窓辺には障子があり、一階のこの部屋は昼間でも薄暗い。
和也は白亜から搾精と言われた時点で、何をするのか分かっただけに、待っている時間は少しだけ気まずかった。
スゥ、と、入り口の襖が開いて、閉まった。少年の姿の白亜が目の前で、稚児装束を脱いでいく。
「白亜さん、搾精は……いいんだけどよ、その……一時的に大人の姿に戻れるか?大人の姿になってくれりゃあ、勃起出来っから」
「ふむ。稚児趣味は無いと」
「可愛いのと勃起出来るかは別物!」
シュン、と眉尻を下げる白亜に、和也は少しだけ罪悪感を覚えた。
「では、可愛くない方の相手を頼む」
白いモヤがかかって、濃くなっていく。数秒の間にモヤは晴れ、和也の目の前には大人の姿の、何も身に纏っていない、裸のままの白亜が居た。
お互いに、配信時の役割など無い状態で、裸で向き合う状況に、和也はゴクリと喉を鳴らして唾液を飲み込む。
チュッ、チュッ、チュパッ。
白亜は和也の脚の間に顔を埋め、和也の男性器にキスを繰り返していた。
「ちょ、白亜さん?」
「やはり、和也は我の相手は嫌なのか?」
しゅこしゅこと、手で和也の男性器を緩くしごき、髪をかきあげて、白亜は不安そうに和也を見つめた。
「嫌な訳、ねぇだろ」
「ならば問題はなかろう」
チュッ、チュッ、レロレロレロォ~。
甘勃ちしてきた和也の男性器を、白亜の舌が這う。長く出した舌が、根本から裏筋を通り、先端までをゆっくりと這っていく。和也の赤黒い男性器が反応し、質量を増していった。
「は……っ、白亜さん。尻をオレの方に向けて。単にオレが勃起しただけじゃ、白亜さんが痛ぇだろっ」
ちゅぷん、と白亜は和也の男性器から口を離し、不思議そうに首を傾げた後、ふふふっと笑った。
「何がおかしい?」
「いや、一カ月経たぬうちに、傍若無人な小童だった和也が、我を気にかける位に変わったかと思うてな……」
「あーもー!うるせぇ」
ムスッとした和也は、白亜の腕を引き寄せ、寝具の上に身体を組み敷いた。
「大人しくしてろ!充電切れでちんちくりんな姿になってたんだろ」
「そうであるが……」
「配信時のプレイみてーに、身を委ねろって事だ。出来るよな、白亜さん?」
和也は真剣な眼差しで白亜を見つめた。白亜はすぐに目を逸らし、ぎゅっと瞼を閉じた。
するり、と、和也は白亜の胸元に、手を滑らせて、指を這わせる。白亜の身体に覆い被さり、チュッと和也は白亜の首筋に口付けをした。
「んんっ……」
くすぐったいのか、白亜は和也の下で小さく身を捩らせた。和也の片手が、白亜の片手をそっと握り締めた。
チュッ、チュッ、チュッ……
和也の唇は、ゆっくりと首筋を伝い、白亜の肩に、鎖骨に、胸元に、何度も繰り返し落とされていく。
「ああぁ……っ、あんっ」
初めて唇で触れられる、もどかしい感覚に、白亜はぎゅっと目を閉じたまま堪えていた。
搾精するだけだった筈なのに……カメラだって、回っていない所で、素肌に触れられて……声が出る。恥ずかしい、が。我は生娘とは程遠い。そのような事、口に出す方が余程恥ずかしい。
チュッ、チュッと和也の唇が乳首の傍を掠めるようにして、落とされた。
「ああぁ……っ、んんんんっ」
白亜は片手で口許を覆い、どうしても出てしまう声を抑えようとした。
チュッ、チュッ、レロォ……
「んんんぅーーーっ♡」
「白亜さん、乳首弄り好きだろ?声、我慢してんじゃねーよ」
レロレロレロォ、コリコリコリコリッ。
和也の舌と指先で、柔らかく乳首を刺激され、もどかしくも甘やかな感覚に、白亜の背中は仰け反った。力の籠もる両膝は、ぴたりと合わさり、固く閉じられた。
コリコリコリッ、チュウウウウッ。
「んんっ♡んんんぅーーーっ♡」
白亜は声を抑える自らの指を、カリッと噛み締めた。スッと、和也の手が白亜の口許の手を退かす。
「噛むな。自分で痛ぇ事すんなよ」
「はーーーっ♡ぅ……っ♡声が、出てしまう」
「声なんて配信の時、いくらでも出してただろっ!」
痛々しい歯形の付いた、白亜の指をペロリと和也が舐めた。うっすら目を開け、チラリと和也を見て、白亜は気まずそうに上を向く。
「確かにその通りだ、が……その、我は、我は……カメラの回っていない場所で……まぐわう、等……」
ぽつり、ぽつりと語る、白亜の口調からは、羞恥の色が強く滲み出ていた。
「……一応、確認な。白亜さん、カメラの無い所での性交経験は?正直に答えてくれ」
胎児のように身を縮こませて、白亜はゴロリと横を向き、手のひらで顔を覆い隠す。和也は呆然と、その仕草を眺めていた。
「あの、さ……初めてなら初めてって言われねーと、オレ分かんねーよ……」
ぽんぽん、と、和也の手が優しく白亜の背中を撫でた。
「すまない……すまない……千を超えた齢で、情けない……」
ぽんぽん、と、和也の手が優しく白亜の背中を撫で続けている。白亜の丸まっている背中に、和也はチュッと一度、キスをした。
カメラの回っていない場所での性交経験が無かった白亜。和也の中で自責の念が込み上げてくる。
カメラの回っていない場所、という条件付けがあることを考えると、本当の初体験は和也が玄関先で無体を働いた時になるだろう。千年以上続いたカミサマの純潔、あるいは孤独感に、土足で足を踏み入れたようなものだ。和也は、縮こまり丸くなり、僅かに震えている白亜の身体をそっと抱きしめた。小さな羽根のような耳に、静かに口付けをした。
「教えてくれて、ありがとう。白亜さん、今から仕切り直して、搾精……始めからやってみようぜ」
恥ずかしそうな、遠慮がちな声で、白亜は言った。
生まれて間もないアラミタマがある今なら、搾精で力を回復させ、蓄える事が出来るかも知れない、と。狐や淫魔の類いは、そうやって力を得る事もあるのだと。
シャワーを浴びて和也は、白亜の部屋に初めて入った。着物の吊るされた衣紋掛けが二つ、文机に箪笥、敷かれたままの年季の入った寝具。窓辺には障子があり、一階のこの部屋は昼間でも薄暗い。
和也は白亜から搾精と言われた時点で、何をするのか分かっただけに、待っている時間は少しだけ気まずかった。
スゥ、と、入り口の襖が開いて、閉まった。少年の姿の白亜が目の前で、稚児装束を脱いでいく。
「白亜さん、搾精は……いいんだけどよ、その……一時的に大人の姿に戻れるか?大人の姿になってくれりゃあ、勃起出来っから」
「ふむ。稚児趣味は無いと」
「可愛いのと勃起出来るかは別物!」
シュン、と眉尻を下げる白亜に、和也は少しだけ罪悪感を覚えた。
「では、可愛くない方の相手を頼む」
白いモヤがかかって、濃くなっていく。数秒の間にモヤは晴れ、和也の目の前には大人の姿の、何も身に纏っていない、裸のままの白亜が居た。
お互いに、配信時の役割など無い状態で、裸で向き合う状況に、和也はゴクリと喉を鳴らして唾液を飲み込む。
チュッ、チュッ、チュパッ。
白亜は和也の脚の間に顔を埋め、和也の男性器にキスを繰り返していた。
「ちょ、白亜さん?」
「やはり、和也は我の相手は嫌なのか?」
しゅこしゅこと、手で和也の男性器を緩くしごき、髪をかきあげて、白亜は不安そうに和也を見つめた。
「嫌な訳、ねぇだろ」
「ならば問題はなかろう」
チュッ、チュッ、レロレロレロォ~。
甘勃ちしてきた和也の男性器を、白亜の舌が這う。長く出した舌が、根本から裏筋を通り、先端までをゆっくりと這っていく。和也の赤黒い男性器が反応し、質量を増していった。
「は……っ、白亜さん。尻をオレの方に向けて。単にオレが勃起しただけじゃ、白亜さんが痛ぇだろっ」
ちゅぷん、と白亜は和也の男性器から口を離し、不思議そうに首を傾げた後、ふふふっと笑った。
「何がおかしい?」
「いや、一カ月経たぬうちに、傍若無人な小童だった和也が、我を気にかける位に変わったかと思うてな……」
「あーもー!うるせぇ」
ムスッとした和也は、白亜の腕を引き寄せ、寝具の上に身体を組み敷いた。
「大人しくしてろ!充電切れでちんちくりんな姿になってたんだろ」
「そうであるが……」
「配信時のプレイみてーに、身を委ねろって事だ。出来るよな、白亜さん?」
和也は真剣な眼差しで白亜を見つめた。白亜はすぐに目を逸らし、ぎゅっと瞼を閉じた。
するり、と、和也は白亜の胸元に、手を滑らせて、指を這わせる。白亜の身体に覆い被さり、チュッと和也は白亜の首筋に口付けをした。
「んんっ……」
くすぐったいのか、白亜は和也の下で小さく身を捩らせた。和也の片手が、白亜の片手をそっと握り締めた。
チュッ、チュッ、チュッ……
和也の唇は、ゆっくりと首筋を伝い、白亜の肩に、鎖骨に、胸元に、何度も繰り返し落とされていく。
「ああぁ……っ、あんっ」
初めて唇で触れられる、もどかしい感覚に、白亜はぎゅっと目を閉じたまま堪えていた。
搾精するだけだった筈なのに……カメラだって、回っていない所で、素肌に触れられて……声が出る。恥ずかしい、が。我は生娘とは程遠い。そのような事、口に出す方が余程恥ずかしい。
チュッ、チュッと和也の唇が乳首の傍を掠めるようにして、落とされた。
「ああぁ……っ、んんんんっ」
白亜は片手で口許を覆い、どうしても出てしまう声を抑えようとした。
チュッ、チュッ、レロォ……
「んんんぅーーーっ♡」
「白亜さん、乳首弄り好きだろ?声、我慢してんじゃねーよ」
レロレロレロォ、コリコリコリコリッ。
和也の舌と指先で、柔らかく乳首を刺激され、もどかしくも甘やかな感覚に、白亜の背中は仰け反った。力の籠もる両膝は、ぴたりと合わさり、固く閉じられた。
コリコリコリッ、チュウウウウッ。
「んんっ♡んんんぅーーーっ♡」
白亜は声を抑える自らの指を、カリッと噛み締めた。スッと、和也の手が白亜の口許の手を退かす。
「噛むな。自分で痛ぇ事すんなよ」
「はーーーっ♡ぅ……っ♡声が、出てしまう」
「声なんて配信の時、いくらでも出してただろっ!」
痛々しい歯形の付いた、白亜の指をペロリと和也が舐めた。うっすら目を開け、チラリと和也を見て、白亜は気まずそうに上を向く。
「確かにその通りだ、が……その、我は、我は……カメラの回っていない場所で……まぐわう、等……」
ぽつり、ぽつりと語る、白亜の口調からは、羞恥の色が強く滲み出ていた。
「……一応、確認な。白亜さん、カメラの無い所での性交経験は?正直に答えてくれ」
胎児のように身を縮こませて、白亜はゴロリと横を向き、手のひらで顔を覆い隠す。和也は呆然と、その仕草を眺めていた。
「あの、さ……初めてなら初めてって言われねーと、オレ分かんねーよ……」
ぽんぽん、と、和也の手が優しく白亜の背中を撫でた。
「すまない……すまない……千を超えた齢で、情けない……」
ぽんぽん、と、和也の手が優しく白亜の背中を撫で続けている。白亜の丸まっている背中に、和也はチュッと一度、キスをした。
カメラの回っていない場所での性交経験が無かった白亜。和也の中で自責の念が込み上げてくる。
カメラの回っていない場所、という条件付けがあることを考えると、本当の初体験は和也が玄関先で無体を働いた時になるだろう。千年以上続いたカミサマの純潔、あるいは孤独感に、土足で足を踏み入れたようなものだ。和也は、縮こまり丸くなり、僅かに震えている白亜の身体をそっと抱きしめた。小さな羽根のような耳に、静かに口付けをした。
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