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帰還2

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「お、お待ちください!」

そこへ、お父様が出てくる。

「命ばかりは、どうか命ばかりはお助けください!」

王であるお父様は、私達の前にひれ伏して、二人の命乞いをした。

「ふむ……」

ココは、首を巡らせて私を見た。

「どうする?」

そこで初めて、お父様、メルダ、フォルター王子の三人は私の存在に気がついたようだ。

「お姉様!」

「マイアーレ!」

メルダと、フォルター王子が私の名前を叫ぶ。

「お姉様のくせに、よくもこんなことを!」

「君がこんな奴だとは思わなかった!僕に嫌われるとは思わなかったのか!?」

私はため息をついた。
もうとっくに私の堪忍袋の緒は切れているのだ。

「お父様、どうやら事情をご存知ないようですね」

私は二人を無視して、お父様に話しかけた。
お父様は私が出てきたのに対して、まったく予想外だというような顔をしているのだ。

「ココ、説明してもらえる?」

私はココに説明を依頼した。

メルダ達も、ココの話なら途中で遮ったりはできないだろう。

ココが説明する。

お父様は何も知らなかった。

私が王宮を追い出されたことも、婚約破棄されたことも、フォルター王子とメルダができていたことも、私が守護竜と暮らしていたことも、そこにメルダがやってきたことも、フォルター王子が再度婚約を求めてやってきたことも、二人が軍隊を差し向けたことも、何も知らなかった。

お父様は驚き、この上なく怒り、そしてあまりの情けなさに悲しみ、脱力した。

「そう、そうでしたか……」

メルダとフォルター王子が、後ろで「違うの!とにかく違うの!」とか「僕は悪くありません!悪いのは僕ではない!」などと言っているが、もう誰も相手にしていなかった。

お父様はうなだれ、ココに言った。

「もう何も言いますまい……。我が身内ながら、とてもかばいきれませぬ。どうぞ、お好きになさってくだされ」

「それは我にではなく、マイアーレ殿に聞くとよかろう」

ココは再び、私に話を向ける。

お父様はおずおずと、疑問を口にした。

「は……。そのう、私の娘のマイアーレは、守護竜様といったいどのようなご関係で……?」

「マイアーレ、言っていい?」

「ええ」

もう私も覚悟は決まっている。

ココは羽根を広げ、高々と宣言した。

「マイアーレ殿は、我の最も良き理解者であり、我が最も愛する存在である!我は、マイアーレ殿を守護竜の花嫁として貰い受ける!」

「な……」

お父様と、その後ろにいる二人が絶句する。

「おお……!」

そして、周囲の人々からは歓声があがった。
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