5 / 44
となりの宮川さんは人気Vtuberになりたいストーリー版
「狐山 コン子」身バレしました
しおりを挟む
前回のあらすじ 宮川さんと一緒にゲームしました!
宮川さんとゲームした日の翌日。ようやく空が明るくなり始めたころに僕はいつものように早めに家を出る。満員電車に揺られること15分、歩くこと10分でようやく学校に着く。やはり満員電車はきついなー。僕は将来は田舎に住むことを決めた。
学校に着き教室にいくとやはり僕が一番だ。教室にはだれもおらず静けさだけが残っている。僕は窓際の一番後ろの席に座るといつものように小説を読み出した。変わらない僕のルーティーンだ。
僕が小説を読んでいると
「がらがら」
という音とともに宮川さんが教室に入ってきた。長い黒髪をたなびかせさらに黒縁のメガネは知的さを醸し出している。改めて見ると本当に美人だ。
僕は宮川さんに
「おはよう」
と挨拶するも僕には目もくれずに僕の隣の席に座る。そして宮川さんはいつも通り机の引き出しにある小説を読むはずなのだが?
「あれ?おかしいぞ」
宮川さんは机の引き出しから白い紙を取り出した。ここでいつもとは違うのだがたまにこういう事もある。おそらくその白い紙はラブレターなのだ。
宮川さんは本当にモテる。そのため告白されたりラブレターをもらう事は頻繁にあった。返事はすべて「いやです」か「無理です」の2択らしいけれど。
宮川さんは珍しく読むのに時間がかかっているいつもはすぐに読んだ後机の引き出しに戻すというのに。そんなに長文のラブレターなのだろうか。すると宮川さんは
「これを見て」
と言って僕にラブレターを見せつけてきた。いや。人のラブレターを読むのはちょっと。
「さすがに人のラブレターを読むのはちょっと」
やんわりと拒否したが宮川さんは見るように促してくる。
「いいから。読んで」
僕はしぶしぶそのラブレターを受け取り中を見てみた。そこには
「「狐山 コン子」放課後体育館裏に来てください」
と書いてあった。いかにも普通のラブレターに思えるが、名前がおかしい。「狐山 コン子」だと?つまり宮川さんがVtuberだと知る人間が僕意外にもいるということだ。
「もしかしてあなたじゃないわよね」
宮川さんは今にもぶちギレそうな表情でそう言った。
「違うよ!僕じゃないよ!それにしても誰なんだろう?それに目的も不明だし」
「とにかく言いふらされたら面倒だわ。なんとか口封じしないと」
宮川さんは珍しく焦っている。それもそうだVtuberにとって身バレというのは終わりを意味する。ネットであっという間に拡散されて好き放題言われてしまうのだ。それだけは避けなければ。
「最悪このシャーペンで」
宮川さんはシャーペンを持って今にも刺しそうな雰囲気だ。
「宮川さん落ち着いて!犯罪者になるのはまだ早いよ!」
「まだって何よ。この犬!」
宮川さんは落ち着いていられない様子だ。そんなやり取りをしていると教室に続々と生徒が登校してきた。僕と宮川さんはまた黙って本を読み始める。
だが目的がまるで分からない。それにしてもどうやって知ったんだ?授業中もずっとその紙の事で頭が一杯だ。宮川さんも同様にいつもより喋らない。というかガン無視している。
今日は一言も発していない。相当堪えているようだ。もし犯人の狙いが脅しであるのなら相当厄介なことになる。とにかく今は放課後になるのを待つしかないようだ。
僕たちは疑念を抱えたまま授業を受け、ようやく放課後になった。いつもより授業が長く感じられたのは気のせいではない。教室には僕と宮川さんの二人きりだ。
「よし。早速、体育館裏に行くわよ。ポチ、シャーペンは持った?」
「持たないよ!武力行使はだめだよ!」
宮川さんをなだめつつ体僕たちは育館裏に行くことにした。一体何が待ち受けているのだろう、
体育館に着いたところで
「あなたはばれないように隠れてなさい」
と言われ別行動になった。宮川さんは体育館裏に左側から行き、僕は反対側から向かう。体育館裏に差し掛かると女性の姿が見えた。僕は彼女にばれないように後ろからなるべく近づいて体育館のくぼみに隠れた。
「ふーー。これで会話も聞けるだろう」
僕が一息ついた後、宮川さんが来た。ようやく犯人とご対面だ。
「それであなたがこの手紙の差出人?」
宮川さんは右手で手紙を持ち、犯人に見せつけている。
「ええそうよ。まさか本当に来るとわね」
犯人は不敵に笑う。彼女はこの学校の制服を着ているためここの生徒のようだ。茶髪で長く綺麗な髪。身長は150cm台で小柄でかわいらしいという印象だ。そういえば彼女どこかで。
「まさか宮川さんが「狐山 コン子」だったなんてね。普段の様子からは想像もつかないわ」
彼女は余裕の笑みを見せている。でも確かに、普段の宮川さんとは思えないのは事実だ。だから気づかないと思っていたのに。
「それで目的は何かしら」
宮川さんも余裕の表情だ。両者とも全く動じていない。
「なるほど。確証はなかったけど今ので確信したわ。本当にVtuberだったとはね」
この女かまをかけたらしい。宮川さんはまんまと引っかかってしまった。相手の方が一枚上手らしい。
「だから目的は何と聞いているのよ」
宮川さんはさっきよりも苛立っている様子だ。まずいぞ冷静になるんだ。宮川さん。
「あなたに言いたいことは一つよ・・・」
そう言うと少女は宮川さんを思いっきり指を指してこう言った。
「Vtuberのキャラが・・・キャラが被ってるのよーーー!!」
体育館裏に声が響いた。
「え?キャラ?」
僕も宮川さんもきょとんとした顔で彼女を見つめている。あっ。つい声を出してしまった。
「だれ?だれかそこにいるの?」
彼女は後ろを向いて僕を探している。ここは出ていくしかない。
「こんにちは」
「だれよあなた。盗み聞きとはいい度胸ね」
彼女は僕を見下すように言うが、身長が低いためあまり見下されている感がない。むしろかわいらしい
「僕は宮川さんを人気Vtuberにするための協力者みたいなものだよ」
正直にはなした。
「なにそれ。本当?」
宮川さんに確認を取る。
「ああ。本当だ」
宮川さんは頷いた。改めて宮川さんに認められてちょっとうれしい
「ますます気に入らないわね。私は一人で頑張っているというのに」
彼女はますます苛立っている様子だ。とにかく話を進めよう。
「えっと。ところであなたは何者なんですか?」
それを聞いた彼女は嬉しそうに口角を上げて偉そうにこう言った。
「私は川上 舞「かわかみ まい」。星守 狼子「ほしもり ろうこ」という名前でVtuberをやっているわ!」
彼女は決まったという表情でこちらを見ている。対する僕たちと言えば。
「へーー。そうなんだ」
「もうちょっと驚きなさいよ!!」
「川上 舞」いや「星守 狼子」の声が響いた。
宮川さんとゲームした日の翌日。ようやく空が明るくなり始めたころに僕はいつものように早めに家を出る。満員電車に揺られること15分、歩くこと10分でようやく学校に着く。やはり満員電車はきついなー。僕は将来は田舎に住むことを決めた。
学校に着き教室にいくとやはり僕が一番だ。教室にはだれもおらず静けさだけが残っている。僕は窓際の一番後ろの席に座るといつものように小説を読み出した。変わらない僕のルーティーンだ。
僕が小説を読んでいると
「がらがら」
という音とともに宮川さんが教室に入ってきた。長い黒髪をたなびかせさらに黒縁のメガネは知的さを醸し出している。改めて見ると本当に美人だ。
僕は宮川さんに
「おはよう」
と挨拶するも僕には目もくれずに僕の隣の席に座る。そして宮川さんはいつも通り机の引き出しにある小説を読むはずなのだが?
「あれ?おかしいぞ」
宮川さんは机の引き出しから白い紙を取り出した。ここでいつもとは違うのだがたまにこういう事もある。おそらくその白い紙はラブレターなのだ。
宮川さんは本当にモテる。そのため告白されたりラブレターをもらう事は頻繁にあった。返事はすべて「いやです」か「無理です」の2択らしいけれど。
宮川さんは珍しく読むのに時間がかかっているいつもはすぐに読んだ後机の引き出しに戻すというのに。そんなに長文のラブレターなのだろうか。すると宮川さんは
「これを見て」
と言って僕にラブレターを見せつけてきた。いや。人のラブレターを読むのはちょっと。
「さすがに人のラブレターを読むのはちょっと」
やんわりと拒否したが宮川さんは見るように促してくる。
「いいから。読んで」
僕はしぶしぶそのラブレターを受け取り中を見てみた。そこには
「「狐山 コン子」放課後体育館裏に来てください」
と書いてあった。いかにも普通のラブレターに思えるが、名前がおかしい。「狐山 コン子」だと?つまり宮川さんがVtuberだと知る人間が僕意外にもいるということだ。
「もしかしてあなたじゃないわよね」
宮川さんは今にもぶちギレそうな表情でそう言った。
「違うよ!僕じゃないよ!それにしても誰なんだろう?それに目的も不明だし」
「とにかく言いふらされたら面倒だわ。なんとか口封じしないと」
宮川さんは珍しく焦っている。それもそうだVtuberにとって身バレというのは終わりを意味する。ネットであっという間に拡散されて好き放題言われてしまうのだ。それだけは避けなければ。
「最悪このシャーペンで」
宮川さんはシャーペンを持って今にも刺しそうな雰囲気だ。
「宮川さん落ち着いて!犯罪者になるのはまだ早いよ!」
「まだって何よ。この犬!」
宮川さんは落ち着いていられない様子だ。そんなやり取りをしていると教室に続々と生徒が登校してきた。僕と宮川さんはまた黙って本を読み始める。
だが目的がまるで分からない。それにしてもどうやって知ったんだ?授業中もずっとその紙の事で頭が一杯だ。宮川さんも同様にいつもより喋らない。というかガン無視している。
今日は一言も発していない。相当堪えているようだ。もし犯人の狙いが脅しであるのなら相当厄介なことになる。とにかく今は放課後になるのを待つしかないようだ。
僕たちは疑念を抱えたまま授業を受け、ようやく放課後になった。いつもより授業が長く感じられたのは気のせいではない。教室には僕と宮川さんの二人きりだ。
「よし。早速、体育館裏に行くわよ。ポチ、シャーペンは持った?」
「持たないよ!武力行使はだめだよ!」
宮川さんをなだめつつ体僕たちは育館裏に行くことにした。一体何が待ち受けているのだろう、
体育館に着いたところで
「あなたはばれないように隠れてなさい」
と言われ別行動になった。宮川さんは体育館裏に左側から行き、僕は反対側から向かう。体育館裏に差し掛かると女性の姿が見えた。僕は彼女にばれないように後ろからなるべく近づいて体育館のくぼみに隠れた。
「ふーー。これで会話も聞けるだろう」
僕が一息ついた後、宮川さんが来た。ようやく犯人とご対面だ。
「それであなたがこの手紙の差出人?」
宮川さんは右手で手紙を持ち、犯人に見せつけている。
「ええそうよ。まさか本当に来るとわね」
犯人は不敵に笑う。彼女はこの学校の制服を着ているためここの生徒のようだ。茶髪で長く綺麗な髪。身長は150cm台で小柄でかわいらしいという印象だ。そういえば彼女どこかで。
「まさか宮川さんが「狐山 コン子」だったなんてね。普段の様子からは想像もつかないわ」
彼女は余裕の笑みを見せている。でも確かに、普段の宮川さんとは思えないのは事実だ。だから気づかないと思っていたのに。
「それで目的は何かしら」
宮川さんも余裕の表情だ。両者とも全く動じていない。
「なるほど。確証はなかったけど今ので確信したわ。本当にVtuberだったとはね」
この女かまをかけたらしい。宮川さんはまんまと引っかかってしまった。相手の方が一枚上手らしい。
「だから目的は何と聞いているのよ」
宮川さんはさっきよりも苛立っている様子だ。まずいぞ冷静になるんだ。宮川さん。
「あなたに言いたいことは一つよ・・・」
そう言うと少女は宮川さんを思いっきり指を指してこう言った。
「Vtuberのキャラが・・・キャラが被ってるのよーーー!!」
体育館裏に声が響いた。
「え?キャラ?」
僕も宮川さんもきょとんとした顔で彼女を見つめている。あっ。つい声を出してしまった。
「だれ?だれかそこにいるの?」
彼女は後ろを向いて僕を探している。ここは出ていくしかない。
「こんにちは」
「だれよあなた。盗み聞きとはいい度胸ね」
彼女は僕を見下すように言うが、身長が低いためあまり見下されている感がない。むしろかわいらしい
「僕は宮川さんを人気Vtuberにするための協力者みたいなものだよ」
正直にはなした。
「なにそれ。本当?」
宮川さんに確認を取る。
「ああ。本当だ」
宮川さんは頷いた。改めて宮川さんに認められてちょっとうれしい
「ますます気に入らないわね。私は一人で頑張っているというのに」
彼女はますます苛立っている様子だ。とにかく話を進めよう。
「えっと。ところであなたは何者なんですか?」
それを聞いた彼女は嬉しそうに口角を上げて偉そうにこう言った。
「私は川上 舞「かわかみ まい」。星守 狼子「ほしもり ろうこ」という名前でVtuberをやっているわ!」
彼女は決まったという表情でこちらを見ている。対する僕たちと言えば。
「へーー。そうなんだ」
「もうちょっと驚きなさいよ!!」
「川上 舞」いや「星守 狼子」の声が響いた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる