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宮川さんとの学校での日常

Vtuberにはコラボ配信が必須

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これはとなりの宮川さんが人気Vtuberになるための会話の特訓をする話。


無口な宮川さんと話せる時間。それは朝の教室で二人きりのときだけ。僕は今日も宮川さんと話すために早めに家をでる。


教室につくといつものように宮川さんは本を読んでいる。「おはよう」そう挨拶するがいつものように彼女から返事はない。。


僕が小説を読んでいると。彼女が話しかけてきた。

「Vtuberどうしのコラボ配信を見たことはある?」

「あるよ。やっぱり、二人で楽しそうに話しているのを見るとこっちまで楽しくなってくるよ」

「ふん。所詮Vtuberも群れる生き物なのね」

「ひがんでいるのがすごく伝わってくるよ!負け惜しみがすごいよ!」

「というかコラボ配信って基本的に何をするのよ」

「2人で同じゲームをして協力したり、逆に対戦したりするよ」

「ああー。アンパンマンとバイキンマンみたいな感じね」

「例えが絶妙にわかりづらいよ!バイキンマンが協力するのは映画くらいだよ!」

「でもどうやってコラボ相手を探すのかしら?個人勢には厳しくないかしら」

「たしかにそうだね。たぶんSNSでどうにか繋がりを作ってるんじゃないかな?」

「私がLiNE以外のSNSを入れていると思う?なめないで」

「そこは自慢するところじゃないよ!ひと昔前のとがった人だよ!」

「なんなのよ。SNSやってない人はコラボもできないのね。まるで念を教わってないハンターだわ」

「だから例えが分かりづらいよ!「これが見えるようになったらまた来なさい」じゃないよ!」

「はあ。私もSNSを始める必要があるわね」

「そうだね。これを機に始めてみるのもいいと思うよ」

「でもSNSって何をするのよ」

「うーん。Vtuberなら自分の配信の告知をしたり、何気ないことをつぶやいたりするよ」

「何気ないこと?今日はじいやの髪の毛が3本抜けたとか?」

「何気なさすぎるよ!だれも宮川さんのじいやの髪の毛に興味はないよ!」

「じゃあ何よ。何気ないことって」

「うーん。今日は寝過ごしてしまったとか。空がきれいだったとかそんな感じのことだよ」

「それって面白いの?普通すぎない?」

「僕が考えたから普通になっているだけだよ!おもしろいことを呟いている人もたくさんいるよ!」

「おもしろいことね。」

「宮川さんだったら何をつぶやくの?」

「そうね。同級生の男の子のチャックが開けっ放しだったとかかしら」

「気づいてたんなら言ってよ!こういうのは早く指摘するに限るよ!」

「ごめんなさい。わざとかと思って」

「わざとな訳ないよ!わざとやるのは気を引きたいだけの人やスリルを味わってる変態だけだよ!」

「え?じゃあ両方当てはまってるじゃない」

「全く違うよ!」

宮川さんとの特訓は続く



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