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第17話《《防衛戦》中の弓兵ですが、これ推奨Lvどのくらいだ?と思いました》
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「さてと……」
城門からは周囲が1km弱見渡せる、目の前は平原なので敵を見落とすことは無いだろう。
後ろを振り向くと赤い空に照らされ城下町が赤く染まっている、
先程まで騒がしかった音は聞こえず、誰も緊張した面持ちで《防衛戦》の開始を今か今かと待っている。
左右を見渡すと俺と同じく露払いを任せられたであろうプレイヤーやNPCが弓や銃、杖などの獲物を構え前方を睨んでいる。
そして時は満ちた。
「なんだよあれっ!?」
1人がそれを見て声を発し、1人が生唾を飲み込んだ。
視界に写るのは巨大な紫色の門、町を1つ軽々と飲み込んでしまいそうだ、
それにここからでも巨大に見える事から、近場に行ったら首が折れるほど見上げなければならないのだろうか?
おそらく門は東西南北4箇所に出現しているだろう。
もしかしたら南西なども含め8箇所かもしれないが左右を見渡しても確認できない。
門はゆっくりと開き始める。
「来るぞ」
誰かが呟いた。
そして門の奥からモンスターの軍勢が現れる。
『リク、敵の詳細報告』
補助スキル《遠視》を発動させ扉から溢れ出るモンスターを確認する。
「先頭《青銅騎士》《ヴァンガ》《スケリトルナイト》その後ろに《ゴブリンキング》、キングがいるなら《ゴブリン》もいるな《クイーン》は見あたらず、
《首無しブーゴ》複数 、首無しがいるなら《首狩り アーシャ》可能性アリ、
《呪術師 アーネスト》
《剛腕 ギーファス》リポップボスのオンパレードかよ、それより後ろはギーファスの背丈が邪魔で確認できず」
『了解、リク行ける?』
「ああ任せろ」
『他はまだ待機していてくれ』
俺は天に向かって《アローレイン》通称アロレを発動する。
その名の通り1本の矢が複数に分裂し雨のように降り注ぐ技であり、
本来なら1本1本のダメージは低いが範囲が広く弱いモンスター処理なら最適スキルの一つだが、
俺のかかる呪いの効果によって通常モンスターなら軽く屠れる。
そして放った直後にもう一度発動させる。
本来ならスキル事にCTが定められている関係上連続発動は出来ないが《巧者の指輪》と言う1回だけスキルのCTを0にすることが出来る装備を身に付けているおかげでに連射できる、
役目を終えた《巧者の指輪》は砕け散り青いポリゴンの破片を撒き散らす。
そして1射目のアロレが的に命中したのか大量のログと共に視界には《献上値:1位 《Riku》12,480pt》と表示される。
なるほど敵を倒すか攻撃が当たれば献上値が稼げるシステムか…最終的にランキング報酬があるタイプか?
だとしたら稼ぎすぎるのは良くないな。
《討伐戦》でヘイトを向けられたのにさらに集めたくはない。
視界を埋め尽くすほどの大量のダメージログを目で追いながらそんな事を考えひとつの名前を発見する。
「──っ!?」
持っている弓を手放しすぐさま《刀》を抜刀し
首筋に迫る刃よりも先に
一瞬で俺の背後にに出現した《首狩り アーシャ》6体を一回転しながら一刀両断する。
「ルース、《首狩り アーシャ》アリ、注意」
『分かった』
『通達、《首狩り アーシャ》の存在確認、露払いの舞台は複数人で固まり、《攻撃役》と《迎撃役》に別れて作戦続行してくれ』
俺は隣のヤツに目配せする。
「あんたが攻撃役をやってくれ」
「ああ、わかった」
会話してる間にも敵の進行は止まることなく肉眼で姿形を捉えられる距離まで接近する。
『遠距離部隊攻撃開始っ!!』
ルースの合図と共に城壁上の遠距離部隊はそれぞれ矢を放ち弾幕を張り、詠唱を開始する。
そして着弾に合わせ《首狩り アーシャ》が城壁に現れるがほとんど一太刀で消え去る。
《首狩り アーシャ》
推奨lv30エリア《名無しの森》に出現する、ボロ布を纏い、
短剣を装備した人型の《徘徊型ボス》だ。
耐久力と攻撃力は低いため警戒していればそれ程苦戦する相手でもない。
しかし厄介なのは遠距離攻撃が命中した際その遠距離攻撃を無効化した上対象者の背後に瞬間移動し正確に自身のアバターの弱点の一つである首を狙い攻撃してくる点だ。
普段の火力は低い代わりに背後からの攻撃、
首を狙った急所攻撃、
さらに《短剣》という急所又は背後から攻撃した際の
クリティカルボーナスを最大限に高める武器を装備しているので、
その一撃は《軽装備》のプレイヤーなら全損、
《重装備》プレイヤーでも首元を鎧で覆って居なければ8割、運が悪ければ全損。
さらに神出鬼没で他モンスターと交戦中に射線に飛び出し奇襲攻撃を繰り出して来るため常に周りを確認しておく必要がある、
しかし瞬間移動するのは遠距離武器を使った場合か《投擲》した場合なので近距離1本で戦うプレイヤーには経験値にしかならない。
そして同じく脅威なのは
同エリア存在する《徘徊ボス》《首無し ブーゴ》はかつて《首狩り アーシャ》に首を狩られ、命を落とした後、
自分の首を求め、該当エリアを彷徨う亡霊であり。
《首狩り アーシャ》と《首無し ブーゴ》が会敵した場合、
《首無し ブーゴ》のステータスが大幅アップされプレイヤー、モンスター問わず辺にいる生物を攻撃し始めるそれを《狂乱》状態と呼んでいる。
ただでさえ鎧を着込んでいて硬いのに、
さらに硬くなったら手に負えないため《首狩り アーシャ》の最短撃破が望ましい。
会敵した上で《首狩り アーシャ》を先に倒した場合、
《首無し ブーゴ》は自身の獲物である大剣《テンペスタ》をその場に残し消滅する。
有効な敵が少ない《風》属性の大剣だが、
高い火力とステータスボーナス値によりしばらくメインで使うことも出来る武器だ。
逆に《首無し ブーゴ》を先に撃破した場合は《朽ちたタリスマン》をドロップする。
こちらは《アンデット》族モンスターの攻撃を軽減する効果があり、
おまけ程度だが背後からの攻撃のダメージを減らす。
代用《装飾品》は沢山存在するためわざわざ《首無し ブーゴ》を先に倒す必要は一切ない、
全ての装備品を集めたいコレクターなどなら話は別だが。
話がそれたが《防衛戦》で登場するモンスターはアイテムは落とさないようだあくまでもポイント稼ぎ用だな。
さらに《首狩り アーシャ》の首を逆に切断してやりながらそんな事を考える。
前線を見るが《首狩り アーシャ》と《首無し ブーゴ》が同時に存在しているのに《狂乱》状態になっているようには思えない、
《防衛戦》は特殊なのだろうか?
「はあ、はぁ」
「少し休め」
俺はスタミナが切れそうな攻撃役の彼を下がらせながら左右を観察する。
さすがにある程度の実力者ばかりか…
半端な実力者の場所に《首狩り アーシャ》が出現し城壁上のメンバーが崩れかける心配をしたがそんな状況には陥らなかったようだ。
下の戦場を見ると前衛部隊が骨の大群と交戦している。
おそらく《屍術士》がいるのだろう、
奴は自身のレベルは60前後だがレベル50の《スケリトルナイト》を召喚し戦うが、
《屍術士》本人も敵や壁を貫通する球《カースソウル》の《闇術》を発動し援護をしてくる。
矢で《屍術士》の顔を射抜くと召喚した《スケリトルナイト》も消滅する。
奴の長所として50体の《スケリトルナイト》を召喚し使役する、
これは最大50体ではなく、常時50体だ。
《スケリトルナイト》を倒しても倒しても場に出ている《スケリトルナイト》が減ることはほとんど無い、
無理やり突っ込み《屍術士》を倒そうとすると《スケリトルナイト》が壁として立ち塞がり《屍術士》は逃げてしまう。
そのため直線貫通系、又は広範囲を攻撃出来るの《スキル》や《魔法》を使うしか奴を倒す方法はない。
この広範囲を覆う《スケリトルナイト》の絨毯を見るに《屍術士》は10や20の規模ではない、
こちらに勝る物量で押し潰そうとしてきている。
その時大きく土煙が上がり、それに合わせたように複数の箇所に土煙が上がりとあるプレイヤーが献上値がランキングのトップに登る。
《Mark》
マーク、その名を知らぬ物は居ない
ギルド《グローリー》のリーダーでありアタッカー、
得物である大斧を使った破壊力がある一撃は、
ボスの装甲ですら軽々と突き破ってしまうほどの火力を出す。
《グローリー》メンバーが暴れ回っているのだろう、
その後も何度も何度も爆発音のようなものが聞こえ土煙が上がりそれに巻き込まれたモンスターたちが上空ででポリゴンの破片となっているのが見える。
あ~あ~戦場が穴ぼこだらけじゃねえか、どうすんだこれ……
先程まで草と花が生え緑の絨毯だった城門前の光景が茶色と化す。
「おいルース、あれ止めなくていいのか?味方にも被害出そうだぞ」
「あはは、守るためだから、それに……前衛に出てる人達はあの程度でどうにかなる人達じゃないからね」
「さいですか」
「ギーファスの《投擲》だ!!」
誰かが大声を上げ前を見ると
《剛腕 ギーファス》が自分と同じ大きさ、いやそれ以上にある大きさの巨石を頭上に掲げこちらへと放り投げた。
やっべっ!?
矢を番え《散りばめられた星々》の準備に入ろうとした俺の視界に、地面から大きく飛び上がり、勢いよくこちらに向かう巨石の目の前に立ち塞がる。
「あいつっ!?何やってんだ!?」
次の瞬間俺の心配を他所に巨石は粉々に砕け散り爆散していた。
「はっ?」
口を開け惚けたように見つめる
その光景を見ていた他のプレイヤーと思ったことは一緒だろう。
「おいルース、あの規格外は誰だ?」
「誰って?」
「今こっちに飛んできた岩を粉々に砕いた奴だよ、どんだけSTRにステ振りしたら砕けんだよあれ……」
「おそらく《カイドウ》さんだね」
その言葉を聞き身体に電流が走ったような感覚に襲われる。
「《カイドウ》だとっ!?」
《カイドウ》
ダボッとした道着のような物を身に付け、腰に瓢箪をぶら下げている男だ。
どんな強敵と遭遇しても逃亡です、負けることは無く、
脅威のラッシュスピードと自慢の《格闘》スキルを組み合わせ、障害をねじ伏せる、
武人肌の男性。
彼の通ったダンジョンでは《破壊不可》オブジェクトでもない限り何もかも粉々になっていると聞く、
名前を変換し《壊道》と恐れられている人物だ。
通常時でも《カイドウ》のスピードは目で追うのがやっとで繰り出される攻撃を防御することしか出来ないが、
《瓢箪》に入った酒を飲むことでさらに動きと、攻撃の威力、密度が上がる。
ある意味化け物のような男だ。
そして唯一俺がPvPで勝てなかった相手でもある。
「なるほどあの人なら納得だ」
「それよりもリク、これで終わりだと思うか?」
「と言うと?」
「告知した上アップデートまで入って開催された《防衛戦》がこのまま終わるかどうかかな、
開始から10分は経ったけど未だに最初の防衛ラインを敵側は突破してない、
それに北、西、東側からも突破された報告は上がっていない」
「お前としてはこのまま終わるとは思ってないわけだ」
『そうだね』
その時急に空が暗くなり頭上を見上げる。
「みたいだな、ここからが第2ウェーブって所か?」
空を覆い尽くす程の《ワイバーン》の群れが上空に出現した。
『遠距離部隊っ!頭上に現れた《ワイバーン》に攻撃っ!1匹たりとも突破させるなっ!!』
《ワイバーン》は《竜種》を模試し生み出された《人工生物》だ、
《竜種》よりもだいぶ小さく人間よりは少し大きい、
手と翼が一体化しているのが特徴だろうか。
この大陸を創成したとされる《始祖竜 クリデェア》から名づけられていない名無しの《竜種》まで、
《竜種》に関係している場所にまるで導かれているかのように現れ、
小さい上に素早しっこく、滑空しながらの急降下により奇襲による一撃離脱の攻撃も仕掛けてくる厄介な敵だ。
「うわああああああ」
悲鳴に近い声と共に破壊音そして城壁上で砂埃が上がる。
「なんだどうしたっ!?」
騒ぎの中心に走り叫ぶが誰も状況を飲み込めていないのか答える者は居ない。
「──っ!?」
突如砂埃の中から現れた大剣による一撃を刀で防護するが堪えきれず吹き飛ばされる。
地面を数回転がりながら、晴れゆく砂埃の中から出てきたモノに驚かされる。
出てきたのは大剣を構え、大きな鎧に身を包んだ戦士。
《鉄機兵》だと?
ようやく状況を飲み込めたのか次々と矢や魔法を《鉄機兵》に向け放ち始める。
『───テキヲニンシキ、ハイジョカイシ』
冷たい機械のような声と同時に近くいた男に急接近し大剣を振り下ろす。
何とかガードしようと頭上に盾を構えたが
『ムダデス』
盾に当たる瞬間に強引に軌道を変え上半身だけを回転させながら攻撃を横凪に変えた。
攻撃が頭上から来ると上に盾を構えていた男は横からの攻撃に対応出来ず真っ二つとなる。
「俺のっ!?!オレのからだがあああああああああ!」
悲痛な叫びを喚き散らす男、四肢ではなく胴体が切断されるのは "死亡確定の攻撃を受けた場合のみ"
もうあの男は助からないであろう。
必死に生に縋り付くようにこちらに手を伸ばしてくるがパタリと動かなくなり身体がポリゴンの破片となって飛び散っていく。
そして恐怖が伝染したかのようにあるものは自暴自棄になり《鉄機兵》に突撃し、ある者は逃げようとし新たに轟音と共に現れた《鉄機兵》に行く手を塞がれる。
先程まで戦っていた推奨Lv30の《首狩り アーシャ》に対し《鉄機兵》は80、
対応出来ていないプレイヤーは録に最前線の戦いを経験していないもの達だろう。
ある程度経験がある物は手馴れたように"上"から降る《鉄機兵》に対応し始める。
……上?
そしてある事に気がついた俺は空を見上げる、
ワイバーンが羽ばたく遥か上空から黒い点、いや《鉄機兵》がまるで爆撃のように次々と投下される。
「狼狽えるなっ!《鉄機兵》程度俺らの敵じゃねえだろ!!」
誰かが吠え、勇敢に《鉄機兵》に攻撃を浴びせる。
それを見て1人また1人と彼に続いた。
俺は装備画面を開きながら、遠距離スキル特化から生存特化装備へとチェンジする。
向こうが本気を出てきたなら俺も本気で戦わなければ生き残れない、
誰かの明確な殺意を感じ取った。
今まさに1人のプレイヤーが命を狩ろうと接近していた大剣を刀で弾き《パリィ》する。
今の俺ならば連発は出来ないが高STRによりタイミングさえ見極めれば多くにスタミナと引き換えに攻撃を弾くことが出来る。
攻撃を弾かれ大きくのけ反り体重を崩した《鉄機兵》に刀のスキル《贄牙》を発動し相手の周囲を回りながら舞うように12連撃を繰り出す。
最初の一撃の威力は低いが、
敵に当たれば当たるほど火力とスピードボーナスが付与され高速で敵を切り裂く。
体勢を崩し《贄牙》のフルヒットをくらった《鉄機兵》はエンジン音と黒い煙を上げながら青いポリゴンとなり砕け散った。
「あっ、りがとうございます」
感謝を言われるが《パリィ》と《贄牙》を使ったせいでスタミナが8割程持っていかれて会話のために無駄なスタミナを使える状態じゃない。
軽く頷き次の《鉄機兵》に向けて駆ける。
城門からは周囲が1km弱見渡せる、目の前は平原なので敵を見落とすことは無いだろう。
後ろを振り向くと赤い空に照らされ城下町が赤く染まっている、
先程まで騒がしかった音は聞こえず、誰も緊張した面持ちで《防衛戦》の開始を今か今かと待っている。
左右を見渡すと俺と同じく露払いを任せられたであろうプレイヤーやNPCが弓や銃、杖などの獲物を構え前方を睨んでいる。
そして時は満ちた。
「なんだよあれっ!?」
1人がそれを見て声を発し、1人が生唾を飲み込んだ。
視界に写るのは巨大な紫色の門、町を1つ軽々と飲み込んでしまいそうだ、
それにここからでも巨大に見える事から、近場に行ったら首が折れるほど見上げなければならないのだろうか?
おそらく門は東西南北4箇所に出現しているだろう。
もしかしたら南西なども含め8箇所かもしれないが左右を見渡しても確認できない。
門はゆっくりと開き始める。
「来るぞ」
誰かが呟いた。
そして門の奥からモンスターの軍勢が現れる。
『リク、敵の詳細報告』
補助スキル《遠視》を発動させ扉から溢れ出るモンスターを確認する。
「先頭《青銅騎士》《ヴァンガ》《スケリトルナイト》その後ろに《ゴブリンキング》、キングがいるなら《ゴブリン》もいるな《クイーン》は見あたらず、
《首無しブーゴ》複数 、首無しがいるなら《首狩り アーシャ》可能性アリ、
《呪術師 アーネスト》
《剛腕 ギーファス》リポップボスのオンパレードかよ、それより後ろはギーファスの背丈が邪魔で確認できず」
『了解、リク行ける?』
「ああ任せろ」
『他はまだ待機していてくれ』
俺は天に向かって《アローレイン》通称アロレを発動する。
その名の通り1本の矢が複数に分裂し雨のように降り注ぐ技であり、
本来なら1本1本のダメージは低いが範囲が広く弱いモンスター処理なら最適スキルの一つだが、
俺のかかる呪いの効果によって通常モンスターなら軽く屠れる。
そして放った直後にもう一度発動させる。
本来ならスキル事にCTが定められている関係上連続発動は出来ないが《巧者の指輪》と言う1回だけスキルのCTを0にすることが出来る装備を身に付けているおかげでに連射できる、
役目を終えた《巧者の指輪》は砕け散り青いポリゴンの破片を撒き散らす。
そして1射目のアロレが的に命中したのか大量のログと共に視界には《献上値:1位 《Riku》12,480pt》と表示される。
なるほど敵を倒すか攻撃が当たれば献上値が稼げるシステムか…最終的にランキング報酬があるタイプか?
だとしたら稼ぎすぎるのは良くないな。
《討伐戦》でヘイトを向けられたのにさらに集めたくはない。
視界を埋め尽くすほどの大量のダメージログを目で追いながらそんな事を考えひとつの名前を発見する。
「──っ!?」
持っている弓を手放しすぐさま《刀》を抜刀し
首筋に迫る刃よりも先に
一瞬で俺の背後にに出現した《首狩り アーシャ》6体を一回転しながら一刀両断する。
「ルース、《首狩り アーシャ》アリ、注意」
『分かった』
『通達、《首狩り アーシャ》の存在確認、露払いの舞台は複数人で固まり、《攻撃役》と《迎撃役》に別れて作戦続行してくれ』
俺は隣のヤツに目配せする。
「あんたが攻撃役をやってくれ」
「ああ、わかった」
会話してる間にも敵の進行は止まることなく肉眼で姿形を捉えられる距離まで接近する。
『遠距離部隊攻撃開始っ!!』
ルースの合図と共に城壁上の遠距離部隊はそれぞれ矢を放ち弾幕を張り、詠唱を開始する。
そして着弾に合わせ《首狩り アーシャ》が城壁に現れるがほとんど一太刀で消え去る。
《首狩り アーシャ》
推奨lv30エリア《名無しの森》に出現する、ボロ布を纏い、
短剣を装備した人型の《徘徊型ボス》だ。
耐久力と攻撃力は低いため警戒していればそれ程苦戦する相手でもない。
しかし厄介なのは遠距離攻撃が命中した際その遠距離攻撃を無効化した上対象者の背後に瞬間移動し正確に自身のアバターの弱点の一つである首を狙い攻撃してくる点だ。
普段の火力は低い代わりに背後からの攻撃、
首を狙った急所攻撃、
さらに《短剣》という急所又は背後から攻撃した際の
クリティカルボーナスを最大限に高める武器を装備しているので、
その一撃は《軽装備》のプレイヤーなら全損、
《重装備》プレイヤーでも首元を鎧で覆って居なければ8割、運が悪ければ全損。
さらに神出鬼没で他モンスターと交戦中に射線に飛び出し奇襲攻撃を繰り出して来るため常に周りを確認しておく必要がある、
しかし瞬間移動するのは遠距離武器を使った場合か《投擲》した場合なので近距離1本で戦うプレイヤーには経験値にしかならない。
そして同じく脅威なのは
同エリア存在する《徘徊ボス》《首無し ブーゴ》はかつて《首狩り アーシャ》に首を狩られ、命を落とした後、
自分の首を求め、該当エリアを彷徨う亡霊であり。
《首狩り アーシャ》と《首無し ブーゴ》が会敵した場合、
《首無し ブーゴ》のステータスが大幅アップされプレイヤー、モンスター問わず辺にいる生物を攻撃し始めるそれを《狂乱》状態と呼んでいる。
ただでさえ鎧を着込んでいて硬いのに、
さらに硬くなったら手に負えないため《首狩り アーシャ》の最短撃破が望ましい。
会敵した上で《首狩り アーシャ》を先に倒した場合、
《首無し ブーゴ》は自身の獲物である大剣《テンペスタ》をその場に残し消滅する。
有効な敵が少ない《風》属性の大剣だが、
高い火力とステータスボーナス値によりしばらくメインで使うことも出来る武器だ。
逆に《首無し ブーゴ》を先に撃破した場合は《朽ちたタリスマン》をドロップする。
こちらは《アンデット》族モンスターの攻撃を軽減する効果があり、
おまけ程度だが背後からの攻撃のダメージを減らす。
代用《装飾品》は沢山存在するためわざわざ《首無し ブーゴ》を先に倒す必要は一切ない、
全ての装備品を集めたいコレクターなどなら話は別だが。
話がそれたが《防衛戦》で登場するモンスターはアイテムは落とさないようだあくまでもポイント稼ぎ用だな。
さらに《首狩り アーシャ》の首を逆に切断してやりながらそんな事を考える。
前線を見るが《首狩り アーシャ》と《首無し ブーゴ》が同時に存在しているのに《狂乱》状態になっているようには思えない、
《防衛戦》は特殊なのだろうか?
「はあ、はぁ」
「少し休め」
俺はスタミナが切れそうな攻撃役の彼を下がらせながら左右を観察する。
さすがにある程度の実力者ばかりか…
半端な実力者の場所に《首狩り アーシャ》が出現し城壁上のメンバーが崩れかける心配をしたがそんな状況には陥らなかったようだ。
下の戦場を見ると前衛部隊が骨の大群と交戦している。
おそらく《屍術士》がいるのだろう、
奴は自身のレベルは60前後だがレベル50の《スケリトルナイト》を召喚し戦うが、
《屍術士》本人も敵や壁を貫通する球《カースソウル》の《闇術》を発動し援護をしてくる。
矢で《屍術士》の顔を射抜くと召喚した《スケリトルナイト》も消滅する。
奴の長所として50体の《スケリトルナイト》を召喚し使役する、
これは最大50体ではなく、常時50体だ。
《スケリトルナイト》を倒しても倒しても場に出ている《スケリトルナイト》が減ることはほとんど無い、
無理やり突っ込み《屍術士》を倒そうとすると《スケリトルナイト》が壁として立ち塞がり《屍術士》は逃げてしまう。
そのため直線貫通系、又は広範囲を攻撃出来るの《スキル》や《魔法》を使うしか奴を倒す方法はない。
この広範囲を覆う《スケリトルナイト》の絨毯を見るに《屍術士》は10や20の規模ではない、
こちらに勝る物量で押し潰そうとしてきている。
その時大きく土煙が上がり、それに合わせたように複数の箇所に土煙が上がりとあるプレイヤーが献上値がランキングのトップに登る。
《Mark》
マーク、その名を知らぬ物は居ない
ギルド《グローリー》のリーダーでありアタッカー、
得物である大斧を使った破壊力がある一撃は、
ボスの装甲ですら軽々と突き破ってしまうほどの火力を出す。
《グローリー》メンバーが暴れ回っているのだろう、
その後も何度も何度も爆発音のようなものが聞こえ土煙が上がりそれに巻き込まれたモンスターたちが上空ででポリゴンの破片となっているのが見える。
あ~あ~戦場が穴ぼこだらけじゃねえか、どうすんだこれ……
先程まで草と花が生え緑の絨毯だった城門前の光景が茶色と化す。
「おいルース、あれ止めなくていいのか?味方にも被害出そうだぞ」
「あはは、守るためだから、それに……前衛に出てる人達はあの程度でどうにかなる人達じゃないからね」
「さいですか」
「ギーファスの《投擲》だ!!」
誰かが大声を上げ前を見ると
《剛腕 ギーファス》が自分と同じ大きさ、いやそれ以上にある大きさの巨石を頭上に掲げこちらへと放り投げた。
やっべっ!?
矢を番え《散りばめられた星々》の準備に入ろうとした俺の視界に、地面から大きく飛び上がり、勢いよくこちらに向かう巨石の目の前に立ち塞がる。
「あいつっ!?何やってんだ!?」
次の瞬間俺の心配を他所に巨石は粉々に砕け散り爆散していた。
「はっ?」
口を開け惚けたように見つめる
その光景を見ていた他のプレイヤーと思ったことは一緒だろう。
「おいルース、あの規格外は誰だ?」
「誰って?」
「今こっちに飛んできた岩を粉々に砕いた奴だよ、どんだけSTRにステ振りしたら砕けんだよあれ……」
「おそらく《カイドウ》さんだね」
その言葉を聞き身体に電流が走ったような感覚に襲われる。
「《カイドウ》だとっ!?」
《カイドウ》
ダボッとした道着のような物を身に付け、腰に瓢箪をぶら下げている男だ。
どんな強敵と遭遇しても逃亡です、負けることは無く、
脅威のラッシュスピードと自慢の《格闘》スキルを組み合わせ、障害をねじ伏せる、
武人肌の男性。
彼の通ったダンジョンでは《破壊不可》オブジェクトでもない限り何もかも粉々になっていると聞く、
名前を変換し《壊道》と恐れられている人物だ。
通常時でも《カイドウ》のスピードは目で追うのがやっとで繰り出される攻撃を防御することしか出来ないが、
《瓢箪》に入った酒を飲むことでさらに動きと、攻撃の威力、密度が上がる。
ある意味化け物のような男だ。
そして唯一俺がPvPで勝てなかった相手でもある。
「なるほどあの人なら納得だ」
「それよりもリク、これで終わりだと思うか?」
「と言うと?」
「告知した上アップデートまで入って開催された《防衛戦》がこのまま終わるかどうかかな、
開始から10分は経ったけど未だに最初の防衛ラインを敵側は突破してない、
それに北、西、東側からも突破された報告は上がっていない」
「お前としてはこのまま終わるとは思ってないわけだ」
『そうだね』
その時急に空が暗くなり頭上を見上げる。
「みたいだな、ここからが第2ウェーブって所か?」
空を覆い尽くす程の《ワイバーン》の群れが上空に出現した。
『遠距離部隊っ!頭上に現れた《ワイバーン》に攻撃っ!1匹たりとも突破させるなっ!!』
《ワイバーン》は《竜種》を模試し生み出された《人工生物》だ、
《竜種》よりもだいぶ小さく人間よりは少し大きい、
手と翼が一体化しているのが特徴だろうか。
この大陸を創成したとされる《始祖竜 クリデェア》から名づけられていない名無しの《竜種》まで、
《竜種》に関係している場所にまるで導かれているかのように現れ、
小さい上に素早しっこく、滑空しながらの急降下により奇襲による一撃離脱の攻撃も仕掛けてくる厄介な敵だ。
「うわああああああ」
悲鳴に近い声と共に破壊音そして城壁上で砂埃が上がる。
「なんだどうしたっ!?」
騒ぎの中心に走り叫ぶが誰も状況を飲み込めていないのか答える者は居ない。
「──っ!?」
突如砂埃の中から現れた大剣による一撃を刀で防護するが堪えきれず吹き飛ばされる。
地面を数回転がりながら、晴れゆく砂埃の中から出てきたモノに驚かされる。
出てきたのは大剣を構え、大きな鎧に身を包んだ戦士。
《鉄機兵》だと?
ようやく状況を飲み込めたのか次々と矢や魔法を《鉄機兵》に向け放ち始める。
『───テキヲニンシキ、ハイジョカイシ』
冷たい機械のような声と同時に近くいた男に急接近し大剣を振り下ろす。
何とかガードしようと頭上に盾を構えたが
『ムダデス』
盾に当たる瞬間に強引に軌道を変え上半身だけを回転させながら攻撃を横凪に変えた。
攻撃が頭上から来ると上に盾を構えていた男は横からの攻撃に対応出来ず真っ二つとなる。
「俺のっ!?!オレのからだがあああああああああ!」
悲痛な叫びを喚き散らす男、四肢ではなく胴体が切断されるのは "死亡確定の攻撃を受けた場合のみ"
もうあの男は助からないであろう。
必死に生に縋り付くようにこちらに手を伸ばしてくるがパタリと動かなくなり身体がポリゴンの破片となって飛び散っていく。
そして恐怖が伝染したかのようにあるものは自暴自棄になり《鉄機兵》に突撃し、ある者は逃げようとし新たに轟音と共に現れた《鉄機兵》に行く手を塞がれる。
先程まで戦っていた推奨Lv30の《首狩り アーシャ》に対し《鉄機兵》は80、
対応出来ていないプレイヤーは録に最前線の戦いを経験していないもの達だろう。
ある程度経験がある物は手馴れたように"上"から降る《鉄機兵》に対応し始める。
……上?
そしてある事に気がついた俺は空を見上げる、
ワイバーンが羽ばたく遥か上空から黒い点、いや《鉄機兵》がまるで爆撃のように次々と投下される。
「狼狽えるなっ!《鉄機兵》程度俺らの敵じゃねえだろ!!」
誰かが吠え、勇敢に《鉄機兵》に攻撃を浴びせる。
それを見て1人また1人と彼に続いた。
俺は装備画面を開きながら、遠距離スキル特化から生存特化装備へとチェンジする。
向こうが本気を出てきたなら俺も本気で戦わなければ生き残れない、
誰かの明確な殺意を感じ取った。
今まさに1人のプレイヤーが命を狩ろうと接近していた大剣を刀で弾き《パリィ》する。
今の俺ならば連発は出来ないが高STRによりタイミングさえ見極めれば多くにスタミナと引き換えに攻撃を弾くことが出来る。
攻撃を弾かれ大きくのけ反り体重を崩した《鉄機兵》に刀のスキル《贄牙》を発動し相手の周囲を回りながら舞うように12連撃を繰り出す。
最初の一撃の威力は低いが、
敵に当たれば当たるほど火力とスピードボーナスが付与され高速で敵を切り裂く。
体勢を崩し《贄牙》のフルヒットをくらった《鉄機兵》はエンジン音と黒い煙を上げながら青いポリゴンとなり砕け散った。
「あっ、りがとうございます」
感謝を言われるが《パリィ》と《贄牙》を使ったせいでスタミナが8割程持っていかれて会話のために無駄なスタミナを使える状態じゃない。
軽く頷き次の《鉄機兵》に向けて駆ける。
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