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第16話《俺の手助けをしてくれる人みたいですが、この世界で最も会いたくない人物でした》
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「えっと…ここで待機しておいてって言ったんだけどな…」
ルースは周辺をキョロキョロと見渡しているが、それよりも周りの視線が痛い。
トップとは行かないがそこそこ名が通っている《青龍騎士団》団長と明らかに初期装備の男が並んで歩いている時点で注目されるのは必然か…
装備を変えようかとも思ったが《頑丈》スキルは俺の生命線だ、
変えのスキルがない限り変えたくても変えられない。
「お前より俺の方が目がいい、どんな奴なんだ?」
「えっと彼女は…」
彼女?女か。
「赤い髪に、身長はかなり小さくて……」
ふむ。
「目つきはちょっと悪くて」
目つきが悪いね。
「直ぐに誰かと問題を起こして」
トラブルメーカーかよ関わりたくねえ。
「2匹の《竜種》を連れてる」
ん…?今聞き捨てならないセリフが聞こえたような…
「もしかして《魔物使い》?」
「そうだよ」
嫌な予感しかしねえ、只でさえギャウリディア最強種族の《竜種》どの個体もプレイヤー側の推奨Lv80以上で序盤にあったら死を覚悟する存在、
Lv1の《竜種》ですらも上位プレイヤーを軽く屠れる程の最強種。
生息域である《竜の谷》に近づかなければお目にかかる機会は少ないが稀に別エリアに出没し辺りの生物を食い散らかす。
それをテイムできる赤毛で《テイマー》で《竜種》を2体を引き連れてる人物は、俺の知る限り1人しかない。
「なんであいつの連絡先知ってんだよ」
「あれ?リクの知り合い」
「出来れば知り合いたくなかった、あんなクソチ……いっってえええっ!!」
脹脛に激痛が走り地面から数センチ飛び上がった瞬間視界が真っ暗になる。
「誰がクソチビだって?」
鈴のような透き通る高い声が聞こえ
声をした方を見るが視界が暗闇に覆われ何も見えずベタベタする液体が顔に垂れる。
「なあ、今すぐ俺を咥えるのやめてもらっていいか?」
声が篭もり反響してることからここは奴が連れてる竜の口内だ。
「っくそ、おいレオ俺を咥えるな、離せ!!」
何とか脱出しようと藻掻くがビクともしない、
早く出ないと胃酸で溶かされる。
『撤回するな?』
「何を?」
『私をチビって言おうとした事』
「言い切ってないんだからいいじゃねえか!」
身体が前に進む、
こいつ俺を飲み込む気か!?
「わかった分かったって、撤回する、お前はチビじゃない」
「ぐうぇっ」
地面に吐き出された
「俺は食いもんじゃねえって何回言ったら分かるんだ」
目の前でふんぞり返る赤い鱗に覆われた《竜種》、レオを睨む。
「全く、あんたは変わらないわね……リク」
赤い三つ編みを揺らしながら青い竜種の上で少女はゴミを見るかのような目で俺を見下ろす。
「なんでお前がここにいんだよ……《マヤ》」
「そこのだんちょーさんからお声が掛かってね、《青龍騎士団》ってどっかで聞いたことあるな~って思ったらリクが前いたって言うギルドじゃない、なら参加すればあんたに会えると思って」
「リクさんだろ?年上を敬え、
ん?つーことはあれか、俺をわざわざ虐める為にここまで来たって訳か?」
「ええ、そうよ」
竜から降り綺麗に着地しながらキッパリといいやがった、このチビは……
「なあルース、こいつの配置は?」
「リクと同じで正門、彼女には前線に出てもらうけどね」
「じゃあ正門はパスで」
「なんでよっ!?」
「俺がお前と一緒は嫌なんだよ」
「リク?」
「なっなんだよ?」
ルースに肩を掴まれる。
「依頼主に逆らっていいのかな?」
こっ、怖ええ、すっごい笑顔だけど声が笑ってないでございますよ。
怒るとリスタリアより怖いからな……
これはあわよくば俺の傭兵としての評判を地に追い詰めて無理やり青龍騎士団に帰ってきてもらおうと考えてる顔ザマスね?
おっかないザマス。
「しょうがないマヤ、その2匹勝手な行動しないようにちゃんとしておけよ誤射しても知らねえからな?」
「は?もし大事なこの子達を傷つけたりしたら身ぐるみ全部剥いでやるからね!」
「なんでだよっ!」
「2人はどんな関係だい?」
「主人と奴隷ムガっ!?ウムウウ!!ウウムム!!!」
変な事を口走りそうになっていたので慌てて口を抑える。
「ちげえよっ!こんな所ででたらめを言おうとするな!」
「むがっ!!フガガンンンン」
「俺の手を噛むなバカっ!!簡単に言うとこいつは俺の命の恩人って所だよ」
「?」
「前に仕事でしくじった時にこいつがたまたま通りがかって助けてくれたんだ」
「そうよ、だからリクには私が挙げた恩を数十倍にしてしっかりと返して貰わないと行けないんだから、何のに何も言わず消えるなんて、このっこのっ!!」
ガシガシと何度も脛を蹴られる。
「まあこうやって暴力を振るわれるわ、そこの食欲旺盛な竜に食われそうになるわで何とか命からがらに逃げてきたから会いたくなかったわけだ」
「何よ私が悪いって言うの!?」
「うん、命を助けてくれたのは感謝してるけど、その後の生活で死んだ方がマシって言うくらいのことしでかしてくれたからね君達」
「だってあんたが助けて貰った代わりになんでもするって言ったでしょ!?」
「だとしても毎日毎日素手で竜と組手しろってアホか!?いくら命あっても足りねえよっ」
「2人は中がいいんだね」
「良くねえ!」「良くないっ!!」
その時空気が重くなり晴れ渡る青だった空が赤黒く染る
「──っ、アップデートが始まったか」
ギャウリディアではゲームのアップデート中にゲームに接続出来ないと言うことは無く、
ほぼリアルタイムでアップデートが行われている、
だがその際このように空気が重くなる場合があるがそれは書き換えるデータ量が多い場合だ、
アップデートの時間は前後するが長くても15分前後だ。
「総員に通達、各自に配置に付き準備を開始!!」
ルースの声と共に慌ただしく動き始める。
「マヤ、俺もお前に言いたいことがあるがひとまずは仕事が終わった後だ、いいな」
「わかったわ」
「そんじゃお互いイベント頑張りましょうか」
俺は2人にそう言って指定された持ち場に向かう。
ルースは周辺をキョロキョロと見渡しているが、それよりも周りの視線が痛い。
トップとは行かないがそこそこ名が通っている《青龍騎士団》団長と明らかに初期装備の男が並んで歩いている時点で注目されるのは必然か…
装備を変えようかとも思ったが《頑丈》スキルは俺の生命線だ、
変えのスキルがない限り変えたくても変えられない。
「お前より俺の方が目がいい、どんな奴なんだ?」
「えっと彼女は…」
彼女?女か。
「赤い髪に、身長はかなり小さくて……」
ふむ。
「目つきはちょっと悪くて」
目つきが悪いね。
「直ぐに誰かと問題を起こして」
トラブルメーカーかよ関わりたくねえ。
「2匹の《竜種》を連れてる」
ん…?今聞き捨てならないセリフが聞こえたような…
「もしかして《魔物使い》?」
「そうだよ」
嫌な予感しかしねえ、只でさえギャウリディア最強種族の《竜種》どの個体もプレイヤー側の推奨Lv80以上で序盤にあったら死を覚悟する存在、
Lv1の《竜種》ですらも上位プレイヤーを軽く屠れる程の最強種。
生息域である《竜の谷》に近づかなければお目にかかる機会は少ないが稀に別エリアに出没し辺りの生物を食い散らかす。
それをテイムできる赤毛で《テイマー》で《竜種》を2体を引き連れてる人物は、俺の知る限り1人しかない。
「なんであいつの連絡先知ってんだよ」
「あれ?リクの知り合い」
「出来れば知り合いたくなかった、あんなクソチ……いっってえええっ!!」
脹脛に激痛が走り地面から数センチ飛び上がった瞬間視界が真っ暗になる。
「誰がクソチビだって?」
鈴のような透き通る高い声が聞こえ
声をした方を見るが視界が暗闇に覆われ何も見えずベタベタする液体が顔に垂れる。
「なあ、今すぐ俺を咥えるのやめてもらっていいか?」
声が篭もり反響してることからここは奴が連れてる竜の口内だ。
「っくそ、おいレオ俺を咥えるな、離せ!!」
何とか脱出しようと藻掻くがビクともしない、
早く出ないと胃酸で溶かされる。
『撤回するな?』
「何を?」
『私をチビって言おうとした事』
「言い切ってないんだからいいじゃねえか!」
身体が前に進む、
こいつ俺を飲み込む気か!?
「わかった分かったって、撤回する、お前はチビじゃない」
「ぐうぇっ」
地面に吐き出された
「俺は食いもんじゃねえって何回言ったら分かるんだ」
目の前でふんぞり返る赤い鱗に覆われた《竜種》、レオを睨む。
「全く、あんたは変わらないわね……リク」
赤い三つ編みを揺らしながら青い竜種の上で少女はゴミを見るかのような目で俺を見下ろす。
「なんでお前がここにいんだよ……《マヤ》」
「そこのだんちょーさんからお声が掛かってね、《青龍騎士団》ってどっかで聞いたことあるな~って思ったらリクが前いたって言うギルドじゃない、なら参加すればあんたに会えると思って」
「リクさんだろ?年上を敬え、
ん?つーことはあれか、俺をわざわざ虐める為にここまで来たって訳か?」
「ええ、そうよ」
竜から降り綺麗に着地しながらキッパリといいやがった、このチビは……
「なあルース、こいつの配置は?」
「リクと同じで正門、彼女には前線に出てもらうけどね」
「じゃあ正門はパスで」
「なんでよっ!?」
「俺がお前と一緒は嫌なんだよ」
「リク?」
「なっなんだよ?」
ルースに肩を掴まれる。
「依頼主に逆らっていいのかな?」
こっ、怖ええ、すっごい笑顔だけど声が笑ってないでございますよ。
怒るとリスタリアより怖いからな……
これはあわよくば俺の傭兵としての評判を地に追い詰めて無理やり青龍騎士団に帰ってきてもらおうと考えてる顔ザマスね?
おっかないザマス。
「しょうがないマヤ、その2匹勝手な行動しないようにちゃんとしておけよ誤射しても知らねえからな?」
「は?もし大事なこの子達を傷つけたりしたら身ぐるみ全部剥いでやるからね!」
「なんでだよっ!」
「2人はどんな関係だい?」
「主人と奴隷ムガっ!?ウムウウ!!ウウムム!!!」
変な事を口走りそうになっていたので慌てて口を抑える。
「ちげえよっ!こんな所ででたらめを言おうとするな!」
「むがっ!!フガガンンンン」
「俺の手を噛むなバカっ!!簡単に言うとこいつは俺の命の恩人って所だよ」
「?」
「前に仕事でしくじった時にこいつがたまたま通りがかって助けてくれたんだ」
「そうよ、だからリクには私が挙げた恩を数十倍にしてしっかりと返して貰わないと行けないんだから、何のに何も言わず消えるなんて、このっこのっ!!」
ガシガシと何度も脛を蹴られる。
「まあこうやって暴力を振るわれるわ、そこの食欲旺盛な竜に食われそうになるわで何とか命からがらに逃げてきたから会いたくなかったわけだ」
「何よ私が悪いって言うの!?」
「うん、命を助けてくれたのは感謝してるけど、その後の生活で死んだ方がマシって言うくらいのことしでかしてくれたからね君達」
「だってあんたが助けて貰った代わりになんでもするって言ったでしょ!?」
「だとしても毎日毎日素手で竜と組手しろってアホか!?いくら命あっても足りねえよっ」
「2人は中がいいんだね」
「良くねえ!」「良くないっ!!」
その時空気が重くなり晴れ渡る青だった空が赤黒く染る
「──っ、アップデートが始まったか」
ギャウリディアではゲームのアップデート中にゲームに接続出来ないと言うことは無く、
ほぼリアルタイムでアップデートが行われている、
だがその際このように空気が重くなる場合があるがそれは書き換えるデータ量が多い場合だ、
アップデートの時間は前後するが長くても15分前後だ。
「総員に通達、各自に配置に付き準備を開始!!」
ルースの声と共に慌ただしく動き始める。
「マヤ、俺もお前に言いたいことがあるがひとまずは仕事が終わった後だ、いいな」
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