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1章 1節 仲間と成長の時間 《ディスペア編》
第12話 魔術訓練とハイル
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「それじゃあ今回は魔力の操り方の応用編をやっていきましょう!」
壇上で壁にかけられた大きい板に、白い棒のようなもので文字を書きながら教室全体に響き渡る大きな声で教官は言う。
ここはディスペア訓練所東の一室、
今の時間は魔術訓練に割り当てられている教室だ。
「前回までの訓練で、自分の魔力が身体の中にある事を感じ取って、
それを軽く操ることまではみんなできたと思うわ」
と教官は言うが僕は何一つわかっていなかった。
『ねえねえタイガ、僕前回までを知らないんだけど』
小声で隣に座るタイガに尋ねる。
『大丈夫だよ、一通り説明したら先生が説明してくれるからと思うから』
それなら大人しく話を聞いておこう。
「ですので今回はその操った魔力を体の表面に纏わすことから始めましょう!
体に纏うことでその魔力は自分を守る鎧になるわ。
でも鎧と言ってもあくまでも魔法に対しての鎧よ。
剣や槍などの武器には効果がないわ。
例えるなら相手が放った魔術を魔力で相殺して被害を減らすって事ね、でもこれが結構難しいのよ。
相手が魔術を発動するのを見てからしてから纏うのはほぼ無理ね、だから初めから纏っておくの。
でも体の隅々まで均等に纏わせないと魔力の鎧のむら…守りが薄いところが出てきてしまい、
相殺出来ずに逆に相手の魔術を膨張させ爆発し怪我を追うこと事もあります。
纏う魔力量でも多ければ、相手の大きな魔術を相殺することも実力次第ではできますが、
その分常時消費する魔力も多く。
逆に少なければ大きな魔術は相殺できないですが、より長く魔力の鎧を纏っていられ、更に他の魔術も発動することが可能でしょう。
ゆっくりでいいので自分の体に魔力を纏わせるようになりましょうね。
魔力の手足のように自由自在に操れ、
更に身体に対して均等にも纏えれば魔力を扱う者としては合格と言えるでしょう。
ではお手本を見せるわね。」
そう言って教官は持っていた杖を頭上に掲げる、
すると徐々にだが、先生から感じる魔力の多さが徐々に上がっていく。
「…ふう、こんな感じよ、これくらいの魔力の鎧なら、下級魔術の《火球》位なら無傷でって…
そこ!笑わない!先生だって我慢して言ったんだからっ!!」
笑った数人の訓練生を教官は叱る、確かに教わっている時に笑うのは行けない。
おじいちゃんと訓練した時に、訓練に関係ないことを話しただけで吹き飛ばされ木に叩きつけられた記憶が蘇る。
なぜ笑ったのはか分からないが、彼らには感じ取れた何かがあったのだろう。
「さてそれじゃあ各々魔力を纏ってみましょうか、出来たら確認するから呼んでね。
魔力を体から放出する管の広さは魔族によって違うから、ゆっくりで大丈夫よ、さて…」
パタンと持っていた本を閉じ教官は教壇から降りて机の間を通って真っ直ぐにこちらに向かってくる。
カツカツという靴の音と同時に自分の背筋が伸びていくのを感じる。
「今日からディスペア訓練所第17班に入った…確かハイルくんだったわよね」
「はっ、はい!!」
「そんなに緊張しなくて大丈夫よ、私は此処で魔術訓練を担当してるルカ・アストレイ、ルカ教官でいいわ」
「はい、ルカ教官先生」
「うん、よろしい♪それでね、君が今どのくらい自分の魔力を扱えてるか知りたいんだけど、もし得意な魔法があったら教えてくれる?」
「えっと、得意な魔法…」
「深く考えなくていいわ、ここに来るまで全く魔法を使ったことない子もいるから、
もし何か魔法を使った事があるならその魔法を教えて欲しいの」
「…えっと、なら《身体強化》系の魔法を使います」
「身体強化?確か無属性のサポート型の魔法だったかしら?
ちょっと以外ね…あっ別にバカにしてる訳じゃないのよ?
最近入ってくる子って、攻撃系の魔術を得意ですって身の丈に合っていない大きな魔術を答える子が多くて。
身体強化などの基礎魔術、基本中の基本の魔術をを得意ですって答える子は少ないのよ、
…でっでも!基礎がちゃんとできてるって素晴らしいわ、他には何かあるかしら?」
「えっと…それだけです」
「うん、それじゃあ身体強化やって見せて?」
「わかりました」
僕はいつも通り胸に手を当てに魔力を流し込み《身体強化》を発動させる。
淡い光が胸から身体全体に広がる。
「終わりました」
「えっ?本当に?」
ルカ教官は驚いたような声をあげる。
「は、はい…」
ちょっと触るわね…と腕に触れた瞬間、ビクッとルカ教官は素早く手を話してしまう。
「えっとルカ教官?」
「…なんでもないわ、失礼するわね」
と恐る恐る手を伸ばし僕の腕を触り始める、
そして奇妙な視線を前方から感じる、
ふと前を向くと水色のツインテールが特徴的少女と目が合った、
少女は教官に触れられ身体を強張られるこちらに値踏みをするような視線を向ける。
そして思い出す朝の自己紹介中に同じ視線が合った事をおそらく同じ彼女の視線だろう。
「ねえハイル君、1回解除してもらってもいい??」
「えっ?あっはい」
淡い光が消える
「解除しました」
「……」
再び無言でぺたぺたと身体を触り始めるルカ教官。
水色の少女の方を見ると既にこちらには興味が無いのか、訓練を再開していた。
「それじゃあ、また発動してもらってもいい?」
頷き、再び《身体強化》を発動する。
「出来ました」
すると更に顔、体、太ももとぺたぺたと触って行くルカ教官、
ちょっと擽ったくて体を震えさせる
「ハイルくん貴方…すごいわよ!!」
「え?」
いきなり大きな声で褒められる。
「身体強化の魔術は本来、一部分に対して使うものなのよ、
手だったら腕力強化、足だったら脚力、目だったら視覚…みたいにね、
そしてその強化したい部分を触れながら発動する、それが使用する前提条件なの。
そして貴方は右手を左胸に当てた、
そこまでいいの右でも左でも強化したい部分に触れさえすればいいんだから。
でもそこからよ貴方は"言葉を唱えなかった"。
魔術はその魔術に適した言葉と魔力の消費によって発動する事が基本とされているわ。
例えば《火球》だったら
《燃える紅蓮よ、我が手に》…とかね」
渦のような物が教官の右手に集まり、瞬く間に炎の球が生まれる。
「こうやって言葉を唱えるの、理由は沢山あるけど、
言葉を唱えることによって自信を1種のトランス状態にして、身体と記憶にその魔術にの発動手段を刷り込ませるの。
まあ正直言葉は簡単でもいいんだけど…《火球》
…ほらね」
教官の左手にも炎の玉が出現する。
「これは何回も魔術を発動して、身体が魔術を完全に覚えるとできるようになる技見たいな物だわ、長ったらしい詠唱もしなくて楽でしょ?
初心者がやろうとすると身体が魔術を覚えきれてないから集中が切れて魔術自体発動しないわ…って話がズレたわね。
それで君がやったのって今の上位に当たる物なの、
言葉なしで魔術を発動する事だけど《無詠唱》と私は呼んでいるわ。
無詠唱で魔術を発動することはその魔術を極めたと行っても過言じゃない、
全魔術使いが最終的に目指す場所なの」
と僕の肩をつかみながら力説するルカ教官。
「しかもそれだけじゃないわっ!」
肩を掴む手に力が入る。
「本来なら身体の一部分を対象にするサポート型の魔術なのに、
それを部分ごとじゃなく、1回で身体全体に付与するなんて…
それに身体強化系の魔術は魔力の消費が発動したタイミングで減る訳ではなく、
付与している間ずっと消費されるn
「ルカ教官痛いです…」
…えっ?っ!?ごっ、ごめんねハイルくん!?」
肩の重さと痛みに開放される。
おそらく服の下には手の跡がしっかりと着いているだろう。
「またやっちゃった…ごめんねハイル君」
「…いえ、少なくとも教官の魔術に対する熱意と、僕がやった事が…すごい?
…ってことは分かりましたから」
「もしかして身近な人に魔術使いの人がいたり?」
と少し探るような視線と言葉で教官が問いかける。
「はい、お母さんが」
特に隠すことでもないので素直に答える。
「…そうお母さんが、もしかしてその時に魔力の扱い方も?」
「そうですね。
僕の魔力量は同年代の子達と比べて少し多いようで、
怪我しない、怪我させない為にもって教えて貰ってました、
魔力を操るのは得意じゃないですけど…」
と頬をかきながら言う。
得意じゃないのは本当だ、そのためにもここで学びたいと思っている。
「そう、きっとお母さんが優秀な方だったのね、
薄いけど魔力も纏う事もできているみたいだし、
この授業はつまんないかな?」
「いえ、苦手な事ですからしっかり学んで…」
その時何かが破裂したような音と共に前方の机が弾け飛んだ。
壇上で壁にかけられた大きい板に、白い棒のようなもので文字を書きながら教室全体に響き渡る大きな声で教官は言う。
ここはディスペア訓練所東の一室、
今の時間は魔術訓練に割り当てられている教室だ。
「前回までの訓練で、自分の魔力が身体の中にある事を感じ取って、
それを軽く操ることまではみんなできたと思うわ」
と教官は言うが僕は何一つわかっていなかった。
『ねえねえタイガ、僕前回までを知らないんだけど』
小声で隣に座るタイガに尋ねる。
『大丈夫だよ、一通り説明したら先生が説明してくれるからと思うから』
それなら大人しく話を聞いておこう。
「ですので今回はその操った魔力を体の表面に纏わすことから始めましょう!
体に纏うことでその魔力は自分を守る鎧になるわ。
でも鎧と言ってもあくまでも魔法に対しての鎧よ。
剣や槍などの武器には効果がないわ。
例えるなら相手が放った魔術を魔力で相殺して被害を減らすって事ね、でもこれが結構難しいのよ。
相手が魔術を発動するのを見てからしてから纏うのはほぼ無理ね、だから初めから纏っておくの。
でも体の隅々まで均等に纏わせないと魔力の鎧のむら…守りが薄いところが出てきてしまい、
相殺出来ずに逆に相手の魔術を膨張させ爆発し怪我を追うこと事もあります。
纏う魔力量でも多ければ、相手の大きな魔術を相殺することも実力次第ではできますが、
その分常時消費する魔力も多く。
逆に少なければ大きな魔術は相殺できないですが、より長く魔力の鎧を纏っていられ、更に他の魔術も発動することが可能でしょう。
ゆっくりでいいので自分の体に魔力を纏わせるようになりましょうね。
魔力の手足のように自由自在に操れ、
更に身体に対して均等にも纏えれば魔力を扱う者としては合格と言えるでしょう。
ではお手本を見せるわね。」
そう言って教官は持っていた杖を頭上に掲げる、
すると徐々にだが、先生から感じる魔力の多さが徐々に上がっていく。
「…ふう、こんな感じよ、これくらいの魔力の鎧なら、下級魔術の《火球》位なら無傷でって…
そこ!笑わない!先生だって我慢して言ったんだからっ!!」
笑った数人の訓練生を教官は叱る、確かに教わっている時に笑うのは行けない。
おじいちゃんと訓練した時に、訓練に関係ないことを話しただけで吹き飛ばされ木に叩きつけられた記憶が蘇る。
なぜ笑ったのはか分からないが、彼らには感じ取れた何かがあったのだろう。
「さてそれじゃあ各々魔力を纏ってみましょうか、出来たら確認するから呼んでね。
魔力を体から放出する管の広さは魔族によって違うから、ゆっくりで大丈夫よ、さて…」
パタンと持っていた本を閉じ教官は教壇から降りて机の間を通って真っ直ぐにこちらに向かってくる。
カツカツという靴の音と同時に自分の背筋が伸びていくのを感じる。
「今日からディスペア訓練所第17班に入った…確かハイルくんだったわよね」
「はっ、はい!!」
「そんなに緊張しなくて大丈夫よ、私は此処で魔術訓練を担当してるルカ・アストレイ、ルカ教官でいいわ」
「はい、ルカ教官先生」
「うん、よろしい♪それでね、君が今どのくらい自分の魔力を扱えてるか知りたいんだけど、もし得意な魔法があったら教えてくれる?」
「えっと、得意な魔法…」
「深く考えなくていいわ、ここに来るまで全く魔法を使ったことない子もいるから、
もし何か魔法を使った事があるならその魔法を教えて欲しいの」
「…えっと、なら《身体強化》系の魔法を使います」
「身体強化?確か無属性のサポート型の魔法だったかしら?
ちょっと以外ね…あっ別にバカにしてる訳じゃないのよ?
最近入ってくる子って、攻撃系の魔術を得意ですって身の丈に合っていない大きな魔術を答える子が多くて。
身体強化などの基礎魔術、基本中の基本の魔術をを得意ですって答える子は少ないのよ、
…でっでも!基礎がちゃんとできてるって素晴らしいわ、他には何かあるかしら?」
「えっと…それだけです」
「うん、それじゃあ身体強化やって見せて?」
「わかりました」
僕はいつも通り胸に手を当てに魔力を流し込み《身体強化》を発動させる。
淡い光が胸から身体全体に広がる。
「終わりました」
「えっ?本当に?」
ルカ教官は驚いたような声をあげる。
「は、はい…」
ちょっと触るわね…と腕に触れた瞬間、ビクッとルカ教官は素早く手を話してしまう。
「えっとルカ教官?」
「…なんでもないわ、失礼するわね」
と恐る恐る手を伸ばし僕の腕を触り始める、
そして奇妙な視線を前方から感じる、
ふと前を向くと水色のツインテールが特徴的少女と目が合った、
少女は教官に触れられ身体を強張られるこちらに値踏みをするような視線を向ける。
そして思い出す朝の自己紹介中に同じ視線が合った事をおそらく同じ彼女の視線だろう。
「ねえハイル君、1回解除してもらってもいい??」
「えっ?あっはい」
淡い光が消える
「解除しました」
「……」
再び無言でぺたぺたと身体を触り始めるルカ教官。
水色の少女の方を見ると既にこちらには興味が無いのか、訓練を再開していた。
「それじゃあ、また発動してもらってもいい?」
頷き、再び《身体強化》を発動する。
「出来ました」
すると更に顔、体、太ももとぺたぺたと触って行くルカ教官、
ちょっと擽ったくて体を震えさせる
「ハイルくん貴方…すごいわよ!!」
「え?」
いきなり大きな声で褒められる。
「身体強化の魔術は本来、一部分に対して使うものなのよ、
手だったら腕力強化、足だったら脚力、目だったら視覚…みたいにね、
そしてその強化したい部分を触れながら発動する、それが使用する前提条件なの。
そして貴方は右手を左胸に当てた、
そこまでいいの右でも左でも強化したい部分に触れさえすればいいんだから。
でもそこからよ貴方は"言葉を唱えなかった"。
魔術はその魔術に適した言葉と魔力の消費によって発動する事が基本とされているわ。
例えば《火球》だったら
《燃える紅蓮よ、我が手に》…とかね」
渦のような物が教官の右手に集まり、瞬く間に炎の球が生まれる。
「こうやって言葉を唱えるの、理由は沢山あるけど、
言葉を唱えることによって自信を1種のトランス状態にして、身体と記憶にその魔術にの発動手段を刷り込ませるの。
まあ正直言葉は簡単でもいいんだけど…《火球》
…ほらね」
教官の左手にも炎の玉が出現する。
「これは何回も魔術を発動して、身体が魔術を完全に覚えるとできるようになる技見たいな物だわ、長ったらしい詠唱もしなくて楽でしょ?
初心者がやろうとすると身体が魔術を覚えきれてないから集中が切れて魔術自体発動しないわ…って話がズレたわね。
それで君がやったのって今の上位に当たる物なの、
言葉なしで魔術を発動する事だけど《無詠唱》と私は呼んでいるわ。
無詠唱で魔術を発動することはその魔術を極めたと行っても過言じゃない、
全魔術使いが最終的に目指す場所なの」
と僕の肩をつかみながら力説するルカ教官。
「しかもそれだけじゃないわっ!」
肩を掴む手に力が入る。
「本来なら身体の一部分を対象にするサポート型の魔術なのに、
それを部分ごとじゃなく、1回で身体全体に付与するなんて…
それに身体強化系の魔術は魔力の消費が発動したタイミングで減る訳ではなく、
付与している間ずっと消費されるn
「ルカ教官痛いです…」
…えっ?っ!?ごっ、ごめんねハイルくん!?」
肩の重さと痛みに開放される。
おそらく服の下には手の跡がしっかりと着いているだろう。
「またやっちゃった…ごめんねハイル君」
「…いえ、少なくとも教官の魔術に対する熱意と、僕がやった事が…すごい?
…ってことは分かりましたから」
「もしかして身近な人に魔術使いの人がいたり?」
と少し探るような視線と言葉で教官が問いかける。
「はい、お母さんが」
特に隠すことでもないので素直に答える。
「…そうお母さんが、もしかしてその時に魔力の扱い方も?」
「そうですね。
僕の魔力量は同年代の子達と比べて少し多いようで、
怪我しない、怪我させない為にもって教えて貰ってました、
魔力を操るのは得意じゃないですけど…」
と頬をかきながら言う。
得意じゃないのは本当だ、そのためにもここで学びたいと思っている。
「そう、きっとお母さんが優秀な方だったのね、
薄いけど魔力も纏う事もできているみたいだし、
この授業はつまんないかな?」
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