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《序章》最後の始まり
S第2話 襲撃者
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「敵襲か!?こんな大事な時に、どこの誰だ!」
俺は襲撃者に向かって叫ぶ。
「あなた、全く"見えない"わ!……ハイル立てる?」
俺に愛するレヴィアはハイルの手を取り立ち上がらせるが、立ち上がった時に机だった物の破片がハイルの腕を傷つけ血が流れる。
「大丈夫よハイル、私達が守るから。」
レヴィアの手が緑色に光りハイルの腕と頬をそっと撫でると傷は瞬時に塞がって行くのが見える。
空中を舞っている埃が段々と収まり視界が開けるが、
周辺に生える鬱蒼とした木によって視界は悪い。
襲撃者はどこだ?
周囲を見渡すが俺達の幸せな団欒の時間を壊した襲撃者の姿は見えないが家を破壊したであろう大きな斧が床に突き刺さっている。
近くから土と草を踏む音が聞こえそちらを振り返る
と、
森の中から金属の擦れる音がまるで存在を知らせるかのように鳴り響いていた。
────不意打ち仕掛けるような奴が正々堂々しているとは思わないがな……
魔界特有の赤い月を頼りに森の中を睨みつけているとうっすらと輪郭のようなものが浮かび上がりやがて鎧姿の存在を確認する 。
兜には悪魔のような捻れた角が生え、
鎧には至る所に棘のような不吉な模様が入っている。
悪魔を象ったと言われたら理解出来る、そんな禍々しい鎧を襲撃者は身に纏っていた。
襲撃者が前に手を伸ばすと突き刺さっていた斧は手元に戻るように飛んで行く。
魔力を帯びた武器だろうか?厄介だ。
そして見せつけるように斧を頭上で一回転させ構え直す襲撃者。
手が滑った訳でも無さそうだな……狙いは俺か?レヴィアか?
鎧姿のせいではっきりとした体格は分からないが魔力による索敵が鎧の中、襲撃者の身体はあまり筋肉質ではないことを知らせる。
それでいて背丈と同等の大斧を獲物とするのはどんな仕掛けなのか……
『氷豪の力よ我の魔力を力とし目の前の敵を氷の牢獄へ!』
俺が襲撃者を警戒しながら観察しているとレヴィアが魔法を発動する、
詠唱と同時に襲撃者の足元から氷が生え檻を形成するように成長し氷の中に閉じ込める。
閉じ込めたとは言え察知する殺気が消えてない以上、氷の檻が持つのは一瞬だ……
「ハイルいいかよく聞け、ここから街の方へ逃げろ」
俺は最愛の息子を逃がすために言い聞かせるが予想通り驚いたような表情を浮かる。
「なんで!?や、やだ、お父さん達と一緒にいる!」
今にも泣き出しそうになる、その表情を見るだけで心臓が痛むが、こいつがここに居てもできることは無く、さらに足でまといになる。
どうしたものか……
「ハイル、今から私達があの悪い人をやっつけちゃうから、ここにいたらあなたが怪我しちゃうかもしれない、だからお願い」
レヴィアはハイルの頭を優しく撫でながら言った、
小さく頷き泣きそうになっているが小さく頷く、こう言うのは俺より愛する妻が適任か。
ハイルと離れるのは身を削るような思いだがここにいても守り切れる自信はない。
ならばここより安全な村にいてくれた方が安心出来る。
「安心しろ直ぐに追いつく、街にはガルも居る自警団の連中も、さっきの音で何かが起きたと気がついただろう。
ここに居るよりかは安全だ、もしかしたら森の中でアイツらと合流出来るかもしれない、いいなハイル、"俺らは大丈夫だ"だから行け!」
俺は予備の武器を投げ渡す。
「お守り代わりだ持っていけっ」
「ハイル、お母さん達は負けないから"大丈夫"。
ここから全速力で逃げるのよ。でも絶対に村に辿り着くか自警団の皆さんと合流するまで警戒は解かないで、
森には凶暴な魔獣が住んでいることを忘れずに、できるわねハイル?」
「僕、僕……」
氷に亀裂が入り始める
「「ハイル行け!(行って!!)」」
俺らの言葉に背を押されるように駆け出した、途中で木の根に足を取られかけても一生懸命に村に向かって駆け出したのを見届ける。
森の中に消えるまで見送ってから襲撃者の方を向く、
まだ氷の檻が持ってくれているがすぐに壊れてもおかしくない状態だ。
「どうする?お前の能力でも見えないとなると、俺だけなら何とかなると思うが、お前を守りながら戦うとなると俺でもかなりきつい、あちらさんは俺と同格かそれ以上らしいぞ」
「アレを使うから大丈夫」
「おいおいそれ程の相手なのか?いや待て前言っていた事ってもしかしてこれか?
……ちっ、こうなる事は分かってたんだな!?
お前が見えないとなると想定以上の相手って事だろ?
ほんとにそれでいいのかよ?」
氷の中に閉じ込められた襲撃者を警戒しながらも愛する妻の方を見ると、惚れ直す程の覚悟を決めた表情で俺のことを見つめけしていた……
こうなったら俺でも想いを変えられない、まったく惚れた側は弱いな……
「……ああ、わかった覚悟を決めたなら後は俺が全責任を持つ"俺に任せろ"。だが問題の依代はどうすんだ?」
「依代は既に準備して魔力を結び付けてるから大丈夫よ、師匠と念入りに準備したから絶対に成功するわ」
愛する妻の決心を決めた言葉を聞き俺も気合いを入れ治す。
できることならば俺が変わってやりたいが
状況を考えるに他の策が見つからない。
襲撃者はなかなかの強者だ一瞬視線対峙しただけで身体が警告を発し汗が流れはじめている。
生半可な攻防をすれば先に死ぬのは俺かレヴィアか……
俺らを殺したらハイルを狙う可能性のある、それだけは何としても避けたい。
レヴィアの身体も既に限界が近いからこその計画か……
となれば相手に何をさせるでもなく直ぐに決着をつけるのが先決だ。
大きな音と共に氷に亀裂が入り中から襲撃者が飛び出す。
「──発動までの時間稼ぎをお願いっ!」
「了解だ!」
こちらに飛んできながら上段から斬りかかってくる襲撃者の大剣を手で受け止める、
衝撃とともに、足が地面に少しめりこみ踏ん張る。
攻撃が防がれた襲撃者は素早く後ろに下がった。
先ずは小手調べの一撃ってか?
なかなかにいい一撃じゃねえか、手が痺れてやがる、
こんな状況じゃなければ、手合わせ願いたい相手だ……
男として夫としても愛しい女性の前ではカッコつけたいが、
それを許してくれる相手ではないだろう、
対峙しているだけでも伝わる濃厚で重い"魔力"
相当な手練だ時間稼ぎも出来るかどうかわかんねェ。
レヴィアの方を一瞥すると多数の魔法陣を展開し詠唱を始めていた。
……身体は熱く、心はクールに行こう、あくまで俺の役目は時間稼ぎだ。
赤い月明かりが照らしてくれているとはいえ元々薄暗い森の中だ。
夜目も段々と機能し始めている。
どうやら襲撃者は薄紫の全身鎧を装備しているようだ。
かなり頑丈そうな鎧だな、鎧の中に攻撃を通すのはかなり困難だな、
むやみに隙間に剣を差し込んでも、構造が分からない以上危険すぎる
「貴様は何処のどいつだ!?」
大きな声で襲撃者に向かって叫ぶ。
襲撃者は答えず、大剣を地面と水平に構えこちらに突撃する。
『我が魔剣よ呼び声に答えろ!』
赤と青の装飾が施された二つの剣が目の前に現れる。
襲撃してる時点で正々堂々の戦いをする単なる力試しの奴らは違う……なら何が狙いだ?
俺が買った恨みか?
あの鎧はどこの魔王軍の物でもない、見た目から得られる情報が少なすぎる!!
突進をギリギリまで引き付け体を右にそらしながら鎧の腹に攻撃を当てようとするが、襲撃者はくるりと一回転し俺の胴に大剣を叩きつけようとするのを双剣でガードし、足で地面を抉り何とか堪える。
鎧を着ていても細身なのは魔力で分かったが、
その体の何処にこれほどの力が?
下手したら実力はオヤジと同じレベルか……
それに突撃はブラフ、最初から回転斬りによる攻撃を狙っていたのか?だとすれば脳筋タイプじゃねえな……
真っ直ぐ振り下ろされた大剣を2つの剣でクロスさせ防ぎ、
体を左にスライドさせ剣で大剣を右に流しながら左に持った剣で突きを放とうとするが既にそこに襲撃者はいない。
流したのが悪かったのだろうか、
地面に突き刺さった大剣の力を利用して縦回転しながら襲撃者はレヴィアの方に向かって飛んで行く。
詠唱中の魔術師を狙うのは対複数戦の基本だが、簡単にはそうはさせないぜっ!
俺は走りながら赤い装飾の剣を的確に投擲する、剣が襲撃者とレヴィアの間の地面に突き刺さると同時に火柱が立ち上がり炎の壁となる
襲撃者は勢いを殺そうとブレーキをかけるが、
その隙を逃す訳には行かない。
炎の壁の直前で停止立ち退こうと後ろに飛び上がった襲撃者の胴体に飛び蹴りを入れる。
襲撃者は木をなぎ倒しながら吹き飛び、その隙に剣を回収する。
「準備完了よ」
と同時に魔法陣を展開し詠唱を終えたレヴィアがそう言った。
周りには多種多様な色とりどりの魔法陣が彼女の周囲を旋回し彼女を覆っている、大規模な魔法だけあってかなりの量だ。
『──《発動》』
周囲から彼女の元へ光の玉のようなものが次々と集まり大きな光の塊に収縮して行く。
それに気がついた襲撃者は、魔法の発動を中断させようと再びレヴィアを狙いを定めた。
させねえよ。
魔道士に対して魔法を発動する前に接近戦を持ちかけるのは基本だ、
だが俺が……いや"俺ら"がいる限り接近出来ると思うなよ。
俺は2本の剣を地面に突き刺す。
「全く久しぶりに呼び出したかと思えば 、最初から魔力全開で酷使するなど剣使いが荒くないか?」
今度は立ちはだかる壁ではなく襲撃者を囲うように大きな火柱が立ち上がる、
この炎は身を焦がし魔力まで溶かし尽くす程の高熱だ、あの鎧が耐熱性であろうと無傷で脱出することは不可能。
「そうです契約者、せめて準備くらいさせてください」
そして火柱の中の襲撃者へと吸い込まれるように無数に生み出された氷の刃が次々と向かっていく、
これで最後の足止めくらいにはなるだろう。
「でもこれで終わりだろ?」
後ろに立つ燃えるような赤い髪の好戦的な目をした少年と氷塊のように鋭く冷たい水色の髪の少女に、そして愛する妻に問うと小さく頷く。
『天へと届く光』
リヴィアが最後の言葉を詠唱すると俺たちの横を眩く煌めく白い光線が襲撃者に向かって放たれる。
地面を抉り森を破壊し、山を崩壊させただひたすら真っ直ぐに。
残ったのは俺と赤毛と水色の髪の二人、そして……
体から零れるような光の玉を出し続け存在が薄くなっている愛する妻だった、倒れそうになるのを抱きとめる
「貴方……あの子のことを後は任せたわ……」
消滅しかけながら託すよう挙げられた手に俺は掌を重ね合わせる。
「──後は俺に任せろ、しばらくの間俺を、ハイルを見守っててくれ」
光の粒子が最後の灯火のようにより一層煌めき腕にのしかかる重さ次第に増えやがて物言わぬ肉塊となる。
先程の光線はその身を生贄とした大規模な魔法、
本来であれば発動した瞬間存在が消えるのだが、
少しとは言え話せたのは奇跡に近い。
それだけリヴィアの想いが強かったのだろう。
この場にいるのは俺ら3人だけか?
「倒せたのか?」
目視で確認するが鎧姿は見えない。
「マスター、付近にそれらしい敵反応はないぜ」
赤毛の少年が俺の肩を叩きながら言った。
「転移した魔力の痕跡もなし、完全に消滅したと思われます、契約者」
それに続くように水色の髪をした少女が言った。
今回は魔剣とリヴィアの魔法があったから何とかなった相手だった。
"戦場"から身を引いてるせいで感も能力も落落ち込んだか……
これじゃこの先どうなるかわからねえな。
「だが」「ですが」
同時に2人が言った。
ああ、わかってるさ
「そこに隠れてる奴出てこい」
その言葉と同時に2人は俺を守るように前に進み出る。
「流石ですね"剣豪"と"異端者"、彼女を簡単に撃退してしまうとは……」
撃退……その言葉が頭に引っかかるが次の瞬間木の影から姿を現した存在を見て思わず息を飲んでしまう。
肩から腰に流れる絹糸のように綺麗で漆黒の髪、
純白で穢れを知らなそうな優しい表情と眼差し。
凛としてしっかりと芯をしっかりと持っているようでありそれでいてまだ少し少女のようなあどけなさも残ってる容姿をした存在。
しかしそれだけではない、目を奪われた理由は容姿が2割、そして───
───彼女の背後から覗く双翼。
片翼はまるで闇を吸い込んだかのように真っ黒に染まる悪魔の黒翼、
もう片翼は天の光を浴び浄化され、穢れなど知らぬような純白の白翼。
しかしその白翼は黒に侵食されかけ、何処かで傷ついたのか痛々しい、
左右対象的な翼を持つ悪魔とも、天使とも言えぬような存在に俺は目を奪われていた。
「……お前は何者だ?」
目を奪われつつ、俺は言葉を紡ぐ、
自分の内なる本能が警告する「カカワルナ」と。
「7柱の1柱、『強欲』の継承者であり、『剣豪』の称号を授けらし者、ハルディック・アイゼンハイト───」
次の瞬間身体に電流が流れ、足が動き腰から黒剣を素早く抜き彼女の首元に突きつけていた、
同時に殺気をぶつけると彼女は少し表情を変化させる。
俺の怒りを買ったことは彼女も理解しただろう、忌々しい悪魔の名、二度と聞きたくはなかったモノ。
過去の光景が脳裏で再生される、
悲鳴、怒号、血の匂い。
闘争と殺戮によって目覚める真なる自分。
少しでも力を入れれば簡単に刃が皮膚を切り裂くと言うのに、彼女は一切動揺した気配はなく言葉を続けた。
「貴方に依頼したい事があります」
俺の目を見据え言い放った。
俺は襲撃者に向かって叫ぶ。
「あなた、全く"見えない"わ!……ハイル立てる?」
俺に愛するレヴィアはハイルの手を取り立ち上がらせるが、立ち上がった時に机だった物の破片がハイルの腕を傷つけ血が流れる。
「大丈夫よハイル、私達が守るから。」
レヴィアの手が緑色に光りハイルの腕と頬をそっと撫でると傷は瞬時に塞がって行くのが見える。
空中を舞っている埃が段々と収まり視界が開けるが、
周辺に生える鬱蒼とした木によって視界は悪い。
襲撃者はどこだ?
周囲を見渡すが俺達の幸せな団欒の時間を壊した襲撃者の姿は見えないが家を破壊したであろう大きな斧が床に突き刺さっている。
近くから土と草を踏む音が聞こえそちらを振り返る
と、
森の中から金属の擦れる音がまるで存在を知らせるかのように鳴り響いていた。
────不意打ち仕掛けるような奴が正々堂々しているとは思わないがな……
魔界特有の赤い月を頼りに森の中を睨みつけているとうっすらと輪郭のようなものが浮かび上がりやがて鎧姿の存在を確認する 。
兜には悪魔のような捻れた角が生え、
鎧には至る所に棘のような不吉な模様が入っている。
悪魔を象ったと言われたら理解出来る、そんな禍々しい鎧を襲撃者は身に纏っていた。
襲撃者が前に手を伸ばすと突き刺さっていた斧は手元に戻るように飛んで行く。
魔力を帯びた武器だろうか?厄介だ。
そして見せつけるように斧を頭上で一回転させ構え直す襲撃者。
手が滑った訳でも無さそうだな……狙いは俺か?レヴィアか?
鎧姿のせいではっきりとした体格は分からないが魔力による索敵が鎧の中、襲撃者の身体はあまり筋肉質ではないことを知らせる。
それでいて背丈と同等の大斧を獲物とするのはどんな仕掛けなのか……
『氷豪の力よ我の魔力を力とし目の前の敵を氷の牢獄へ!』
俺が襲撃者を警戒しながら観察しているとレヴィアが魔法を発動する、
詠唱と同時に襲撃者の足元から氷が生え檻を形成するように成長し氷の中に閉じ込める。
閉じ込めたとは言え察知する殺気が消えてない以上、氷の檻が持つのは一瞬だ……
「ハイルいいかよく聞け、ここから街の方へ逃げろ」
俺は最愛の息子を逃がすために言い聞かせるが予想通り驚いたような表情を浮かる。
「なんで!?や、やだ、お父さん達と一緒にいる!」
今にも泣き出しそうになる、その表情を見るだけで心臓が痛むが、こいつがここに居てもできることは無く、さらに足でまといになる。
どうしたものか……
「ハイル、今から私達があの悪い人をやっつけちゃうから、ここにいたらあなたが怪我しちゃうかもしれない、だからお願い」
レヴィアはハイルの頭を優しく撫でながら言った、
小さく頷き泣きそうになっているが小さく頷く、こう言うのは俺より愛する妻が適任か。
ハイルと離れるのは身を削るような思いだがここにいても守り切れる自信はない。
ならばここより安全な村にいてくれた方が安心出来る。
「安心しろ直ぐに追いつく、街にはガルも居る自警団の連中も、さっきの音で何かが起きたと気がついただろう。
ここに居るよりかは安全だ、もしかしたら森の中でアイツらと合流出来るかもしれない、いいなハイル、"俺らは大丈夫だ"だから行け!」
俺は予備の武器を投げ渡す。
「お守り代わりだ持っていけっ」
「ハイル、お母さん達は負けないから"大丈夫"。
ここから全速力で逃げるのよ。でも絶対に村に辿り着くか自警団の皆さんと合流するまで警戒は解かないで、
森には凶暴な魔獣が住んでいることを忘れずに、できるわねハイル?」
「僕、僕……」
氷に亀裂が入り始める
「「ハイル行け!(行って!!)」」
俺らの言葉に背を押されるように駆け出した、途中で木の根に足を取られかけても一生懸命に村に向かって駆け出したのを見届ける。
森の中に消えるまで見送ってから襲撃者の方を向く、
まだ氷の檻が持ってくれているがすぐに壊れてもおかしくない状態だ。
「どうする?お前の能力でも見えないとなると、俺だけなら何とかなると思うが、お前を守りながら戦うとなると俺でもかなりきつい、あちらさんは俺と同格かそれ以上らしいぞ」
「アレを使うから大丈夫」
「おいおいそれ程の相手なのか?いや待て前言っていた事ってもしかしてこれか?
……ちっ、こうなる事は分かってたんだな!?
お前が見えないとなると想定以上の相手って事だろ?
ほんとにそれでいいのかよ?」
氷の中に閉じ込められた襲撃者を警戒しながらも愛する妻の方を見ると、惚れ直す程の覚悟を決めた表情で俺のことを見つめけしていた……
こうなったら俺でも想いを変えられない、まったく惚れた側は弱いな……
「……ああ、わかった覚悟を決めたなら後は俺が全責任を持つ"俺に任せろ"。だが問題の依代はどうすんだ?」
「依代は既に準備して魔力を結び付けてるから大丈夫よ、師匠と念入りに準備したから絶対に成功するわ」
愛する妻の決心を決めた言葉を聞き俺も気合いを入れ治す。
できることならば俺が変わってやりたいが
状況を考えるに他の策が見つからない。
襲撃者はなかなかの強者だ一瞬視線対峙しただけで身体が警告を発し汗が流れはじめている。
生半可な攻防をすれば先に死ぬのは俺かレヴィアか……
俺らを殺したらハイルを狙う可能性のある、それだけは何としても避けたい。
レヴィアの身体も既に限界が近いからこその計画か……
となれば相手に何をさせるでもなく直ぐに決着をつけるのが先決だ。
大きな音と共に氷に亀裂が入り中から襲撃者が飛び出す。
「──発動までの時間稼ぎをお願いっ!」
「了解だ!」
こちらに飛んできながら上段から斬りかかってくる襲撃者の大剣を手で受け止める、
衝撃とともに、足が地面に少しめりこみ踏ん張る。
攻撃が防がれた襲撃者は素早く後ろに下がった。
先ずは小手調べの一撃ってか?
なかなかにいい一撃じゃねえか、手が痺れてやがる、
こんな状況じゃなければ、手合わせ願いたい相手だ……
男として夫としても愛しい女性の前ではカッコつけたいが、
それを許してくれる相手ではないだろう、
対峙しているだけでも伝わる濃厚で重い"魔力"
相当な手練だ時間稼ぎも出来るかどうかわかんねェ。
レヴィアの方を一瞥すると多数の魔法陣を展開し詠唱を始めていた。
……身体は熱く、心はクールに行こう、あくまで俺の役目は時間稼ぎだ。
赤い月明かりが照らしてくれているとはいえ元々薄暗い森の中だ。
夜目も段々と機能し始めている。
どうやら襲撃者は薄紫の全身鎧を装備しているようだ。
かなり頑丈そうな鎧だな、鎧の中に攻撃を通すのはかなり困難だな、
むやみに隙間に剣を差し込んでも、構造が分からない以上危険すぎる
「貴様は何処のどいつだ!?」
大きな声で襲撃者に向かって叫ぶ。
襲撃者は答えず、大剣を地面と水平に構えこちらに突撃する。
『我が魔剣よ呼び声に答えろ!』
赤と青の装飾が施された二つの剣が目の前に現れる。
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あの鎧はどこの魔王軍の物でもない、見た目から得られる情報が少なすぎる!!
突進をギリギリまで引き付け体を右にそらしながら鎧の腹に攻撃を当てようとするが、襲撃者はくるりと一回転し俺の胴に大剣を叩きつけようとするのを双剣でガードし、足で地面を抉り何とか堪える。
鎧を着ていても細身なのは魔力で分かったが、
その体の何処にこれほどの力が?
下手したら実力はオヤジと同じレベルか……
それに突撃はブラフ、最初から回転斬りによる攻撃を狙っていたのか?だとすれば脳筋タイプじゃねえな……
真っ直ぐ振り下ろされた大剣を2つの剣でクロスさせ防ぎ、
体を左にスライドさせ剣で大剣を右に流しながら左に持った剣で突きを放とうとするが既にそこに襲撃者はいない。
流したのが悪かったのだろうか、
地面に突き刺さった大剣の力を利用して縦回転しながら襲撃者はレヴィアの方に向かって飛んで行く。
詠唱中の魔術師を狙うのは対複数戦の基本だが、簡単にはそうはさせないぜっ!
俺は走りながら赤い装飾の剣を的確に投擲する、剣が襲撃者とレヴィアの間の地面に突き刺さると同時に火柱が立ち上がり炎の壁となる
襲撃者は勢いを殺そうとブレーキをかけるが、
その隙を逃す訳には行かない。
炎の壁の直前で停止立ち退こうと後ろに飛び上がった襲撃者の胴体に飛び蹴りを入れる。
襲撃者は木をなぎ倒しながら吹き飛び、その隙に剣を回収する。
「準備完了よ」
と同時に魔法陣を展開し詠唱を終えたレヴィアがそう言った。
周りには多種多様な色とりどりの魔法陣が彼女の周囲を旋回し彼女を覆っている、大規模な魔法だけあってかなりの量だ。
『──《発動》』
周囲から彼女の元へ光の玉のようなものが次々と集まり大きな光の塊に収縮して行く。
それに気がついた襲撃者は、魔法の発動を中断させようと再びレヴィアを狙いを定めた。
させねえよ。
魔道士に対して魔法を発動する前に接近戦を持ちかけるのは基本だ、
だが俺が……いや"俺ら"がいる限り接近出来ると思うなよ。
俺は2本の剣を地面に突き刺す。
「全く久しぶりに呼び出したかと思えば 、最初から魔力全開で酷使するなど剣使いが荒くないか?」
今度は立ちはだかる壁ではなく襲撃者を囲うように大きな火柱が立ち上がる、
この炎は身を焦がし魔力まで溶かし尽くす程の高熱だ、あの鎧が耐熱性であろうと無傷で脱出することは不可能。
「そうです契約者、せめて準備くらいさせてください」
そして火柱の中の襲撃者へと吸い込まれるように無数に生み出された氷の刃が次々と向かっていく、
これで最後の足止めくらいにはなるだろう。
「でもこれで終わりだろ?」
後ろに立つ燃えるような赤い髪の好戦的な目をした少年と氷塊のように鋭く冷たい水色の髪の少女に、そして愛する妻に問うと小さく頷く。
『天へと届く光』
リヴィアが最後の言葉を詠唱すると俺たちの横を眩く煌めく白い光線が襲撃者に向かって放たれる。
地面を抉り森を破壊し、山を崩壊させただひたすら真っ直ぐに。
残ったのは俺と赤毛と水色の髪の二人、そして……
体から零れるような光の玉を出し続け存在が薄くなっている愛する妻だった、倒れそうになるのを抱きとめる
「貴方……あの子のことを後は任せたわ……」
消滅しかけながら託すよう挙げられた手に俺は掌を重ね合わせる。
「──後は俺に任せろ、しばらくの間俺を、ハイルを見守っててくれ」
光の粒子が最後の灯火のようにより一層煌めき腕にのしかかる重さ次第に増えやがて物言わぬ肉塊となる。
先程の光線はその身を生贄とした大規模な魔法、
本来であれば発動した瞬間存在が消えるのだが、
少しとは言え話せたのは奇跡に近い。
それだけリヴィアの想いが強かったのだろう。
この場にいるのは俺ら3人だけか?
「倒せたのか?」
目視で確認するが鎧姿は見えない。
「マスター、付近にそれらしい敵反応はないぜ」
赤毛の少年が俺の肩を叩きながら言った。
「転移した魔力の痕跡もなし、完全に消滅したと思われます、契約者」
それに続くように水色の髪をした少女が言った。
今回は魔剣とリヴィアの魔法があったから何とかなった相手だった。
"戦場"から身を引いてるせいで感も能力も落落ち込んだか……
これじゃこの先どうなるかわからねえな。
「だが」「ですが」
同時に2人が言った。
ああ、わかってるさ
「そこに隠れてる奴出てこい」
その言葉と同時に2人は俺を守るように前に進み出る。
「流石ですね"剣豪"と"異端者"、彼女を簡単に撃退してしまうとは……」
撃退……その言葉が頭に引っかかるが次の瞬間木の影から姿を現した存在を見て思わず息を飲んでしまう。
肩から腰に流れる絹糸のように綺麗で漆黒の髪、
純白で穢れを知らなそうな優しい表情と眼差し。
凛としてしっかりと芯をしっかりと持っているようでありそれでいてまだ少し少女のようなあどけなさも残ってる容姿をした存在。
しかしそれだけではない、目を奪われた理由は容姿が2割、そして───
───彼女の背後から覗く双翼。
片翼はまるで闇を吸い込んだかのように真っ黒に染まる悪魔の黒翼、
もう片翼は天の光を浴び浄化され、穢れなど知らぬような純白の白翼。
しかしその白翼は黒に侵食されかけ、何処かで傷ついたのか痛々しい、
左右対象的な翼を持つ悪魔とも、天使とも言えぬような存在に俺は目を奪われていた。
「……お前は何者だ?」
目を奪われつつ、俺は言葉を紡ぐ、
自分の内なる本能が警告する「カカワルナ」と。
「7柱の1柱、『強欲』の継承者であり、『剣豪』の称号を授けらし者、ハルディック・アイゼンハイト───」
次の瞬間身体に電流が流れ、足が動き腰から黒剣を素早く抜き彼女の首元に突きつけていた、
同時に殺気をぶつけると彼女は少し表情を変化させる。
俺の怒りを買ったことは彼女も理解しただろう、忌々しい悪魔の名、二度と聞きたくはなかったモノ。
過去の光景が脳裏で再生される、
悲鳴、怒号、血の匂い。
闘争と殺戮によって目覚める真なる自分。
少しでも力を入れれば簡単に刃が皮膚を切り裂くと言うのに、彼女は一切動揺した気配はなく言葉を続けた。
「貴方に依頼したい事があります」
俺の目を見据え言い放った。
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孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
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9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
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グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
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と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
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45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
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2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
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スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
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小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
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