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迅速な後日談

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「い、今すぐ堕ろせ!」
「なんでよ!そのうち結婚するんだから堕ろす必要ないでしょ!?」

拝啓、アデルさん。

遅ればせながら、婚約おめでとう。
お相手は伯爵家の次期当主と聞きました。

どの面下げて、と思うかもしれないけれど、幼い頃から娘のように思ってきた貴方には幸せになってほしいと思っています。

「誰がいつそんなことを言った!」
「はぁ!?アデルちゃんと婚約破棄して私と結婚してくれるんじゃなかったの!?」

──息子は本当に馬鹿なことをしました。許してほしいなんて思っていないけれど、この場でもう一度、私から謝罪させてほしい。本当にごめんなさい。

「お前とのことを今公表したら、せっかく隠蔽したアデルとの婚約破棄の理由が世に知れ渡ってしまうだろう!?そんなことしたらうちの商会の評判が落ちる!」
「こんな時に自分の心配…!?最低!私絶対産むから!」
「なんだと…!」

貴方はもう知っているかと思うけれど、先日息子が浮気相手だった女性を妊娠させました。彼女は貴方の友達だったとも聞きました。

息子は堕ろせと騒いでいるけれど、夫は産んでもらうつもりみたいです。

「こうなったら力ずくにでも…!」
「きゃ…っ何する気!?痛い!こんなのDVよ!警察呼んでやるんだから!きゃああ!」

私たちは一度店を閉めて、田舎へ移り住むことにしました。幸いにも蓄えはあるので、私たち夫婦が暮らすには十分な場所です。もちろん息子は放逐しますが。

──私たちが言うのもなんだけれど、本当に慰謝料はもらわなくていいの?

私たちに遠慮をしているなら、それは結構です。息子のしたことは決して許されることではありません。

考え直してくれたらいつでも応じますので、お手紙書いてくださいね。

それではお幸せに。
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