ななの事情

朝日眞貴

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第一話 ななの日常

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 私に彼氏が出来た。

 高校に入って、"いいな"と思っていた、男子を見つけて、見ていたら、何度か目が有った。最初は、勘違いかと思っていたし、私が見つめていたから、それで目が合っているのだと考えていた。授業中はもちろん、体育の授業でも、目が合うことが多くなってきた。いつも見られているような気がしている。

 そら君に見られていると思うと、どこか落ち着かない気持ちになってしまう。
 もしかしたら・・・そんな気持ちにさせてくれる。でも、私なんかを好きになってくれるはずがない。

 そら君の事は、最初は見た目が好きなった。それから、授業の様子や、友達との話。いろんな事を知って、もっと好きになった。そら君に、好きな人が居るらしいと知った時には、ショックで泣きそうになってしまった。
 それで、私は、そら君の事が好きなのだと、自分の気持ちに気がついた。

 でも、私には隠さなければならない秘密がある。
 学校では、清楚に振舞って、いい子を演じている。でも、家に帰って、一人だとわかると・・・。

 エッチな気持ちがどうしても止められない。スマホで、エッチなマンガを読んだのがきっかけなのか、理由はわからないけど、学校での、清楚でエッチなことなんて興味が無いと思われている事とは、正反対に、自分の部屋ではエッチな事をいろいろ考えてしまう。マンガを読んだり、エッチな小説を読んだり、エッチな動画を見たりして、パンツを汚してしまう。
 最初の事は、パンツが少し汚れるだけだったが、女の人がオナニーしている動画を見てからは、我慢できなくなって、制服姿のままパンツを脱いで、足を広げてさわるようになってしまっっている。
 すごく気持ち良くて、何度も何度も"あそこ"を刺激するように触ってしまった。それから、マンガや小説で書かれているような触り方を真似するようになってしまった。本当は、"あそこ"に物を入れてみたいけど、わたしの”あそこ”には入らないようだ。

 ネットでは、”ぷっちょの容器”が気持ちいいと書かれていた。近くのドラックストアで売っているのを見つけたけど、恥ずかしくて買えなかった。でも、好奇心には勝てなくて、家族で買い物に行った時に、スーパで見つけた”ぷっちょ”を、そっと買い物かごに入れてしまった。
 "おいしそう"だからと言い訳したが、私の心臓はどんどん早くなっているし、あそこも何かを期待して濡れ始めている。
 でも、実際に、中身を食べて、ネットで書かれているように、綺麗に洗ってから、あそこに入れてみようと思ったが、私のあそこが小さくて入らない。無理に入れようとしても痛くて入らなかった。

 ネットで調べながら、エッチな事をいろいろ試してみたり、自分で考えて実行してみたり、そんな悪い子なのです。ダメだとわかっているのですが、気持ちよくて、エッチな事がやめられない。
 そら君は、きっとこんなエッチなことばかりする、私のことなんて好きになんてならない。わかっている。私が見られているのも、気のせいに違いない。
 私がそら君の事を好きなのに気がついて、気持ち悪く思って、見ているだけなのだろう。こんなエッチなことばかりしている悪い私が、好きなんて行ったら気持ちわるいに決まっている。
 だから、私は、そら君を好きだという気持ちに”蓋”をする。
 もう、私は、そら君を見ない。多分、これで、そら君と目が合う事はない。そら君の話も聞かない。

 だって、私は、そら君の事を考えて、エッチな妄想をして、そら君の声を聞いただけで、あそこが濡れだすような、悪い子だから・・・。

 今日も、お布団の中で、そら君と・・・学校の教室で、そら君に告白されて、キスされて、あそこを触られて、そら君のあそこをさわる。そんな妄想をしてしまって、あそこを濡らしてしまっている。
 我慢できなくなって、寝間着の中に手を入れて、声がでないようにうつぶせになって、ぬれている”あそこ”を触っている。



「ねぇなな。どうしたの元気ないみたいだけど?何か有ったの?」
「う・・なんでもないよ。昨日、遅くまで起きていたから少し眠いだけだよ」

 昨日も、布団にはいってから、我慢できなくなって、お布団の中で、パンツを脱いでいたなんて言えない。

「勉強していたの?」
「う・・・違うよ」
「嘘だぁ"なな"は、成績もいいから、たくさん勉強しているのでしょ。私も、勉強しなくちゃだけど、マンガを読みだしたら止まらなくなって・・」
「そうなんだ。私も、勉強なんてしてないよ。本当に、テレビとかネットとか見ているだけだよ」

 本当は、エッチな動画を見たり、エッチなマンガを読んだり、女の人がイジメられるような小説を読んでいた。

「そうなの?」
「そうだよ」
「どんな物見るの?」
「テレビ?」
「ううん。ネット」
「あぁ動画を見たり、小説を読んだりしているよ」
「そうなんだ。どんな動画?」

 え?さすがに、エッチな動画や、エッチな小説とはいえないよね。

「え・・・あ!ほら、ミュージックビデオとか、猫の動画とかね」
「へぇそうなんだ。なな。猫好きだよね。小説とかは?」
「うん。猫見ていると、時間忘れるよ。小説は、"小説家になろう"で、探して読んでいるよ」
「へぇそうなんだ。今度、お勧めを教えてね」

 丁度、チャイムがなった。
 いつもの癖で、そら君を見てしまった。ダメだと解っていても、そら君を目で追ってしまう。

 え?今日も、そら君が私を見て・・・ううん。そんなはずがない、こんな私なんかを見るはずがない。きっと、友達を見ていたのだろう。目線を外して、授業の準備をする。それでも、気になって、そら君を見ると、まだ私を見ているような気がする。
 思わず、顔を伏せてしまった。
 昨日そら君の事を考えながら、エッチな事をしたのがバレてしまっているようで、すごく恥ずかしい。恥ずかしいけど、なんで、私のあそこは触っていなくても分かる位にぬれているの?
 そら君に見られたわけでも無いのに、そら君に見られた感じがして・・・心臓がドキドキしてしまっている。触らなくても、確認しないでも解る。パンツが汚れるくらいになってしまっている。自分で触っている時の様に、そら君の目線だけで、すごく、すごく、ドキドキしてしまう。そして、あそこが、ジンジンしてしまっている。そら君見ないで・・・でも、そら君になら・・・でも、ダメ。これ以上嫌われたくない。

 授業を終わって、トイレに駆け込んだ。
 まだ、あそこが濡れているような気がしてしょうがなかった。次の授業が、体育でジャージに着替えるので、丁度よかった。普段なら、女子更衣室で着替えるのだけど、もしかしたら、大きなシミが出来ているパンツを誰かに見られたらと、考えたら、皆と一緒に着替える事が出来ない。トイレに行くついでに着替える事にした。
 パンツは思った以上に濡れていた。それこそ、おもらしをしたと思われても不思議じゃないくらいになっていた。スカートにも小さなシミが出来てしまっていた。そら君に見つめられて、そら君の事を考えただけで、私のあそこはグチョグチョになっている。
 パンツの替えなんて持っていない。体育は、男女別だし、女子はバレーだったはず。男子はサッカーで、そら君に見られる事もない。
 それなら・・・。

 私は、思い切って、ネットの"メール調教"の指示で書かれていた様に、ノーパンで授業を受けてみる事にした。ちょっとした好奇心だ。ジャージを履いているし、ばれる事は無いだろう。そのメール調教にも、”バレた”と、いう報告は書かれていない。
 ドキドキする心臓を抑えながら、パンツを脱ぐ。制服のスカートを脱いでいるから、余計に変な感じがする。パンツを履かないで、ジャージを履いてみる。
 パンツが無いだけで、こんなにドキドキするのか・・・。ジャージが、あそこを刺激する。パンツがないだけで、こんなに心細くて、こんなに刺激的な状態になってしまう。

 でも・・・これくらいなら大丈夫!

 体育の授業も始まってしまうので、上も着替える。
 メール調教の指示を読んでみたら、ノーブラとなっているけど、さすがにそれはできそうになかったので、そのまま体操着を来て、ジャージを羽織った、脱いだパンツは、しっかり拭き取ってから、あそこにあたる部分で濡れている部分に、テッシュを当てて、持っていたハンカチでパンツを包んで、バッグの中にしまった。体育の授業が終わるまでに少しでも乾いてくれると・・・。

 体育の授業も終盤になってきている。
 ノーパンも最初は気になっていたが、もう気にならない。ノーパンと言ってもこの程度なら、平気だ。

 授業が終わって、着替える時になって、皆の前で着替える事が出来ない。それに、制服を持って、トイレに入るのも不自然な状況になっている。
 どうしようかと思っていたら、友達が、次の授業が終われば、部活だから、ジャージのまま過ごすと言っていた。私は、部活をやっていないけど、着替えるのが面倒だと言って、スカートだけ履いて、授業にでる事にした。下はジャージの上にスカートを履いて、上はジャージを脱いで制服を着ることにした。
 少し汗臭いけど、ノーパンだと"バレる"よりはいいし、パンツが乾いてくれるかも知れない。

 今日最後の授業が始まった。結局、女子のほとんどが、体操服のまま授業を受けていた。
 男子は、ジャージで受けようとして、先生に怒られていた。そら君もジャージ姿だった。

「男子は、すぐに着替えろ!」

 先生が怒鳴っているが、男子は、女子もジャージ履いているとか、何か文句を言っている。

「女子は、いい。男子は、制服に着替えろ」

 再度先生が、宣言する。
 女子も着替えろと言われたら、困ったが、そうならなかった事でホッとした。ジャージの中は、パンツを履いていない状態で、ジャージだけ脱げばいいのは解っているが、それでも恥ずかしい事は間違いない。

 そら君が急に立ち上がって、私の方を見た気がした。

「わかったよ!着替えりゃ良いんだろう。着替えれば!」

 そういって、ジャージを脱いで、体操着を脱いで、パンツだけの姿になった。すらっとした身体だと思っていたが、無駄な贅肉もなく、適度な筋肉も見える。私は、そら君から目を離せないでいた。女子の一部は、『男子。なんでここで脱ぐの、馬鹿じゃない!』と騒いでいるが、びっくりしすぎて、何も言えないで居た。想像していたよりも、そら君の身体は・・・あっだめ。
 あそこが"じゅん"となってしまったかと思うくらいに、濡れているのがわかる。あんな、そら君に抱かれたら・・・もう、妄想は止まらない。多分、耳まで赤くなっているのだろう、顔が熱い。見ないようにしよう・・・・。これ以上はダメ。
 そら君に目を向けると、私の方を見て"にこり"と笑ってくれた。
 気のせいだ。絶対に、気のせいだ。私が見ている事に気がついて、学校でノーパンで居る事を知って、笑ったに違いない。

 周りでは、女子や男子の声が聞こえてくるが、そんな事は気にならない。
 そら君の裸から目が離せない。だめ、これ以上好きになっちゃだけ、考えちゃダメ。そう思えば思うほど、頭の中が、心が、そら君一色に染まっていく。

 あぁぁやっぱり、私は、そら君が好き!!

 そら君の着替えを凝視してしまった。見ないふりをしていたが、絶対に気が付かれた、そら君の口が笑っているし、私に向けて呟いたように見える。

 『なな』

 そう私の名前を呟いてくれた。

 『好きだよ』

 そう・・・好きと・・・多分、違う。私の妄想が、そら君の口元を、勝手にそう読み解いたのだ。そんなわけない。
 ほら、もうそら君は、私のことなんて見ていない。隣の席の女子と何か話している。そう、私なんかを好きになるわけがない。

 少しのパプニングはあったが、授業は無事終わった。
 HRも終わって、部活をやっている人は、部活に向かっていった。私も、脱いだパンツを履くために、トイレに向かおうとしていたが、なぜか女子トイレが今日に限って混んでいた。別に、おしっこがしたいわけでもないので、トイレが空くまで教室で待っている事にした。ノーパンなのは、恥ずかしいけど、もうすっかり慣れてしまった。
 そら君の裸を見て、グチョグチョになってしまったのは、しょうがないとしても、トイレでしっかり拭けば大丈夫だろう。

 体育の疲れや、その後のハプニングで、疲れてしまって、机にうつぶせになって、ウトウトしてしまったようだ。
 気がついたら、教室には誰も居なくなっていた。時計を見ると、40分位寝てしまったようだ。学校で、ノーパンのまま、机で寝てしまった。
 夢の中で、そら君に告白された様な気がした・・・。そんな訳ないよね。そう思って、カバンと着替えを持って、トイレに向かう事にした。もう空いているだろうし、まだ少し濡れているような気がする"あそこ"を拭きたい。
 でも、このままジャージで帰ってもいいかな。帰っても、今日は・・・違う、明日の朝まで一人になのだから・・・。

 学校では、電源を切っておくように言われているスマホも、授業が終わったら、電源を入れる事は、先生も見逃してくれている。
 家からの連絡も入るかもしれないという理由だ。私も、スマホの電源を入れて、親からの連絡を確認した。やはり今日も帰ってこられないようだ、お兄ちゃんも部活と塾で遅くなって、その後バイトに直接行くと連絡が入っていた。今日も、私一人でご飯を食べる事になりそうだ。

 よし!ノーパンで帰ろう!
 以前から、ネットのメール調教のサイトを見ていて、やってみようと思っていた事を実行する。
 そうと決まれば、今日は、ジャージだけを履いて帰る事にした。さすがに、ジャージも脱いで、スカートだけで帰る勇気はまだない。それにジャージを履いていれば、スカートの中を見られても、ノーパンだって"バレる"事はないし、あそこがグチョグチョになっているのも解らない。
 ドキドキする心臓を抑えながら、トイレに向かった。体操着だけは着替えておきたかった。

 トイレに向かう時に、廊下の方から、そら君と男子が話している声が聞こえてきた。
 こっちに向かっている。

「わりぃ教室に忘れ物。先に行けよ。後で、追いつくから」
「おぉ解った!そら。いつもの店で待っている」
「わかった。すぐに行く」

 そんな会話だ。
 それから、廊下を軽く走る音が聞こえてくる。私は、慌てて、トイレに向かった。その時に、トイレのドアにバッグが当ってしまって、バッグを落としてしまったが、反対になっただけで、中身が廊下に出る事はなかったようで、すぐに拾い上げて、トイレに駆け込んだ。そら君が、教室に向かった足音を聞きながら、トイレに誰も居ない事を確認して、個室に入って、やはり、グチョグチョになってしまっていた、私のあそこをトイレットペーパで拭いてから、ジャージを履き直した。このままノーパンで帰る事を考えると、また心臓が跳ね上がるのが解る。

 制服に着替えて、ジャージの裾を少したくしあげてから、個室を出た。
 本当は、あそこを思いっきり触りたかっが、学校でそんな事したら・・・そう思って、辞めた。家に変えれば、一人なのだから、そこで、今日のそら君の事を思い出しながら触ればいい・・・。本当に、私は、悪い子だ。こんなにエッチな事が好きなんて・・・。

ピコン
 え?誰?メール?

 知らない、アカウントから、メールが入った。
 (なな。俺、明智空。もし、まだ学校に居るのなら、教室に来て欲しい。今、俺一人だから・・・30分まで待っている。ごめん。急に、でも・・・どうしても、我慢出来なかった。来てくれると嬉しい。それから、ななのアドレスは、実は前から知っていた。本当にごめん)

 そう書かれていた。
 え?そら君?なんで、え?どうして?
 びっくりしすぎて、声がでない。教室?なんで、どうして?
 期待していいの?私・・・どうしたらいい?誰に相談したら・・・。ダメ、誰にも言えない。だって・・・。

 鏡で、自分の顔を確認した。何かに期待している自分が居るのが解る。
 でも、期待しちゃダメ。こんな私を、そら君が・・・。ダメ、期待しちゃダメ。そうだ、多分、そら君から、気持ち悪いから、”見るな”とか言われてしまうのだろう。

 トイレから出て、教室に向かう。
 廊下を歩く自分の足音が、どんどん早くなる心臓の音だけが、静かな廊下に響き渡っているようにさえ思える。グラウンドから、男子や女子の声が聞こえてくるが、遠くで・・・それこそ、別の次元での声に思える。教室が見えてきた。そこに、そら君が居る。そう思うと、余計に心臓が早くなる。そら君に心臓の音が聞こえてしまいそう。

 教室の前まで来た、そら君が私の席に居る。
 スマホを握りしめている。廊下に背を向けて、私の机を椅子を見つめている。

 教室のドアは開けられていた。
 教室に入って、

 「そら君」

 自分でもびっくりする位に、声が震えていた。
 そら君に聞こえていないのか、こっちを向いてくれない。

 もう一度・・・そう思った時に

 「なな」
 「うん」

 こっちを向かないのはなんで?
 私、そら君を怒らせるような事を、何かした?悪い子だってバレちゃった?
 ねぇそら君。なにか言って

 「そ「なな。俺。俺な」」

 そら君は、私の机を見つめながら、私に背中を見せながら・・・

「うん」「なな。俺、ななの事が・・」「うん」

 もう一歩進めば、そら君に手が届く

「なな。今まで、ななの事を、ううん。ごめん。自分の都合ばっかり言って」

 そら君が何をいいたのか解らない。
 でも、こっちをまだ見てくれない。

「そら君」

 そら君は、その声を聞いて、大きく深呼吸をした

「なな。俺、ななの事が好き」

 え?今、そら君はなんて言ったの?私の事を好き?だと言ってくれたの?
 なんで?

「え?」
「なな。俺の事なんて、なんとも思っていないかも知れないし、何度も何度も、ななの事を見て居て、気持ち悪いと思っているのも知っている。でも、俺は、ななの事が好き。初めて、ななを見た時から、すごく好き」

 え?私が、そら君を気持ち悪いと思っている?逆でしょ・・・なんで?

「・・・」
「ごめん。気持ち悪いよな。でも、俺は、ななの事が好き。もう我慢出来ない。ななの事を想像したり考えて・・・いや、なんでもない」
「そら君・・・」
「嫌われてもいい。でも、お願いが・・・そう、頼みがある」
「え?」

 そう言って、空君はこっちを向いてくれた、その手には、私のハンカチが・・・。
 そして、ハンカチと一緒に、そら君が持って居るはずがない物が握られていた。

「あっ!」

 なんで・・・と思いながら、スカートの上から、あそこを抑えてしまった。
 バレた。一番バレたくなかった人にバレてしまった。

「なな。これ・・・ななのだよな?ハンカチに、名前が・・・」

 そう、私のハンカチは、お兄ちゃんからの誕生日プレゼントで、名前が入っている。珍しい漢字だし、友達に自慢してしまっている。そら君が知っていても、不思議はない。
 耳まで真っ赤になって、その場から逃げ出したい。でも、足が、身体が動いてくれない。
 そら君を見つめたまま、何も言えなくなってしまっている。

「なな。なんで、これがハンカチに包まっていたのかは解らない。」
「・・・」

 そら君は、そのまま、私を椅子に座らせるように誘導した。自分の椅子に座って、そら君は、廊下側の扉を閉めて、カーテンを引いて、私の横に立った。

「なな。これは、ななのなのか?」

 そう聞かれてしまった。否定したい気持ちもあるが、
「・・・」うなずくしかできなかった。

「そうか、やっぱり、普段から、脱いだりしているの?」
「ううん。そんな事・・・してない。今日は・・・」
「今日は?」
「何でもない!」
「そうだよね。でも、なな。これ、湿っているよね?おしっこ?」
「違う。ダメ。返して!」
「ダメ。拾ったのは、俺だから、返したくない」

 普段のそら君の様に思える。少しだけ意地悪な顔をして、微笑んでくれた。
 私だけに向けられる、大好きな男子の笑顔。それだけで、満足に思えてしまう。けど、何も解決していないのは事実

「そら君」
「なな。俺の事嫌いでもいい。だから、これもらっていいか?」
「え?あっ私も、そら君の事が好き。大好き!いいの、私、そら君が思っているような子じゃないよ。学校で、あそこ濡らして、グチョグチョにして、パンツ脱いじゃうような変態だよ。そら君が好きになるような子じゃないよ」

 あっ言ってしまった。

「・・・なな。それなら、俺も一緒だよ」
「え?」

 そら君の顔しか見ていなかった。なにか複雑そうな顔をしている。

「さっき、女子トイレの前を通りかかった時に、ハンカチを拾って、それがななの物だってすぐに解った。前に、なながお兄さんにプレゼントで貰ったと話していたからね。それで、ハンカチを拾って・・・渡す時に話ができると・・・もしまだ学校に残っているようなら・・・そう思って、教室で、ハンカチを広げたら、下着が入っていて、すごくいい匂いがして、ななのハンカチに包まっていたから、ななの下着だと思って、俺何言っているのだろう。でも、その下着から、すごくすごくいい匂いがして・・・」

 え?いい匂い?
 汚く、汚したパンツだよ。

「え?」
「ほら、気持ち悪いよな。嫌いになっても・・・でも、いい匂いが下着からして、触って・・・」

 え?私のパンツを、そら君が触ったの?あそこの汚れが着いていたパンツを?

「な?」
「そしたら、少し湿っていて、最初はおしっこなのかと思ったけど、匂いを嗅いだが、おしっこの匂いじゃなくて、もっと違うすごくいい匂いで・・・」

 ダメ・・・匂いかいじゃったの?
 私の汚いあそこの匂いがついているかもしれないのに・・・。

「・・・嗅いじゃったの?」
「あぁすごくいい匂いで・・・」
「ダメ。恥ずかしい。汚いよ。返して」
「ダメ、もう・・・返したくない」
「え?」
「・・・」

 そう言って、そら君は、目線を自分の股間に持っていった
 私もその目線を追うように、そら君の股間を見つめる。ネットでしか見たことが無いけど、はっきりとわかる。そら君の股間が大きくなっているのが・・・そして、制服のズボンが少しだけ湿っているように見える。

「え?」
「・・・こんな俺嫌いだよな?好きな子の下着の匂いを感じて、勃起して、何もしていないで、こんなに濡らしているような変態は」
「え?ううん」

 違う。私が、そら君を嫌いになるわけがない。
 そう叫びたかった。でも、そら君の股間から目が離せない。自分のあそこもさっきから、ずぅーと濡れっぱなしになっている。

「なな。俺の事・・・ううん。違う。なな。今、下着・・・ううん。何でもない」

 そら君が何を聞きたいのか解る。
 もう覚悟を決めた。女は度胸!

「うん。履いてないよ。体育の前に、濡れちゃって、それから、パンツ履かないで過ごした。初めてだけど、こんな変態な私なんて、そら君を好きになる資格なんてないよ。ごめんね。そら君の事を好きになって、さっきの授業の時もそら君の裸を見て、あそこがグチョグチョになるような変態な私だよ。ごめん」
「え?本当?俺の事?」

「さっきから、好きだって言っているよ。でも、もうそら君は私の事なんて嫌いになったでしょ?下着脱いで、ジャージだけで過ごすような変態の彼女なんてほしくないよね?」

 勘違いじゃなければ、さっきよりも、そら君の股間が大きくなっている。

「なな。おれも、ななの事を考えながら、オナニーした事が・・・ななの事を思って、毎日大きくなって、そんな変態な俺なんか、ななみたいな子が好きになってくれるわけがない」
「・・・え?オナニー?」
「うん。嫌いになった?放課後とかに、皆が帰った後で、ななの机に座ったりも・・・」
「え?そら君も?」
「・・・なな?」
「ごめん。私、そら君の椅子に座って、いろいろ妄想した事もある」
「・・・」
「・・・」

 目の前で大きくなっている股間がさらに大きくなった気がした。
 相思相愛だった。そして、お互いに、自分が変態だと思っていただけ・・・。

「なな」「そら君」

 あそこはグチョグチョになっているし、そら君の股間も大きくなって、今にも爆発しそうな雰囲気だけど・・・

 そら君は、少し腰を折り曲げて、私を抱きしめて

「なな。もう一度だけ言うよ。大好きだ。俺の彼女になって欲しい」
「うん。そら君の彼女にしてください!」

 少しだけ、汗臭い身体のまま抱きしめてくれた。
 そら君に抱きしめられている。
 少しだけ身体を離したそら君が目をつぶって、顔を近づけてくる。私も、それに合わせて、目をつぶった。

 教室で、いつも授業を受けている自分の机で、大好きな人と唇が重なった。
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