彩の目覚め

朝日眞貴

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第二話 後輩の覚悟

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 マンションの手前で降りた。40分程度の時間は必要だった。しかし、この時間で彼女は落ち着いた。タクシーを降りる時には、すこしだけ落ち込んでいる状況だが、公園を出るときの様にはなっていない。まだ皆が帰ってくる時間でもないので、誰にも合わずに、部屋に帰った。彼女の部屋はわかっていたので、部屋の前まで送った。

 部屋では、報告書を書いて、上司と会社に送って、議事録としてまとめた物を彼女と上司に送った。彼女からの返事はなかったが、月曜日に会社で聞けばいいと思いノートパソコンを閉じた。そして、風呂に入って寝てしまった。個人で持っているパソコンに、メールの着信がないことを確認した。

 明日は、土曜日で休みだ。
 今週は頭からドタバタした。5日間で7つのクレーム対応を行った。本当に疲れた。徹夜が一日だけだったのはありがたい。

 土曜日は昼まで寝て過ごして、日曜日にドライブにでも出かけるかな・・・。

 マンションの・・・。寮の部屋割りを決めないと・・・。新しく割り振るのは、3つでよかったよな。会社もワンフロアを返却するなんて・・・。売り上げが落ちているのは解るけど・・・。上が取りすぎ・・・。

---

 思い出して、戸惑った。
 彼女が、こんな行動に出る理由が解らない。私は、忘れろと言った。実際に忘れるのが一番いいと思っている。

「なぁ履いていないよな?」

 彼女は、俯いたままで、うなずいた。

「どういう意味なのか解っているよな?」

 彼女は、小さな声で、”はい”とだけ答えた。

「ひとまず、部屋に入るか?それとも、その場でして欲しいのか?」

 意地悪な質問だと解っている。怖がって、逃げてくれるのなら、それでもいいと思った。

「・・・。先輩が・・・。この場で・・・。なら・・・。でも、初めて・・・。優しく・・・。して、欲しいです」

「部屋に上がれ」

「・・・。はい」

 よく見ると、昨日の恰好と同じだ。違うのは、インナーやシャツを着ていないことだ。彼女は、下の階だが階段を使えば、ほとんど誰にも合わずに来られるのか?よく、俺の部屋を知っていたな。

「よく、俺の部屋を知っていたな」

「・・・。昨日・・・。帰ってきて・・・。呼び出されると思って・・・」

「呼び出す?」

「はい。先輩・・・。に、迷惑を・・・。おもら・・・。し、をして、ハンカチを・・・。汚して・・・。それに・・・」

「それに?」

 彼女を、ベッドに座らせる。俺は、パソコンのデスクの椅子に座って、彼女を見るが。昨日よりは落ち着いているが、緊張と恥ずかしさで、俯いたままだ。

「ぼくの・・・。あっ。わたしの、おも・・・。パンツを、もって・・・。汚して・・・。汚いパンツを・・・」

 あぁそうか、俺がおもらしで汚したパンツやストッキングを取り上げたから、何か命令されると思ったのか?

「それは悪かった。袋に居られたままだ。持って帰るか?」

「・・・。はい。でも・・・。先輩が、欲しいのなら・・・。あっ・・・。はず・・・。かしい、です。でも、先輩になら・・・」

「うーん。安心しろというのもおかしいけど、誰にも言わないぞ?それじゃダメなのか?」

「ダメ・・。じゃない。でも・・・」

「そうか、”でも”安心できないのか?」

 首を大きく横に降る。
 じゃぁなにが?と思ってしまうが、彼女自身がよくわからない状況なのだろう。

「初めてなのだろう?」

 うなずく

「怖いだろう?」

 横に首を降る。
 怖くない?

「本当に、黙っているし、誰にも言わない。パンツもストッキングも返す。そうだな、ハンカチは、君が洗って返してくれるのか?」

 うなずいてくれる。これで、もう大丈夫だと思った。
 俺からの要求がないから困惑していたのか?

 彼女は、立ち上がって、スカートを脱いだ。上着も脱いで、全裸になる。

「え?」

「先輩は、私が嫌い?なの・・・。ですか?」

 いきなり全裸で、抱き着かれる。可愛い後輩だ。可愛いと思っている。抱けるし、付き合えるのなら付き合いたいと思う。小さな胸を押し付けられて、椅子に座っている俺に抱き着いてくる。大きく足を広げて、上に跨ってくる。息がかかるくらいの距離に可愛い幼さが残る顔が迫ってくる。
 彼女から溢れだす女性特有の甘い匂いと、興奮か緊張をしているのか、汗の匂いが混じって、淫靡な匂いが二人の間から漂ってくる。

 匂いと感触に刺激されて、下半身が大きくなる。
 彼女が跨っている状態だ。彼女も感じているのだろう。

「いいですよ?先輩の彼女にして・・・。なんて、言いません。先輩の命令ならなんでも・・・。は、無理かもしれないけど、従います」

「俺は・・・」

「知っています。先輩の同期の人たちが話しているのを・・・。聞いちゃいました。先輩には、大切な人が・・・。でも!でも!だから・・・」

「犯すことになるぞ!いいのか?」

「はい。ぼくの身体を好きにして・・・。いいです。ぼくは、先輩のことが好きです」

「え?」

「気が付かれていないと・・・。思っていたけど、我慢ができません。ぼくは先輩が好きです。先輩に、他に好きな人が居ても、ぼくは先輩が好き」

 彼女は、首に手を回してきて、唇を合わせてきた。

「へへ。ぼくの初めてのキスは先輩にあげます。だから、ぼくのはじめても貰ってください。そのあと、捨ててくれても・・・。いいです」

「・・・。捨てないよ」

「え?」

「捨てない。さやのことは可愛い後輩だと思っていた」

「・・・。それで・・・、も、うれしい」

「すこし、ドジなところがあるけど、仕事を真面目にする。可愛い後輩だ」

「え?ドジ?」

 そこにびっくりする?顔をあげるほどにびっくりされても困るのだけど?
 彩は、会社では天然のドジだと思われているぞ?男嫌いでなければ、彼女にしたいと思っている奴が押し寄せるだろう。

「よく、会社の入口で躓くだろう?毎日、同じ場所にあるはずのタイムカードを探したりするだろう?昼ご飯を食べ過ぎて眠くなって、仕事中に寝てしまう事もあるだろう?ときどき、よだれを垂らして慌てて起きることもあるだろう?誰にもバレてはいないと思って拭いているよな。あぁバグがわからないと、ペン回しをしているよな。何かわかると、ペンを咥える仕草をするな。飲み物は、甘くしたココアが好きで、最近のブームは食後のゼリー。イチゴ味が好きだな。そんな、彩を可愛い、素敵な女の子として認識しているよ」

 思いつく限りのことを、彩に話をする。すこしでも緊張が和らいでくれると嬉しい。そうしないと、本当に犯してしまいそうだ。

「・・・。ぼく・・・」

「そうだ。俺のペンを返せ・・・とは、言わないけど、同期の男に・・・。もうバレても問題はないかな。知っていると思うけど、このマンションは来月で下のフロアの契約は打ち切る」

「ペンは・・・。それに、同期?断りましたよ?え?どういう・・・・。ふへぇ?え?あっ・・・」

「彩が申請していた部屋は、彩以外に申請がなかったぞ」

「・・・。え?え?なんで?」

「彩は、可愛いよ」

 今度は、俺から彼女にキスを返す。

「先輩?」

 彩を抱きしめる。甘い香りに混じって、違う匂いを感じられる。
 彩の顔は、期待している顔だ。

 ズボンの中で大きく膨れ上がっている物は、彩の誰にも触られたことがない部分を刺激している。

「彩?どうした?」

「あの・・・。知らない・・・。初めてで・・・・。解らない・・・。先輩。きつくないですか?」

「大丈夫だよ」

 どうやら、彩は話を変えたいようだ。見られていたことも、可愛いと言われるのも恥ずかしいようだ。抱きしめながら、”え?”を連発していた。すごくいじめたくなってしまう。

「本当ですか?」

「彩が刺激を加えなければ大丈夫だ」

「え?ぼく、重いですか?」

「重くないよ。刺激は違うよ。こういうことだよ」

「きゃぁ」

 可愛い悲鳴をあげるが、全裸の時点で刺激を与えているとは考えていないようだ。彩の細い腰をもって、すこし、押し付けるようにして腰を動かす。

「あ!あっ!ふへぇ。ん?あっ。解りました。解りました。あっ。ダメ・・・。あっ・・・。気持ち・・・。あっあっ」

 また抱きしめてキスをする。

「彩。可愛いよ」

「うううう。いじわる。です」

「嫌いになった?」

「うううう。なれない・・・。です。そうだ。悪い先輩には、おしおきです」

 彩は、そう言って腰を浮かした。

「え?」

「どうした?」

「なっ。なんでもないです!下を見ないでください!」

 彩のエッチな汁が俺のスエットについて濡れているのだろう。自分では気が付かないくらいに濡れていたのだろう。見なくても解る。彩は、恥ずかしそうにしながら、スエットを脱がそうとしている。動作が可愛かったので、すこしだけ腰を浮かしてあげると、スエットだけではなく、パンツまで脱げて、大きくなった物が、飛び出してくる。初めて見るであろう(自己申告で、初めて)物を、すこしだけ凝視してから、また同じ位置に腰掛ける。彩の股間に当たっている。すこしだけ恥ずかしそうにするが、どこか嬉しそうにも見える。腰の位置を調整していると、股間同士が当たる。

 体重を気にしていたが、離れたくはないのだろう。
 自分が全裸なので、私も全裸にしたいようだ。

 上を脱がして、俺に抱き着いてくる。

「先輩。初めてを貰ってください」

「いいよ。その代わり」

「はい。なんでもします」

「本当に?」

「はい。エッチなことも、それ以外も・・・」

「そうか、それなら、俺の彼女になってくれる?」

「え?彼女?」

「そう。彩。好きだよ」

「はい。はい。先輩。私も好きです」

 抱き合ってキスをする。
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