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第一話 後輩の出来事
しおりを挟む俺が、入社3年目の頃。
その頃は、会社が借り上げたマンションに住んでいた。ワンルームマンションだが、入社5年目までの男女が住んでいた。マンションは十階建てで、その中の4フロアを会社が借り上げた形になっている。家賃は、全額会社持ちで、駐車場まで付いていた。部屋は狭いが、寝に帰るだけなら不満もない。
その日は休日だった。連日の客先訪問で、疲れ切っていた俺は、部屋で惰眠を貪ると決めていた。
客先訪問で発生したことなど完全に忘れてしまっていた。
インターホンの音で目を覚ました。ドアはインターホンからロックを外せる。寝起きのはっきりしない状態で、インターホンで確認すると、誰も映っていなかった。いたずらはあまり考えられない。宗教家や訪問販売もセキュリティがしっかりしているので、考えられない。宅配便は、マンションのエントランスから連絡してくる。
いつも面倒になってロックを解除して、ドアを開けてしまう。俺の部屋はエレベータから遠く人が来ない。非常階段からは近いが、非常階段を日常使いしている者はいない。このマンションの住民がインターホンを押すことは考えられない。
したがって、インターホンが鳴るのは同僚が訪ねてくる以外には考えられない。
ロックを解除して、ドアを開けた。
一人の女の子が立っていた。
そして、空いたドアから部屋に入ってきて、スカートを捲る。
「好きにしていいので、昨日のことは内緒にしてください」
「はぁ?」
彼女は、後輩だ。身長が、140半ばなので、女性というよりも、女の子に思えてしまう。
彼女は、スーツ姿だ。捲ったスカートの下は何も身に着けていない。パンツを履いていない。上も、シャツを身に着けていないブラもしているようには見えない(目測Aカップ-詳細は不明)。
反応できないでいると、彼女は抱き着いてきた。
「お願いします」
”お願いします”と言って、彼女は俺に抱き着いてきた。
抱き寄せる形になってしまった。彼女からは、女性特有の匂いがしてきた。
その時に、彼女が言った”昨日のこと”を思い出した。
---
昨日、俺と彼女は朝から客先に対応に出かけていた。納品したプログラムが仕様と違うという”顧客対応”だ。俺が客からのヒアリングを行って、彼女が実際のソースを確認する。彼女が作った部分なので、彼女が確認するのが適切な状況だ。
トラブル自体は、別段、問題になるような部分ではない。説明を行えば、納得してくれるのは解っている。しかし、上司が逃げてしまったために、入社3年目の若造である俺と、その部分を担当した新人の後輩が対応を行うことになった。本来なら、その会社に常駐していた上司殿と俺が対応を行うのが”筋”としては正しいのだが、上司殿が逃げて、対応を丸投げしてきたために、後輩を連れて行かなければならなくなった。
客のトップは、俺にクレームをぶつけてくるが、現場の人間たちは状況の理解ができていた。
客の上司が”必要ない”と言った機能が削られている。仕様通りなのだ。しかし、客の上司の上司には、”必要な機能”だった。俺たちの議事録には、削った経緯も書かれている。客の承認ももらっている。したがって、機能を復活する必要はないのだが、上司が議事録を読まずに、俺たちの話を聞かずに、承諾してしまった。そのために、俺と彼女が対応を行う。
作業場所は、客が近くにいる場所。クレーム対応だと彼女は考えている。一秒でも早く作業を終わらせる必要を感じていた。
しかし、客は”自分たちの上司”のミスで、彼女は”とばっちり”を受けただけだと考えている。見ているのも、小さい、女の子にしか見えない彼女が一生懸命に作業をしているのが、可愛らしいと思っていたためで、彼女が感じていた”監視されている”わけではない。
彼女の作業場所は飲食ができる。彼女を見守っている客は、親切心で”飲み物”を差し入れて、休憩を促す。しかし、真面目で自分のミスで迷惑をかけていると思っている彼女は、出された”飲み物”を飲み干すと、すぐに作業に戻る。1時間に一度以上のペースで休憩を挟む結果になる。
作業を終えて、客の確認作業が始まった。
10時から作業を初めて、14時には作業が終わった。確認作業は、30分もしないで終了した。そこから、俺と客で追加機能の話になった。彼女は、議事録を取る為に、打ち合わせに付き合っていた。
打ち合わせの席上には、コーヒーが出された。
そして、1時間の打ち合わせが終わって、客先を出た。
最寄り駅までは、20分ほどの距離だ。大きめの公園があり、公園で時間を潰して、帰ることにした。彼女も同じマンションなので帰り道も同じだ。
公園は平日の夕方・・・。の、すこしだけ前。学生がいるわけでもなく、社会人も居ない。運動をしている人や散歩をしている主婦も居ない。都会の空白地帯になっている。お互いに、昼を食べていなかったので、コンビニで、軽く食べられる物と飲み物を買った。彼女は、先にベンチで待っていてもらった。彼女の荷物は、筆記用具と資料とノートパソコンが2台入っていて重い。私は、ノートパソコンと筆記用具だけだ。
ベンチは、木陰で大通りから見えない位置で、公園の通路から外れた場所にある。
彼女にコンビニで買った物を渡して、客からの要望に関して彼女に状況を聞いていた。
その時・・・。
「あっダメ・・・。出ちゃう・・・」
彼女は立ち上がって、ベンチの後ろ側に回って、スカートを捲った。
俺は、彼女を目で追った。何があったのか解らなかった。
彼女が履いている白いパンツが黄色く濡れていき、色が薄いストッキングからすこしずつ溢れだした。靴は脱いで、素足になっているが、一度、決壊したおしっこを止められない。
「みな・・・。で、ください」
か細く、それだけ言って、しゃがんでしまった。スカートはしっかりと捲っている。こちらを向いている。視線は、白いパンツに釘付けになってしまう。
周りには、彼女の股間から出る水分が地面を叩く音と、独特の匂いがするだけだ。
すすり泣く声が聞こえてきた。どうしようかと思ったが、見なかったことにするのは不可能だ。パンツだけではなく、おもらしも見てしまった。うっすらと透ける秘部も見てしまった。
「着替えはあるのか?」
「・・・。ない。です」
当然だ。おもらし癖があるようには思えない。
朝から、出された飲み物を飲んでいて、緊張も有ったのかもしれない。喉が渇くのが早かったのだろう。
ベンチに座って、緊張が途切れた瞬間に出てしまったのだろう。
「そうか、脱げ」
「え?」
「そのままでは帰られないだろう?スカートは濡れていないのだろう。脱げ。ティッシュは?」
「・・・。ないです」
「ハンカチしかない。これで拭け」
「・・・。はい」
彼女は、中腰の状態から立ち上がって、ストッキングを脱いでパンツを脱いだ。
俺からハンカチを受け取って、後ろに戻って拭いている音がする。
「足も拭けよ」
「はい。あ、ありがとうございます」
「コンビニの袋に入れろ」
わざと命令口調で指示を出せば、嫌でも従うだろう。そして、俺の責任になる。彼女は、何も悪くない。
「はい」
「こちらによこせ」
「・・・。はい」
ハンカチだけのつもりでいたら、脱いだパンツとストッキングも入れて、渡してきた。
コンビニの袋は二つある。一つにまとめて入れたようだ。
「よし、靴を履け」
「はい」
素足に靴だから、あまり長距離の移動は難しいだろう。財布の中には、ちょうどマンションまで帰られる位は入っている。
彼女は、俺の前でしゃがんで、靴を履く、スカートの中がすこしだけ見えてしまった。
上目遣いで私の顔を見ている彼女の頭を軽く叩いて、「何もなかった。忘れろ。俺も忘れる」
「・・・。はい」
表通りまで移動してタクシーを拾う。
タクシーの運転手に、彼女が泣いているのを見られた。「仕事で失敗してしまって・・・」それだけ言えば、運転手もそれ以上はなにも突っ込んでこない。ラジオの音をすこしだけ大きくしてマンションまで無言で走ってくれた。
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