奈々の日常

朝日眞貴

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第五話 始まり

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「え?」「あっ」

 どちらが発した声なのかわからない。
 しかしどちらが発した声であるかは関係ない。ドアから差し込む弱い光が中腰の奈々の二箇所を明るくしていた。

 一箇所は、はだけたブラウスの胸元に見えるインナー。
 一箇所は、ストッキング越しに見える黒のパンツ。

 はだけた胸元にははっきりと勃起している乳首が見えた。抱きついて緊張して汗が出てしまってインナー越しにも乳首だけじゃなくおっぱいの形もはっきりと解ってしまっている。ブラは完全に外れて、中腰の状態でインナーの裾からハラリと床に落ちた。奈々のブラが外れたことが嫌でも解る。それが理解できれば、インターに見える乳首が奈々のBサイズのおっぱいに付いている乳首であることはすぐに解る。

 股間の部分は明らかに濡れている。明かりで照らされている状況でストッキングを伝うおしっこまでもが解ってしまう。そしてスカートが脱げている状況なので薄い色のストッキング越しに見える黒のパンツもはっきりと認識できる。黒のパンツだったことがおしっこをもらしたことをより一層際立たせる結果になってしまった。濡れている部分がはっきりと解ってしまうのだ。それだけではなく、奈々は先生の股間に当たらないように体を小刻みに動かしていた。動かしたことでパンツが上に上がってしまって、マンコの形をはっきりと分かる状態にしてしまったのだ。

 奈々は明かりの照らす場所が、今一番見られたくない二箇所を照らしていることや先生がしっかりと見て居ることを認識した。
 見ただけで解るくらいに先生の股間が大きくなっているのがその証拠だ。

 奈々は自分の状態と先生の状態を認識して悲鳴を上げることなく元いた場所。先生の股間の上に勢いよく戻った。

「イタっ!」「あっゴメン」

 勢いよく戻ったことでズボンの中で大きくなっていた先生の股間に体重をかけてしまったことになる。そして、改めておしっこをもらしたことを認識してしまった。先生の言葉を聞いて奈々は咄嗟に誤ってしまった。先生は腰に置いていた手をまた背中に回して奈々の顔を自分の胸に押し付けた。
 奈々は先生の心臓の音が大きく早くなっているのを感じていた。自分の心臓の音も大きくなっているのではないかと思っていた。

 数分間お互いの体温を感じる時間を過ごした。
 どんどん早くなっていく心臓の音。そして、どんどん熱くなっていくお互いが交叉している場所。

「先生。ごめんなさい」

 先生は奈々の言葉を聞いて抱きしめる腕に力を込める。
 そして言葉を繋げる。

「桜内奈々。今の謝罪は何に対しての謝罪だ?」

「・・・」

「どうした?言えないのか?」

「ううん。先生。ズボンを汚しちゃってごめんなさい」

「何で汚した?」

 まさか聞かれるとは思っていなかった。意外な質問だったので素直に答えてしまった。

「おしっこで汚しちゃいました。ごめんなさい」

「どうする?学校でおもらししたのか?高校二年生にもなって?」

「え?あっ。そうです。奈々は高校生にもなって、おもらしをしちゃいまいたごめんなさい。なんでもします。内緒にしてください」

「なんでも?」

「はい。先生の命令に何でも従います。だから、学校でおもらししたことを内緒にしてください」

「わかった。奈々。これから、二人だけのときには先生と呼ばずに、ユウキと呼ぶようにしなさい」

「はい。ユウキさま?」

 奈々はなんでそんなことをいい出したのか自分でもわからなかった。
 でも、先生に名前を呼ばれて頭の先から足先まで電流が流れた様に感じてしまった。特に、性感帯は今でもジンジンしている。その後で命令されて嬉しく思ってしまったのだ。どんなことを命令されるのか?できなかったら小説にかかれているようにお仕置きされるのか?できたらご褒美をくれるのか?
 2日前から読んでいるエッチな小説の主人公が自分と同じ名前で似たようなシチュエーションで、偶然にも相手の名前も”ユウキ”だったのだ。自分を小説の中に出てくる主人公の女の子に重ねてしまっているのだ。

 増田悠貴という男に何か思惑が有ったわけではない。心が奈々を支配したがっていただけなのだ。好意に似た感情があったのは認識していた。しかし、教師と生徒という関係から踏み込むことはしないでいようと考えていた。奈々の立っている乳首や汚れたパンツを見た。見られたことを認識しても、黙って自分の胸に戻ってきた行動。そしてより一層強く感じる雌の匂い。そして自分から支配されることを望むような声と内容。すべてが理性を飛ばすには十分なものだった。
 増田悠貴という男は独身を貫いている。それは彼の性癖が結婚にむいていないと解っていたからだ。彼女が居なかったわけではない。経験が無いわけではない。それどころか経験豊富なのだ。女性に乱暴するわけではないが支配欲が強く性的指向が偏っているのだ。

「奈々。そのまま抱きついていなさい」

「はい!」

 嬉しそうな声を上げる奈々を抱きしめながら、増田悠貴は奈々を抱きしめたまま膝立ちの状況まで持っていって、そのまま抱きしめたまま立ち上がった。

「え?」

 奈々が声を上げるが、そのまま立たせた。

「奈々。椅子に座りなさい」

「はい」

 おもらしをしたパンツとストッキングのまま椅子に座った。
 悠貴は、奈々に手を椅子の後ろに持っていくように指示をした。そして、できるだけ椅子の前に腰掛けるように指示をだした。

 全部の指示に奈々は素直に従った。
 おしっこの匂いがわかるのか足は閉じた状態になっている。悠貴も指摘しないまま奈々が座った場所の前にひざまずく。

 そして、奈々の顔をじっくり見ながら顎に手をつけて唇を塞ぐようにキスをした。
 優しく触れるだけのキスだ。奈々は、悠貴からのキスを受け入れた。二度目はより深く唇を合わせる。悠貴の口から舌が奈々の口に入ってくる。舌を迎い入れて奈々は悠貴と舌を絡める。声が出そうになるのを必死にこらえる。

(キスだけで逝っちゃいそう!彼とは大違い。優しいキスがこんなにも嬉しいなんて、おもらしした汚れた奈々にキスしてくれた)

 奈々は言われたように椅子の後ろに手を回して、椅子の背もたれのパイプを握っている。握っていないと悠貴の背中に手を回してしまいそうになってしまうからだ。

 3度目のキスの時に、悠貴は奈々のブラウスのボタンに手をかけて残っているボタンを全部はずした。そのままブラウスを脱がすように背もたれにかける。これで奈々の手が背もたれから動かすことが難しくなる。ブラウスで腕を軽く拘束してから、悠貴はインナーの裾から手を入れる。
 ビクッと体を震わせる奈々だが4度目のキスで体を動かすことができない。乳首は今までに無いくらいに何かを期待して大きく硬くなっている。

 インナーに入れられた手が背中を愛撫している。
 優しく背骨を這うように動かす。キスされながら声が漏れてしまいそうになっている。

(ち、あぁきも・・ちが・・・そこじゃ・・・もっと、さわ・・・ってほしい)

 もう自分でも何を考えているのかわからない。
 悠貴の手は愛おしい娘の背中を十分愛撫してからお腹を触りながら双丘部分に来た。奈々は期待して自分から体を動かしておっぱいを触ってもらうようにしている。それを避けるように悠貴の手は他の場所を触っている。

「奈々?して欲しいことがあるのか?言わないとわからないぞ?」

「ユウキ・・・さ・・・ま。奈々の、おっぱいも・・・触って・・・小さいからダ・・・メなのですか?」

「いい子だよ。しっかりおねだりもできるのだね。おっぱいを触ってほしいのか?」

「はい。ユウキさまに、奈々の全部を触っていただきたい・・・です」

「そう・・・か!」

 悠貴は乳首をいきなり摘んだ。
 刺激が脳天まで突きつけたのか奈々は体を震わせた。

「奈々。乳首が敏感なのだな」

「い・・・。はい。こんなに感じたのは初めてです」

「・・・そうか」
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