涙の行方

朝日眞貴

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第二話 奇妙な共同生活

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 帰り道、駅までの通りは人影もなかった。


「だいぶ楽しんでたみたいだね~」

 隣を歩く鈴原さんににこやかに言われるのに、

「ハイ♡ 帰りシャワ浣したし、種のお持ち帰りは出来なかったけど、まだ時々お腹のなかキュン♡ てします……」

 今日の出来事に満足した俺は、まだメスの余韻を残したままいつもより高いテンションで彼に返す。


 俺との最初の1発以外は別の人とハメてた鈴原さんも、暗闇に入ってからは久々にケツを使われ狂ってたらしいから満足そうだ。

 まあ、彼はいつもにこにこしているけど。

「あのバーテンの人すごいんだってね、いつもはカウンターで仕事してるだけなんだけど、たまにドすけべな既婚者来るとちんぽイラついて参加してくれるって聞いたよ、常連の間ではちょっとしたレアなショータイムみたいになってるらしい」

 あの店に連れてきてくれたのは鈴原さんで、あそこは紹介者との同伴で無ければ立ち入ることができない秘密クラブのような所なのらしい。

「だからみんな見に来てたんですね」

 最終的にはすごく沢山の人が透明な壁に張り付いたり、ドアのない入り口の周りから俺の痴態を鑑賞していた。


「いや、アレは君の淫語喘ぎがすごかったのもあると思うけど」

 笑うように言う鈴原さんに、

「えっ? そんな酷かったですか!?」

 俺はびっくりして声を上げる。

「えっ? それ無自覚なの? ヤバいねw 酷いっていうかエロ可愛いよ、ますます興奮煽られる」

 しかしエロ可愛いと言われて、ぽおっとなってしまうのはメスにされた余韻だろうか?

友成トモナリさんにはよく『ちんぽちんぽ叫ぶ』って言われますけど、それかな?」

 休日の、真っ昼間の路上でそれを口にするのはさすがに恥ずかしくなって言うのに、

「たぶんそれだねw」

 鈴原さんは優しく肯定する。


「ひ~……恥ずかしい……」

 恥ずかしいと言いながらも、俺の腹はまたキュン♡ キュン♡ 震えてる。

「今さらだと思うけど?」

 そして今度は少し呆れたように言われたから、多分俺は真っ赤になったんだと思う。



 結局あのあと、バーテンにまた雄不倫ちんぽしてもらって精神崩壊させられるんじゃないか……ってくらい連続して襲ってきたアクメに、俺は少しのあいだ失神と放心を繰り返してた。

 あんな激しくて乱暴で――だけど興奮するセックスは初めて経験した。


 気づけばバーテンは半個室の入り口でタバコを咥えており、俺は立て続けに3人ほどの野良ちんぽと種を受け入れていた。

 次に彼が口を開いた時の言葉は、

「はーっ、休憩終わり」

 俺は彼の背中に向かい、

「バーテンさん♡ 不倫おちんぽありがとうございましたぁ♡♡♡」

 両手にそれぞれ違うちんぽを掴み、別の男に出された種をピュルッ♥ ピュルッ♥ とケツ穴から零し痙攣イキしながら、バーテンのちんぽに感謝の言葉を告げていた。


 帰り際、別のスタッフ経由で強つよちんぽバーテンダーの連絡先を貰ったのは秘密だ。

 本来は店員と客との連絡先のやりとりどころか、客同士であっても禁止されているらしく、バレたら彼はクビだし俺もあの凄い場所から出禁になってしまう。


 だけど今度はショーではなくプライベートでセックスなんてしたら、今度こそ俺の不倫まんこは壊されてしまうかも知れない♡♡♡
 って思うとそれも抗えないんだ。



「あと、君を今日のお店連れてったのなんだけど」

「は、はい」


 凄すぎた体験を思い出し浸りかけていた俺は、鈴原さんの声で正気に戻る。

「あれも友成くんから頼まれてだったから、また彼に感想聞かせてあげてね」

 促すよう言付けされ、

「えええっ!? そうだったんですか!?」

 俺は初めて知ったそれに驚いた。俺が新しい世界を知ったと思った時、大抵その近くに彼が居る。

「あのバーテンは、友成くんの先輩らしいよ? 何の先輩かは知らないけど、大学とかかな?」

 その事実を聞かされても、バーテンとお隣の旦那さんとで3Pセックスしたらどんなことになるんだろう?
 という不埒な妄想の方が浮かんでしまう。


「彼好きだよね、君を他の男に抱かせるの」

「……たしかに、友成さんに言われて共用オナホにされてから増えてってる気がします」


 それを始めたのも、やはり彼にだった。

「彼に寝取られ癖があったとは意外だ」

 しかし、鈴原さんが笑うように言った言葉には、

「いえ、俺と友成さんはそーいうんじゃないので……」

 困惑して返したら「そうなの?」と誤解されていたらしいことを言われて、何だか妙に尻の座りが悪くなる。


「まあ、何考えてるか分かんないとこあるよね彼」

 それでも彼としては、そんなことどっちだって構わないらしい。

 お隣の旦那さんを評してそんなことを言ったが、目の前の彼だってどうにも食えない笑みを浮かべて見せていた。
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