夜雨に潜む鬣犬

みず

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価値観

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この世の中って、平等なんですかね。
「さぁ…平等か不平等かなんて決める基準もなにも無いわけですから、結局人それぞれなんじゃないですか」 


あなたはどう思いますか。
「んー不平等なんじゃないですか」


なぜそう思うのですか。
「世界規模で考えてみるとアフリカや治安の良くない国では日本で考えられないようなことが日常的にたくさんおきているでしょう。
その国の子供達は自分の生死さえ選択できずに人生を他人の手によって終わらせられるのって簡単な言葉で言うと、酷くないですか」  


そういう国で考えると、子供も勿論ですが、大人も意味も無く酷い目に合っていることもありますよね。
「…かもしれないですね。まぁ、ぶっちゃけ私的に大人は結構どうでもいいんで笑
こう見えて、私子供には優しいんですよ?」


それは意外ですね。
「はっ…随分正直ですね。」


では、日本規模で考えてみると?
「日本だとねぇ…日本って極端に治安が悪い場所なんてあまり無くないですか。なんてゆーか、都会か田舎的な。私は田舎の方が好きかなぁ。
けっこう島暮らしとか憧れてました」


なんか若干話ずれてません?
「あぁ、すみません。で、まぁ…学生の頃の平等か不平等かなんて、いじめられるか、家庭環境とか、…あぁあとあれか…容姿かな。
若い頃はやっぱり中身とかの前に容姿に惹かれちゃう部分有ると思うし。」


いじめ、となるとやはり繋がるのは自殺とかの問題は消えない問題ですよね。
「まぁ…ね。でも自殺って…逃げとか言うけど、私的にこの世界からの解放だと思うんだよね。だってさ、よく相談してとか、何かできることがあったら言ってとかいうけど、いじめられてる子とかはさ、相談しても意味無いて思うから相談できないし、誰にも言えないわけじゃん。
てかさ、それ今この状況がつらいけど耐えてとかそういう意味合いじゃんか。そんなきついことなくない?
めっちゃ鬼畜じゃんとか思っちゃうんだよね。」


じゃあ、自殺は仕方ない、と?
「そういうわけじゃないけど、自殺も一つの選択肢に含まれるんじゃないかとかね。言っちゃえば、その子の人生だしね。自殺した子とかは、この状況を耐えてまで、縋るものとか、この世界に無かったんじゃないのかなって。」


そういう経験、されたんですか?
「いや別に。いじめられっ子とかでは無かったんで。
でも、やっぱりわかんないなあ。平等か不平等かなんて。
物事を選択するのって、難しいですね」


そうですね。人生って本当に選択だらけですしね。
「自殺っておっきい選択ですよねえ。生か死かなんて。すごいなあ」


自殺願望とかあったわけじゃないですよね?
「そーですねえ…っと、そろそろ時間じゃないですか」


本当ですね。上手くはぐらかされた気もしますが。
「いやいやあ、ちゃんとお話ししますよ。
次までのお楽しみということで」


初めてですよ。そちら側の人から誘われるなんて。
「けっこう暇なんですよ。久しぶりにまともに人と話してみると意外と楽しいものなんですよ。
また来てくださいね」
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