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side 亮太
脱線してない?してない。
しおりを挟むああ、また俺の事で父さんを心配させてしまった。
でも、誘拐されたとき、自分がどんな事をされたのか・・・実はあんまり覚えてない。
「ううん。
・・・そんなに覚えてないんだ。
どっちかって言うと、“父さんと親子じゃない”って情報の記憶が鮮烈で。
まぁ、ソレはあいつらの嘘だったんだけど。」
「・・・そう・・・」
父さんは、何か思案しているようだった。
でも俺は俺の考えを伝えないといけない。
「ただ覚えてるのは、あそこは大嫌いって事だよ。
間違いなく大嫌いだ。
誘拐の時の事で覚えてるのは・・・混乱してるけど・・・途中からはただ気持ちよかった・・・んだと思う。
俺・・・イヤラシイ体なんだ・・・ごめんなさい。」
俺は、父さんがそんな事で俺を嫌悪しないと分かってる。
愛する息子だもんね・・・だから言えるんだ。
「そんな事で怒ったりしないよ。」
父さんが俺を抱き起こし、膝に座らせて背中からギュッと抱き締めてくれた。
「・・・父さん好き。」
「私も愛してるよ。」
父さんの息子への愛は絶対揺るがない。
俺は息子を越えられない。
どうしようもない・・・
ガラス越しに俺を見つめていた父さんが、目を閉じて、思案するような顔をした。
「・・・ねぇ、亮太?」
しばらく目を閉じた後、父さんは俺を見つめて話だした。
「うん?」
「私と見た身代金請求と一緒に入っていたDVD、覚えてる?」
父さんとガラス越しに見つめ合う。
「・・・俺がエロいことされてる奴?」
アレがあったから父さんの性奴隷になれたんだと思うと、誘拐の経験も意味があった・・・複雑な気分だ。
「そう。」
「覚えてる。俺・・・きっと淫乱なんだ。
父さん、変態息子でごめんなさい。」
あのDVDが無ければ・・・父さんにとって俺はただの息子で居られただろう。
でも俺は、きっと父さんへの気持ちは変わらず、アプローチも出来ず、悶々と過ごしていたハズだ。
「・・・アレをみて、私がどう思ったか、教えようか。」
「・・・淫乱息子が世間に迷惑かけちゃだめだから、父親が犠牲になろうって思ったんでしょ。」
「亮太。」
誘拐の時、迎えに来て貰うかどうか迷った時のように、父さんが少し咎めるような声になった。
「そんなに自分を卑下してはいけない。
しつこいようだが、君は私にとって唯一無二だよ。
君は産まれた時から私の特別だったのだから。」
「でも・・・父さん・・・」
俺、父さんに恋するような変態だよ。
父さんを好きなことは後悔して無いが、嬲られて悦ぶ自分の性癖には哀しくなる。
「DVDで亮太が知らない男に嬲られてるのを見たときにね、思ったんだ。
・・・君を嬲るが誘拐犯じゃなく、私であったらいいのにって。」
「・・・え?」
俺の思考が止まった。
「私も自分でビックリしたんだけどね。
私が亮太を嬲りたいって思ったんだ。
・・・父親失格だね。
だから・・・」
初めて聞く父さんの気持ちは、俺の推測と大きく外れた物だった。
「だから?」
「亮太が自分の部屋で私の名前を呼びながら自慰してた時、イラッとしたんだ。
『何故独りでするんだ。私に乞えばいいのに。』って。
『私に乞えば、泣いてヨガるほどシテあげるのに。』って。
君に対してイラつくなんて、君が産まれてから初めての体験だったよ。」
「・・・父さん。」
俺に欲情してくれたって事だ。
嬉しい。
でも思いも寄らなかった展開に、どの反応が正解か分からなかなった。
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