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side 亮太
告白と、一つ目の問題提起。
しおりを挟む見上げると、父さんは俺を見ながら優しく微笑んでいた。
「父さん?」
やっぱり、父さんの雰囲気が違う?
例えて言えば・・・偽物の紳士みたい?
・・・エセ紳士風・・・??
俺の頭を優しく撫でた父さんは、俺の前に回り込んで、西洋の騎士のように片膝を立て、俺に跪いた。
「えぇ?」
父さんが跪くなんて思ってなかった俺は、驚いて動けない。
父さんは俺の右手を取り、手の甲に口づける。
跪いたままの父さんは、俺の目を見上げて・・・
「亮太、君は私の人生の唯一。
私を君の恋人にしてくれないか?」
夜景をバックに、跪いて俺を真摯に見つめる父さん・・・壮絶に格好いい。
スマホで写真撮って壁紙にしたい。
スマホどこにやったっけ?
スマホ、スマ・・・
アレ?
「えっ?」
父さんが格好よすぎて聞き逃しそうになったけど、父さんが俺に“恋人になって”って言った?
え?夢?
だから父さんのキャラが、何かいつもと違うのか?
「親子の関係も捨てられないけどね。
亮太が私の特別であるように、私も君の特別でありたい。
どうか私の願いを受け入れて恋人になってくれないか?」
俺が・・・父さんの恋人に・・・
だからこんな豪華な所で泊まってご飯と夜景・・・
嬉しい、すごく嬉しい。
「もちろんな・・・。」
『(恋人に)なる!』と言いかけて止まる。
・・・俺が母さんの代わりだから?
スーパーモデルだった母さんなら、きっとこんなシーンすごく似合ったはずだ。
西洋の騎士みたいに格好いい父さんと女王様みたいな母さん。
きっと絵になる。
母さんの為にキャラ変までするの?
父さんに跪かれて愛を乞われる母さん・・・イヤだ!
父さんは俺んだ!!
父さんの手を振り払い後退る。
「亮太?」
「俺が母さんソックリだから?」
「ソックリ?」
「父さんは、俺が母さんに似てるから、俺を母さんの代用品にしてるの?
だからSEXもしてくれるし、夜寝るときも抱き締めてくれるし、この間のイタリアンも、今日の豪華なお泊まりディナーデートも連れてってくれるの?
俺は俺だよ!
亮太だよ!!
母さんの代わりにしないで!!!」
言い逃げすべく踵を返そうとして後ろのソファに躓く。
そのままソファに倒れ込むように座ってしまった。
それをじっと見ていた父さんが、立ち上がり俺の右横に座る。
父さんの右手が俺の右手をとり、父さんの左手は腰に回る。
父さんの手にギュッと力をが入って、俺は逃げられなくなった。
「亮太、私が君を小百合さんの代用品にしてると思っているの?」
プイと父さんから顔を背ける。
俺は亮太だ!小百合なんて名前じゃない!
「成る程。それでこの間も大きな声が出たのか。」
父さんは何か1人で納得している。
知らないもんね!
俺の事、小百合さん扱いする父さんなんて知らないもんね!!
でも・・・今日、ここまでディナーデートの準備してくれたのに、台無しにしちゃって、父さん怒ったかな?
嫌われたらどうしよう・・・。
母さんの代用品でも、十分父さんは優しいのに・・・。
弱気な俺が顔を出しそうになる。
でもダメだ!
やっぱ嫌なもんは嫌だ!!
父さんは俺んだ!!
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