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side正義(父)
二次被害① side 市井兄
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(朝出社してすぐの唐父が、高校からの息子さん休んでまっせ連絡にすぐ帰宅、昼ごろ研究所に帰ってきて食堂にランチ注文した後です。)
唐所長とランチを取る。
唐所長、“ 亮太くん溺愛案件 ” さえなければ、ちょっとボンヤリしたイケメンおじさんなんだよな。
研究はノーベル賞レベルだけど、普段は優しいし。
非常時は “ 怖い ” より “ 恐ろしい ” 人だけど。
大丈夫かな、本社さん。
それはそうと、“ 亮太くん溺愛案件 ”の唐所長は対応が速い。
さっきもすげー勢いで帰ったしな、出社したばっかりだったのに。
まぁ昼にけろっとした顔でラボに帰ってきたって事は、亮太くんは大丈夫だったんだろう。
あ、健介に亮太くん大丈夫みたいだよってメッセージ送らないと。
ホント、研究以外の仕事もその位動いてくれれば・・・
そんな取り留めのない事をつらつらと考え、飯を食いつつ、唐所長のトークに適当に相槌を打っていると、話を振られていた。
「市井くんさぁ。」
「はい。」
「今の恋人とどうやって付き合うことになったの?」
しまった、聞いてなかった。
「はい。・・・はい?」
ん?付き合う?
え?まさか恋バナ?
「告白したの?されたの?」
なんの告白?
マジで俺と唐所長で恋バナ?
「俺の恋人の話ですか?
俺、唐所長に恋人居るって言いましたっけ?」
俺と唐所長で恋バナ?(三回目)
え?『恋バナ』って意味何だっけ???(混乱)
「あれ?無かった?
弟くんでしょ?市井くんの恋人。
ソレより、告白だよ。したの?されたの??」
相手が弟だって、何で知ってるんだ?
自分達がマイノリティである事くらい分かっている。
社会に受け入れられ難いことも。
「・・・ええと・・・ちょっと待って下さい。
どこから突っ込めば・・・」
それだけじゃ無い。
未成年への淫行だ。
俺の後ろめたい事も知ってるって事か?
「弟くん、市井くんの事大好きだね。
新婚の恋人夫婦なんでしょ?」
あ、これはもう駄目だ。
兄弟間での恋愛、未成年への性的虐待、唐所長は全部知ってるのだろう。
「どうして知ってるんですか?」
俺はいつ唐所長の逆鱗に触れたんだろうか。
冷や汗なんて久しぶりだ。
「そんな顔しないでも大丈夫だよ。
こないだラボに弟くん来たでしょう?」
俺はどんな顔してるんだろう。
本社さん心配してる場合じゃ無かった。
健介が最近ラボに来た事・・・来た事か・・・あったな。
「そう言えば、高校が昼から休校になった時に来てましたね。
亮太くんと一緒に。
それでいつ唐所長と亮太くんと健介で恋バナしたんですか?」
健介、何でよりにもよって唐親子に話したんだ。
『余所で言っては駄目だよ。』って、あれほど口止めしたのに。
「あれ?いや、そうじゃ・・・
確かに、弟くんが君との恋人関係を吐露したんだけどね、うーん。
あの日、私たちの終業時刻を待ってた子供達は、そこにあったソファで眠っちゃったよね。
ほら、市井くんがサンプルの検査項目チェックに小一時間席を外した間に。」
「ああ、戻ってきたら健介と亮太くんがソファで寝転けてましたね。」
2人とも体格は小さいが、前にあったソファはそう広くは無かったので、床に落ちないか心配だった。
そんな心配を余所に、2人とも終業時間まで目を覚まさなかったが。
「亮太は一度寝たらなかなか起きないんだ。
君の弟くんは明瞭に寝言を言うんだね。
合いの手を入れてたら、君との関係を “ 発表 ” してくれたんだよ。
『じゃーん!兄ちゃんと新婚の恋人夫婦になりました!』って。
面白いね、彼。」
・・・寝言・・・やられた・・・。
※まだこの頃、市井兄は唐父の事を子煩悩の常識人だと思ってます。
息子が幼い時に誘拐された時も学生として師事していたので知っています。
なので誘拐事件以降の息子への超過保護は仕方ないと思っています。
妻を “ 知の女神メティス ” として敬愛し、そう言って見合いも断ったのも知っているので、唐所長は異性愛者だと思っています。
そして唐父は、亮太が研究室のソファで寝た翌日、第一研究室のソファを自費で大型の高級ソファに買い換えました。
以前のソファは欲しい研究室にあげました。
唐所長とランチを取る。
唐所長、“ 亮太くん溺愛案件 ” さえなければ、ちょっとボンヤリしたイケメンおじさんなんだよな。
研究はノーベル賞レベルだけど、普段は優しいし。
非常時は “ 怖い ” より “ 恐ろしい ” 人だけど。
大丈夫かな、本社さん。
それはそうと、“ 亮太くん溺愛案件 ”の唐所長は対応が速い。
さっきもすげー勢いで帰ったしな、出社したばっかりだったのに。
まぁ昼にけろっとした顔でラボに帰ってきたって事は、亮太くんは大丈夫だったんだろう。
あ、健介に亮太くん大丈夫みたいだよってメッセージ送らないと。
ホント、研究以外の仕事もその位動いてくれれば・・・
そんな取り留めのない事をつらつらと考え、飯を食いつつ、唐所長のトークに適当に相槌を打っていると、話を振られていた。
「市井くんさぁ。」
「はい。」
「今の恋人とどうやって付き合うことになったの?」
しまった、聞いてなかった。
「はい。・・・はい?」
ん?付き合う?
え?まさか恋バナ?
「告白したの?されたの?」
なんの告白?
マジで俺と唐所長で恋バナ?
「俺の恋人の話ですか?
俺、唐所長に恋人居るって言いましたっけ?」
俺と唐所長で恋バナ?(三回目)
え?『恋バナ』って意味何だっけ???(混乱)
「あれ?無かった?
弟くんでしょ?市井くんの恋人。
ソレより、告白だよ。したの?されたの??」
相手が弟だって、何で知ってるんだ?
自分達がマイノリティである事くらい分かっている。
社会に受け入れられ難いことも。
「・・・ええと・・・ちょっと待って下さい。
どこから突っ込めば・・・」
それだけじゃ無い。
未成年への淫行だ。
俺の後ろめたい事も知ってるって事か?
「弟くん、市井くんの事大好きだね。
新婚の恋人夫婦なんでしょ?」
あ、これはもう駄目だ。
兄弟間での恋愛、未成年への性的虐待、唐所長は全部知ってるのだろう。
「どうして知ってるんですか?」
俺はいつ唐所長の逆鱗に触れたんだろうか。
冷や汗なんて久しぶりだ。
「そんな顔しないでも大丈夫だよ。
こないだラボに弟くん来たでしょう?」
俺はどんな顔してるんだろう。
本社さん心配してる場合じゃ無かった。
健介が最近ラボに来た事・・・来た事か・・・あったな。
「そう言えば、高校が昼から休校になった時に来てましたね。
亮太くんと一緒に。
それでいつ唐所長と亮太くんと健介で恋バナしたんですか?」
健介、何でよりにもよって唐親子に話したんだ。
『余所で言っては駄目だよ。』って、あれほど口止めしたのに。
「あれ?いや、そうじゃ・・・
確かに、弟くんが君との恋人関係を吐露したんだけどね、うーん。
あの日、私たちの終業時刻を待ってた子供達は、そこにあったソファで眠っちゃったよね。
ほら、市井くんがサンプルの検査項目チェックに小一時間席を外した間に。」
「ああ、戻ってきたら健介と亮太くんがソファで寝転けてましたね。」
2人とも体格は小さいが、前にあったソファはそう広くは無かったので、床に落ちないか心配だった。
そんな心配を余所に、2人とも終業時間まで目を覚まさなかったが。
「亮太は一度寝たらなかなか起きないんだ。
君の弟くんは明瞭に寝言を言うんだね。
合いの手を入れてたら、君との関係を “ 発表 ” してくれたんだよ。
『じゃーん!兄ちゃんと新婚の恋人夫婦になりました!』って。
面白いね、彼。」
・・・寝言・・・やられた・・・。
※まだこの頃、市井兄は唐父の事を子煩悩の常識人だと思ってます。
息子が幼い時に誘拐された時も学生として師事していたので知っています。
なので誘拐事件以降の息子への超過保護は仕方ないと思っています。
妻を “ 知の女神メティス ” として敬愛し、そう言って見合いも断ったのも知っているので、唐所長は異性愛者だと思っています。
そして唐父は、亮太が研究室のソファで寝た翌日、第一研究室のソファを自費で大型の高級ソファに買い換えました。
以前のソファは欲しい研究室にあげました。
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