僕の恋、兄の愛。２

side 健介

メモリーツリー？

「そう言えば所長さん移籍するんだよね。りょーちんはどうするの～？」モグモグ

ふと、湧いた疑問をりょーちんに呟く。
兄ちゃんはまだ決まったわけじゃ無いけど、所長さんは移籍するんだよね？
りょーちんと所長さんは離れ離れになっちゃうじゃん。

「俺？俺は父さんに付いてく。ウチの大学の留学制度知ってる？・・・牛丼に一味入れてみ、味変するぜ？」モグモグ

「マジで～おお、ピリ辛ウマ～。・・・留学制度ってアレ？在籍したまま休学扱いで留学できるヤツ？」モグモグ

一味牛丼ウマい。兄ちゃんにも教えてあげよう。

「ソレ。父さんが行くのボストンだろ？ウチの大学、HarvardもMITも留学提携してんだよ。俺はソレで行こうと思ってる。・・・紅ショウガもいいぜ。」モグモグ。

「紅ショウガって大人の味～。・・・そっか～じゃぁ、兄さんが移籍するなら俺もそうしよ～。はい決定～。」モグモグ

ブッ「ゴホホッ、イチケン、そんな簡単に決めていいのかよ。ゲホッ。」

りょーちんが牛丼で咽せた。
今日はよく咽せるね。
大丈夫？気管弱いんじゃない？

「いいよ～。解決じゃん。しかもりょーちんが一緒に付いてくる。」モグモグ

「エホッ。俺はイチケンの付録じゃ無い。父さんに付いて行くの。ごっそさん。」

「俺もごちそうさま～。りょーちん、牛丼美味しかった。お料理ありがと～。」

お茶を飲んで一息。
あ～おやつ美味しかった。

「おそまつさま。次回はイチケンが作れよ。」

「分かった～。次回は俺が作るね～。さて、留学制度を利用する～にしても、問題は～。」

「市井さんが移籍するのか、しないのか、だな。やっぱ父さんに聞いて・・・」

「俺のエロテクで兄ちゃんをメロンメロンにできるかどうか、だよ！」

「何でだよ！！」

りょーちん、今日は激しいね。

「だって～。兄さんが俺とのエッチに飽きてる可能性は変わんないじゃん～。
俺捨てられちゃうかも知れないピンチだよ～！」

「（市井さんがイチケン手放すとかあり得ないと思うけど。）
俺分かんないんだけどさぁ。
メロンメロンって何だ？
市井さん具体的にどうなんの？」

りょーちんが真面目な顔で僕に問いかける。
メロンメロンを具体的に・・・何だろ？

「ん～。」

「具体性無いんかい！・・・分かった。じゃぁアレ作ろう、アレ。」

切り替え早いりょーちん素敵ぃ！

「アレ～？」

「メモリーツリー。受験時やったベ？
歴史、地理、生物とかで。」

「うん、やった～。で？どうして？」

「持ってる情報をカードに書き出す。
ついでにイチケンがこうしたいって事も書き出す。
ソレでツリーのベースを“市井さんの移籍問題”にして、今持ってる情報やイチケンがしたいことを並べて、あちこちに枝を伸ばす。
ツリーが出来上がってから、“市井メロン化計画（？）”に必要な情報を取捨選択して検討会。
どうよ？」

「ソレいいね～。」

りょーちん、塾の先生みたいだ。




※大学の留学制度とかは、亮太達の都合がいいように適当に考えました。