僕の恋、兄の愛。２

side 健介

なんの話だったっけ？

暫く技を掛け合って遊んだんだけど、その内お互いに疲労困憊でリビングルームの床に寝転んだ。

「・・・はぁっはぁはぁ。りょーちんっはぁ。
なかなかやるね。流石空手家～。アハはは、はぁ～。」

「ふぅぅ、はぁはぁ、ははは、イチケンも帰宅部なのに、大したもんだぜ。」

何だろうこの青春ドラマみたいの。
りょーちんもちょっとむず痒いような顔をしている。

僕ら何してたんだっけ。

「はぁ、イチケン、はぁ、俺ら何やってんだろな。」

「はぁ、だよね～。はぁ、俺もそう思ってた～。
はぁぁ～。」

エアコンの効いた部屋なのに、汗めっちゃかいた。
ベタッとして気持ち悪い。
りょーちんちのリビングが、暴れすぎてぬる温くなっちゃった気がする。

時間はまだ４時前だ。

お腹空いた。グウウウと僕の腹の虫がなる。

りょーちんと２人で顔を見合わせまた笑う。

「あははは。お腹空いたね～。」

「ははは。腹減ったな。」

あんなにお昼ご飯食べたのにね。
笑い合う。

「何か食う？」

「く～う～！」

「最近イチケン食欲ヤバイよな。」

「俺もりょーちんみたいに背を伸ばそうと思って～。」

「ん？俺？ああ、何か一気に背ぇ伸びたな。」

「そうだよ～！りょーちん、急に背が伸びて俺より大きくなったんじゃん～。
俺もソレに続こうと思って～。」

「・・・頑張れ。」

ちょっと、何で気の毒そうな目で見るの！？

「汗だく気持ち悪りぃ。
何か食うもん無いか探すから、その間にシャワー浴びる？
服とバスタオルくらい貸すぜ？
父さんまだだろうし。」

「ううん、す～っかり忘れてたけど、兄さんのプレゼント、一回ウチに戻って、隠して来なきゃ～。
ついでにシャワワっと、シャワー浴びて着替えてくる～。
パンツまで汗でびしょ濡れ～あははは。」

「ははは、俺もパンツ冷てえわ。
って！プレゼントな！そうだった。
俺も父さんの誕生日プレゼントどっか隠すべ。
んじゃイチケンが帰ってる間に俺もシャワーして、なんか作っとく。」

リビングを出て玄関に向かう。
１階層上なだけなのに、りょーちんちって広いよね。

「料理までできるとか、りょーちん優秀～。」

「恋人夫婦の若奥様（笑）が何言ってんだよ。」

歩きながらもおしゃべりは止まらない。
靴を履きながら打ち合わせる。

「じゃぁ３０分後位にまた来るね～。
お邪魔しました～。」

「おう。ガッツリ系作っとく。じゃあな。」

そうして一度解散した。

りょーちんのガッツリ系おやつが僕を待っている～。

と、僕はすっかり上機嫌で家に帰る。

兄ちゃんのプレゼントどこに隠そうかな～。

絶対安心なのは僕の部屋？
リビングの方がすぐ渡せるかな？
洗面所・・・は歯磨き粉のストックとか探してて見つかるかも？
靴箱・・・は臭いか。
洗濯物の中・・・は洗われるな。

ど～こ～に～し～よ～う～か～な～？

家をゴソゴソ見て回る。

・・・？
ウチんちって・・・配線多いなぁ。
謎の配線。
タワマンってそうなの？
防犯・防炎とかかな？
兄ちゃんも知らないかもしれないから、言っとこう。
あ、でもウッカリ言うとプレゼントバレちゃうか。
プレゼント渡した後で言おうっと。





※タワーマンションの健介んちと亮太んちの間取りが違うのは、部屋数多いと健介の部屋を作らなきゃいけなくなるから、優介が嫌だったからです。