僕の恋、兄の愛。２

side 優介

移籍問題解決のちょっと前

ベッドで眠っている健介を見下ろす。

新婚夫婦をゴリ推しして、ベッドはダブルサイズ、寝るのは一緒にしている。

健介は今、大学生活とバイトに忙しそうだ。

暇ができると唐所長の息子の亮太くんと外に遊びに行ったり、お互いの家を行き来している。

バイトの休みは、俺の休みに合わせてくれているようだが、夏休みもバイトばかりしている。

健介が中学・高校の頃は、
「健介は、未成年だけど、両親と同居してない。
だから、健介の生活は俺が責任を持つ。」
と健介の事は概ね把握できていた。

盗聴器や録音機など無くても知っていた。
（持たせてはいたが。）

それに健介に関する選択案件の多くを俺の一存で決められた。
健介の生活の大半は俺の物だった。

大学生になって、バイトを自分で決めてきた時は驚いた。

健介はいつまでも幼く、俺の手助けが必要だと思っていたのに。

今日も、『今日は残業で遅くなる』とメールした俺に

『分かった。お仕事お疲れさま。
明日、バイトが朝からあるから、先に寝てるね。
夜ご飯は作って冷蔵庫に入れてあるよ(≧∇≦)b
無理しないでね（๑・౩・๑）』

と健介から返信があった。

健介の生活時間から俺の占める割合が減っていく。

成長した健介に、いつか俺が不必要になる時が来るのだろうか。

まぁ、そんな事には絶対にさせないが。

それよりも、健介は亮太くんと親しすぎやしないか？

もちろん、唐所長からの情報収集や高性能精密機器（盗聴器や録音機）で亮太くんが健介に手を出す様な事はないと、確認済みだ。

だが、どちらかと言うと健介が亮太くんに甘えているように思う。

大学生になった今、健介の活動範囲や接する人は今まで以上に増えた。

俺が一緒に居られない以上、俺とも知り合いで信頼出来るボディーガードの様な存在の亮太くんは有難い。

健介はそれはもう可愛くて可愛くて可愛い（偏見）が、亮太くんは美人系だ。大学でも目立っているに違いない。

亮太くんの側に居ることで可愛い可愛い健介が注目されずに済むという計算もある。

優秀な亮太くんは、健介にいらん虫が寄ってくる防波堤にもなっている。

しかも健介に取って、信頼し得る友人が居るのは喜ばしい。

・・・が、俺以上に近くなると言うのなら許せないな・・・。

だが、俺にとっても、健介の大学生活において亮太くんは外せない。

亮太くんを牽制しても健介が寄って行くなら、どうしようも無い。

優秀な亮太くんは俺のことを薄々勘付いているようだし。

さて、どうしたもんか・・・


※健介くんのキャラが若干幼いのは、兄の投薬催眠の影響です。
兄は、催眠術かけるときに子供の健介くんに“子供扱いしながらエロいこと仕込む”をルーティーンとしていました。
兄と恋人になったので、エロい事も日常になります。
結果、健介くんの中で“エロい事をする＝幼い自分”が成立し、
兄と居ると“幼い健介”が強く出るというある種、後遺症みたいなものが残りました。
それが日常にも影響して、ちょっと幼アホい天真爛漫キャラになりました。
優介さん的には健介くんと１０才も年が離れているので、幾つになっても“健介＝幼い”のイメージなので、それが可愛いくて可愛いくて可愛いです（しつこい）。