僕の恋、兄の愛。3

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弟くんと指輪の出会い編◆友人視点◆

ある日の百鶴学園高校④

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「カスミが水戸のリングはスゴイって言ってたぞ!」

「アタシはチェーン付けてネックレスにしてるの。
指に嵌めてると勉強の時に気になるから。
見て見てー♪」

「「スカルモチーフ!!」」

「すげぇな、水戸!」

「仏教や密教では、吉兆の証ー♪
・・・多分w」

「わ~。格好いいね~♪」

「松戸もそれリング首から下げとけ。
ウキウキルンルン面倒くさいから。」

「唐が辛辣!!」

「結局、ペアリングって何~?」

「「「イチケンが同じ所から動いてない!?」」」

「ええっと、ええっとー。
アタシ的には彼氏とお揃いで、“恋人の証”かなぁー♪」

「そ、そうだ、そうだよな。
俺は“カスミは俺の彼女だぞ、寄るな他の男供!”って気持ちもあってのペアリングだな。
だから見えるように付けとくんだよ!
悪いか唐!」

「松戸が気持ち悪い。」

「ヒドイ!!」

「イチケン、〇ーグル先生か図書館で検索してみ?
『ペアリングの意味。』とか、『結婚指輪・婚約指輪の意味。』とか。
図書室なら指輪の起源からの書籍があるはずだし。
歴史的経緯や宗教的意味が分かれば納得できるんだろ?」

「うん~。そうする~。」

「「さすが首席!!」」

「煩い。
もうお前ら勉強しろ。
自習時間だぞ。」

「「「はーい。」」」









◆◆ ◆数日後の昼休み◆ ◆◆








今日はイチケンからの提案で、松戸、佐梨、水戸、俺、イチケンで机を並べての昼飯タイムとなった。

机を並べてお昼ご飯って・・・高3にもなって健全過ぎねぇか俺達、と思うがイチケンに泣かれそうなので言わずに堪える。

「あのね~。
皆~、俺の指輪研究について発表しま~す!」

「だからこのメンバーなのか!」

「そうだよ~。」

「秀から聞いてたけど・・・イチケンは本当にペアリングの意味知らなかったの?」

「まぁ聞いて~♪さりりん。」

「指輪について♪って・・・アレからわざわざ調べたの-!?」

「イチケン・・・図書室ですげー量の本借りてるなと思ったら・・・。
受験対策じゃなかったのかよ。」

「んふふ~。
りょーちんにも教えてあげちゃうね~。」

「松戸ら受験対策塾組と違って俺らは自宅学習組だぞ。
受験勉強ほっぽって何してんだ。」

「ちゃんと受験勉強もしたもん~!!」

「ほっぺを膨らせるんじゃない、イチケン!
可愛いだけだぞ!」

「まっつんがヒドイ~!」

「はいはい、可愛い可愛いー♪」

「ゆかもんもヒドイ~!」

「いいじゃない。
それで、指輪研究したら何だったの?」

「さりりん優しい~。」

「カスミはやらんぞ!」

「まっつんの心が狭い~。
んと~、あのね~!
指輪の起源は~麻や葦などの植物の紐で結び目を作って~、魔除けや無病息災などのおまじないとして体の一部分に巻く風習から始まったんだって~。
それでね~・・・
・・・・・・

「・・・本当に起源から調べたのね-w
ウケルーw」

「ゆかもん、イチケン頑張ったのよ、聞いてあげましょうよ。」

「しゃーない、聞いてやるか-。
イチケン、最近イイ感じにユルイもんねー♪」

「うん。前のイチケンは大人しいけど張りつめてる感じだったわね。
特進の勉強苦しいのかな、って思ってたわ。
最近、余裕が見えるって言うか、可愛いっていうか、」

「イチケン学年次席だもんな!
カスミのが可愛いぞ!」

「もう、秀!」

「本当にカスミが一番可愛いって!」

「黙れ松戸。」

「唐が辛辣!」

「イチケンのイメージ変わったの最近でしょ?
私は今のゆるふわイチケンの方がいいなぁ。」

「そだっけー?
ずっとゆるふわじゃなかったっけー?」










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