お姉様と呼んでいいですか

那須野 紺

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終わらない快楽

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美咲さんが小さく頷いたので私はショーツに手をかけて一気に引き下ろした。

「便利ですね」
「…そうでしょ」

ガーターストッキングの場合、そのままショーツを脱ぐ事ができる。ストッキングを履いているのに股間は丸見えになって、とてもいやらしい光景だった。

私には、企画部の執務室で自席に座る美咲さんの姿を鮮明に思い出す事ができる。その場面をイメージしながら私は行為を続けた。

「…お姉さま」
「何?…」
「想像して欲しいです、誰もいなくなったあのオフィスで、私にこうされる所」
「冴子…っ…」

私は美咲さんの秘部にそっと顔を近づけて、優しく入口を吸った。本当に、優しくキスするように、チュ、チュッと音を立てて花弁を吸っては口を離す。それを繰り返すと自然に蜜が溢れてきて、唇を離すたびに糸を引いた。

「あぁ…っ…ん」

美咲さんの声が徐々に艶めかしい色を帯びていく。それに煽られて私も我慢できなくなり、激しく目の前の花弁にしゃぶりついた。今度は舌も激しく動かして、花弁も、萌芽もまとめて嬲っていく。
時々ジュッと強く蜜を吸って刺激を与えながら、再び力を緩めて入口をぐちゃぐちゃと音を立てながら食んだ。

「やっ、あ…ん…」

不思議なもので、股間で盛大に音を出していると、喘ぎ声も大きくなる。それは自分がされる時もそうだ。音としては別のものなのに、互いの音でかき消されるような錯覚を覚えるし、少しぐらいうるさく喘いでもいいような気分になるものだ。
だから、私は瞬間的にわざと音を消してみる。花弁を食み中に舌を差し入れたまま内側をくちゅくちゅとまさぐる。

「はぁ…あ…あんっ」

そうすると美咲さんの声だけが響いてよく聞こえた。きっと軽い羞恥も覚えているはずだ。
秘部を口でふさいでいるためか、口の中にもどんどん蜜が溜まっていった。私はあえて容積を増やさずに入口あたりに蜜を溢れさせながら、時々萌芽にもそれを舌で広げてぺろぺろと舐めていく。

「あ、それ…いいっ…もっと」
「はい」

花弁の内側、入り口あたりをくちゅくちゅと舌でかき回して、それをしばらく続けてから萌芽をぺろぺろと嘗め回す。これを行ったり来たりする事を延々と繰り返した。美咲さんは激しく喘ぐようになった。始めた時より明らかに背中をのけぞらせて、腰も前に突き出してきている。

「はぁ…冴子…上手よ、気持ちいいっ」

返事の変わりに萌芽を吸い上げる。一瞬美咲さんが「ひゃっ」と悲鳴をあげる。
私はすぐに力を抜いて元のように萌芽に唾液を絡ませ嘗め回し続けた。

「冴子…っ気持ちよすぎちゃう…」

美咲さんは涙声でそんな事を言う。表情を確かめたくなって、私はスカートをたくし上げて美咲さんの顔を見上げた。目は合わなかった。

「っあ…あん…」

美咲さんは、髪を振り乱すように首をのけぞらせたり、左右に振ったりしながら快感に耐えていた。
私の唇と舌だけで、美咲さんをこうも追い詰めていると思うと感動する思いだった。しかも仕事着のままでいやらしく乱れる美咲さんの姿には、何か特別なギャップを感じてそれにも興奮してしまう。

「…もう、だめ…変になっちゃうっ」

こんな言葉が言えるうちはまだ先がある。快楽に堕ちれば「だめ」と拒絶することすらできなくなり、ただ快楽を貪り受け止め、求めるだけになるのだ。
ここからが本番だと気持ちを引き締め、美咲さんの好きな動きを増やしていく。
まずは、入口で軽く動かすだけにしていた舌の動きを変えて、なるべく深く舌を差し込んで奥まで掻き回す。中から蜜を掻き出すように舌先で天井を擦る。

「あっ、…それ…ああ…」

しつこくその動きを繰り返すと、美咲さんはいっそう深い快楽を覚えたのか、ただ喘ぐだけになった。しばらく「あんっ」「はぁ」という喘ぎ声だけが聞こえるようになる。
この間萌芽は時々優しく舐める程度の刺激を与えるだけにしていたが、美咲さんがふいに「冴子、もっと…」と訴えてきた。萌芽に強い刺激が欲しいという意味だ。

私は秘部に突っ込んでいた舌を抜いて萌芽に絡ませ、しばらく萌芽を集中的に嘗め回した。
美咲さんは「あぁ…」と、うっとりしたような声をあげる。

「ねえ、冴子…お願い」

その言葉が終わるかどうかのうちに私は萌芽に前歯の先を擦りつけた。噛むのではなく、あくまでも歯の先を当てて、引っかけるように刺激する。美咲さんはこうされるのが好きなのだ。

「あい…っあ…いく…いっちゃうよ、冴子っ…」

下の前歯も使って、噛まないように細心の注意を払いながら萌芽をしごいた。2、3回そうした所で美咲さんの身体が跳ねて「あぁっ」という声と共に硬直する。
一瞬強く両脚で頭を挟まれたが、すぐに弛緩した。
その間も私はゆるゆると花弁と萌芽をしゃぶって、優しく刺激を加え続ける。
とめどなく蜜が溢れだす。私はその温かい蜜の感触が好きだった。
美咲さんそのものの温かさがあるような気がするからだ。

美咲さんは両足をだらしなく開いたままでソファに斜めに横たわっている。気を失ってはいないようだが、快感に浸ってすぐには戻れないのかもしれない。
この時こそが至福なのだ。この無防備な姿もとても煽情的である。

ほんの少したって美咲さんが眼鏡を外そうと手を動かしたので、私はそれを手伝いながら眼鏡をテーブルの上に置いた。美咲さんは目を閉じたまま荒い息を吐いている。

「……」

少しの間私はその顔を見つめていたが、たくさん喘いで喉が渇いたのではないか、と考え私はミネラルウォーターを取りに冷蔵庫へ向かった。ボトルを持って戻ると、気配を察したのか美咲さんは目を閉じたままで「飲ませて」と言う。
私はペットボトルのキャップを開けて美咲さんの口元に運ぼうとしたが、それが口に触れる寸前で、美咲さんは「冴子が直接」と言ってくる。

直接、とは今しようとしている事ではないという意味だろうか。他に答えがわからないのでおそらく口移しなのだろうと思うが、私の口元は美咲さんの溢れさせた蜜で汚れている。こんな状態でそれをして良いのだろうか、と戸惑う。
とりあえず手の甲でざっと口元を拭ってからミネラルウォーターを口に含んで美咲さんに覆いかぶさった。

「っ」

さっきまで休みなく舌を動かしていたからか、しっかりと口を閉じているのが辛い。含んだ水を若干こぼしながら美咲さんの口に自分の口を押し付けた。自然と水が流れ込んでいく。

「…ん…」

美咲さんはまだ快楽の余韻が残ったような吐息を漏らしながら水を飲んだ。
口淫だけでこうも長く尾を引く快感が得られるものだろうか。今日に関しては、私も美咲さんも服は脱いでもいない。

「苦しく、ないですか?」
「…」

やっと美咲さんが目を開けてこちらを見た。
仕事着のままでは窮屈ではないかとずっと気になっていた。

「…ずっと喘いでたから、息が苦しかった」

美咲さんはそんな事を言う。その様子が素直な子供のようで可愛いと思ってしまった。
多分、美咲さんには本人が自覚している以上に様々な表情があって、その表情豊かな所が人間的魅力なのだと思う。艶めかしい瞬間もあってそれも強烈に魅力的ではあるのだけれど、こういう素の部分がふいに現れる所も、堪らないのだ。

「あー…ちょっと失敗しちゃったな」
「どうかしましたか?」

美咲さんはむくっと身体を起こして私に向き直った。

「冴子に奉仕させる前に、冴子のおまんこにリモコンローターを仕込めば良かった」
「……でも、それじゃこんなにたくさんできませんでしたよ」
「それもそうね」

美咲さんの視線が私の下半身に注がれる。私はぎくりとして固まった。

「…脱いだ方がいいですか?」
「うーん、どうしようかな」

ガン見されているのに引っ張る理由がわからない。私は答えを待たずにスキニーパンツを脱いだ。なんとなく、自分でもそこがどうなっているのか確かめたかったからだ。

「あ」
「そうなんだよね」

美咲さんは既に気付いていたようだ。下着を通り越してアウターにまで自分の蜜が染み出ていた事に。

「……」
「凄いね…冴子、舐めてるだけでそんなに濡らしちゃったんだ?」
「…そうみたいですね、全然気が付きませんでした」

美咲さんは私の手からスキニーパンツを取り上げて股間のあたりを観察しながら言う。

「だから私服もスカート履けばいいのに」
「…」

私の私服は、お世辞にも女性らしいとは言えない感じのものが多い。美咲さんには喜ばれない服装かもしれない、とは思っていた。

「こういう事になっちゃうから、スカート履いて来た時しかノーパンで帰りなさいって言えないのよね」

ズボンだけ奪われてあれこれ言われている状況はいやに恥ずかしい。いっそ全部脱げと言われる方が気楽だ。

「お姉さまだって…普段スカート履いていないじゃないですか」
「あ、それもそうね」
「というかどうして今日に限ってそんな恰好してたんですか?」
「これ?…」

美咲さんは立ち上がってようやく仕事着であろうチャコールグレーのスカートスーツを脱ぎ始めた。なんとなく私はほっとする。

「もし冴子と外で食事する事になれば、どこか外のトイレででも奉仕させようかなと思って」
「…」

そんな理由で朝からガーターストッキングを着けるのだろうか。なんとなく嘘くさいというか、白々しいような気がする。

「でもすっごく興奮しちゃった、今度ほんとに居残りして冴子に舐めてもらおうかな」
「ちょっと、やめてくださいよ」
「嘘、嘘、いや、半分はね」

美咲さんはカットソーも脱いでシャワーでも浴びるつもりらしい。私にも同行を促してくるので私も服と下着を脱いだ。

「秘書課へ異動するって、そういう事も期待してるって事なんじゃないの?…私の打合せや空き時間のスケジュールも細かくわかる立場になるんだし、隙あらばいちゃつこうという魂胆あっての事なのかと思ったのに」

全く考えていないわけではないだけに答えに窮する。

「そんな、簡単に使い分けできるんですか…」
「隠れてキスするぐらいなら平気でしょ」

はっきり言われて急に恥ずかしくなった。そして、自分の秘部がどれくらい濡れているのか知られたくなかったのもあって、私は先にバスルームへ向かおうとする。
美咲さんが後を追ってきて、ちょうど洗い場に入った所で後ろから抱き付かれた。一瞬、晴香ちゃんとの逢瀬とだぶりその記憶が蘇る。

「捕まえた」

でも、今私を後ろから抱きすくめているのは美咲さんだ。晴香ちゃんではない。
美咲さんは後ろ手に扉を閉めてシャワーのお湯を出しながら、「はいじゃあここに座って」と指示してくる。

そこはバスタブの縁だ。冷たくないようにざっとシャワーのお湯をかけてから、そこに私は座らされる。湯船は溜まっていないので、空のバスタブに勢いよくお湯を溜めながら、美咲さんはその中に入っていった。

「逃げきれると思ったの?…」
「…いえ」

美咲さんはくすりと笑って、私の秘部を一瞥した後に思い切りそこにしゃぶりついてくる。

「あ、あ…お姉さま、だめ」
「何が?」
「すぐ、いっちゃいそうなんです…」
「そんなに、私のおまんこ舐めて感じちゃったんだ?…」
「はい」

美咲さんは「どれどれ」などと言いながら再び私の秘部をチロチロと舐めて弄ぶ。私はじっとしているのが辛くなるくらいに身体を震わせた。

「お姉さま、そんな、焦らさないで…」

どうにか身体をよじらずに済ませるために、私は腰を浮かせて腕と脚で身体を支えた。筋肉を使い快楽を逃がすために。

「ふうん、私もじっくり味わいたいのになぁ」
「…それなら、それでもいいですから…なんでも、いいです、お姉さまのしたいように、してくださいっ…」
「可愛い」

湯船に溜まっていくお湯から次々と湯気が立ってバスルームが温められていく。私の身体も熱くなっていった。

「大丈夫、冴子がいっぱい気持ち良くしてくれたから…冴子の好きな所、いっぱい触ってあげるからね」
「はい、お願いします」

美咲さんは、焦れた私のために急いで秘部に指を挿入して、内壁がほぐれるとすぐに激しく中を掻き回してきた。同時に萌芽にも吸い付かれて、意識が飛びそうになるぐらいの快感に襲われる。

「お姉さまぁ…すご、気持ちいいっ…!」

溜まった湯船の中に誘われ、私はその後美咲さんと湯船の中で唇を重ねながらお互いの秘部に指を差し込んでいた。
それから上せる寸前まで何度も何度も達しては、お互いの身体に指を突っ込んで掻き回す事を止めなかった。
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「お姉様に夢中なはずなのにその他の誘惑が多すぎます」

本作の続編です。
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