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無差別級ファイター(美咲SIDE)
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これからするのは、私をマッチングアプリ「WS」に誘った人、その人についての話だ。
冴子は、私がそれなりにアプリを使いこなして適当に女の子を引っかけているのだろうと思っているようだが、実際はそうでもない。なんとなく登録していた、という方が事実に近い。
このアプリは完全紹介制だから、必ず自分を招待した人物が利用者の中にいる。ただ、その関係性については他の利用者には見えない仕組みになっている。
私がその人物、木下光江(みつえ)に出会ったのは、ある異業種交流会の席だった。前半は著名な講師を迎えてのセミナーが行われ、後半は懇親会というイベントだった。
参加者の多くは若手実業家や、大企業の幹部クラスで、私はその頃企画部長に抜擢されたばかりで、自信もなくそういうイベントには頻繁に顔を出して、部長職というものにふさわしい何かをどうにか身につけようとあがいていた。今から3年ほど前の事だ。
その交流会の中で、光江の存在は異彩を放っていたという言葉に尽きる。
なにしろ参加者の中ではあまりにも若かった。光江は当時、入社5年目くらいの、ただの営業職の女性にすぎなかった。
所属こそ国内最大手の広告代理店で、誰もが知る大企業に属しているが、営業職だけならそこの会社には山ほどいる。
しかし偶然にも、その交流会には私と光江しか女性がいなかった。必然的に話す量は多くなり、そこで光江の持つ野心に触れる事となる。
「早く自分の会社を立ち上げたい」
それが光江の目標であり、それのためなら手段を択ばない事を豪語していた。
交流会に参加した理由も、一刻も早くベンチャー起業経験者、現役の経営者と繋がるためだと言ってはばからない。光江は初対面の私にも隠さずそんな話をしてきた。
毎日、激務なのではと私が気遣うと、光江は「そりゃもう」と笑って答える。
懇親会はホテルの宴会場を借りて立食形式で行われていたが、はじめのうち光江はひたすら参加者と名刺交換に励み、一巡してからようやくワイングラスに手をつけていた。私はその様子をなんとなく横目に見ながら、服装や雰囲気からわかる範囲で自分と似たようなポジションと思われる人とぽつぽつ話をする程度の事しかしていなかった。
変に積極的にいって誤解されるのも嫌だし、私としては懇親会は顔だけ出せばいいやというぐらいのつもりで参加していたのだ。
そんな中で光江は明らかに浮いていた。
勿論一見すると光江の行動をあさましく思えたけれど、これだけ浮いてもここへ来たい何かの理由がある事は明らかで、私はそのうちそれを知りたくなった。だから周りの目を気にしながらも自分から光江に声をかけた。
近くで話してみると、光江はちっともふてぶてしい女ではなかった。ワイングラスを持つ手は、じっくり観察すれば振るえていたし、ひっそりと溜め息すらこぼしているのを私は目撃してしまったのだ。
「どんな事業をおやりになりたいの?」
一通り自己紹介や、光江の話を聞いてシンプルにそう尋ねてみる。
「本当に女性のためになる事がしたいですね」光江はそう答えた。
抽象的だ。だが光江の中ではそれは決まりきっている事のようだった。
「私、元々女子校出身なんですけど、お嬢様学校だったので、過去の卒業生で代理店に就職した人なんて皆無なんんです」
光江は、ワインこそちびちび飲んでいるが、食べ物には手をつけていない。空腹ではないのだろうか。それとも緊張で何も入らないという事なのだろうか。
女子校は本当に本当に楽しかった、と光江は言う。そして在学中に生した数々の偉業は、誇張も含めて卒業後でさえ語り草になっているのだと自分で話していた。
「文字通り、カリスマだったと思いますよ」
自分でそうまで言っている。
「だけど、いつまでもそのまま女子校にはいられない、そのうちみんな何かの形で広い社会に出る事になります。…私は単にそれが嫌だっただけかもしれませんが、外に出れば男と競うか、男に飼われるような人生しかないのかと想像しただけで死よりも深井恐怖を覚えました」
それでも光江は女性の少ない広告業界へと進んでいる。女性主体の業界だって選べたはずなのに。
「戦うべき相手を私はあまり知る環境にはなかったですから、あえてそこへ入り込んで、この社会を動かす人たちがどういう生態なのかを知りたかった、という事です」
まだ、光江の緊張は完全には消えていないようだった。私とじっくり話す態勢ではあるものの、周囲の目をやはり実際は気にしている風がある。
この頃の光江のファッションは、いわゆるバリキャリ風の派手なものだった。下品ではないが、なんというか武装した感じ、という所で、私とはタイプが違う。
例えば私がモノトーンや淡い色合いの服をよく着るのと異なり、光江はラインもシャープで色も原色を使ったような、目立つ服装を好んでいるように見えた。この交流会の日も、やや紫がかった赤のスカートスーツを着て、かなり高いヒールを颯爽と履きこなしていた。髪は肩より少し短く外跳ねに巻いていて、こちらも茶というより赤に近い色にカラーリングしている。顔の造りは意外と落ち着いているのだが、メイクがはっきりしているので、やはりぱっと見派手な印象を与えていた。
ただ、下品にならないのはおそらく彼女のバックボーンが裕福なお嬢様女子校出身である事や、野心の正体が案外と自分の欲望に直結したものではないという所にあったのかもしれない。
少し話をしていて私は光江に抱いていた第一印象をすっかり翻していた。
私とはタイプが違うけれど、光江には光江なりの目的があり、その事をどう思われようと実現したいのだという純粋さを感じたのだ。
こういう、男性主導の会合の席などでは必然、女性同士というだけでやたらと親近感がわいてしまうものだ。そしてこういう場面では、キャリア女性に対する男性の見方というのもくっきり分かれてくる。
純粋に尊敬をもって接してくる人もいれば、仕事仲間としてはいいけど絶対プライベートで付き合う気はしないなどと言ってはばからない人、自分への理解があるのではないかと感じて口説いてくる人、かなり極端な差が出る。
正直そういう、ちょっとしたマウンティングや蔑み、無理してるんじゃないのという視線など、色々な偏見に耐えなければならないのが今なおキャリア女性の宿命なのだと感じてならなかった。
光江は言う。
「どう考えても私がここにいるのは違和感がありますよね」
私は「…まあ」と、あえて否定はしなかった。
「こういう所に来る時には、上司に頼み込んで、強引に来てますから」
言いながら光江が一瞬視線をやった先にはその「上司」がいるのだろう。
「私、あの人と寝ましたよ」
わざとなのか、試しているのか、微妙に距離はあるしそれぞれ話しているから紛れるとは思うけれども、ギリギリ聞こえてしまうのではないか、と思われる声の大きさで光江はそんな事を言う。
それを聞いて私は、光江はそういうタイプか、やはり自分とは違うなと確信しつつも、嫌悪する気持ちは全くなかった。わざとそれを言うという事は、自分は男を利用しているのだとわざと種明かしをしている事になる。私を敵とは認識していないからこそ、それをわざと打ち明けてフェアであろうとしているのがわかる。
「そういうの、大変じゃない?」
私はそう聞くのが精いっぱいだった。
私には痛いほどわかる。目立ったり、出世したりすると、必ずそういう疑いの目は向けられる。
私は、男と競うのではなく違うフィールドで勝負する事を選んで上に上がったが、光江はその疑いをどうせ持たれるなら本当にそうなってみたらどうなるのかを試したのかもしれないと思った。
「どうせやる奴はやりますよ、でもそういう手口を使う奴は、男も女も大した事ないって事がわかりました」
身体を捧げても大した見返りはないし、求める方も大したものは持ち合わせていない、という事のようである。「本当の大物はやたらと女を食おうとはしませんよ、当たり前ですけどね」と光江はまた笑う。
それでも光江には、彼らの懐に飛び込んでいく必要性があったから、それを選択したのだろう。
「自分でもびっくりしたのは、そういう関係になっても、私は全く相手に情が移らないという事でした」
男は案外ねちねちしていてうっとうしいとさえ言ってのける。彼女が相手にしているのはおそらく、経営層のやや手前かそこらの役職者なのだと思われるが、彼らはほとんど妻帯者に違いない。
「私、思うんですけど…男女平等と言っても、それは働くという環境においては、ただ女も参加していいという許可をしているだけの事にしか思えないんですよね」
どういう事かと尋ねた時の光江の答えに、私は納得してしまった。
「格闘技もスポーツも、戦う場合男女は別です。ガチンコならなおの事、混ぜる事はしていない、それは勿論身体的構造の違いはあるからという理由もわかります。でも、働く事だって、身体も頭も精神も、限界まで使う種目じゃないですか」
「食べるものが尽きた後なら女の方が生き延びる力は上かもしれませんけど、これだけ飽食なら、体力だって男が上で有利です。そして男にとって都合の良いルールで、仕事というのは回っている。なんの防具も身につけないで、更に性差さえごちゃ混ぜにして戦えと言ってるようなもんじゃないですか、今は」
光江の声は若干トーンダウンし、周囲に聞かれる事を警戒した調子に変わっていた。
「そこでどうやって勝てばいいのか、となれば、相手の持ち合わせていない技を使うか、性差を逆手に取るかしかない、となると色仕掛けはむしろ勝つための手段としては王道だと思いませんか?」
真面目に考えた事はなかったが、おそらく光江は毎日、そしてひと時も休む事なく男と競っている中で、そんな境地に達したのだろうなと思った。
「勝って自分の城を手に入れたい、という事ですか」
「そうですね」
初対面の私にこんな事までどんどん話してきて大丈夫かと思ったが、きっと光江は女性には無条件に素直なのかもしれない。
「絶対に、20代のうちに会社を立ち上げて、そしてそれが軌道に乗ったら必ずお知らせします」
光江と別れる頃には、派手なスーツやヒールの靴が戦闘服に、そして光江本人は本当の意味での無差別級ファイターに見えた。
冴子は、私がそれなりにアプリを使いこなして適当に女の子を引っかけているのだろうと思っているようだが、実際はそうでもない。なんとなく登録していた、という方が事実に近い。
このアプリは完全紹介制だから、必ず自分を招待した人物が利用者の中にいる。ただ、その関係性については他の利用者には見えない仕組みになっている。
私がその人物、木下光江(みつえ)に出会ったのは、ある異業種交流会の席だった。前半は著名な講師を迎えてのセミナーが行われ、後半は懇親会というイベントだった。
参加者の多くは若手実業家や、大企業の幹部クラスで、私はその頃企画部長に抜擢されたばかりで、自信もなくそういうイベントには頻繁に顔を出して、部長職というものにふさわしい何かをどうにか身につけようとあがいていた。今から3年ほど前の事だ。
その交流会の中で、光江の存在は異彩を放っていたという言葉に尽きる。
なにしろ参加者の中ではあまりにも若かった。光江は当時、入社5年目くらいの、ただの営業職の女性にすぎなかった。
所属こそ国内最大手の広告代理店で、誰もが知る大企業に属しているが、営業職だけならそこの会社には山ほどいる。
しかし偶然にも、その交流会には私と光江しか女性がいなかった。必然的に話す量は多くなり、そこで光江の持つ野心に触れる事となる。
「早く自分の会社を立ち上げたい」
それが光江の目標であり、それのためなら手段を択ばない事を豪語していた。
交流会に参加した理由も、一刻も早くベンチャー起業経験者、現役の経営者と繋がるためだと言ってはばからない。光江は初対面の私にも隠さずそんな話をしてきた。
毎日、激務なのではと私が気遣うと、光江は「そりゃもう」と笑って答える。
懇親会はホテルの宴会場を借りて立食形式で行われていたが、はじめのうち光江はひたすら参加者と名刺交換に励み、一巡してからようやくワイングラスに手をつけていた。私はその様子をなんとなく横目に見ながら、服装や雰囲気からわかる範囲で自分と似たようなポジションと思われる人とぽつぽつ話をする程度の事しかしていなかった。
変に積極的にいって誤解されるのも嫌だし、私としては懇親会は顔だけ出せばいいやというぐらいのつもりで参加していたのだ。
そんな中で光江は明らかに浮いていた。
勿論一見すると光江の行動をあさましく思えたけれど、これだけ浮いてもここへ来たい何かの理由がある事は明らかで、私はそのうちそれを知りたくなった。だから周りの目を気にしながらも自分から光江に声をかけた。
近くで話してみると、光江はちっともふてぶてしい女ではなかった。ワイングラスを持つ手は、じっくり観察すれば振るえていたし、ひっそりと溜め息すらこぼしているのを私は目撃してしまったのだ。
「どんな事業をおやりになりたいの?」
一通り自己紹介や、光江の話を聞いてシンプルにそう尋ねてみる。
「本当に女性のためになる事がしたいですね」光江はそう答えた。
抽象的だ。だが光江の中ではそれは決まりきっている事のようだった。
「私、元々女子校出身なんですけど、お嬢様学校だったので、過去の卒業生で代理店に就職した人なんて皆無なんんです」
光江は、ワインこそちびちび飲んでいるが、食べ物には手をつけていない。空腹ではないのだろうか。それとも緊張で何も入らないという事なのだろうか。
女子校は本当に本当に楽しかった、と光江は言う。そして在学中に生した数々の偉業は、誇張も含めて卒業後でさえ語り草になっているのだと自分で話していた。
「文字通り、カリスマだったと思いますよ」
自分でそうまで言っている。
「だけど、いつまでもそのまま女子校にはいられない、そのうちみんな何かの形で広い社会に出る事になります。…私は単にそれが嫌だっただけかもしれませんが、外に出れば男と競うか、男に飼われるような人生しかないのかと想像しただけで死よりも深井恐怖を覚えました」
それでも光江は女性の少ない広告業界へと進んでいる。女性主体の業界だって選べたはずなのに。
「戦うべき相手を私はあまり知る環境にはなかったですから、あえてそこへ入り込んで、この社会を動かす人たちがどういう生態なのかを知りたかった、という事です」
まだ、光江の緊張は完全には消えていないようだった。私とじっくり話す態勢ではあるものの、周囲の目をやはり実際は気にしている風がある。
この頃の光江のファッションは、いわゆるバリキャリ風の派手なものだった。下品ではないが、なんというか武装した感じ、という所で、私とはタイプが違う。
例えば私がモノトーンや淡い色合いの服をよく着るのと異なり、光江はラインもシャープで色も原色を使ったような、目立つ服装を好んでいるように見えた。この交流会の日も、やや紫がかった赤のスカートスーツを着て、かなり高いヒールを颯爽と履きこなしていた。髪は肩より少し短く外跳ねに巻いていて、こちらも茶というより赤に近い色にカラーリングしている。顔の造りは意外と落ち着いているのだが、メイクがはっきりしているので、やはりぱっと見派手な印象を与えていた。
ただ、下品にならないのはおそらく彼女のバックボーンが裕福なお嬢様女子校出身である事や、野心の正体が案外と自分の欲望に直結したものではないという所にあったのかもしれない。
少し話をしていて私は光江に抱いていた第一印象をすっかり翻していた。
私とはタイプが違うけれど、光江には光江なりの目的があり、その事をどう思われようと実現したいのだという純粋さを感じたのだ。
こういう、男性主導の会合の席などでは必然、女性同士というだけでやたらと親近感がわいてしまうものだ。そしてこういう場面では、キャリア女性に対する男性の見方というのもくっきり分かれてくる。
純粋に尊敬をもって接してくる人もいれば、仕事仲間としてはいいけど絶対プライベートで付き合う気はしないなどと言ってはばからない人、自分への理解があるのではないかと感じて口説いてくる人、かなり極端な差が出る。
正直そういう、ちょっとしたマウンティングや蔑み、無理してるんじゃないのという視線など、色々な偏見に耐えなければならないのが今なおキャリア女性の宿命なのだと感じてならなかった。
光江は言う。
「どう考えても私がここにいるのは違和感がありますよね」
私は「…まあ」と、あえて否定はしなかった。
「こういう所に来る時には、上司に頼み込んで、強引に来てますから」
言いながら光江が一瞬視線をやった先にはその「上司」がいるのだろう。
「私、あの人と寝ましたよ」
わざとなのか、試しているのか、微妙に距離はあるしそれぞれ話しているから紛れるとは思うけれども、ギリギリ聞こえてしまうのではないか、と思われる声の大きさで光江はそんな事を言う。
それを聞いて私は、光江はそういうタイプか、やはり自分とは違うなと確信しつつも、嫌悪する気持ちは全くなかった。わざとそれを言うという事は、自分は男を利用しているのだとわざと種明かしをしている事になる。私を敵とは認識していないからこそ、それをわざと打ち明けてフェアであろうとしているのがわかる。
「そういうの、大変じゃない?」
私はそう聞くのが精いっぱいだった。
私には痛いほどわかる。目立ったり、出世したりすると、必ずそういう疑いの目は向けられる。
私は、男と競うのではなく違うフィールドで勝負する事を選んで上に上がったが、光江はその疑いをどうせ持たれるなら本当にそうなってみたらどうなるのかを試したのかもしれないと思った。
「どうせやる奴はやりますよ、でもそういう手口を使う奴は、男も女も大した事ないって事がわかりました」
身体を捧げても大した見返りはないし、求める方も大したものは持ち合わせていない、という事のようである。「本当の大物はやたらと女を食おうとはしませんよ、当たり前ですけどね」と光江はまた笑う。
それでも光江には、彼らの懐に飛び込んでいく必要性があったから、それを選択したのだろう。
「自分でもびっくりしたのは、そういう関係になっても、私は全く相手に情が移らないという事でした」
男は案外ねちねちしていてうっとうしいとさえ言ってのける。彼女が相手にしているのはおそらく、経営層のやや手前かそこらの役職者なのだと思われるが、彼らはほとんど妻帯者に違いない。
「私、思うんですけど…男女平等と言っても、それは働くという環境においては、ただ女も参加していいという許可をしているだけの事にしか思えないんですよね」
どういう事かと尋ねた時の光江の答えに、私は納得してしまった。
「格闘技もスポーツも、戦う場合男女は別です。ガチンコならなおの事、混ぜる事はしていない、それは勿論身体的構造の違いはあるからという理由もわかります。でも、働く事だって、身体も頭も精神も、限界まで使う種目じゃないですか」
「食べるものが尽きた後なら女の方が生き延びる力は上かもしれませんけど、これだけ飽食なら、体力だって男が上で有利です。そして男にとって都合の良いルールで、仕事というのは回っている。なんの防具も身につけないで、更に性差さえごちゃ混ぜにして戦えと言ってるようなもんじゃないですか、今は」
光江の声は若干トーンダウンし、周囲に聞かれる事を警戒した調子に変わっていた。
「そこでどうやって勝てばいいのか、となれば、相手の持ち合わせていない技を使うか、性差を逆手に取るかしかない、となると色仕掛けはむしろ勝つための手段としては王道だと思いませんか?」
真面目に考えた事はなかったが、おそらく光江は毎日、そしてひと時も休む事なく男と競っている中で、そんな境地に達したのだろうなと思った。
「勝って自分の城を手に入れたい、という事ですか」
「そうですね」
初対面の私にこんな事までどんどん話してきて大丈夫かと思ったが、きっと光江は女性には無条件に素直なのかもしれない。
「絶対に、20代のうちに会社を立ち上げて、そしてそれが軌道に乗ったら必ずお知らせします」
光江と別れる頃には、派手なスーツやヒールの靴が戦闘服に、そして光江本人は本当の意味での無差別級ファイターに見えた。
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