お姉様と呼んでいいですか

那須野 紺

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私の決意

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これまで彼氏がいた事もあったけれど、今みたいに裸で広いリビングルームのローテーブルに両手を付いた状態でひたすら愛撫されるという経験はなかったし、美咲さんの舌技にはただ翻弄されるばかりで、経験値の違いにちくりとしたものを感じながらも、もっと美咲さんにして欲しくて、愛撫を続けやすいよう態勢を崩さず耐えていた。

「凄いねどんどん出てくるよ」

美咲さんはわざと、私の感じる場所に唇を這わせながらかろうじて聞き取れる声でそう呟いている。はっきりと聞き取れないのは、花弁をしゃぶりながらそれを言っているからだ。美咲さんの声に混じってジュルッという音がして、自分の身体の中に響いて耐えられなくなる。

「…っもう、また、いっちゃう」

私の声を無視して美咲さんは一際激しい音を立てて私の蜜を吸い上げた。と同時に私は二回目の絶頂に達する。息が止まり声が出なくなると、美咲さんの愛撫も少し穏やかになった。

「はぁ、はぁ」
「お風呂見てくるね」

何事もなかったように立ち上がり、美咲さんはバスルームへ向かっていってしまった。私は美咲さんの姿を目で追いかける。一瞬美咲さんの口許が、顎あたりまで濡れて汚れているのが見えた。美咲さんはさりげなく口許を手の甲で拭っていたけれど、その仕草も含め私はとても恥ずかしい思いがした。

-私ばかりが気持ち良くなってる…

美咲さんは優しい人だし私の緊張も十分察してくれていた。だからこそこうして私にあれこれ気を使ってくれているに違いない。でも、本来今日の私は美咲さんの好きなように弄ばれ、彼女がいいと言うまでひたすら奉仕する覚悟を決めてここへ来たのだ。美咲さんの正体を知ってからの展開は、それまで私が想像していたものとは全く違っている。これではまるで恋人同士のするセックスのような、前戯のようなものではないか。

ただ、強い緊張と快感で弛緩してしまい、身体は思うように動かせない。半分は私がそれを望んだのもあったけれど、美咲さんがやりたくてこうしたのならそれで構わないじゃないか、何でもありだと私は考えるようになっていた。

「続き、お風呂場でしようね」

気が付くと美咲さんがバスルームから戻っていた。ローテーブルに両手をついたままの私の上半身を優しく起こしてくれる。

「汗とか色々出て気持ち悪いでしょ、洗ってあげるからね」

そう言って笑顔を見せてくれた美咲さんの姿に、私はどうしようもないような、悲しいような気持になった。なぜ?こんなに気遣ってくれるのだろう。思わず涙が出そうになる。

私は無言で頷き美咲さんに手を引かれてバスルームへと向かった。そこでまた驚愕する。バスルームがとても広く、きれいだったのだ。

ガラス張りの扉から見える室内にはバスタブと広い洗い場、天井にはおそらくレインシャワーかミストが出るような構造が見て取れた。壁や床はおそらく本物の大理石だろう、少なくとも普通のユニットバスとは違う、天然素材に限りなく近い質感の最新の素材なのかもしれないが、私にはただ美しい豪華なバスルームにしか見えなかった。

「ここのマンションのいい所が、このバスルームなのよ」

美咲さんはこのバスルームがお気に入りのようだ。実年齢より若く見える肌も、もしかすると入浴にその秘訣があるのかもしれない。

私は何も言えず美咲さんの顔を見つめた。本当は、ここが自宅なのかそうでないのか聞きたかったのだが、プライベートに踏み込む事はためらわれたからだ。

そんな私の困惑をどう受け取ったか、美咲さんははっとして答えてくれた。

「あ、うちの部長職でこんな豪華な暮らしができるのかとかそういう事考えてる?…実はここ、弟夫婦の家なのよ」
「えっ」
「そう、今海外赴任中で私が一時的に借りてるの、だからここは私の部屋ってわけじゃないんだ」
「そうだったんですか」
「でも、このバスルームはすごく良いから、なんだか住み着いちゃってるけどね」

さあ入って、と手を引かれ私は美咲さんに続いてバスルームに入った。バスタブには泡ぶろが用意されていた。本来ならはしゃいで喜ぶシチュエーションなのに、この状況からさえもいやらしい想像が働いてしまい、自分で嫌になる。

「弟さんがいらっしゃるんですか」
「うん」

直接バスタブに飛び込むのははばかられ、シャワーで身体を流そうと思って手を伸ばすと、美咲さんが手持ち用のシャワーヘッドをこちらに向けて来る。そういえば「洗ってあげる」と言っていたっけ。裸の私に対して美咲さんは相変わらず服を着たままだし、一緒に泡ぶろには入れないのだろうか、と少し不安にもなった。

もう余計な事は考えまいと美咲さんにされるがまま身体を洗い流されていく。ただ洗ってくれているようでもありそうでもないような風でもあり、私は戸惑った。

股間だけはやたらと念入りにお湯で流されて、それだけぬめりが取れないのかと自認させられる。

「すみません、ありがとうございます」

一区切りの所で私がそう言うと、美咲さんは「いいのいいの、これで全部触ったから」とにやりと笑顔を向けられた。続けて「泡まみれの冴子の身体も見たいなあ」と、泡ぶろを勧められる。私は迷わずバスタブに入った。ふわっとバスソープの香りが感じられ、その上品な香りに思わずうっとりとしてしまう。

「冴子はエッチな身体してるんだね、本当に」

バスルームの壁にもたれながら美咲さんがしみじみとした口調で言うのを聞いて、これは褒め言葉なのだと思った。実際嬉しいと感じている自分にも気付く。

「ねえ、まだ躊躇しているの?相手が私だから」
「どうして、そう思われるんですか」

私は覚悟してここへ来たし、美咲さんがこの人だとわかった後にも自分を捨てる覚悟を何度かしたつもりだった。でも美咲さんにはまだ私の心に殻があると思われている。

「冴子はいやらしい自分自身の事、嫌ってるように見える」
「…はい、そうだと思います」
「でもあれだけ攻められても、逃げたり拒絶したりしなかったよね」
「…」

そう、だからそういう自分が嫌いなのだ。彼氏ができればその人は必ずつけ上がる。相手が誰でも私の反応は同じなのに。

「でも、私は冴子の、その全部揃ってるいやらしい身体は大好きだけどな」

私は思わず美咲さんを見つめた。美咲さんはそれ以上の事は言葉にしなかったけれど、なんとなくわかったのだ。普段あのマッチングアプリで知り合う女の子にはここまで奉仕しないという事を。まだ私の前で裸にはなってもらえてないけれど、私には特別扱いをしてくれているという事がなんとなくわかったから、もしかしたら美咲さんも何かを躊躇しているのかもしれないと直観する。

つまり、こちらが躊躇するならこれ以上踏み込んだりはしたくない、という意思表示のように思えて、私の心臓は高鳴った。私が美咲さんと「それ以上」の関係を望んでもいいのかどうか、そこを迷っていたからだ。

「私がもし躊躇しているのだとしたら」
「うん」
「美咲さんを本当に好きになっても良いかどうか、という事なんだと思います」

そこまで言って私は下を向いた。美咲さんの部屋で美咲さんが用意した泡ぶろに堂々と入っておきながら言う事ではない、とも思った。

「そう」

美咲さんのその相槌がことごとく冷淡な響きをたたえていて、私は背筋が寒くなる思いがした。やはりこういう展開にはうんざりしているのかもしれないから。

「でも、恋人になりたいとかそういう事じゃなく…美咲さんが望むのなら、私は何をされてもいいと思って今日ここへ来たんです」
「そういう所だよ」
「え?」

美咲さんは「やっぱり良くわかってないんだね」と、呆れたように笑ってバスタブに近づくと、私を立たせて再び洗い場に戻り私を椅子に座らせる。

「そう、冴子は自分の武器をわかってないのに、それを全部使って相手を堕としてる」
「…?」
「つまりそういう従順な所がたまらないって言ってるのよ」

また唐突に身体を引き寄せられてキスされた。泡で美咲さんの服が汚れるのが気になり身体をよじっても離してもらえない。

そうか、美咲さんはこうやって私を犯したいと思っているのだと納得し、全てを受け入れる覚悟を今度こそ決めた。自信はないけれど。

「…っ…ふ」

興奮で私の息が乱れる。美咲さんの舌に激しく嬲られているのにまた下から蜜が溢れてきてどうしようもなくなった。

唇が離れて私がほっと息を吐くと、ふいに美咲さんが私の顔を覗き込んで言う。

「今日はいやらしい自分を全部開放してくれるよね?」
「はい」

いつの間にか美咲さんは眼鏡を外していた。いつから外していたか思い出せない。眼鏡をかけていると可愛らしい表情に見えるけれど、それがなくなっただけなのに極端にその可愛らしさよりも涼やかな美しさが印象的だと思う。こんな綺麗な顔の人に、こんな表情で言われたら、誰だってはいと言うに決まってる、と思った。

「美咲さん」
「何?」

さきほどとはうって変わって温かな相槌に、私は思い切って訪ねてみる。

「お姉様と呼んでもいいですか」
「…いいわよ」

それをきっかけに私たちはまた心の交流を一旦止めて身体の交流のみにシフトしていく。美咲さんもまた私が求める「お姉様」を演じながらそれを楽しもうとしてくれているのがわかった。

美咲さんは黙って泡にまみれた私の身体をまさぐり始める。特に胸には執拗な愛撫を繰り返すので私は気持ち良さに身体をくねらせた。

「あ…ん」
「気持ちいい?」
「はい」

どこが感じるのか探るように美咲さんの指先が両方の乳首にかかり、力加減を変えながら刺激してくる。美咲さんの綺麗な指先と、きめ細かなバスソープの泡と愛撫される自分の胸が視界に入るのでそのいやらしさに二重に興奮するのだ。

「あ、あの…」

思わず太腿を擦り合わせて美咲さんの顔を見つめると、美咲さんも察したように「こっちも触って欲しいのね」と答えてくれた。

太腿の間に美咲さんの手が差し入れられて、花弁の縁をそっと、振れるか触れないかのタッチでなぞられる。

「冴子は全部処理してるんだね、ここ」

私はこんな身体だから、下の毛はさっさと美容脱毛で全てなくしてしまっている。毛がない方が感じやすい、というのが本当の理由で、いやらしい動機でこうなった事はあまり人には話していない。何しろ、このツルツルの状態になって公共のお風呂などに入った時に、他の女性客からちらりと股間を見られる事に興奮したりもしているのだ。実際今日こうして美咲さんに自分の身体を晒すにあたっても、毛は残していなくて良かったと思っている。この方がきっと、いやらしい身体だと喜んでくれるだろうと思っていたからだ。

「剃ってる感じじゃないよね、これ…」

その通り、そこは剃ると後からちくちくして触り心地が悪くなる。美咲さんは楽しむようにその周辺を含め、手を前後に動かしながら私の様子を観察していた。

「う…ん…」

私はじっと耐えるようにしながら美咲さんの目を見つめ瞳で訴える。今自分がどれだけ感じているのかという事と、今自分がどれだけ美咲さんの愛撫を欲しがっているかという事を。

「冴子、可愛い」

美咲さんはそのまま更にしつこく私を焦らす。私の目に再び涙が溜まってくると、堪らないといった様子で私の身体に腕を回してきた。同時に背中に回した手をお尻の方から割れ目に這わされて私はまた声をあげてしまう。

「お、お姉さま服が汚れちゃう」
「…いいのよ、こんなの」
「…でも…」

一旦美咲さんの身体が離れた時、バスソープの泡がしみた部分だけシャツの色が変色し身体に張り付いていた。それはそれでいやらしかったけど、

「お姉さま、も、脱いでください」
「わかった」

私はわっと興奮する気持ちを抑え、服を脱ぐためにバスルームを出ていった美咲さんを待った。遂に美咲さんの身体に触れる事ができるのだ。

戻って来た美咲さんの身体はやはり自然に引き締まっているが細過ぎる事もなく、心から「触りたい」という欲望を刺激される。肌は白く弾力と柔らかさを合わせ持つように見え、早くそれを確かめたいという欲求が抑えられなくなった。

私はさっき美咲さんがしたように手持ちのシャワーヘッドを構えて美咲さんの身体をお湯で洗い流した。美咲さんは気持ち良さそうに身をゆだねてくれた。時々指が伸びてきて私の割れ目や胸元をいじったりもされたけれど、私は軽く反応しながらも美咲さんの身体を洗い流す事に集中した。

私の反応を楽しみながら、

「…冴子、可愛い」

と言う美咲さんの笑顔と嬉しそうな様子に私は無上の喜びを感じた。これをもっと言って欲しい、と自然に美咲さんに奉仕する。

私は美咲さんをバスタブに誘い自分も一緒に中に入った。バスタブは広く二人で入っても十分余裕がある。私は手のひらを美咲さんの身体全体に這わせながら美咲さんが気持ち良くなれるように泡で包まれた身体を撫でていった。

私の指が美咲さんの足指の間に触れた時に、小さく反応があったように感じて、私はすかさず美咲さんの足を持ちあげ、ざっときれいなお湯をかけてから美咲さんの足指をまとめて口に含んだ。足の爪も綺麗に手入れされていて、やっぱりさすがだと感動しながら、なんの抵抗もなく私の舌は美咲さんの足指を舐めしゃぶる。

「…お姉さま足の指も本当に綺麗」
「そう?」
「はい」

美咲さんはずいと私の口内に軽く足指を押し込んでくる。私は全力で受け止め舌を這わせた。

「冴子、上手いわよ」
「ほんとですか」
「ほんと」

実の所他人の足指を舐めたのはこれが初めてだったので、どういう風にしたらいいのか手探りだったけれど、美咲さんのその言葉だけで急に自信がついてしまうから不思議だ。

「こっちも、舐めますね」

反対側の足も泡から出してお湯をかけてからしゃぶる。美咲さんはリラックスした様子でうっとりと私の姿を眺めていた。

「変な事聞いてもいい?」

ふいに美咲さんがそう発したので私は顔を上げる。

「なんでしょうか」
「冴子はフェラチオの時もそういう風に一生懸命するのかな、とか思っちゃった」
「……」

一瞬で私の顔が赤くなったのが見て取れたかもしれない。私の愛撫はそんな事を連想させてしまったのかと思うと恥ずかしくなる。

「ごめん、恥ずかしかった?」
「いえ…」
「でも、冴子はなんでも一生懸命なんだなって事はわかった」

美咲さんがあははと笑っている。私は、気持ちをそらせるためにも美咲さんの下腹部あたりを見つめて言い返す。

「そこを舐める時は、もっと一生懸命になると思います」

美咲さんの目がすっと細められる。きっと私の舌でそこを刺激される事を想像したはずだ。

「そうね、…冴子は、舐めたいの?ここ」
「はい、舐めたいです」

美咲さんが視線だけで「ここ」を指すので私も思わずそこを見ながら答えてしまう。

「お姉さまのおまんこ舐めたいです…」
「ほんと、いやらしい娘」

そう言いながらも美咲さんは喜んでいるのがわかった。美咲さんは立ち上がると洗い場に向かいレインシャワーのスイッチを入れた。天井から文字通り、雨のように雫が降り注いでいく。みるみるうちに美咲さんの髪も顔も濡れて、普段見る事のできない姿に変わっていった。そもそも眼鏡を外した所さえ今日初めて見たのだ。化粧は濃い方ではないし、シャワーを浴びても顔はほとんど変わらなかった。

私は急いでクレンジングだけ借りてメイクを落とし、促されるまま美咲さんのいる洗い場へ移動し一緒にシャワーを浴びた。レインシャワーはおそらく初体験だったけれど、こんなに開放的な気持ち良さがあるのか、と驚いた。

そのままなんとなく自然に私は美咲さんの足元に跪いた。美咲さんは立ったまま軽く壁に背中をもたれさせ、シャワーを止める。

「…お姉さまのおまんこ舐めていいですか」
「うん」

美咲さんの下腹部は、毛がごく薄く残してあり、一般的な手入れをきちんとしているのだとすぐにわかった。ほんの少し美咲さんの身体が震えているように見えて、私はそっと美咲さんの太腿に手を添えてみた。バスタブでも思ったけれどやはり、すごく柔らかくてふわふわとした感触で、思わず強く握ったり揉んでしまいたくなる。

「ここも、胸も、ふわふわで触っていると気持ちいいです」

言いながら、私は美咲さんの股間にしゃぶりついた。もう、雌犬にでもなったつもりで夢中になって嘗め回す。

「あ、あ…冴子っ」

ズズ、とわざと下品な音を立てながら蜜を吸う。それでも更に美咲さんの蜜が溢れてくるのですごく嬉しくなり、入り口をぺろぺろと舌先で舐め揚げると、美咲さんは「はあっ…」と甘い吐息を漏らした。

「気持ち、いいですか…」
「冴子、ほんと上手よ」

ますます嬉しくなり更に激しく、今度は美咲さんの中にも下を差し入れてみると、とても温かく包まれるようだった。舌に力を入れて硬く尖らせるようにしながら、顔を前後に動かし舌を出し入れしてみると、美咲さんの声は更に高くなった。

「冴子、いやらしいよ」
「…んっ」

美咲さんの声を聞きながら舌を出し入れしたり、私の唇で美咲さんの花弁を包んで舌で転がしたりと、思いつく「気持ちよさそうな事」は全てやり尽くした。知らないうちに美咲さんの手が伸びて私の頭に添えられている。

これは正にフェラチオではないか、と思い付き顔の位置をずらして美咲さんの萌芽を舌で探った。簡単に見つかったので唇でしごいてみる。わざと顔を動かし、それを連想させるようにしながら。

「ひゃうっ」

突然美咲さんの身体ががくっと痙攣した。もしかして達したのか、すぐにはわからなかったけれど、その後身体を弛緩させ下から蜜がだらりと零れたので、私は美咲さんの絶頂を見て取りつつ零れた蜜をそっと吸ったり、ぺちゃぺちゃと花弁やその周りを舐めていった。

美咲さんの手が私の頭を撫でている。ほんの少し穏やかな時間が流れたけれども、きっと美咲さんにはわかっていたのだろう、だから私も美咲さんを求めた。

「…お姉さまぁ」
「わかってる、欲しいんでしょ」
「はい」

私はバスタブの縁に座り、壁に背中をついて、両脚は開いてやはりバスタブの縁に載せるようにと美咲さんに命じられそれに従う。美咲さんの蜜をすすっている間に十分私も濡らしているので、それがバスタブの中に座る美咲さんにもよく見えている事だろう。

「…さっきもたくさん舐めてあげたのよ、冴子よがってイってたのに、またこんなにしちゃってるのね」
「…はい」

そんなの、美咲さんのおまんこを舐めたのだ。当たり前だと思ったけれど、あえてそれは言わなかった。美咲さんは私がいやらしければいやらしいほど喜んで褒めてくれているのだから。でも我慢できなくなり口走る。

「お姉さまのおまんこ舐めてたら興奮して…こんなに汚してしまいました」
「いいのよ」
「…んん」
「入口がひくひく動いてるわよ」
「…」

脚を閉じてしまいそうになるがこらえる。美咲さんに見て欲しいのだ。だから脚は閉じない。

「今度はこっちよね」

美咲さんは黙っていきなり指をれてくる。しかも二本まとめて。中でばらばらに動かしながら内側の壁を探り、すぐにその場所を突き止められてしまう。

「あ、…そこは…っ」
「冴子、いやらしい声が出てるわよ」
「あ…ん…あああ…っ!」

これまでとは違う別種の快感に襲われる。美咲さんは他の指で萌芽も刺激してきたけれど、私は内壁のその部分を擦り上げられて、成す術もなくまた嬌声をあげるばかりとなった。

「あぁ…い、…違うの」
「何が違うの?」
「ち、違うんです…あんっ…」

言葉にならずただ首を横に振り涙を流す私に、それでも美咲さんは動きを止めなかった。私はそれこそを求めている。気持ち良さに私はどうしたらいいのかわからないだけで、止めて欲しいわけではない。

内壁のその場所を、過去に交わった男たちも勿論刺激はしてきたし、私もそこを意識しない訳ではなかった。でも今日はこれまでと違うのだ。たっぷりと焦らされ愛撫で達した直後に、感じやすい状態で挿入され、それまでには知らなかった別種の感覚にとらわれたのだ。こんなに気持ち良くなってしまったら、私はだめになる、そんな気がしてならなかったし、怖かった。

「あぁぁ…お姉さまぁ」
「冴子」

私の不安や困惑を全て、美咲さんはわかってくれているような気がした。だから美咲さんは決して指を抜かないでくれているのだとわかる。美咲さんは私の身体に近づきながら指の動きを激しくしていく。私は思わずどうにか動かせる手だけで美咲さんの身体にしがみついた。

「い…ってます…お姉さまぁ…いってます…」
「わかってる」
「いってます…お姉さまぁ」

うわ言のようにただ繰り返す私はいつの間にか気を失っていたのかもしれない。美咲さんは私から離れず身体を支えてくれていた。

「す、すみませんっ」

はっとして顔を上げると笑顔の美咲さんと目が合った。その表情に、まだ快楽の時間は終わらないという事も同時に悟った。
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「お姉様に夢中なはずなのにその他の誘惑が多すぎます」

本作の続編です。
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