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泣いてはいけない(友紀SIDE)

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「あ…っ、あんっ」

なんとなくの流れで、私と真下課長は食事をしていたステーキハウスからほど近くにあるシティホテルの部屋に駆け込んだ。

ベッドに押し倒され照明も消さないまま、ただスカートをめくり上げるだけで私の秘部は丸見えになる。
その場所に真下課長の熱い吐息がかかり、指が触れただけで私は盛大に喘ぎ声を上げてしまった。

月間売上トップのお祝いという晴れやかな席で、パンティ部レスストッキングの上にショーツを履かず、ノーパンで食事会に挑んでその事を真下課長に直接視認されるという形で気づかれてしまったが最後、私たちは上品に食事とワインを楽しみながらも頭の中にはいやらしい事ばかりを思い浮かべて、それとわからないような言葉だけを使い延々と卑猥な会話を楽しんでいたのだ。

食事が終わる頃には、お互い週に何回自慰しているのかという事までも情報交換が済んでいた。
真下課長も私も、自慰の頻度で言えばいい勝負だったので、それがわかった時には密やかに笑顔を交わしたりなんかしてたけど。

こうなってしまえば、なるほど冴子の読み通り真下課長はむっつりスケベに当てはまるし、私も似たようなものだと思った。

「佐藤さん…全部、綺麗なんだね、凄い」

私自身は、毛の薄い陰部も、小さめの花弁や萌芽も、どこか子供じみている気がしてちっとも好きになれないでいるのに、真下課長はきらきらと瞳を輝かせてその場所を見つめている。

昨夜見た小田さんの秘部の方が、よほど形も美しいし色だって綺麗だと思ったのに。
それに予定では、私が真下課長を攻めるはずだったのだ。
それがどうして今ベッドに寝転がり開脚しているのだろう。

ちょうどそんな自分の姿が、昨夜の小田さんの姿に重なる気がして、頭の中でついつい比べてしまう。

色っぽくバスローブをはだけさせ、快感を余す事なく表現する事のできる小田さんの声も表情も、すごく魅力的だった。
それに引き換え私はきっと、眉を寄せて困った、または嫌そうな怯えた顔をしているに違いない。こんなに嬉しい状況はないはずなのに。

「あの…今だけ、みすずさんって呼んでいいですか」
「いいわよ」
「あと…」
「今日の事は二人だけの秘密、でしょ…勿論わかってる」
「はい、それから…」
「うん?」
「真下課長の事、もしかしたら変な事ばっかりの意味で好きなのかもしれないけど…でも、好きです」
「なるほど」

まわりくどい言い回しにも、真下課長はちゃんとついて来てくれるから、どうしても甘えてしまう。

「私の気持ちは…聞かなくていいの?」
「だ、だって…それは」

真下課長はずっと、松浦部長を思ってきた人なのだ。私がにわか変態仕掛けで誘ったからって気持ちが動くはずもない。

「佐藤さんの事はずっと、優秀だし、綺麗だし、可愛いし…素直だし、すっごくいい部下に恵まれたと思ってるし、特別に可愛がってしまうのも事実なの」
「ほんと…ですか…?」
「当然」
「でも私、あ…ん、変態になっちゃいました」

言葉を交わしながらも、真下課長の小さな指先が私の花弁の間で密やかに動き回る。

「それは私も一緒、佐藤さんに負けてないと思うけど」
「え……だって私、さっきトイレで知らないうちに自分のパンツの匂い嗅いでて、それで真下課長を待たせちゃったし」
「え~、そうなの?」
「…はい」

自分でもにわかどころか本物の変態だと思わずにはいられない。
何しろこんな行為をいちいち人に聞かせる事で、再度興奮してしまうのだから。

「友紀ちゃんは匂いフェチなのかしら」

いきなり名前で呼ばれたので私はびくっとした。
身体中に電流でも走ったかのように身震いしてしまう。

「…じゃあ」
「え…」

真下課長はミディ丈のフレアスカートの中に手を突っ込んで、パンティストッキングを脱ぎ投げ捨てた。
妄想の中ではガーター派と決めつけていたが、どうやら違ったらしい。

「友紀ちゃんのこれ…私も真似しようかな」
「え、あ…是非」

ストッキングから伸びるレースの部分を軽く触れながら真下課長に言われたので、私はぶんぶんと縦に首を振ってリクエストした。

「私のここ…くんくんってしてくれる?」
「…え、いいんですか」
「友紀ちゃんに…くんくんして欲しいな」
「はい」

自分でも第一声が「いいんですか」は本物感しかない気がして微妙だったけど、真下課長の秘部の匂いは是非とも嗅いでみたかったので、今度は私が真下課長を押し倒して黒いフレアスカートをまくるのもそこそこに、その中に顔を突っ込んで真っ白なショーツに鼻を寄せた。

大きくすーっと鼻息を吸ってみると、とても熱い体温の感じと共に、蒸れたような雌の匂いがする。
でも、私のものよりちょっと甘酸っぱくて、高校生くらいの女の子が好んで使うような柑橘系の匂いがした。
これは洗剤か柔軟剤の匂いなのかもしれない。

「…はぁ」とあえて音を立てて息を吐き、またスースーとその場所の匂いを嗅ぐ。
息の流れがくすぐったいのか、真下課長は「やぁん」と艶めかしい声を上げて脚を閉じようとしたけれど、私が力強く内腿を押さえつけていたので、その抵抗は無意味なものでしかなかった。

ふと私の脳裏に蘇るのは、「エーデルワイスの雌蕊」という言葉。
そうか、ここは真下課長が秘めた花なのだから、匂いを嗅ぐのは別におかしい事じゃない。現に堪らなくいい匂いがする。
それに私の願望通り、下着は純白のレース使いのものだ。そこも嬉しいから私はショーツの布を食むようにしながらその場所に鼻を埋めてしまう。

「やだ、友紀ちゃん…ほんと変態っぽいから」
「…んん」

食事の後口紅はあまり濃く引かないようにしたが、ここに顔を埋める前に軽く自分の手で口元は拭っている。
真っ白なショーツに私のピンクの口紅の跡が残るのもいやらしくて素敵だけど、現実的には口紅の汚れを落とすにはかなりの手間がかかるからだ。

「みすずさん、いい…匂いがする」

この匂いだけで白飯なら何杯でもおかわりできそうなぐらいに私は満たされていたけど、こみ上げる自分の中の昂ぶりも感じていて、私は片手で真下課長の太腿を押さえつつ、もう片方の手は自分のスカートの中の秘部へと伸ばしていた。

ショーツ越しにスーハーと呼吸をしているのが真下課長には熱かったのか、「友紀ちゃんっ、すごく熱いよ…あ、あん」という声が頭の上から降ってくる。

やっとの事で私は顔を上げて、半端にめくっただけの真下課長のフレアスカートを改めて思い切りめくり上げて真下課長の顔を見た。

「みすずさんも、負けないぐらい変態だって…言ってた」
「うん、言ったわよ」
「どんな風に?」
「じゃ同じ事、してあげるから」

「脱いだパンツ見せて」と言われて、私は嫌な予感ばかりを感じつつ事前に脱いでいた黒いショーツを彼女に渡す。
すると彼女はその黒い布の塊に思い切り鼻を突けて匂いを嗅いだ。

「やめ…真下課長っ」

思わず「みすずさん」と呼ぶのも忘れて制止しようとしてしまう。

「…あら、直接するより随分マイルドだと思うけど」
「でも、そんなの…恥ずかしいし」
「まだよ」

「んっ」という声がしたかと思うと、なんと真下課長はわずかだが染みの付いたクロッチ部分をわざと表にしてそこを口に咥えたまま、四つん這いの恰好で自慰を始めたのだ。

「ん、あ…友紀ちゃんの味がする」

喋るためにわざわざ咥えたショーツをベッドシーツの上に転がして頬ずりしながらそう呟いたかと思うと、またその場所を食んで甘ったるい鼻息を漏らしながら、スカートの中の、更にショーツの内側に自身の手を差し入れて直接秘部をまさぐっている。

言い添えておくが、私たち二人はお互い服を脱いではいない。
私はラベンダーカラーのスーツにライトグレーのブラウス、下は食事の前からそうであるままのストッキングとノーパン状態、真下課長はそれこそ、パンストを脱いだだけでそれ以外は一切肌を露出させてはいないのだ。

それなのに。
ここに来る前の、あのステーキハウスの会話もそうだった。
一切肌に触れていないうちからこんなに卑猥な空気というものが作り出せる事も私は知らなかったし、服を脱がずに二人で互いを煽りまくるプレイのみでこうも興奮するなど想像もしなかった。

「はぁ…はふ……ん」

真下課長の腰がカクカクと揺れる。
不規則に頭も動かしているので、口に咥えている私のショーツがゆらゆら揺れていた。

…凄い、まるで雌犬みたいだ。でも全然、気持ちは冷めていかない。
むしろ真下課長が動物のように呼吸を荒げながら快楽を貪る様は、可愛らしいいつもの雰囲気とのギャップが凄くて私の頭は沸騰しそうになった。

「待って、そこを…舐めるのは私が」
「…ん、ふぅ…ん」

ショーツを咥えたままの真下課長が私を振り返る。
私は、真下課長の真後ろに陣取りやはり真下課長と同じようにベッドに這いつくばって、改めて長めのフレアスカートを丁寧にめくりお尻を全てさらけ出させるように、じわじわと純白のショーツをずり下げた。

見下ろすとそのショーツの中央には染みどころか布面積いっぱいに、真下課長の淫蜜がこびりついている。クロッチのみでは抱えきれないほど、その量はおびたたしかった。
私はそんな景色を視界の隅にとらえられるようあえて真下課長の膝までしかショーツは下ろさずに、お尻を優しく掌で撫でさすりながら、秘部へと舌を伸ばす。

さきほどは無理やり押さえつけるぐらいの力で内腿に触れていたけれど、こうしてお尻や太腿を撫でてみると肌は吸い付くように弾力もあり、もっちりしていて表面はすべすべしている。
だからいくら触っていても飽きる事がない。

うっとりしながら何度も何度も真下課長の肌を撫で回し、舌先ではいやらしく秘部をまさぐっていく。
探すのは勿論、エーデルワイスの雌蕊だ。

「んふ、ふ……んんっ!」

真下課長はまだ律儀に私のショーツを咥えたままで秘部へ与えられる快感に酔いしれているようだった。

はっきりとは見えないが、もう口で咥えているその布には私の愛液よりも真下課長の涎がいっぱい染みているのではないだろうか。
そうして真下課長の唾で濡れたショーツを再び自分が履く時の事を想像すると、また一段かい体温が上がり、おかしくなったように真下課長を狂わせたいという衝動に突き動かされていく。

…どこだろう、エーデルワイスの雌蕊。
見つけたいけど、見つけてしまったら何かが終わってしまうような、期待と想像が現実になって楽しみが奪われてしまうかもしれないような気持になるけれど、そんな感傷に浸る余裕はもう残っていなかった。

「んひ、ふ……んんふぁ…」

実際に真下課長はえらく派手に喘いでいるのかもしれないけれど、雌蕊を探すのに集中している私にはさほど気にならなかった。

…あった、案外と大きい。
それに植物の雌蕊よりも生々しくて、硬さはあってもやっぱり人の肉だと感じる。
だから一瞬だけ、そこを自分の舌で蹂躙するのは怖いような気もしたけれど、大事な真下課長の雌蕊だから、できる限り優しく丁寧に、そっと触れるようにして雌蕊ばかりを愛撫した。

「んふぁ、んっ……!」

もどかしいのだろうか、イキそうなのだろうか、頑なに私のショーツを咥えたままでいるから判断が難しい。
試しに人差し指を立てて花弁の間に突っ込んでみると、恐ろしいほどの愛蜜が垂れ落ちてきた。
垂れた愛蜜が、膝の間に留まっているショーツの布地をまた濡らしていく。

蜜の量で言えば、真下課長は小田さんより多いのではないだろうか。それに粘度もある。
状態で言えば卵の白身のようなものであって、本来気持ち良く舐めたりすすったりするのは憚られる蜜なのかもしれないけれど、不思議と真下課長の蜜の匂いは私にとって不快ではなく、こちらまで恥ずかしくなるような、甘酸っぱい香りとちょっと塩気のある味に、女性の神秘を感じずにはいられない。

「みすずさん、ここ…びしょびしょですよ…?ん、美味しい」
「んあ、んふっ…んん」

今のリアクションは、雌犬と言うより子犬のようで愛らしい。

「声…聞かせてください」

私が目顔でショーツを離すように訴えると、真下課長は口元からぽろりと黒い布を離して、間髪入れずに「あぁっ、はぁんっ…あひぃっ…!」と大きく喘ぎ声を上げた。

「友紀ちゃんその舐め方…やらしいっ、凄い…感じちゃうよぉ…」

雌蕊を徹底的に弄りまくるこれがお好みなのだろうか。
あくまでも自分の目的意識のみでこれをしていたつもりだったけど、真下課長本人も雌蕊を弄られるのが好きなのは嬉しい。

「やぁん、もっと…クリトリス虐めてぇ」
「……ん、ふ…っ」

人差し指は大胆に膣穴に出し入れする動きを繰り返しながら、舌だけを前に出して剥き出しになったクリトリスをそっと嬲っていく。
この、穴への激しい抽送と甘やかなクリトリスへの愛撫のギャップが良いのだろうか。

真下課長になら、いくらでもできる。
決して楽な動きじゃないし態勢もきついけど、全く苦には感じなかった。

「はい、いくらでも…します…みすずさん」

攻めているはずなのについ従順な言葉をかけてしまい、それが彼女の脳を倒錯させたのか、いきなり彼女が腰をびくつかせて一際激しく背中を仰け反らせた。

「あぁ…いくっ、いくのっ、いやぁ…ん……!」

潮は出なかったけど、心配になるぐらい愛蜜がどばどば溢れてくる。
これは水分補給しないと脱水症状にでもなりはしないかと、本気で思うほどだった。
でも、蜜をだらだらとこぼしながら喘ぎまくる真下課長を見る事ができるのはこの上ない幸せで、私はもう、縁起が悪いけど死んでもいいとさえ思うほどだった。

どさりとうつ伏せに倒れた真下課長の顔の下敷きになっているのは私のショーツである。
健気にそれを咥えて良がる姿もすごくいやらしかった。
声を出させたらけっこう大きいんだというのも意外だけど、奔放な感じがして堪らない。

「みすずさん、すごく素敵です…いやらしくて…」
「ん、こっちに来て」
「はい」

言われるまま隣に寝転がると、優しく身体を抱き寄せられてキスされた。
口を拭っていないから、私の口元は彼女の愛蜜でベトベトだったのに、そんな事を気にする素振りすら見せない。

「はん…ん…」

キスも気持ちいい。それは小田さんとした時にも思った事だけど、真下課長の小ぶりな唇と舌が器用にチロチロ動く様は、小田さんとのキス以上に卑猥な感じがあって、また煽られてしまう。

「なんでそんな…」
「?」

無防備な顔で小首を傾げて見せる真下課長に私は苛立ちのような波立つ気持ちを抱く。

「そんなに…いやらしいキスするんですか」
「え…普通じゃないの…」

彼女が言い終わらないうちにまた強くその唇を貪った。
今度は何の気遣いもなく、自分で味わえとぐらいに思いながら、彼女の蜜と唾液、それに私の唾液をごちゃ混ぜにしたものを強引に小さな口内に流し込む。

「んふぅ、んぐ…」

そう、全部飲んで欲しい。それが普通なのだろうから。

「ねえ、友紀ちゃんも気持ち良くしてあげる」

ひとしきり、痛くなるぐらいに互いの唇を貪った所で、真下課長がそう囁いた。
声がかすれていて、別人みたいだと思う。

やっとの事で私たちは全裸になり、互いの裸体を確認し合う。
ここまでしておいてやっと裸を晒す事にどうも恥ずかしさは捨てきれないが、それで言うと自信がなさそうなのは真下課長の方らしかった。

「友紀ちゃんは絶対綺麗だもん…恥ずかしいよ」
「どうしてですか?早く全部見せて、みすずさん」
「うん……」

私の方はノーパンお食事で羞恥心のヒューズが飛んだらしく、改めて全裸を見られる事にそれほどの恥ずかしさは感じていない。
だから裸で真下課長に迫る勢いで、両方の胸を隠している手を取り払うようにとそこを見つめた。

意を決したように外された手の向こう側にあったのは、慎ましい大きさの乳房と、やはりすごく可憐なピンク色の乳首。
お尻や太腿同様、おっぱいの肌もすべすべの感触であるのは間違いなさそうだ。

「みすずさん」

言うが早いか私の両手は彼女の乳房に添えられ、彼女が一番気持ちいいと思う強さを探りながらそこを揉み込んでいく。

「あ、んっ、はんっ…」

切れ切れに響く喘ぎ声もまた、もどかしい響きを含んでいやらしい。
もう、私の頭はどんな事でもいやらしいと感じてしまうような、あるいはそういう要素を見つけ出して変換してしまうような状態に入ってしまったのかもしれない。

「みすずさん、ここも…舐めたい、舐めさせて?」
「ん、いいよ…あぁんっ…!」

可愛い。乳首を攻めるとこうも可愛らしい声を出すのか。
楽しくなってしつこく乳首をころころと嘗め回していると、また彼女に「いやらしい」と言われてしまった。
どうも私は、全体を見て攻めるのではなく一点ばかりを集中的に攻めてしまう癖があるようだ。

「しつこいですか?しつこいのは嫌い?…」
「ううん、好きだけど…っあん…」

ならば良いだろうと思い、小ぶりな乳丘を掌で揉みながら、左右の乳首を交互に啄んでいく。

「あん、それっ、やらしいっ」
「ん、これ…ですか?」

それまでしていないのに、あえて乳首の先端を舌先で上下に弾いてみる。
「あぁっ」と一際大きく高い声が客室に響いた。

それで一瞬だけ我に返って、私たちは今まるで、若い恋人たちのように性欲を抑えられなくなりホテルに駆け込んで、シャワーも浴びずに互いの身体を貪っているのだな、と思った。

女性同士なのに相手のショーツの匂いを嗅いで、服もろくに脱がずに大事な所ばかりを執拗に弄って。
最後に晒してもらった胸に今、私はしゃぶりついて夢中になっている。

こんな、一般的なデートやセックスの手順などまるで無視するような行為に及んだのは、今が初めてだ。

「あ、ん…友紀ちゃんの事気持ちよくしてあげたいのに…できないよぉ」
「いいですよ、しなくて」
「嫌…させてよ、お願い…あ、はんっ」

そんな風に切羽詰まった顔つきで言われてしまうとこちらもあしらう訳にはいかず、私たちは硬く抱き合ってお互いの胸を擦り合わせながらキスを繰り返した。
そうしながら、ようやくといった感じで彼女の指が私の花弁に触れてくる。
こちらも同様に、優しいタッチで彼女の花弁を指でまさぐった。

「んく…んふぅ」

キスで唇をふさぎ合っているので声はこもったままだ。
でも、お互いだけが知っている。指のありかとその動きを。

「…んぅ、んふっ…」

思わず眉間に力が入るのが自分でもわかった。
今私の体内に入っているのが真下課長の指なのだと思うだけで、何か熱いものがこみ上げてくる。

「んっ、んっ…ふぁ…」

変に甲高い吐息と、小刻みな身体の痙攣で絶頂が近い事を全力で伝える。
あまりにも早いかもしれないけど、私にとって真下課長と交わるというのはそれぐらいの大事件でありお祭りなのだ。もう二度となくても構わない、いや、本来ないのが当然だと思っているのだから。

「友紀ちゃん、イっちゃうの?ねえ…イっちゃいそうなの?」

唇をわずかに重ねた状態でそう尋ねられ、私は「イっちゃうの、そう…もっと…」と呟いてしまう。

「いいよ…いっぱいおまんこ弄ってあげるからね…」

感動のあまり涙が出そうになる。真下課長がこんないやらしい事を言うなんて。
しかもそれが私の絶頂を助ける行為なのだ。
泣いてはいけないと思いながらも、切なさで胸がいっぱいになり、それと同時に真下課長を少しでも官能の世界に留めておきたくて、私は精いっぱいの表現をした。

真下課長を尊敬している気持ちや、憧れている気持ち。
恋に破れる辛さを知っている真下課長の繊細さと、それに寄り添いたいと思う私の心。
卑猥な言動はそれらを表現する手段として正しくないのかもしれないが、私はこれまで、そんなにも強く気持ちが動いた事もなかったし、その事を伝えたいとか、わかって欲しいと思った事もなかった。
だからどうしていいのかわからなくて、涙ばかり出そうになってしまうのだろう。

「みすずさん、好きです…だから、あ…っん」
「友紀ちゃん可愛い、いっぱい乱れて見せて…?」

彼女の望むままに私は身体を開いて全てを曝け出す。
身体の内側までも見られてしまう事は本当は恥ずかしいけれど。
でも、構わないのだ、邪な私の下心も含めて、彼女に伝える事には抵抗など感じない。

「みすずさん…もっと、してぇ…激しく…」

いつの間にか私は仰向けに寝かされ、彼女の口淫を受けながら自分もまた彼女の脚の間にある花弁を食んでいた。

…ずっと、こうしていられたらいいのに。
そんな事をこういう行為の最中に初めて思ったな、と気付いて可笑しくなってしまう。

いくらでもして欲しいと思う気持ちと、同時にいつまでもさせて欲しいという気持ちが同居するのが、この舐め合う行為の神髄だと思う。
まだ、たった一度しか経験してないから、冴子には笑われるかもしれないけれど。
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