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観察と目撃

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「脱がせるわよ」

美咲さんはそう言いながら、私が着ているルームワンピースを下にずらしていき私を裸にした。
エステでケアして綺麗である事は間違いないはずの肌を晒すのが、なんでこんなに恥ずかしいんだろう。

「…お姉さま、は?…脱がないの…」
「ううん、脱ぐわよ」

私は美咲さんが衣服と下着を脱ぐのを手伝った。
その間に梢さんがかなり派手に「あぁぁっ…」と喘ぐ声が耳に入る。
手が止まりそうになったがそれはぐっとこらえて、あえて一生懸命美咲さんを見た。

「…見てあげないの?」
「……」

露わになった美咲さんの肌を観察するのもそこそこに、美咲さんは私の後ろに回り込んで膝の間に私を抱きすくめるようにしながら、彼方のベッドへと私の身体を向けさせた。

私はシーツを掴み胸から下を隠すようにしながら、やっとまともに梢さん達の行為を目撃する。

「……!」

いつの間にそうなったんだろ…この二人。
なんとなくクチュクチュ言う音でもしかするとそうかもとは思っていたが、そこにあったのは偽竿を装着した下着姿の晴香ちゃんが、全裸の梢さんを正常位の体制でガンガンに突いている光景だった。
…ペースが速過ぎる気がしてならない。

それに、あれって…
晴香ちゃんが身に着けているブラとショーツには見覚えがある。
多分あれは『WS』コラボランジェリーの「妖精と小悪魔」の小悪魔バージョンの黒の上下のはずだけど。

私がじっと二人のセックスを見つめていると、晴香ちゃんが上半身を起こして腰の動きを徐々に緩めていき、こちらに見せる為なのかわからないが挿入のペースをゆっくり、大きなストロークに変化させた。

梢さんはやはり「あぁっ、んあ…」と喘いではいるものの、一旦ピストン運動が止まるのだろうという予感を得て余裕が戻っているようだ。

「…冴子ちゃん」

そこに参加していないはずの私の名前を梢さんが呼んだので、私の息が詰まる。

梢さんが話し始めたので、晴香ちゃんは一旦偽竿を抜いた。
梢さんは晴香ちゃんの全身を見上げてから、私にこう言う。「すっごく可愛いでしょ?」と。

そして「因縁なんだっけ?…妖精と小悪魔」と晴香ちゃんに水を向けた。晴香ちゃんは梢さんを見たままこくりと頷く。

因縁ってのは私との…って事?わからなくはないけど。
でも気になる事がある。

確かに晴香ちゃんが身に着けている黒いブラとショーツは「妖精と小悪魔」のそれなんだろうけど、あんなショーツのデザインがあるというのは知らなかった。
何しろ前から後ろまでほとんど全て、ハサミで切り裂いたように股割れ仕様になっているのだ。一部偽竿によって隠れている部分はあるが、大胆なカッティングはかなり目立っている。

『WS』コラボランジェリーにあんなセクシーバージョンがあったろうか、私は知らない。

「…発売前のサンプルです」

私の疑問に答えるように晴香ちゃんが呟いた。
更に梢さんは嬉しそうに言う。

「こんなに攻撃的なデザインなのに、大事な所が丸見えになっちゃって…すごいよね」
「……」
「これなら、脱がなくても思いっきりぺろぺろ舐められるし」

思い出した。梢さんはモデルとしての晴香ちゃんの大ファンでもある。オタクばりに晴香ちゃんが登場した写真と商品に詳しいのだ。
だがおしゃべりはもうおしまいだと言うように、晴香ちゃんの手が動いて梢さんの太腿を割り開いていくと、梢さんはさっと話を止めてしまった。
同時に、私が身体を隠す為にかぶせていたシーツの内側で美咲さんの手が動いて、ダイレクトに私の花弁をまさぐってくるので私は思わず顔を歪めてしまう。

「…どうしたの?」

美咲さんはとぼけてそんな事を甘く囁きながら私の耳たぶを一度だけ舐めてきた。
過剰なぐらいに身体がびくっと反応してしまう。

改めて、晴香ちゃんは男の人がするみたいに梢さんの太腿を思い切り押さえ付けて、つまんだ偽竿の先端を使って上下に梢さんの花弁をクチュクチュとなぞっていく。
…多分、入れる瞬間を私にしっかり見せてくれようとしているんだ。

けれども美咲さんの指が私の花弁をひっきりなしに弄ってくるので、私はじっと視線を固定させるのも難しいぐらいに感じ始めている。

…それでも私は見た。

他人のそれは不思議な光景に見えてしまうけど、梢さんの秘部へ吸い込まれるようにして、晴香ちゃんの…そこそこサイズのある偽竿が沈んでいく所を。
偽竿がと言うより、あんな大きな異物を難なく飲み込んでしまう、梢さんの女性器が凄く貪欲に見えた。
偽竿を受け止めてからもなお、襞がそうなっているからか、花弁までもがひくひくと緩く動いているし。

晴香ちゃんが腰をゆっくりと前後に動かすと、偽竿が出たり入ったり、それも軽く10センチくらいはストロークしているのが見えている。
今回晴香ちゃんが操っているのは水色の偽竿で、生身の肉茎とは全く異なる色なだけに、出し入れしている様子がよりわかりやすい。

「見せる」挿入から、繋がる挿入へと晴香ちゃんの動きはシフトしていく。
それに伴い梢さんの甘い喘ぎがどんどん大きくなっていった。
見る間にそれは高速ピストンへと変化し、貫かれている梢さんの全身、特に胸は激しくぷるぷると揺れている。

「あぁ、あんっ、あふ…っ…あ」

出し入れする速度も、ストロークの深さもこれがMAXだろうという所まで到達するまでの過程がかなり短い。いきなりではなかったはずだけど、一瞬にしてトップスピードで偽竿は動いている。
更には10回突くうち3回ぐらいはかなり強く腰を打ち付けており、それは梢さんの子宮に相当響いているはずだ。

「あっ、あ…凄…激しいよぉっ」

そりゃそうだろう、実際とんでもなく激しい。
自分も同じようにされていたんだろうか、それより今の方が激しいんじゃないかと、見ている分には思うのだけど。

その瞬間はっきりと、自分の内側からいやらしい蜜がとろりと溢れてくるのがわかり、当然美咲さんの指はそれを見逃してはくれなかった。
ぬるついた場所に指をくぐらせ、その指を使って私のクリトリスをこね回している。

「……っん」
「…冴子もおちんちん欲しくなっちゃったの?」

そんなの、そうに決まっているではないか。
私が美咲さんをちらりと見ると、美咲さんはとんでもない事を口にした。

「…誰のが欲しいのかな」
「え……」
「あの娘の?」

美咲さんにつられて私も晴香ちゃんの方を見てしまう。
美咲さんの言葉が聞こえたのか、一瞬だけ晴香ちゃんの視線が揺らぎそうになったけど、結局こちらを見る事はなく梢さんの方を向いたままで行為を続けている。

だけど梢さんはそのわずかな動揺を敏感に察知したようだった。
「あんっ」と喘いでいるのに、懇願するように「晴香たん…こっち見て」と訴えている。

「……」

いや、晴香ちゃんは実際視線を動かしてはいない。そうなりそうだったけどこらえたはずなのだ。
だがいつもの晴香ちゃんなら「見てるじゃん、うるさいな」などと言い返す所を黙っているので、梢さんの言葉に対して反論できないという事を表明してしまっている。

微妙に煮え切らない態度に苛立ったのか、それとももっと頑張らなければならないと思ったのか、意を決したように梢さんは言葉を重ねていく。

「ね…ご、主人様…私を、見てください」

今度ははっきりと晴香ちゃんの動きが静止した。
…何、もしかして言われ慣れてないの?
明らかに一瞬の動揺が晴香ちゃんの中に起こったようで、晴香ちゃんは一度だけ身体を震わせてからほっと息を吐き、その後は人が変わったように躊躇なく梢さんを貫き始めた。

「あぁっ、そう…ん、もっとだよ…ご主人様ぁ」

梢さんも一度言ったら楽しくなってしまったのか、もはや「ご主人様」連呼である。
表情としては冷静に梢さんを貫く晴香ちゃんと、その下で乱れ狂う梢さんから私は目が離せなくなった。

「…やっぱりあっちがいい?」

私に囁く美咲さんの声には、色気はあったけど抑揚はなかった。

「何、言ってるんですか…」

そもそも今晴香ちゃんは絶賛梢さんに挿入、腰振り中ではないか。
それに私はあそこまで激しいピストンには長時間耐えられない。

「…お姉さまのが、欲しいです」
「ん…」

美咲さんの手はシーツの中で私のびしょびしょの秘部を愛撫しながら、もう片方の手は私の顔に添えたかと思うと、顔の向きを変えさせられてすごくねっとりとしたいやらしいキスをされた。

「あむ…んん」

これだけでもう、私は絶頂しそうになっている。
それなのに、早く挿入して欲しくて仕方ない。

まるで焦らしているのではないかと思うような、ちゅくちゅくという音を立てながら、美咲さんは私の舌や唇を自分の唇で挟んでは、舌を左右に動かして優しく撫でてくる。

そんなキスの合間に、私は「お姉さま…早く」とねだってしまった。
すると美咲さんはぱっと私の傍から離れて偽竿を装着し始める。
その間も彼方のベッドからは「あぁぁ…いっちゃうっ」などとよがる梢さんの声と、ベッドが揺れる物音が聞こえてくるのだ。

私は先回りして自分の身体にかけていたシーツを剥ぎ取り、脚はたたんで寝転がる。
両方の膝頭だけはくっつけて、足先は開いた恰好で美咲さんを待った。

…いつもなら、挿入前の準備をこうも急かす事なんてしないのに、やっぱり私はあてられているんだろうか?

程なく美咲さんは私の膝を無造作に開いて、その間に身体を割り込ませてくる。

性具の類はいくつか持参しているけれど、美咲さんが選んだのは大きさよりも扱いやすさ重視の偽竿だとわかる。
サイズはそれほどでもないが、美咲さんとしては思う通りに操る事ができるもののようで、実際挿入されていても美咲さんの腰使いが生々しく感じ取れる、白い偽竿だ。

私は挿入の予感だけで、更に花弁がほころびシーツに垂れるほど淫蜜がだらだらとはしたなく溢れてくるのを実感した。

「何?これ…お漏らししてるみたい」
「やめて…ください」
「じゃふさいであげるからね…」
「はい……っん…あ」

膣底を這うように偽竿がズルズルとねじ込まれる。
太さがないはずなのに、なんでこんなに圧迫されているように感じるんだろう。

「…入れたそばから締めないでよ」
「え…」
「なんか、飲み込まれていくんだけど」
「……そんなつもりは…はぁ…っ」

美咲さんの腰がぴったりと密着して、そのまま上半身もくっつけるとものすごく気持ち良かった。
美咲さんの肌の張りも程よくて、私は美咲さんの首に腕を絡めて引き寄せてしまう。

「ん…っん」

激しく唇を重ねながら私の淫洞に偽竿が撃ち込まれていく。
でもそれは激しさよりも私の腰をとろけさせるような、官能的な挿入だった。

「ん、は……あぁっ」

何だろう。秘部からも、口からもやたらと分泌物が多くなる。
何度か偽竿が出し入れされると、膣肉がほぐれたのか美咲さんの腰の動きもどんどん滑らかになっていった。

「…どうしたの?こんなにおまんこぐちゃぐちゃにしちゃって」
「…だって…あぁっ、ん」
「ほら」

美咲さんは私の首筋やその下に広がっている私の髪に顔を埋めながらいやらしく囁いてくる。
私にだけ注がれる美咲さんの淫靡な声に、私はおかしくなりそうなぐらいに興奮して、喘ぎ声は甲高く、大きくなっていった。

「あぁ、お姉さまぁ…気持ちいいぃ」

もはやBGM宜しく始終響いているので意識しないと内容までは聞き取れないのだが、既に彼方のベッドでも梢さんがうるさいぐらいに喘いでいるし、何なら何度か絶頂したのではないかという盛り上がりぶりである。
そういう状況に乗じて、私もつい大声で喘いでもいいような気になっているのだろう。

「お姉さま、ん…もっと、欲しいです…ふぁ…」
「…そうね」

美咲さんは私の首筋から離れて、今度は挿入しながら私の胸にかぶりついた。
チュパチュパと乳首を吸っては舐めしゃぶり、身体は斜めに揺らして先ほどまでとは違う角度で、淫洞を掘り起こしていく。

「あぁぁ…あ、いい…っです」
「ん……どっちが?」

胸と秘部、どちらの事を言っているのかと尋ねられているのだろうと思って、閉じていた瞳を開くと、ちょうど彼方のベッドで上半身を起こして梢さんに偽竿を撃ち込んでいる晴香ちゃんの姿が目に入った。
一瞬「どっち」の選択肢が美咲さんと晴香ちゃんであるかのように錯覚して、強烈に恥ずかしくなる。

「お、まんこの…中が、いいです」
「そう」

次に何が来るのかはだいたい想像がつく。
それでも期待以上に美咲さんの偽竿使いは上手いので、毎回こちらが焦りつつ、わけがわからないうちに絶頂してしまうのだ。

偽竿の先端が、いつもよりも強く私の快感スポットを擦り立ててきた。

「ひ、あ…あぁっ、そんな、したらぁ…いっちゃいます」
「……」

美咲さんの方はむしろいつもより冷静かもしれない。
ちょうど煙草を吸っていた時と似たような顔をしているな、と思ったけれども当然それを指摘する余裕もなく、私は手足が一気に弛緩して投げ出されるように激しい絶頂へと飛ばされた。

「あぁ、いくっ、いっちゃいますぁ…あぁっ」

ガツン、と一度だけ強く淫洞を穿たれる。
それと同時に一瞬意識が飛んだ気がした。
偽竿は抜かないままで美咲さんが覆いかぶさってきて、私たちは何度もキスをする。

「あん、んっ…ふぅ」

しばらくそうしてからやっと、ゆっくり美咲さんの腰が離れていき、ドロドロの蜜に塗れた白い偽竿が引き抜かれた。
身体を離してしまうのが惜しくて、私は座位のような恰好で、でも偽竿は挿入せずに美咲さんの膝にまたがり身体に抱き付いてしまう。

そうして美咲さんの肩越しに視界に入ってきたのは、まだまだ元気に交わっている彼方のベッドの二人。
今は梢さんが四つん這いになって背後から晴香ちゃんがめちゃくちゃに秘部を突きまくっている。
「ひ、あん…許して…」などと梢さんはいやらしく鳴き続けていた。

「ったく感じてるくせに何言ってんのよ」

晴香ちゃんは悪態をつきながらも、すごく卑猥な顔つきで熱心に腰を振っていた。
…あれでよく偽竿が外れたり浮いたりしないもんだなと冷静に思う反面、再び私の秘部からとろりとした粘液がこぼれて美咲さんの股間を濡らしてしまった。

「見えてるのね、冴子」
「はい…」
「近くへ行ってみようか」
「…え」

そのまま私の身体は持ちあげられ彼方のベッドの、比較的スペースの余っている側まで運ばれる。
昔の呼び方かもしれないが、運ばれている最中の体位はさながら駅弁状態で、私は美咲さんの腰に両脚をがっちり絡めて移動の間を堪えた。

そのまま美咲さんがベッドに腰を下ろしたので、先ほどとは逆サイドから、梢さん達の営みを観察するようなポジションに来ている。
美咲さんは二人に対して背なかを向けているので、声しか聞こえていないだろう。

「あ、あぁっ、あく、う……っまたいくの、ご主人様ぁ」

単に距離が近づいただけなのに、この臨場感の違いときたら。
私は少し怖くなり美咲さんの腕をきゅっと掴んでしまった。
美咲さんが心配そうに顔を横に向けて私の様子を伺う。

「…凄いですね」
「まあね」

美咲さんは何か含みのありそうな言葉を返してくる。
…あんまり、興奮してないのだろうか。

すると晴香ちゃんが攻めの言葉を梢さんに浴びせかけた。

「次はほら…美咲さんに突いてもらうのよ、淫乱な梢ちゃん」
「え、あ、まだ…するの?…っあぁ」

美咲さんはほんの一瞬だけ晴香ちゃんを一瞥するものの、晴香ちゃんもそれを気にしていないし、美咲さんも特に何とも思っていないようだ。

「そう、美咲さんのモノ…冴子さんのおまんこ汁でベトベトのやつ、入れてもらうの嬉しいでしょ?」
「あ、ん…うん、嬉しいっ」
「ほんと、変態、不潔」
「だ、あぁまた…いっちゃうからだめ…っ!」

梢さんの四肢はがたがたと痙攣を繰り返している。
晴香ちゃんのピストンは終わりが来ないんじゃないかと思うほど延々と激しい状態をキープし続けていた。

晴香ちゃんは、使う言葉こそ厳しいけれども口調自体にはそれほど梢さんを蔑んでいる雰囲気はない。
むしろ、そういう言葉によって梢さんが昂る事をわかっていて、あえてそういう言い回しを選んでいるように思えた。

「あ…あぁ…」

既に何度かそうなったのかもしれないが、梢さんの秘部からは大量の液体が吹き出していて、多分今も潮を吹いたようである。
それが晴香ちゃんの太腿をつたってポタポタとシーツにしたたる所を目撃できているのは、私が行為の当事者ではないからだ。

…でも。
梢さんの淫蜜でも、潮でもない、別種のねばついた蜜も同時に晴香ちゃんの太腿に一筋の痕跡を残して垂れている。
あれは多分、晴香ちゃん自身のこぼした蜜だ。
梢さんを攻めながら自分もすごく興奮しているんだろう。

「何、私は次はその娘と犯るわけね」

美咲さんがそう呟きながら私の身体を向き合わせてわざとらしく胸を揉んできた。
掌と指で私の乳房がいやらしく変形し、そうされる事で私の興奮も高まってしまう。

「わかってるの?冴子…」
「はい…?」
「今度はあの娘に犯られるのよ?」
「……」

いや、見るだけという選択肢はないのか。
別に梢さんと美咲さんが交わるという事が、イコール私と晴香ちゃんが交わらなければならない訳ではないのに。

「無理でしょ、黙って見てるのなんて…冴子は」

美咲さんの指はますますいやらしく動いて、私の乳首をつまんだりこねたりしてくる。

「あ、それぁ…っん」

あれ、おかしい。
私のこんな些細な喘ぎ声がやたらと室内に響いているという事は、梢さんがお静かになっているという事で。
見れば梢さんはぐったりとうつ伏せに倒れて声も出していない。

「……」

晴香ちゃんは面白くもないといった風情で偽竿を引っこ抜いて梢さんの身体から離れてしまう。

「…突いてるうちにまた覚醒するから、そのままして大丈夫です」

席を譲るように美咲さんにそう言うと、晴香ちゃんは私を見た。

「…怖いですか?それとも私のは入れられたくないですか?」

待って欲しい。さっきまで私よりも年上の梢さんにあれだけ激しい言葉を浴びせておいて、私には敬語なのか。
くすぐったいような気もしたけど、裏を返せば他人行儀という事なのかもしれない。

「そんな事、ないよ」
「さっきの…話じゃないけど、この、梢さんの汁でぐちゃぐちゃのやつ、突っ込んでいいんですか」

望む所だ。変態、不潔は私にこそ似つかわしい形容詞だろう。

「勿論」
「…どっち向きますか?」
「…え」
「二人並んでバックから突かれるのは相当動物っぽくなりますよ」
「……」
「私はそれでも構わないですけど…」

だが確かに実際梢さんと私とが並んで四つん這いになり犯されるというのもだいぶ惨めな図のような気がして、それならせめて、梢さんとは逆向きに--つまりその場合、顔を挙げれば美咲さんの腰がすぐ横にある感じにはなるけれど、そっちの方がましかもしれないと思う。
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