お姉様に夢中なはずなのにその他の誘惑が多すぎます

那須野 紺

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誰にも聞かせたくない

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私はソファに座る美咲さんの膝にまたがって、その身体にしがみついている。
美咲さんは、優しく私の髪や背中、お尻を撫でてくれる。それだけでもすごく気持ちいい。

その緩やかな愛撫に身を委ねていると、なぜだか再び「進藤部長に怒られる」ような事とは何だろうかと考えてしまっていた。

それは、美咲さんが私をめちゃくちゃに犯す事だろうか。
それとも互いの秘部をいやらしく舐め合う事だろうか。
あるいは私の手足を拘束していやらしい苦痛を与えられるような行為だろうか。
…どれも正解のようだし違う気もする。

その瞬間、私の脳裏にはある願望が浮かんできて一瞬で消えていく。
それは、秘書課員に見られながら美咲さんにいやらしく攻められる場面だった。
とてつもなく恥ずかしい事なのに、それでも秘書課のメンバーに、私がどれだけ性に貪欲な女であるかをわかってもらえる事に、安堵すら覚えてしまいそうだと思った。

行為を見せる意図というのは、何も見せびらかすためばかりではなくて、私があさましく卑しい人間であるという事を、見ている者に強制的にわからせる効能もある。
そうやって安心したい側面もあるのだ。

「何か他の事考えてるでしょ」

見透かされたように美咲さんの声が飛んでくる。
今に限ってそれは絶対に許さないという響きを含んで。
だから私は正直に打ち明けた。

「…会社の人に、こういう所見られたらどう思うのか考えてました」
「見せたいの?」
「一瞬だけ、でもたまたま考えただけです」

出会った頃からそうだけど、美咲さんは私がどれだけいやらしい妄想をしたり行為を望んだりしても、それを咎めたり非難する事は決してしない。
行為の緊張感を高める目的で咎めるような事を言ったりはするけれど、そこに非難の色は少しも感じられないから、安心して全てを晒す事ができるのだ。

「…お姉さま、大好きです」

自分でそんな事を言ってみると、なぜだか止まらなくなり、美咲さんの首筋や鎖骨に唇を這わせながら何度も「好き」と呟いていた。
そうしている間にも美咲さんの手は私の背中を優しく撫でてくれている。

何度も何度も「好きです」と呟きながら、私の唇は美咲さんの鎖骨から再び首筋、それから耳の後ろや耳たぶへと移動する。

耳には特に念入りに舌を這わせて、何度も「好きです」という言葉を流し込んだ。
言葉の合間にぴちゃっという水音を立ててみたり、ふぅっという息とも喘ぎともつかない曖昧な呼吸音を聞かせたりしながら。
そうしながら私は知らず身体をもじもじとさせて、全体を美咲さんに押し付けて擦るように動かしてしまっている。

この、もどかしい時間さえも最大限に長く続いて欲しい。
だけど美咲さんからの自発的な何かも同時に欲していた。

しばらくの間美咲さんの耳を舐めたり食んだりしていると、ふいに美咲さんが「私も冴子の事が好き」と言ってきた。
嬉しくなって唇を美咲さんの頬に滑らせると、そのまま唇が重なってくる。
激しくない、優しいキスだ。好きだという気持ちがじんわり伝わるような。

「……ん」

それでも私の口内にはどんどん唾液が溢れてきてしまって、自分でそれを飲み下すほかないというぐらいに溜まっていく。
美咲さんはそれをいち早く察知して私の唇に吸い付いてきた。

口の中から外へ出さないようにと溜め込んでいたものが、一気に奪い取られるように消えていく。
消えたその瞬間入れ替わりに流し込まれたのは美咲さんのそれだ。
多いわけじゃないけど、確実に意図して私の口にそれを流し込んでいるのがわかる。

それもやっぱり嬉しくて、私は今度は夢中で美咲さんの唇の隙間に舌を差し入れ、中まで美咲さんの唾液を求めて探っていく。
軽くうめくような美咲さんの声が聞こえるが気にしない。

そうやってかき集めたものを躊躇なく飲み下すと、なんとも言えない恍惚を感じた。
美咲さんもきっと同じだ、と思うと二人して今度は激しく舌を絡めて互いの唾液を誘導し貪る。
本当に、それは何かを交換するというよりも奪い合っているようなキスだった。

「ん…ふぁ…っ」

ジュルっという音と、興奮からくる甘い吐息が混じり合う。

絶対に外にはこぼすまい、という意図をもってお互いがわざとらしく唾液をすすり、音を立てて煽る。
もう我慢できない、と思った瞬間に美咲さんは私を押し倒してきた。

「ここで…するんですか?…あ…ん」

言い終わらないうちに、美咲さんの手が私の胸に置かれ、やんわりと両方の胸を揉み始める。
今は部屋着のワンピース以外私は何も身につけていない。だからワンピース越しにでも美咲さんの指は素直に沈んで私の胸の形を変えた。

「はぁ…う…んっ」

掴むものがなくなった私は、ただ手をぎゅっと握り身体を震わせる。
身体の震えはソファに吸収されていくようで、だから気持ちよくてもっと震えても、ここなら恥ずかしくないような錯覚を覚えた。

美咲さんはわざと私の胸をめちゃくちゃに揉みしだいてくる。
ワンピースがどんどん乱れて、鎖骨の下あたりまで露出してしまう。

「んっ…」

再び美咲さんが上体を密着させてきて、私の唇にしゃぶりついてくる。同時に首元から手が滑り込んできて私の胸を直接掴まれた。
今度は、胸を揉むだけではなく乳首やその周辺も指先を使って器用にくすぐってくる。

「あ、はぁ…ん」

たまらなくなり身体をよじるけれど、あまり身動きが取れない。

「じゃ次は舐めてあげる」

美咲さんが可愛くそんな風に言うけれど、手では力強く私のワンピースを引っ張って下にずり下げた。
伸びる素材のため、襟ぐり部分がよく伸びて肩から二の腕、それに胸まで露出した恰好になる。

美咲さんは手でその布地が戻らないよう押さえつつ私の乳首にそっと舌先を触れさせた。

「あ、あ…ひゃぁっ」

私だけこんな情けない恰好なのに、考えてみれば美咲さんは仕事着のまま着替えすらしていない。
遅くに帰って来てそのまま食事、続けて私の質問に答えてもらったのだ。
その上休む間もなく私との行為が始まってしまっている。

美咲さんは「時間の許す限り」という言葉を体現しているなあ、と早速他人事のように思う。
そして私が、美咲さんの「今」という時間を独占している事に若干の罪悪感と、同時に大きな喜びも感じている。

「あぁ…気持ちいい、です…それ」

ぐるりと乳首を一周するように舌が動いて、私は身体を縮めるように反応する。

「やぁっ、ん……」

美咲さんは左右両方の乳首をたっぷり嘗め回してから、今度はあえて胸から顔を離し、そっと指先を脚の間へと滑り込ませた。

少しだけ花弁を弄って、こぼれた蜜の量を確かめてから萌芽を軽くしごく。

「…きゃ、あ…それ…はんっ」

指の動きは一定ではなく、緩くしごいていたかと思うと今度は指先でくるくると円を描くような動きへと代わり、更には指先だけで萌芽を縦になぞるような動きにもなった。

「あ、あっ…あぁ……」

それらの動き一つ一つに対して自分の身体は機敏に反応してしまう。
指が止まれば身体は弛緩して、再び動き出せばまた身体はぴくぴくと痙攣し声が出てしまう。

「お、姉さまぁ…あ…いっ…」

私が自分の着ているワンピースの身頃をきゅっと掴んで堪えていると、美咲さんがその手を取り繋いでくれた。
片方の手ではいやらしく執拗に萌芽を愛撫しているというのに、私の手に指を絡ませ握った手は、温かく柔らかい。
そのまま再び美咲さんは私の乳首に吸い付いて、チューッと音を立てて強めに吸い上げた。

「あぁぁっ…だめぇ…」

ビクン、ビクンと大きく身体が痙攣し、達した事を知らせてしまう。
美咲さんはそれでも、萌芽を弄る指の動きを止めない。

どっと溢れた蜜の量がどの程度なのか、美咲さんの指先が触れる感触と、クチュッと低く変化した水音で自覚させられる。

「お姉さま…いっちゃった、のに…また」

快感が高みへと上り詰めて弾けた時、女の身体はそこから転がり落ちるように冷めていくものではない。
弾けたその場所のすぐ下で、そこから更なる高みがあるのを知っているように落ちる事なく留まるものだ。
そしてそれまでよりもっと上へと、快感のレンジは広がりそちらを求めていく、それが本能というものだろう。

美咲さんはそれをわかっているから、達してもなお私への愛撫を止めない。
中も刺激してないのに、前だけで一回達して足りるわけがないとも思っているだろうし、達する私の姿を何度でも見たいと思っている、そんな節もある。

「…ここ、舐めようと思ってるんだけど」

私は思わず目を見開いた。
帰宅してからシャワーを浴びたとは言え、今の愛撫だけで私は秘部をぐちゃぐちゃに濡らしている。
美咲さんは、これからそこを舐めると言うのだ。
羞恥で自分の全身が真っ赤に染まっていくのを感じた。

美咲さんは、繋いだままの手を離す事はせず、萌芽を弄っていた方の手でワンピースの裾をめくり上げてから、私の膝を立てさせる。
片足だけ膝を立てて、その脚の間に美咲さんの顔が近づいていく光景はなぜだかものすごく卑猥に見えた。

チュッ、チュッと小鳥が啄むように美咲さんが少しずつ私の花弁や萌芽にキスを落としていく。
私の身体は喜びに満たされて力が抜けていった。

「はぁ……ん…」

高く小さな音が、徐々に長く下品なぐらいの音に変われば、私はまたすぐにでも果てを見るだろう。
美咲さんの顔がどんどん秘部に密着していき、舌の動きも激しくなっていった。
特に花弁の内側をくちゅくちゅと音を立てて舐められたり、強めに萌芽に吸い付かれたりすると、私は一際感じてしまう。

「それ、また……っちゃう…あぁんっ」

全部わかっているくせにわざと焦らしている事までしっかり伝えてくるような舌の動きだ。
美咲さんは時折「んっ」と艶めかしい吐息を漏らしながら、懸命に私の秘部をすすったり舐めたりしてくる。

「お姉さま、もっと…強くして、欲しいですっ…」

返事はなく、直後の舌の動きで答えは返って来る。
萌芽を強めに吸いながら舌先を使ってその先端をつつくように嘗め回されて、私は高い声を上げた。

「凄っ、い…あはぁ……ん」

立てた片足の膝が左右に動いてしまう。
どこか美咲さんの身体にもっと触れていたくて、私は繋いでいない方の手をそっと美咲さんの頭に触れさせた。

「…冴子、おまんこびしょびしょにしてるわよ」

それはとっくに知っている事なのだが、改めて言葉で言われてしまうと、脳から自分の状態を再認識させられて改めて恥ずかしくなる。
だから私は必死で言い訳をするのだ。

「だ、だって…そんなにされたら……あぁんっ」

持たない、と思った時にはまた身体がびくっと波打って、手では美咲さんの頭をそこそこ強く押さえてしまっていた。
すぐ我に返って手の力を緩めたけれど、美咲さんの顔はそこから離れようとしない。

「…また、溢れてきてる」
「言わないで…そんな事」
「興奮してるくせに」

美咲さんは可笑しそうに言っておいて、すかさず私の秘部をすすり盛大に音を立ててみせた。

「は、恥ずかしい…です」
「それがいいんじゃないの?」

今度は身体を起こされて、私はソファに普通に座っているような態勢になった。その際着ていたワンピースは脱がされて、私の身体の下敷きになっている。

美咲さんもようやく着ているものを全部脱ぎ捨て眼鏡も外して、さっき私がさせられたみたいに、私の身体にまたがって激しく唇を重ねてきた。

二回達して脱力している私は、緩やかに美咲さんの身体に指を這わせてそのすべすべした感触を確かめる。
同時に、美咲さんの身体の内側に溜まっているであろう熱の存在も私は感じ取っていた。

「ん…っ」

激しいキスを続けながら、私は美咲さんのお尻をすっと撫でさすり、そのまま秘部に指先を沿わせた。
思った通り、そこはしっかりと潤って熱くなっていた。
だから、私は中指を勢いよくその中心に突き入れる。

「あふ…んんっ」

舌を絡めて熱い吐息を漏らしながらキスしているから、指を突っ込んだ瞬間の美咲さんの反応は目立たなかった。
それをいいことに、私は指の腹で美咲さんの内側を探り、あちこち内壁を擦っていく。
掌にとろとろと蜜が零れ落ちる感覚があった。

キスに夢中になっているふりをして、美咲さんのような社会的立場も権威もあるような女性が、だらしなく股間から蜜を溢れさせ垂らしている様子が、とてつもなくいやらしい。
…だからこそ、もっと溢れさせて辱めたいという気にもなってしまう。

私は無遠慮に、蜜を絡めた指で軽くお尻の穴にも触れながら、秘部に挿入する指の数は二本に増やして激しく中をまさぐった。
そうすると初めて美咲さんが明確なリアクションを見せる。

「冴子、指…っ」

お互いにキスを辞めたくないから唇をほんの少しだけ話した状態で、美咲さんは小さく訴えてくる。
私は目だけで「どうしたんですか」と問うように美咲さんを見てから、再び美咲さんの唇を舐めた。
美咲さんはもう、一気に高まりたいのかもしれない。

「ふ…あぁんっ……」

だから、もったいぶらずに私の知り得る美咲さんの内側の、一番感じるであろう場所に指の腹を押し当てた。
ぐっと力を入れると、驚くほど力強く美咲さんの隘路が指を締め上げてくる。

「……んっ…んぅっ」

美咲さんは自分から唇を離そうとはしないまでも、息ができるくらいに唇の間にわずかな隙間を作って、そこから喘ぎ声を漏らした。
私は曖昧に舌先を動かして美咲さんの上唇をチロリと舐める。

「あ、はぁっ……」

この声だ。聞いているだけで誰でもいやらしい気分になるような、美咲さんの艶に溢れた声色。
少女のように高くか細く、それでいて強烈に性的衝動を駆り立てる。
この声を聞いて毎回感じるのは、これを自分以外の誰にも聞かれたくはない、という強い独占欲だ。
本当は過去に聞いたであろう誰かの事も恨めしいが、今現在、そしてこれからも、特にこれを男に聞かれるのだけは嫌だ。

…だから。
私にだけは存分に、その声を聞かせて欲しい。

そう思ってギリギリ息ができて、声が出せる微妙な触れ方でキスを続けていく。

「あ、あぁ…ん、冴子…気持ちいい」

所々は私が塞いでしまってはっきりしないながらも、美咲さんの口からは間違いなく、官能の高まりを伝える声や吐息が紡がれていく。
私は美咲さんの秘部に挿入した二本の指をぐっと奥まで押し込んで、掌に溜まった蜜の量がわかるように、掌ごと秘部に擦りつけた。大きく跳ねるように、ぴちゃっという音が響く。

「…お姉さま、も…こんなに溢れてる」

心の中で言ったつもりが言葉として出てしまった。

「や、あ…あぁんっ」

指を曲げて、改めて美咲さんの感じる一点をしっかり押さえるように刺激すると、美咲さんの喘ぎ声が一際高くなり、そしてふっと身体から力が抜けたようだった。

美咲さんは元来、感じてきても身体がそれほど硬直しない方だけど、達するとやはり違う力の抜け方をする。
…と言うか、達した後にぎゅっと抱き付いてきたりする事がよくあった。

「やだ…いっちゃったよ」

照れたように言う美咲さんの顔を笑顔で見つめていると、美咲さんがきゅっと私に抱き付いてきた。
相変わらずそんな美咲さんの秘部からは、だらしなく蜜がこぼれているのだけど。

私は指をだいぶ引いて、でも完全に抜く事はせず花弁の辺りをゆるゆると弄る。
達した余韻の中で、美咲さんは甘えたようにキスを求めてくるので私もそれに応えた。

優しく、落ち着きを取り戻すためのキスがすぐに激しくなって、また次の高みに近づくための序奏となっていくのだ。

「次は…」と、美咲さんが呟いて、私の身体から離れていく。
続けて、私の脚を持ちあげ開かせた。ソファの上でM字開脚させられて、そのまま私はまた美咲さんの口淫のえじきとなる。

「あ…だ、めぇ……またいっちゃいそうです」

美咲さんは余裕ありげに「ふふ」と笑って、私からしっかりと見えるようにわざと舌先を尖らせて萌芽をつついたり、顔を上下に動かして花弁の割れ目をなぞったりした。

「あ、はぁ…あ…っ……」

何度も達した後の身体は、焦らされると途端に堪えられなくなる。

「あぁっ、お姉さま…もっと、いっぱい、激しくして」

思いのほか大きな声でねだってしまうが美咲さんは驚きもせず、嬉しそうに笑っている。

「可愛いわね、そんな事おねだりしちゃって」
「…だって」
「もう、欲しいよね、ここに」

そう言いながら美咲さんは萌芽にチュッと唇を付け、そのまま秘部にはズブリと指を挿入してきた。

「あ、あ……あぁん」

いつだったか、私が感じてくると動物が鳴いているみたいに喘ぐ、と美咲さんに指摘された事を思い出した。
そう言われて以来、自分の喘ぎ声が動物みたいになっていくと気付いた瞬間、いかに自分が高まっているのかを知るような気がしている。今がそうであるように。

「…気持ちいい?冴子」
「は、はいっ、気持ち…いいです…中が…ぁん」

美咲さんが掌を返して、身体の内側を擦る指もぐるりと回転する。
私は「うっ」と小さくうめいて脚を開いたり閉じたりするように動かしてしまう。

「…見られて恥ずかしいのがいいって言ってたの、忘れてたわ」

そう言って美咲さんは秘部に挿入していた指と、もう片方の手を使って私の花弁を開くように軽く引っ張った。
花弁の内側が空気に触れてうすら寒いような、心もとない感じがする。
恥ずかしいのに、どういうわけだかものすごく嬉しくもあった。

「見えてるわよ」
「…っ…ん」

美咲さんが、私のそんな変な場所でさえも見たいと思ってくれている事が、多分私には嬉しいのだ。

「…しっかり見ると、綺麗な色してるのね、この中」
「やめ…恥ずかしいです」

美咲さんはその状態で、蜜でヌルヌルになった指先を萌芽に添えそこを擦り立てる。

「あぁっ、…だめぇ…う…」
「中が、ものすごくひくひく動いてるわよ」
「だから……っも…」

わかっているくせに、美咲さんは一旦「ダメなの?」と問いかけてくる。

「違います…」
「何が?」

そういうやり取りの間にも、美咲さんは不意打ちで萌芽を擦ったり、花弁を広げてきたりする。

「恥ずかしいのに、見て欲しいんです…」
「よしよし」

明るい調子で返されたのに、いきなり例の声色で「じゃもっと見てあげる」と言われて、私は身体をがくっと震わせた。
…それはあまりにもずるいと思う。
だけどこうなったらもう知らない。何でも思った事は言ってやろうと開き直る事にする。

「お姉さま、いっぱい見て、触って…ください」

美咲さんが一瞬緊張したように静止するが、徐に広げた花弁の間に吸い付いて、溢れ出る蜜をすすってきたので私は高く鳴いた。

「あ、あ、…はぁん…」
「そう、そうやっていっぱい見せて、聞かせて」
「あ…い……あん」

見られている羞恥が、恥ずかしい声となって口から洩れていき、それを聞かれてまた快楽を倍増させる。
何より、美咲さんも私と同じように思ってくれている気がして、それが嬉しかった。
だから自分の恥体をもっと見せてしまいたくなるし、動物みたいと言われる声でも大いにこぼしてしまう。

「お姉さま…また、来ちゃう…っあん…」

美咲さんはすかさず指の挿入を開始して、私の感じる場所に的確に当てて擦ってくる。

「そこ、それ…もっと、あぁ……んん」

達する前に多分潮を吹いていて、その後すぐに達したような気がする。
自分の身体の感覚と、目で見た光景を巻き戻せば、そういう事になるのだろう。
でもその真っ最中にそういう事はわからないものだ。

「はぁ…はぁ」と息を乱している私を、美咲さんは優しく抱きしめてくれる。

「行こうか」

ベッドに行くという事を理解しながらも、身体が動かない。

「あ、あの…お風呂入った方がいいですよ」
「あ?…そっか」

自力で動けないから時間を稼ぎたいのが半分、帰って来てから休む間もなく私を構ってばかりいさせて申し訳ないのが半分。

「でも…どっちかと言うと冴子の方が汚れてる」

下半身のドロドロの事を言われているのはわかる。

「……後から行きます」

自分の身体の内側をただ凝視されただけなのに、あまりにも恥ずかしくそれにより緊張した事を、自分の身体が物語っている。
美咲さんはそれを知ってか知らずか、「あ」と声を出して再び私に密着してきた。

「…リモコンローター仕込んでみんなと飲んだ時、冴子怒ってたけど、それはいつも以上に感じちゃうから、って事だよね」
「……」

私は恨めしさを込めて美咲さんを見返す事しかできない。

「元彼と、公園でいちゃいちゃしたりしなかったの?」
「してないです」
「それは勿体ない」

美咲さんはようやく身体を離してバスルームへと向かって行った。
見下ろすと、指摘通り私の下半身は恐ろしく濡れており、蜜が溢れたのだか潮が飛んだのだかした痕跡がしっかり残っている。

「動けるんなら早く来なさい、洗ってあげるから」

バスルーム方向から美咲さんの声が聞こえる。

「…いいですよ」

私の返答は多分、美咲さんには聞こえないぐらい小さい。
洗ってもらうなどしたら、どうせまたいやらしい悪戯が始まってしまうに違いないから。

…だけど、今日の美咲さんはまだまだやれる感と言うか、そりゃ大した事はしていないからだろうけど、まだピンピンしている様子だ。
私はと言えば、極度の緊張から開放された身体には案外と疲労が蓄積していて、思うように動ける気がしない。
美咲さんが満足するまで延々と奉仕できるかどうかも自信がないぐらいだった。
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