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性愛と敬愛(容子SIDE)

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帰宅後すぐにシャワーを浴びて、軽めの夕食を済ませてから紅茶のカップを片手に梨々香に尋ねてみる。

「…どうだった?初めての『お勤め』は」

夕食の片づけをあらかた済ませた梨々香が、私の傍に立つ。
愛美が「後はいいから」と梨々香に言い残して、キッチンに引っ込んで行った。

「なかなか…一言では言い表せないと申しますか」
「…?」
「いえ、お仕事としては一切問題なく、済ませてまいりました」
「そう」
「お二人をどうお呼びすべきか、それには若干悩みましたが、お名前呼びを快くご承諾いただけたのは、良かったです」
「…そう、なら良かったわね」
「はい、それに…お二人の邪魔にならないよう注意を払って務めました」
「それは良い心がけだわ」
「はい」

案の定、と言った所だろうか。梨々香は困惑しているのだ。
その気持ちをしっかり自覚している訳ではないのだろうけれど。

この『お勤め』に出す前、梨々香は悩んでいた。
要因は間違いなく、冴子ちゃんの存在なのである。

*-*-*-*-*-

数日前の事。
食事もお風呂も済ませて後は寝るだけというような時間帯だった。
寝室とは別の、ワークスペースとして使用している部屋で私がタブレット片手にニュースなどを眺めていると、梨々香が遠慮がちに扉をノックし室内に入って来た。
梨々香はまだメイド服姿のままで、手にはカモミールティーのティーセットを並べたお盆を持っていたが、顔色からして単にハーブティーを供する為にここへ来たのではないとわかる。

私はデスクから立ち、梨々香をそのまま部屋の奥へと誘導した。
ティーセットのお盆は応接セットのテーブルに置かせて、そのすぐ傍にあるソファに、梨々香を座らせ私も隣に腰を下ろす。

梨々香は、ローブ一枚姿の私が立ったり座ったりする所を見て、一瞬はっとしたような表情を見せたが、再び困り顔になってしまい、私に向かっておずおずと「あの」と切り出してきた。

「相談があるんでしょ?」
「…はい」

話に集中する為に、意識して物理的な距離は保ったまま、梨々香に尋ねてみる。
何だかもじもじしてばかりでなかなか話を始めない梨々香に、私は漠然と尋ねてみた。

「…冴子ちゃんの事が、気になるの?」
「……」

質問の意味は二つあって、一つは冴子ちゃんが美咲さんを巻き込みつつ私の性生活に食い込んできて、梨々香の愉しみが奪われてしまうのではないかという、梨々香にとっての危機感があるのではないかという事。
もう一つは、梨々香が純粋に、冴子ちゃんのみずみずしい魅力に、少なからず惹かれてしまった、という気持ちから来る動揺があるのではないか、という事だ。
私としては後者の可能性が高い気がしてならなかった。

「…そう、なんだと思います」
「それが、悩み事なの?」
「何だか…わからないのですが」
「……」

私はティーセットに手を伸ばし、自らカップにカモミールティーを注いだ。
梨々香が慌ててやめさせようとしたが、それより強く私が梨々香を制する。
そのままカップを梨々香に差し出し、遠慮する梨々香に構わず「貴女が飲みなさい」と言ってカップを持たせた。

梨々香は、それ以上は逆らわず、しかしメイド服のままソファに座ってハーブティーを口にするのは違和感があるようで、何とも言えない表情を浮かべたまま、カモミールティーをちびちびとすすっていた。

「中身が気の毒になるぐらい、不味そうに飲んでるのね」
「あ、し、…失礼しました」

私は思わず声を上げて笑ってしまう。梨々香もそれにつられて自虐的に笑顔を浮かべた。

「その、気になるというのとは違うのかもしれませんが」
「……」

私自身の恥体を見るの自体は、既に梨々香は慣れてしまっている事だろう。
冴子ちゃんの事を話題にすると、どうしてもあの時の事が連想されてしまうけれど、今梨々香が言いたいのはその時の事であるとは限らない。

「私自身は、数えるほどしかお見かけしておりませんが…その、綺麗な方ですよね、あの方」
「…そうね」
「それで、年代もおそらく近いですし、私…変な話なのですが、あの方のように生まれてきたかったな、と…思ってしまって」
「…?」
「綺麗だし、どことなく容子様に似ているような気がして…それで、私もあんな風に生まれていたなら、本当の意味で容子様の娘として、堂々と振舞えるのかもしれないって、思ってしまって」
「…梨々香?」
「驚いてます、私…家族として見た目がどうかなんて、気にした事もなかったのに、あの方とお会いしてからなんだか…」

私も全く同感だった。梨々香は確かに一目で外国人だとわかる容姿をしているが、その事にコンプレックスを抱くような要素は一切存在しないはずなのだ。
その梨々香が、冴子ちゃんの容姿に対してコンプレックスを抱いているという事実に、私も驚いてしまう。

それに。
梨々香が感じ取っている、私と冴子ちゃんの間に通じている何か、は私にでさえぼんやりとしか感じ取れないものだ。

「愛美だって髪も目も黒くて、見た目だって綺麗なのに…そんな事思った事もなかったのに…」
「梨々香…」
「私、あの方になりたいって、思ってしまいました」
「……」

梨々香は自分の指先が震えてしまって止められないのを悟ったのか、慎重にティーカップをテーブルに戻した。

愛美も、梨々香も、苦労を知っている子供だった。
たとえ現状他者との接点が少ないとしても、人それぞれに、見た目には決してわからない悩みや不安、辛い気持ちがあるだろうという事も推し量れる心を持っている。
だから、単に容姿が優れているというそれだけの事で、短絡的に人を羨むような単純な娘達ではないはずなのに。
それでも梨々香は、冴子ちゃんの容姿を羨み、そうなりたいと思ってしまった自分のあさましさに落ち込んでいるのだと思われた。

「梨々香、変な意味じゃなくて聞くのだけれど…」
「はい」
「冴子ちゃんの、顔だけじゃなくて…身体もあんな風になりたい、って事…なのよね?」
「…はい、メリハリがあってスタイルが良くて、羨ましいです」
「……」

あの胸の事もそれに含まれているのだろう。
冴子ちゃんの胸は、男ならずとも目が行くほどの大きさだから。
梨々香がうまく言語化できない気持ちの一つには、それもある気がしたから、あえて尋ねてみた。

「冴子ちゃんの、あの胸に触りたい?…」
「はい、それはもう…とても」
「そう」

梨々香が冴子ちゃんに対して抱いている感情は、羨望と強烈な好奇心、興味だ。
そこに好意があるかどうかは現状不明である。

「…梨々香」
「はい」
「それは別に、思うだけならいけない事でも何でもないわ」
「…?」
「但し、本当に相手が嫌がらなければ、の条件付だけど」
「……」
「どうしたら、冴子ちゃんのおっぱいを思う存分触れるのか、聞きに来たんでしょう?」
「そんな、つもりでは…」

梨々香は顔を赤くして首をぶんぶんと横に振っている。
でも否定の言葉は偽りだろう。
これまでは、性的興味の対象が私や愛美だけだったから、触れ合いを許すかどうかのハードルはさほど気にする必要がなかっただけだ。

「教えてあげようにも、たとえ私でもきっと、冴子ちゃんはすんなり触らせてはくれないんじゃないかしら」
「え……」
「今はちょっと嫌われてるみたいだしね」
「容子様が、ですか…」
「そういう事もあるの」

梨々香は、あり得ないという顔で私をじっと見た。
誰より梨々香自身が、私を性愛の対象としている以上、それは理解できない事なのかもしれない。
現に今でさえ、時折はだけるローブの胸元に梨々香の視線をちらちらと感じるし、今すぐ口淫しろと命じれば、梨々香は一心不乱にその行為にふけるのだから。

だけど、梨々香もまた私と共に暮らす中で私と似た素養を身に着けてしまったのかもしれない。
欲しいと思ったものが俄かに手に入らないとわかった時に、これだけ困惑してしまうのだから。
裏を返せばそれ以外に、彼女は欲しいと思った物を手に入れられない事はなかったのだ。

…ただ、私なりに冴子ちゃんの心理は概ね掴む事ができているという思いもあったりする。
冴子ちゃんが私を避けているのは、美咲さんに関わる事だからというのもあるし、警戒せねばならない程に私を意識しているという事でもあろう。
そしてそんな冴子ちゃん自身は、確実にこちら側の人間だ。ましてや梨々香や愛美のような、見た目清楚な美しさのある娘から好意を向けられた場合、あの娘は本質的には拒否しない。
心底愛情をもって関わるかどうかはともかくとして、梨々香が彼女の身体を暴きたいと願えば許容する方の娘だと、私はなぜか思っている。
そしてその代わりに、彼女は梨々香の身体も全て暴くのだろう。

…暴いて、それからどうするのだろうか。
冴子ちゃんは、その先の相手との関係性について、どこまで考えを巡らせているのだろうか。

一つ言えるのは、私は、愛美と梨々香の生涯に責任を持つ事を自覚し、実行している。
経営する会社の従業員も然りだ。厳密には従業員ではないけれど、美咲さんの収入についてだって責任を負っている。
当然ながら冴子ちゃんの収入についても責任を負っているのだ。

私は一見奔放に見られてしまうけれど、実際の所その事が明るみに出たとして、少なくとも今の私はその相手との関係性に全ての責任を負う覚悟を持っているつもりだ。
だからこそ、自宅で事にも及ぶ。

仮に木下光江が一緒に暮らしたいと本気で言って来るようなら、私は受け入れる為の方策を真面目に検討する。
仮に美咲さんから、冴子ちゃんとは別れられないがどうしても私の愛撫が欲しいから責任を取れと言われるなら、私は彼女の愛人として振舞う事も真面目に提案する。

きちんと終わらせた関係以外については、少なくとも私には、全責任を取る心の用意がある。
冴子ちゃんは、どうしてきたのだろう。そしてこれからどうするのか。
梨々香が手ひどく消費され捨てられても、最低限帰る場所と慰めの用意がある。
だから私は梨々香を止めない。
そして純粋に興味を持ったという動機で冴子ちゃんに近づく梨々香を、冴子ちゃん本人も咎める事はできないはずなのだ。なぜなら彼女もまた、「興味を持った」という動機だけで人に近づき触れる事のできる人物に他ならないから。

そもそも梨々香が、些細な興味程度でこうも狼狽するはずはない。
自分でもよく理解できていないだろうが、かなり冴子ちゃんに惹かれてしまっているのだ。
そして梨々香なりに、冴子ちゃんが嫌がらないような形で近づく方法について、瞬間的に私はあるアイデアにたどり着いたのだ。
それが、美咲さんからしつこく要求されている、報酬カットに対する私の答えとしての「メイド梨々香派遣」である。

*-*-*-*-*-

「何とも言えないの?」
「お二人は、確かにお幸せそうに見えましたけれど…なぜだか冴子様は寂しそうで」
「…ふーん」
「何か、持て余す気持ちがあるという事にさえ罪悪感を抱いているのではないか、というような気がいたしました」

梨々香程度の接点でそれがわかるなら、美咲さんが気付かないはずはない。
それが美咲さんの見落としでないのだとすれば、あえて見過ごしているという事なのだろうか。
手元にあればそれで良いと、そんな風にでも思っているのだろうか。
差し出がましいようだが、だとすれば冴子ちゃんは繋いだままにはしておけないだろう。
梨々香の視点で言うなら、現状冴子ちゃんは隙だらけという事になる。

「……」
「容子様?」
「本当に、梨々香は立派だわ」
「…え?」
「しばらくは、掛け持ちになって大変だろうけど、この調子で頑張ってちょうだい」
「勿論そのようにいたします」
「今日はお疲れ様」
「はい」

笑顔を浮かべた梨々香に、今晩肌を重ねたい旨のサインを送った。
きっと、冴子ちゃんへの興味を抑えるのに、それなりにエネルギーを消費しただろうから。
それを吐き出させようという気持ちが半分、梨々香が冴子ちゃんに対してどの程度身体を火照らせたのか確かめたい気持ちが半分という所だ。

「……」

黙って下がっていった梨々香を見送りつつ、再び紅茶に口を付ける。

…諦めているのは、もしかして美咲さんの方なのだろうか。
梨々香を通じて変にあの二人の情報が入ってしまうから、ついつい二人の関係性について勘ぐりが止まらない。

そもそも、私を交えて身体を重ねたあの日。
あの後冴子ちゃんは、ちゃんと美咲さんが気絶するまで上書きセックスをしたのだろうか。
美咲さんが音を上げようが、少々意識を失おうが、いやと言うほどしつこく美咲さんを求めたのだろうか。自分の気が済むまで際限なく。
…あるいはそうする事で美咲さんが呆れたりするのを恐れて、あえて手加減しているとか?であるならそれは逆効果だ。美咲さんはかえって不安になるだろうから。

私は冴子ちゃんに改めて問いただしたい。
何故、美咲さんは貴女を手元に置いたままにしているのだと思うのか、そして冴子ちゃん自身は美咲さんに対して性愛以上の心をもって接しているのかと。

冴子ちゃんが、ハイステータスの女性である美咲さんに何かしら遠慮しているならそれは余計な事だ。
愛美や梨々香は正に、親を失い捨てられた過去を持つ子供だったけれど、私に対して遠慮も恐縮もせず、差し伸べた私の手を取り甘える事ができたからこそ、私に対する純粋な性愛と、敬愛を両立させる事ができているのだ。

私が身体に触れた時、確かに美咲さんの身体はどこもかしこも敏感に反応していた。それは日々誰かによって愛撫を施されている証拠であり、施したのは冴子ちゃんなのだろう。
でも、そこまで開発済み状態が維持されているにも関わらず、美咲さんは本来性愛の対象ではないはずの私の愛撫にそれなりに反応しつつ、同時に強烈な罪悪感が心の中に芽生えた気配があった。
それは何故だろうか。

二人の関係において客観的に、優位であるのは美咲さんの方だと思うのだけれど。
二人の間には、何か歪な因縁が存在しているのかもしれない。

そこまで考えて私は思考を止めた。
席を立ち梨々香のベッドルームへ入ると、梨々香は真っ赤なシースルーのベビードール姿でベッドの隅に座っていた。
あまりにも端っこ過ぎて、梨々香本人が転げ落ちそうなバランスの悪さで。

「…どうしたの?それ」
「…愛美が、これ着てよって言って…無理やり着替えさせられてしまいました」

恰好の割に本人がやたらと縮こまっている理由がそれでわかった。
真っ白な梨々香の肌には、赤がよく映えていて美しい。
これで堂々と冴子ちゃんを誘惑できればおそらく造作もないのにな、と思ってしまったりする。

寝巻として着ていたネグリジェをさっと脱ぎ捨て裸になり、私は梨々香のベッドに寝ころんだ。

「いきなりで悪いけど…梨々香の大事な所をよく見せて、私の上になって」
「はい」

ベビードール以外には下着を身に着けていない梨々香が、そのまま私の顔をまたぐようにして四つん這いの姿勢になる。
程良く蜜をたたえた花弁が目に入り、私は思わず溜め息を漏らした。その息がかかってしまったのか、梨々香は内腿を軽く痙攣させつつ呼吸を詰まらせる。

「梨々香、腰をもう少し下げて」
「……」
「今日は色んな事があって、緊張もしたでしょう?梨々香がすっきりするまでいっぱいイかせてあげるからね」
「そんな、容子様…っあん…」

おそるおそるといった風情で腰を落とした梨々香の花弁を、子犬のようにぺろぺろと嘗め回した。
下げたはずの梨々香の腰は跳ね上がり、また元の位置に戻ろうとして、跳ねるといった動きを繰り返す。
陸に打ち上げられた白魚のように、ぴくぴくと動くお尻や太腿がなんとも卑猥だ。

「あ、容子様ぁ…っんぅ…んく」
「ほら…私のも舐めていいのよ?梨々香」
「は、はいっ…あくぅ」

身体をうまく制御できないのか、梨々香はがくりと前傾して倒れ込み、いきなり私の太腿の間に顔面を埋めたかと思うと、どこから出たのかと思うほどに梨々香の口内からだらだらと涎のようなものが垂れてきて、私の鼠蹊部を伝い落ちた。

「ん、凄いわね…梨々香、こっちもだらだら垂れてきてるわよ…っ」
「あ、あはぁっ、んっ…んぐ」

秘部を攻められながらではうまく唇や舌を使えないらしく、梨々香は私の秘部の間近で喘いでみたり、時折無理しているかのように私の恥丘を舐めたりしている。

「よ、容子様…これでは容子様にご奉仕できませんっ」
「…仕方ないわね、じゃ指は使っていいから…」
「は、はい、っ…んぁぁ…あふ…ん」

片手は使っていいと言っても、梨々香は自身の身体を支えるのに最低でも片腕は使わなければならない。窮屈な動きしかできない状況はさほど改善しているとは言えなかった。

それでも、動きをコントロールできないからか、梨々香の指が勢いよく私の膣内に差し込まれた瞬間は、私も動きが止まってしまう。

「容子様の…中、温かくて…ん、ヌルヌルで、絡みついてくる、ん…はぁんっ」
「…そうなの?」

返す刀でこちらも梨々香の秘部に中指を挿入した。舌先では柔らかに梨々香の萌芽を捉え、くすぐるように愛撫する。

「あ、そんな、事…しちゃぁっ、やんっ」

膣内を掻き回される強い刺激と、クリトリスに施される緩やかな刺激の相乗効果で梨々香の身体は一気に吹き飛ばされるような快感に襲われているのがわかる。
その証拠に、それまで喘ぎ声に混じっていた羞恥の色が消え去り、ただ快楽を貪るだけの甘ったるい嬌声をあげて梨々香が艶めかしい女の姿を晒したのだ。

これもとてもいやらしい。梨々香自身が自由自在にこの姿を晒す事ができるなら、その時もまた冴子ちゃんは抗う事はできないだろう。

「容子様ぁ、気持ちいいっ、あぁん…あ、あ…」
「すっごくいやらしいわよ…梨々香」

口淫をしながらだったから、梨々香に正しく聞き取る事ができたかどうかはわからない。
しかし梨々香の腰は痙攣を繰り返し、どくどくと新鮮な愛蜜を垂れ流している。
達しているようではあるが、申告する暇がなかったか。

「あぁぁ…、容子様ぁ、イっちゃいました…」
「まだよ」
「え、あ、あ…」

梨々香と身体を入れ替えるようにしながら、薄く丈も短いベビードールを剥ぎ取るように脱がせ、それから梨々香をベッドに仰向けに寝かせた。
一糸まとわぬ姿となった梨々香の両脚を思い切り開いて、その中心に再び指を突き入れる。
梨々香の中は波打つようにうねり、私の指を切ないぐらいに締め付けてきた。

「梨々香、指でこのままするのと、いつものと…どっちがいい?」
「容子様と、一緒に…気持ち良くなりたいです…」

ベッドサイドの小さな引き出しを探ると、使い慣れた双頭ディルドが見つかった。

大きな方の先端を軽く梨々香の口元にあてがい、唾液を付けさせる。
同時にこちら側の小さな頭を、私も口に含んだ。

「上手に舐めるのね、梨々香」
「そんな、ご冗談は…やめてください」
「あら、本当よ?エッチな顔しておちんちん舐めてるんだから」
「は、恥ずかしいです…」

梨々香が言い終わらないうちにディルドの先端を梨々香の隘路にねじ込んでいく。
梨々香の息が詰まり、私にしがみついてきた。
ゆるゆると腰を前後に振りながら深度を深めていくにつれ、梨々香は再び艶めかしい女の顔を見せるようになる。

「容子様ぁ、あぁ…ん、あんっ」
「…すっごいきつく締めるのね、梨々香」
「そんな事、ないですっ…んぅ」

処女ではないのに反応が初々しい。でも全然嫌味ではない。
しかしそれはごく短い時間で終わり、きつかったはずの隘路にはいつしか淫蜜が溢れ、偽竿をあっさりと受け入れてしまうぐらいにほぐれたかと思うと甘い快感が身体中を駆け巡るようになる。

「あぁっ、奥まで…コリコリ当たって、ます…っ、んん」
「わかるのね…梨々香、これでしょ?」
「あぁ、やめ…あんっ、あぅっ」

突き入れた偽竿の先端が、子宮口に当たる感触があまりにもはっきりとわかる。
臓器にさえ若さを感じる事はあるものなのだなと思いながら、あまり痛くならないように気を配りつつ、梨々香にその感触を覚えさせる程度にコリコリと擦る動きを繰り返した。

それから腰の角度を変えて改めて梨々香の膣壁、感じる場所に先端が当たるように動かして梨々香を追い詰めていく。
その動きにつられるように、梨々香のブロンドの髪と、小ぶりの乳房がふるふると揺れた。

勢い余って梨々香にセックスは好きかと尋ねようかと思ったけれど、それは私の事であって、梨々香はセックスなら誰でもいいという訳ではないだろう。
かといってこれを操っているのが冴子ちゃんだったらどうなのかと尋ねるのも意地悪な気がして、言葉にするのは辞めた。

「容子様ぁ、また…イっちゃいそう」
「いいのよ、梨々香…イく所見て私も興奮するんだから」
「あ、あ…っ、あひ、イくっ」

今度は、下半身ばかりでなく腕も跳ねるように動いて絶頂を伝えてくる。
私はしっかりと、そんな梨々香の身体を抱きしめた。

偽竿を通じてでも、梨々香の膣肉がビク、ビクッと波打っているのがよくわかる。

「いやらしいわね…梨々香まだビクビクしちゃって」
「や、そんな…恥ずかしいです」
「そんな事ないでしょ?可愛いんだから」
「…ん」

梨々香の唇に軽くキスを落として、再び腰をギリギリの所まで引いた。

「ごめんね、梨々香…今度は私が気持ち良くなるために動くけど」
「はい、いくらでも…」
「そういう事、笑顔で言うのはいけない娘だわ」
「え…」
「めちゃくちゃに犯されちゃうんだから、気を付けなさい」
「え、あ、あぁっ、あくぅ…、あぁぁっ!」

それから梨々香が何回絶頂したか、数えはしなかった。一度や二度ではなかったかもしれない。
「いくらでも」の言葉に甘えて、激しく長く、梨々香の内奥を穿ち、同時に偽竿から伝わる梨々香の隘路の感触を確かめながら、私もまた膣内のいい所に擦れるように腰を振り、絶頂するまでそれを繰り返した。
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