Golden Spice

朝陽ヨル

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関係を持ち始めてから

再会 六(R18)

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 二十三時過ぎ。言われた通りラーの泊まるスイートルームへ足を運んだ。ルームサービスを頼んだらしく、テーブルにはワイン、ハーブチーズ、そしていつものように果物の盛り合わせが置いてあった。

「……会食に行ったんじゃねえの?」
「会食ではほとんど食わん。私は少量を好きな時に食べる」

 少食なのは知っていたが会食でもそのようだ。一定量を決めて腹が減ったら食べるというスタイルらしい。

「食べるよりも話し華を咲かせたい」
「はあ、成る程」

 先程と同じように対面するように前の椅子に腰掛ける。アレッシュの分のグラスもありワインを勧められると『一杯だけ』と答えて注いでもらった。

「諸国を巡ってどうだった。愛について学べたか?」
「あー……正直それはあまり理解が及ばない。愛って言ったら結婚が思い浮かんで調べたら、大抵の国は一夫一妻だろ? けど一夫多妻制なんかもあるし、逆もある。事実婚だとか籍を入れないパターンもある。どっかの部族だったか村の掟でプロポーズを必ず受けなきゃいけないなんてのもあったし、結婚の有り方も様々だよな。結局、愛ってなんなんだろうな」
「一言で表すことは難しい。生き甲斐だとか思いやりだと言う輩もいれば、全くの未知数だと言う輩もいる」
「アンタにとっては?」
「愛とは個性だと考えている。愛があるからこそ個性は生まれる」
「個性か……」

 以前『愛の形は様々ある』と言っていたが、それが個性ということなのだろうか。

「生まれるって言えば、子供も愛の形だとか結晶とか言うよな。親子の関係性なんか家族ごとに違うし、国によって法律も様々ある。例えば――」

 ラーはアレッシュの話を肴に呑み楽しんでいる。たまに相槌を打ち、時には黙ってチーズや果物を摘まみながらワインを呑み干す。

「それで……って、大丈夫か?」
「んん……この国のは……度数が高そうだ」

 呑み慣れないワインだからか酔いが回るのが早くほろ酔い状態となっている。なんとなく眠そうでボーッとしている。

「もう寝るか?」
「こちらへ来い」

 ラーが座っているのは二人掛けで、ポンポンとソファを叩いている。すぐ横に座ると肩に腕を回し頭を乗せすり寄ってきた。

「アル……」
「うん? ……っておい!?」

 ラーの手がアレッシュの股関をまさぐっている。
 嫌なことはないが突然の行動に目を剥く。

「離れている間ここは慰めていたか?」
「な、何聞いてんだよ」
「シテないのか?」

 股関を触る手の動きは滑らかで、尚且つしっとりと濡れた髪やシャンプーの匂い、アルコールの香りで湿度を高く感じる。ラーの格好は伝統服ではなくホテルのバスローブであり、心なしかはだけ太股が露出している。そしてこんな話題だ。理性が崩れそうである。

「アンタはどうなんだよ」
「質問を返すな」
「ええええとおぉぉ……」

 なるべく考えないようにしたいところだがこの状況では無理な事。今日はスラックスで生地も薄い。勃ってきた。

「そりゃあ……、ムラムラしたらするだろ」
「何か想像したか?」
「……ノーコメント」
「黙秘権は無効とする」
「なんでだよ!?」
「ハハハハ、私が聞いているのだから答えるのが義務だろう」

 これはツッコまずにはいられない。ラーが愉快そうなのは良いことだが。

「なんだ、言っていたように適当な誰かを捕まえヤってきたか」
「しねえって!」
「ではどうなんだ」
「別に特別なことはしてねえよ。ただ単にシコって終わりだろ」

 じとぉーと細めた目で見つめられる。
 言いたくはないが促されているのも分かり冷や汗が滲んでくる。

「いや、だからな? だから…………んああ~~~~ああっ、アンタを想像してたよっ! これでいいか!?」
「ふんっ。始めからそう言えばいい」
「それならアンタはどうなんだ」
「男を久しぶりに試した」
「はあッ!?」

 驚きすぎてめちゃくちゃ声が出た。予想を斜め上にいった返答だった。

「だがいまいち盛り上がりに欠けたので途中でやめた」
「途中でって」
「気になるか?」

 意地の悪く妖しい笑みだ。こうして今まで多くの相手をオトしてきたのだろう。

「気になる」
「フッ、素直な子猫のようだな」
「なんだよそれ」
「こちらは猛獣のように猛っているがな」
「アンタが触ってるからお蔭でそりゃあもう元気だよ」

 ずっと下衣越しに股関を弄くり回されて、もう正直キツイ。形が分かる位にまでくっきり勃起している。話題がすんなり変わり聞けずじまいだが、今はそんなことを考えるより下半身の熱が気になり過ぎる。

「出してしごいていいぞ。私が見ていてやる」
「いやいや待て。それはおかしい。なんでアンタがいるのに一人でシコる必要があるんだよ」
「私が見ていて面白い」
「悪趣味だぜ……」

 何が悲しくて本人を前にして慰めなくてはならないのか。そういうプレイであるなら見てる側は楽しめるのかもしれないが。

「俺がしてるよりアンタがしてた方がプレイとしては成り立ちそうだけどよ」
「ん? う~ん……?」

 酔いが回ってきているのか頭が回らないようで少し考えている。

「……別に構わないが」
「え。マジ?」

 すかさず帯を解きバスローブの袷を捲る。下着は着用しておらず、無駄毛が生えていない綺麗な褐色肌と巨根が露になる。アレッシュの肩に頭を預けながらラーは柔らかい自身の性器を躊躇うことなく扱き出した。根元から先端にかけてゆったりと。
 アレッシュは隣で生唾を飲み込みながらその様子を眺めている。

 ――おお……マジでやってる。久々に見たがやっぱエロい身体してるな……。けどこれ、普通は恥ずかしがってる表情とかぎこちない動きを見て楽しむものだと思うんだよな……

 肩に頭を乗せられていてあまり動けず、扱く手の動きは見れるが表情はほとんど見れない。それによく思い出してみると、ラーは性交の最中に自分で扱くことがあるのでそこそこ見慣れた行動である。見慣れた行動だが情欲は物凄く掻き立てられる。
 酔っていて中々勃ちが悪いが暫く扱いていれば勃起してくる。それからラーはアレッシュの下衣の前を寛げ、怒張した性器を取り出し扱き出した。

「脈打っている、フフ……相変わらずのデカマラだな」
「アンタ今日はよく喋るよな」
「そうか? ……そうかもしれんな。お前と会えた喜びかもしれん」
「それは……そんなに嬉しかったってことなのか?」
「フハッ、お前の母国で偶然会えたんだ。お前は嬉しくないのか?」
「それは……スゲー驚いたし、…………っ、……嬉しかったよ」

 今日のラーはストレートに気持ちを伝えてくる。自分も素直な気持ちを返すことが妙に照れくさい。
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