Golden Spice

朝陽ヨル

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関係を持ち始めてから

二回目の誘い 三 (R18)

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「寝室へ行くぞ。ついてこい」 

 先程とは本当に機嫌がまるで違う。相当ストレスや不満が溜まっていたのだろうか。
 寝室に着き、部屋付きの警備員に夜の間は外せと命令をしておき、警備員がいなくなったことを確認してアレッシュを招き入れた。
 アレッシュは持ってきた荷物をテーブルの上に置きラーの前の席に座る。 

「そんなに鬱憤が溜まっていたんですか」
「そうだな。日頃の仕事疲れもあるが、お前とのまぐわいでいいようにされたのを思い出したら腹が立ってな」
「根に持ち過ぎでは……」
「ふんっ、やはりされるのは性に合わん」
「それはつまり、もう受け手はやめたということですか?」
「それはお前次第だな。こちらへ来い」 

 アレッシュは言われるがままラーの前にやって来た。
 すると何を思ってか、ラーはニヤリと笑って自身の下衣をペラッと捲り上げた。 

「これを見てどう思う」
「俺は何を見せられてるんですか……そりゃあ興奮するでしょ」
「変態だな」
「誰でも興奮するわけじゃないんですよ。アンタと関係を持ったからそっちに変換されんだよ。つーかそう言うアンタも十分変態の素質あるだろ」 

 口調が雑になりつつラーの前で跪く。手を伸ばし、ラーの下半身、下着を押し上げている性器に触れながら見上げて。 

「こんなはしたなくおっ勃ててどうしたんだ?」
「お前を蹴っていたら興奮した」
「正直だな。こんなエロいもん見せつけてどうして欲しいんだよ」
「言わないと動けないか? お前の判断で私を悦ばせてみせろ」
「言ったな? じゃあ俺の判断でどうにかしてやるさ」 

 互いに意味有り気な含み笑いをして、二人の頭の中でまぐわい開始のゴングが鳴った。
 アレッシュはただ触れていたのをしっかり包むようにして掴み、下着ごと上下に扱いていく。どういう反応を見せるかラーの顔をじっと見つめるが堂々としていて顔色ひとつ変わらない。規則的に動かしたり、力加減に緩急つけて変則的に動かしてみる。そうして見るみるうちに完全に勃起して窮屈そうになり、下着から陰茎だけをずらして露わにさせた。そして再び扱いていく。 

「どうだ?」
「まあまあだな」
「ふうん。じゃあ……」 

 顔を寄せ鈴口を口に含み、根本から扱き上げつつ口内でねぶる。
 びくっと反応を示しながらラーはアレッシュの髪を触ったり、頭を撫でたりしている。時々唾液を絡ませたりジュルッと吸い上げられると気持ちがいいのか吐息が漏れ、強く頭を掴んで腰が揺れる。
 口を離して改めてラーの顔を見てみると、薄っすらと紅潮して色めいているのが分かる。 

「気持ちいいだろ」
「……ああ。続けろ」 

 素直に肯定されるとアレッシュも気分が良い。ラーの色っぽい反応をもっと見ようと、左手は扱いて右手は手のひらを鈴口に被せて円を描くように回す。 

「ローションか潤滑油でもありゃあもっと滑りが良くなるんだが、唾液でもまあまあイイか」
「っ……」 

 くるくると手のひらが弱い刺激を与えて、根本は継続的に扱かれる。それとアレッシュにじっと見られており、今までさほど気にしなかった視線がやや気になっているようだ。
 暫く続き回転させていた手のひらを浮かせると、ツー……と粘性の透明の糸が引く。 

「ハハッカウパー出てるぜ。イきそうか?」
「まだだが……、咥えろ」
「はいはい」 

 余裕が無くなっているラーの様子を見ていると興奮する。性器を咥えると顔が見づらくなるが、こうしているだけでも十分滾ってくる。
 完勃ちしているラーの性器は大きく、咥えるだけでも中々難しいが成る丈深く咥えて動かしてやる。そうすると一層ラーの吐息、押し殺すような声が頭上に降ってくる。 

「っ!」 

 我慢が利かなくなったのか、ラーがアレッシュの頭を固定して自ら腰を振る。ただ加減はしているようで、浅い所でのみ動かしている。それを数分間行ってラーが腰を引こうとした。
 するとアレッシュはラーの腰を掴んで離そうとしない。 

「おい、アルッ離せ……射精すぞ……!」 

 ラーの言葉に耳を貸さずアレッシュは思うがままにしゃぶり続けて、低く呻いた後ラーは達した。
 そしてアレッシュは口内に射精された精液を難無く飲み込む。 

「お前……よくそんなモノ飲めるな……」
「床や服を汚すわけにはいかねえだろ?」 

 困惑しているような表情を浮かべるラーに対して、アレッシュはテーブルに置いてある持ってきていた水を飲んでいい笑顔を向けている。
 ラーは一旦椅子から離れベッド脇のサイドテーブルから円柱形の手のひらに収まる小さい容器を取り出して戻ってきた。 

「そこに座れ」
「ん? ああ」 

 近くの椅子に腰掛けると、ラーがアレッシュの下衣の前を開かせてそれから上に乗ってきた。そして腰を下ろしつつアレッシュの性器を後孔へ宛てがう。 

「まだ慣らしてねえだろ?」
「お前が来る前に慣らしておいた」
「マジか」 

 確かに入りそうな程解してあるのだが、ぐいぐいと押し当てても入らない。 

「……やはり無理か」 

 そこで持ってきた容器を開ける。 

「何だソレ」
「ボディクリームだ。さっきの水をよこせ」 

 水を渡すとボディクリームを手に取りそこに水を少量垂らして伸ばしていく。グチュグチュと揉んでいくと柔らかくなり粘度が増す。そのクリームを後孔とアレッシュの性器に塗りたくりそのまま腰を下ろした。 

「……ん……くっ」
「お、入った」
「……この感覚……やはり慣れん。が……お前は動くな。私が動く」
「まあいいけどよ」 

 初夜で散々好き勝手に動いたことをやはり根に持っているようだ。
 ラーのタイミングで腰が上下に動く。
 気持ちいいがゆっくりでもどかしい。しかしラー自ら動いているという光景は刺激的ではある。 

「アンタがそうやって一生懸命腰振ってんのエロくてイイな」
「私も中々イイぞ。自分のペースで動けるというのはな」 

 後ろに慣れてきたのかペースが早くなったり、わざと締め付けるような感覚を味わう。 

「ん……なんだ、コツ掴むの早くねえか?」
「ふんっ」 

 ーースゲードヤ顔してる。面白ぇ ~

 笑いそうになるのを堪え、ラーの尻を掴み支えてバランスを取ってやる。すると更に動きは加速し中の締め付けも良くなる。 

 ヤベ……結構クルなこれ。前回はゴム付けてたが今日は付けてねえし…… 

「…………疲れた」
「おっ?」 

 昂ぶってきたところでラーの動きが止まった。
 言葉の通り疲れたようだ。ダンスホールでの運動と一度射精したことで疲労が溜まったのだろう。
 首に腕を回し抱きついて、顔は肩に乗せて上体がもたれてくる。 

「満足したのか?」
「してはない。だが……少し休憩する」 

 挿入したままの座位で完勃ち状態の放置。アレッシュとしては動きたくて堪らないのだが、また根に持たれても厄介なのでここは我慢することにする。 

「下宿での暮らしはどうだ」
「そりゃあ快適なもんだ。女将もいい人だしな」
「私が用意した館より、下宿の方がお前には合っていたのか」
「人生の半分は軍育ちだからな。狭い暮らしに慣れてるだけで、豪華な館生活も楽しそうではあるよな」
「ふむ……。今日はお前が来ないかと思っていた。下宿の暮らしを楽しみ、こちらに来るのを拒むかもしれないと」
「アンタが来いって簡潔過ぎるメール送ってきたから何かと思ってヒヤヒヤしたぜ。もう少し要件だとかヤル前提の文面にして欲しいもんだ。そしたら他に準備してきたのによ」
「夜の呼び出しとはそういうものだろう」
「ええ……分かりにくっ」
「結果的にお前は来た。……だから、……まあ、嬉しかった」 

 いつになくポソッと小声で囁いた素直な言葉。普段からなんでも堂々と話すラーがやや照れた様子。
 アレッシュは顔を手で覆って天を仰ぐ。 

「ッハアァァ~~~~。…………マニス先に断っとく。ヤラせてくれ」
「あ? って、なっ!?」 

 ラーの体を押しつつアレッシュは椅子から立ち上がる。当然挿入したモノは抜けたのだが、後ろに回り込みラーの体に体重を乗せて椅子に掴まるように仕向けると、すかさず紐パンの片方の紐を解き後ろから一気に挿入した。 

「ン゛ンッ!? あ、阿呆がっ……! いき、なり……う、ぐっ!」
「ああ諸々後で聞くから今はこっちに集中させてくれ。気が狂いそうなんだよ」 

 ラーの腰を鷲掴みながらガツガツと激しく抽挿を繰り返す。あまりの激しさに長い時間は保たず膝がガクンと折れ椅子に乗った。
 ラーの膝や立ったままの体力を考えて中から引き抜き、抱えてベッドへ移動する。そして正常位で再び挿入が始まった。
 アレッシュもラーも余裕は無く、ただ押し寄せてくる快感の波を集中して受け入れている。ラーは左腕で口元を抑え、右手は耳脇のシーツをくしゃりと掴んでいる。汗でウェーブがかった黒髪が頬に張り付き、生理的に溢れてくる涙が目元に溜まり、そんな顔がアレッシュの情欲を更にかき立てる。 

「ハッ……スゲー……どエロい顔してんなマジで。もっとよく見せろよ」 

 左腕を掴んでどけると顔全体が露わになり、薄く開いた唇から吐息が漏れる。
 そんな姿にトキメキつつ、勃起しているラーの性器を握り扱き出した。ラーは睨め上げアレッシュの腕を掴むが止まる様子は無い。

「そこはっ……やらんでいいっ!」
「さっき見てねえんだから今度こそアンタのイキ顔見せろって」
「……んなもん見て、楽しいか」
「ああ楽しい。それに挿入してる時にイクと中が締まってスゲー気持ちいいしな」
「それは分かるが……っ、自分が……されるとは……」
「これも受け手の楽しみ方、だろっ!」
「あ゛ッ!?」 

 ゴリュッと強めに突き上げた箇所はラーの性感帯で、目を剥き声が漏れる。そこを限定して突くとぎゅうぎゅうと強く締め付けられる。

「やめ……っ……~~~~ッ」
「んっ…………くっ」 

 小刻みに震えながら声を押し殺し、二度目の射精を迎えた。
 そしてアレッシュも連続した締め付けに絞られるかのように中で果てた。





 二人共に賢者タイムで冷静になり、前回のように風呂で汗を流し、中出しした精液をかき出した。そうして寝室に戻ってくる。 

「ああ~~……着たままヤッちまった。これで普段のアンタ見て勃ったらどうすんだ」
「理性を保て阿呆」 

 アレッシュの下事情になど興味は無いラーは白い目を向けている。 

「全くお前というやつは……動くなと言っておいたにも関わらず勝手にズカズカと」
「だから先に断っといただろ」
「承諾した覚えは無い」
「あのままだったら生殺し……ま、まあ気持ち良かっただろ? 結果オーライってことにしておいてくれ」
「これでお前のみ善がっていたのなら出禁にしていたぞ」
「それじゃあ気持ち良かったと捉えていいんだな?」
「……まあな。気持ち良かった」
「……やっぱアンタは少し突っぱねてる方がいいな。あんまり素直だと国が傾きそうだ」
「どういう意味だ。私に対しての嫌味か?」
「はは、気にすんなよ。そうだ土産があったんだ」 

 あまり機嫌を損ねてしまうと渡せなくなりそうだと無理やり話題を変えた。テーブルに置いておいた荷物から取り出して物を渡す。
 受け取ったラーは怪訝な表情を浮かべている。 

「随分と変わったデザインだな」
「アンタの趣味に寄せてみたんだが外したか」 

 渡した物はナイトライトなのだが、デザインが不気味な顔が刻まれた月と、骨が露出したカラスが象られている。ライトの機能は月が光るようだ。そしてライト以外の機能として底に穴が空いており、お香立てにもなる設計になっている。 

「私の趣味ならばカラスはリアル寄りに羽を増やし極彩色にする」 

 ーー変な月の顔は良いのか……極彩色のカラス……もっと不気味じゃね? 

「あー……スーク寄ってなんとなく買ったもんだ。輸入品の特別高価なもんでもねえし、気に入らねえなら持って帰るからな」
「いや、今気に入った。お前からの贈り物という付加価値もあるしな。有り難く頂戴しておく。感謝するぞ」
「そりゃどうも」 

 薄っすら嬉しそうに微笑んでナイトライトを眺めているラーを見ていると、たまにはらしくない贈り物をしてみるのもいいかと思うアレッシュだった。
 数日後にラーの寝室を訪れるとサイドチェストの上にプレゼントしたナイトライトが置かれていたが、上から光沢塗料を塗り足したのかカラスの羽の色が見る角度によって黒に混じった青や紫、深緑や臙脂、金などに変化する仕様になっていた。
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