99%興味【打ち切り】

朝陽ヨル

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二章〈witnesssee〉~初めての嫉妬~

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「ちょっと待て……え……マジ、か……?」
「マジマジ」

 黙って有馬に連れて行かれるままだったが、自動で開閉する門扉を通ってから木々に囲まれた坂を上って行った先で足が止まる。

「ここって公園か?」
「庭だよ」
「庭ぁ!?」

 自動で開いたり閉まる扉なんて車庫くらいでしか見たことがなかった。高い塀と同じくらいの高さで、素材も高価そうな扉を通ってきた。その時点で少しおかしいとは思っていた。

「庭って……家の庭か!? なんかこう……家庭菜園とかやる花壇あったりとかそういう」
「一般的にはそうかもしれないね。さっ、行こっか」

 なんでもないように有馬が歩き出す。
 離れたらマズいことになりそうだと思い、普段ならあり得ないくらいぴったりと有馬にくっついてついていく。
 等間隔に整えられた芝生や街灯、歩きやすいタイル、車のタイヤの跡が残る砂利道が広く遠くまで続いてる。砂利道に沿って木々が並んでいて、今まで歩いてきた住宅街とはまるで別世界だ。庭だというのに家がどれだか分からない。遠目で車庫や倉庫のような建物があるのは分かるがどれもデカくて立派だ。

「チョコには話しておかないといけないことがたくさんあるんだけど、その前に真っ先に誤解を解かないといけないよな」
「な、なんでいるんだよ!?」

 進む先に誰かがいるとは思っていた。その誰かとはあのブロンド髪の女だった。ベンチに腰掛け、俺たちに気付くと立ち上がって数歩こちらに向かって来る。

「プリヴェット! 待ってたわよ」

 訳が分からず有馬を見ると、有馬は真剣な眼差しを向けてきた。

「チョコ、アーシャは従姉なんだ」
「従姉? …………あっ」

 有馬はハーフで父親はロシア人だと言っていた。従姉がこの外国人なのは納得がいく。そして身内ならここにいてもおかしいことではない。

「アナスタシアよ。よろしく」
「え? ああ……よろしく」

 名前アーシャじゃないのか? 

「誤解は解けた?」
「どうかなチョコ」
「どうって…………従姉だって恋人にはなれるだろ」
「アーシャは恋人ではないよ」
「でも学校まで会いに来てただろ。お前だって急いで会いに行ってたし」
「ロシアから日本に来たばかりだから、見知らぬ土地で女性が一人なんて不安にさせてしまうと思ったからだよ。しかも男子校で目立つし」

 それは尤もな理由だ。けれど納得いかないことはまだある。

「あんな連日来なくたっていいだろ」
「連日?」
「金曜は帰ったわ。アナタが忠告してくれたから。あの後一人でショッピングしたの」
「えっ……そうなのか」
「連日って、アーシャ金曜日も学校に来てたのかい?」
「そうよ。だってワタシもアナタもあんまり時間取れない、だからあの時間帯が一番丁度いいのよ」
「ああ、まあ……そうだね」

 有馬と話していたブロンド女が、今度は俺の方を向いてまじまじと見てくる。

「名前チョコっていうの? 日本人なのに変わった名前」
「いや、明路拓だけど」
「メージ……タク……拓ちゃんね。ワタシ、仕事で日本に来た。仕事以外の時間、日本のこと知りたい。勉強したい。買い物したい。続けて学校に会いに行ったのは時間を有効活用したかったから。従弟に頼んで同じ家住んでる。これでわかる?」
「お、おお……」

 美人ではあるがあんまりに近づいてくるものだから迫力があり、よく通る声ではっきりと一気に沢山の情報を話してきて、身体は怯んで思考も追いつかない。ただ分かったことは浮気ではなかったということだ。

「アーシャ、改めて紹介するよ。俺のパートナーの拓だよ」
「本当にパートナーなの?」
「もちろんさ。ねっ?」
「えっ……」

 何の打ち合わせも無く急に振られても困る。間違いではないのだが、ここで頷いて良い内容なのか判断しづらい。
 男同士だろ? それを従姉に言っていいのか? そもそも身内に恋人ですって言うのってスゲー恥ずいんだが……

「違うの?」
「いや……う、うーん……と……あー……」

 眼力の強いアナスタシアに見つめられ、ふよふよと視線が彷徨う。それから助けを求めて有馬に視線を送ると、真剣だった顔が和らいでいた。やんわりと包むような優しい微笑みを浮かべていて、そんな顔をされたら胸が高鳴ってきてしまう。

「今日チョコをここに連れてきたのはアーシャに紹介する為でもあったんだ。アーシャがデパートにいたこととか、チョコが誤解してたこととか、予定とちょっと違ってしまったけど、チョコにもアーシャにもちゃんと知ってほしかったんだ」
「んえっんんっ!?」

 手首を掴んで引っ張られ、背中に手が回されながら大胆にも唇にキスされた。快感と驚きが一瞬にして同時にやってくる。 

「ボージェ、モイ!」

 ロシア語か分からないがとにかく驚いていることだけは分かる。俺だって驚いてる。
 唇が離れると顔から火を吹きそうな程熱くなる。

「な、な、な……なにすんだこのバカッ!!」
「いいじゃないか恋人の証明ってやつだよ」

 手っ取り早く証明する為だとしても強引だ。すぐにでも殴ってやろうとへらへら笑っている有馬の胸ぐらを掴んだが、アナスタシアが大笑いしていてそんな気もやや削がれる。

「ハハハハッ! ははあ~……あ~……プリクラースナ! そんなに見せつけられたら信じるしかないわ!」
「ほら、信じてくれたって!」
「……チッ」

 舌打ちをして掴んだシャツを離した。

「まさかナマBLを見る日が来るなんて!」
「は? なんだって?」
「ボーイズラブ。男の子同士の恋愛ね。拓ちゃんは……やおい? セーニャみたいなバイ?」
「どっちも違ぇよッ!」

 やおいが何かは知らない。けれど男同士の恋愛という話題になればそういう意味だということは雰囲気で分かる。
 まだ全然話したこともない相手に怒鳴ってしまったが、有馬の身内というだけあって話の切り込み方が似ているように思える。

「じゃあセーニャを人として好きってことなのね。愛が深いわ」
「なんだそりゃ……」

 浮気と勘違いした挙げ句、その相手にキスシーンを見られるなんて恥ずかしさを通り越して頭が痛くなってきた。

「……なあ、その『セーニャ』ってなんだよ。それもあだ名なのか?」
「ええと……」

 有馬の言い淀んでいる様子に、俺とアナスタシアまでも首を傾げる。

「もしかしてロシア名知らないの?」
「なんだそれ」
「それについては後で話すよ! それよりこんなところで立ち話じゃなくて家に行こう!」
「そうね」

 慌てた様子の有馬に促されて家へと向かうことになった。

「うわ、スゲー……」

 庭だと言われた広い土地を歩いて行った先に着いたのは、ガラス張りのモノクロな家だった。

 俺の語彙力が貧困過ぎる。避暑地の別荘みたいな家だなとか、透けてて寒そうとか、そんなちっぽけな感想しか浮かんでこなかった。

「「お帰りなさいませ、有馬坊っちゃん、アナスタシア様、ご学友様」」

 扉を開けると、整列した人たちが声を揃えて頭を下げて出迎えされる。ドラマで観るパーティー会場のようだ。目の当たりした非日常に萎縮していたら、どこからか着信音が聞こえてきてそんな音でさえビクついてしまった。

「ワタシの」

 アナスタシアへの着信だった。電話に出て話していると、文句を言ったり渋っている様子だ。電話を切ると大きく溜め息を吐いた。

「急遽、仕事の打ち合わせだって。しょうがないから行ってくる。せっかく拓ちゃんと話せる機会だったのに……」
「これから仕事とか大変だな……機会なんざいつだって作れるだろうし、気をつけて行ってこいよ」

 残念がるアナスタシアが不憫に思えて自然とそんな言葉が出てきていた。ハッと気付くと周りから全員の視線を感じる。

「なんて優しいんだ……! そんな風に言われたら元気モリモリだよ!」
「全くだわ! ワタシ、仕事頑張れそう!」
「そ、そうか……」

 有馬とアナスタシアが大袈裟に感動していて、俺は顔を引きつらせながら笑った。

「じゃあまた今度話しましょ。ダフストレーチ!」
「ん? お、おう」

 手を振って出ていくアナスタシアに、何を言われたか分からないまま手を振り返してやった。
 アナスタシアの姿が見えなくなるとゲストルームに案内される。会談でもしそうな空間でそわそわと気持ちが落ち着かない。ソファに促されて言われるがまま腰掛けた。

「あれ、さっきのなんて言ってたんだ?」
「また会おうねってことさ。アーシャと仲良くなれそうで良かったよ」
「ああ、まあ……そうだな」

 有馬もテーブルを跨いだ前のソファに腰掛ける。
 ノックの音が聞こえて有馬が返事をすると、玄関で出迎えていた女性の一人がティーポットとカップ&ソーサー、ケーキを運んできた。テーブルにセッティングするとお辞儀をして颯爽と出ていった。

「家政婦ってやつか? 初めて見た。庭とか家も立派だし、お前坊っちゃんとか言われてたし、色々スゲーのな」
「引いた?」
「は? なんで」
「学校じゃフザケてるのに、実は金持ちの息子なんだよ」
「スゲーなとは思うけど、別に引くようなことじゃないだろ。金持ちっぽく振る舞ってる方が引くわ」
「そっか……なら良かったよ」

 張り詰めた表情をしていた有馬だが、安心したようで表情が緩む。有馬は時々センシティブなところがある。

「それよかさっき聞いたセーニャって方が気になる。ロシア名ってなんだ?」
「ロシアでの名前だよ。俺って二重国籍なんだ。ロシア名はアルセニー・ボリーソヴィチ・オルロフって言うんだ」
「二重ってこたぁ、日本人とロシア人どっちもってことなのか?」
「一応ね。高校卒業するくらいにはどっちにするか決めておけって言われてるんだ」
「へえ。それで、なんでセーニャって言うんだ? アルセニーだっけ? その名前じゃセーニャにはならねぇだろ」
「ツーカーみたいなもんさ。アルセニーと言えばセーニャ、アナスタシアと言えばアーシャって昔から決まってるんだよ」
「ふぅん……。そういや前に親しいヤツとは愛称で呼び合うとか言ってたよな?」
「うん。……あ。アーシャは家族だからだよ!? 親しいけどそれは家族だからであって、特別な感情があるわけじゃなくてっ」

 きっと俺がさっきまでアナスタシアを恋人だのと勘違いしていたからだろう。必死に弁明しようとしているのが面白い。
 もう違うと分かったからにはからかう余裕もある。

「あーまあ俺たちは日頃からあだ名で呼び合ってるわけじゃねぇしな。さほど親しい仲でもないのかもなー」
「十分親しい仲だよ! 俺はチョコって呼んでるし、チョコも常日頃からユウって呼んでくれてもいいんだよ!?」
「……それは嫌だな」

 恋人同士があだ名で呼び合うなんてバカップルみたいで嫌だ。想像するだけで鳥肌が立つ。外国ではそれが普通だというならこんなことで文化のギャップを感じる。

「アナスタシアにロシア名聞いた時、言いづらそうにしてたのはなんなんだよ? 言いたくなかったとかか?」
「そうじゃないよ。今チョコが言ったように、親しい人同士が愛称で呼び合ってるから、また誤解されてしまうんじゃないかと思って、それで言いづらくなってただけ。それと、ここは日本だからロシア名で呼ばれるのってちょっと抵抗があるんだよね。アーシャはそっちで慣れてるからいいんだけど」
「そういうもんか。じゃあ俺がアルセニーとかセーニャって呼ぶのは?」
「出来たら控えて欲しいかな。それより……」

 不自然に会話を切ってティーポットを持ち、カップへ注いでいる。トポポポと注がれる茶色い液体はきっと紅茶だろう。

「ミルクと砂糖はいるかい?」
「……じゃあ適度に」
「OK」

 シュガーポットから角砂糖一つと、たっぷりミルクの入ったクリーマーを傾けて注ぎ、スプーンでかき回した紅茶を渡される。一口飲むと、ペットボトルで飲む紅茶とは香りも味もエライ違いだ。

「うめぇな」
「ん、いい香りだね」
「……で?」
「……聞き流してくれてもいいんだよ?」
「気になるだろ」
「よく考えたら言わなくてもいいかもなーって」
「つべこべ言ってねぇで早く言え。言わねぇなら帰るぞ」
「うわあぁあああ! じゃあ言う! 言うから帰らないで!」

 散々大声を出したあと、仕切り直しと言わんばかりにコホンと咳払いをした。

「セーニャっていうのは家族だって友達だって呼ぶけどユウって誰にも呼ばれたことがない特別なあだ名なんだ。だからチョコにはセーニャじゃなくてユウって呼んで欲しいんだ」
「なんだそんなことか」
「そんなことって……」
「たまになら言ってやるよ、ユウ」
「ッ!!」

 有馬は分かりやすく照れている。赤面して視線を落とし、ケーキにフォークを刺して無言で食べ始めた。
 俺も続いてケーキを頬張る。ひんやりとしたレアチーズケーキが口の中で滑らかに溶ける。控えめな甘さが丁度良い。
 あだ名で呼ぶなんて恥ずかしさはあったものの、有馬に勝ったような気分で居心地が良い静かな数分間だった。
 食べ終わる頃には調子を取り戻していつものように喋り出す有馬。ズルいだのなんだのと。
 それから家の中を案内された。テラスルームかと思っていた場所はサンルームであるとか、書庫やコレクションルームなど。有馬の部屋は机と椅子、それにベッドがあるだけで俺の部屋よりも家具が少ない。本は書庫、勉強は他の部屋ですることが多いらしく、寝る為だけの部屋らしい。

「走って疲れただろう? 少し寝よう」
「お前のベッドで?」
「俺だってチョコのベッドで休ませてもらったことがあるからさ。どうぞ」

 寝転ぶ有馬の横にそっと寝転がる。自分のベッドとは比べるまでもない。ふんわりと柔らかく寝心地が良い。
 有馬が手を伸ばして顎から頬にかけて輪郭を確かめるみたく優しく触れてくる。

「今日はありがとう。買い物に付き合ってくれて。アーシャと会ってくれて。家に来てくれて。たくさん俺のことを知ってもらえたかな」
「そっ……だな……」

 触れられると気持ちが良く、微笑む有馬の顔と優しい声、ベッドのふんわりとした温かさに段々と意識が遠のいていく。そして俺は数時間、いつの間にか眠りについていた。
 起きた時は夕飯時で、だだっ広い食堂の十人は座れるテーブル席に案内され、話にあったボルシチをご馳走になった。
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