99%興味【改訂版】

朝陽ヨル

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二章〈ocean view〉~海で秘められし魅惑のTKB~

ニ 拓視点

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 ったく……修学旅行でも変態なのは変わらねぇか。つか変態度増してねぇか?

「泳ぐのはやめてビーチバレーしよう!」
「やめんのかよ」

 まあ泳ぎを教えるっつっても触れねぇし限度があるよな。

「つーかボール無いだろ?」
「あるよ。ほら」

 ポケットから萎んだビーチボールが出てきた。それを用意してるということは始めから泳ぐつもりは無かったんじゃないだろうか。空気を吹き入れると膨らみしっかりとボールの形になる。

「これでOKだね。はい、パース!」
「うぉ!? とと……」

 ボールが高く上がってこっちに飛んでくる。とっさに腕を伸ばすとギリギリ拳の先にボールが当たってなんとか弾いた。一応有馬の方にボールが飛んでいきキャッチされる。

「ふふっ、上手、上手」
「う、動きずれぇ……」
「海に来たって感じだろ?」

 沖縄はどこいった……
 まあ沖縄と言ったら海のイメージはあるが。それに昨日、一昨日で沖縄らしいところは結構行ってるし満喫はしてるか。三泊四日の修学旅行はあっという間に時間が過ぎていく。
 俺は泊まりの旅行なんて久々で、有馬が色々根回ししてくれていたらしくてクラスメートと被らないように沖縄体験を特別にセッティングしてくれたりとかなり楽しめている。
 俺たちの学校は生徒主体で行動することが多く、この修学旅行なんかは特定の生徒を中心に働いて成り立っている。
 有馬が学級委員長としてクラスの為に会合とかの集まりに参加して準備してたのは知ってるし、一日目も二日目も先導してたし、きっと他のヤツらより楽しめてないような気がするんだ。だから自由行動くらいはコイツも羽を伸ばせればいいと思う。そうじゃねぇと学級委員長って本当に損な役回りでしかない。
 ただ……学校の行事でプライベートでもないのに二人きりになって沖縄を楽しむってのはどうなんだ? クラスのヤツらと遊ぶと思ってたのにソイツらには送り出されるし。有馬と付き合ってるのを知られているのは凄く癪だと思っていたが、こういう時だけは悪くないと思える。正直こんな贅沢出来るのはまじで嬉しい

「もう一回行くよ! はい!」
「……ほら……よっ」
「おっととと……いいね!」

 何回かボールを打ち返すと少しは慣れてくるようだ。

「しかしこれってバレーなのか? 砂浜でやるイメージあんだけど」
「海でやるのも楽しいだろう? 砂浜だと足が熱いし、非日常感があるじゃないか」
「まあな」
「それにチョコは普段から運動してないだろう? 水の中なら浮力があって身体への負荷が減るからチョコでも遊びやすいかと思ってさ」
「あ~確かにそうかも」

 そんなことも考えてたのか。本当、コイツ俺のことばっか考えてるよな
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