99%興味【打ち切り】

朝陽ヨル

文字の大きさ
上 下
35 / 73
一章〈reason〉~本気の告白~

三(R18)

しおりを挟む
「じゃあとりあえず脱ごっか」
「……」

 物凄くイイ笑顔で軽く引く。
 なんだその顔。無駄にイイ顔しやがって
 脱ぐというより下の衣類を多少ずり下ろす必要はあるわけで、わかってはいたが人がいる目の前で下ろすなんて躊躇うに決まってる。
 有馬はチノパンで、ファスナーを下ろせば大体露出する。対して俺はジャージだ。割と下ろさないと出すモノが出せない。いっそ有馬の言うように脱いでしまった方が楽で汚すリスクも避けられるかもしれない。だが自分だけ脱いでるなんて恥ずかしいにも程がある。

「だったらお前も脱げよ」
「うん。汚しちゃ悪いしそのつもりだよ」
「……そうか」

 自分だけこんなに緊張しているのはどうしてだろう。どうして有馬はこんな活き活きしてるのか。悔しい気持ちを抱えながら、有馬が脱ぐのと一緒に自分もジャージと下着を脱いで床に放った。

「チョコ……! なんてことだ……!」
「な、なんだよ……」

 真っ先に俺の下半身を見ては目を輝かせている。そして何故か手を合わせて拝んでいる。意味が分からない。

「俺よりも自慰をしている回数が多いであろうチョコのチョコがピンと真っ直ぐ真上を向いているなんて! 右利きだろう? 右に曲がるか、右手に何か見ながら左でシてたら左に曲がるかどっちかに曲がってるかと思いきや、真っ直ぐまるで御身体のように……尊い……! チョコの御身体尊い……ありがとうございます!」
「またわけの分からねぇことを……」
「それにやっと解放されたことで汗のニオイとこの独特な男のニオイがいいね! 沢山感じてくれてたのかな、汗ばんでるのと先っぽから透明のぬるぬるした液体がてらてら光ってて」

 口が止まらない有馬の頭を軽く叩いてやった。

「いつまでもバカみたいにアホみたいなこと言ってんなよ。つうか一緒にヌくってどうすんだよ」
「それはもちろん一緒にするんだよ」
「っ!」

 近づいてきて、有馬の圧倒的にデカイ性器を俺のにくっつけてきた。自分のを持って上下左右に振って撫で付けてくる。

「なっに、遊んで……っ」
「前戯だよ。それにチョコのも嬉しそうだよ?」

 俺の意識とは関係なく、触れられれば感じてしまって性器が勝手に上下に揺れる。他人の性器を撫で付けられるなんて嫌なはずなのに、今まで見たことがない、されたことの無い感覚で余計に興奮してしまうのかもしれない。それとも相手が有馬だからなのか。

「じゃあそろそろやろっか」

 有馬の性器と俺の性器がぴったりくっついて、有馬の手が二つの勃起したソレ等を握り込む。

「やっ、あ、ま、待てっ」
「ダメ、待てないよ」

 腰を引いたが握ってない方の手が尻に回って掴まれる。尻を撫で揉まれて、前は扱かれている。直接的で強過ぎる快感に頭が真っ白になってくる。

「や、やぁっ、あぁっ!」

 あまりにも強い快感に呆気なく欲を吐き出した。有馬の手、性器には白く濁った液体が付着してそれを物語っていた。

「少ししか触ってないのに、本当に敏感なんだな」

 あまりの早さにあっけらかんとしている有馬。
 もう足が震えてきて前かがみになり有馬のシャツを掴みながら顔を上げては睨みつけて。

「俺の身体をナメんなよ……っ」

 そう文句を垂れると、有馬は口端を上げて頬に口づけてきた。

「可愛いよ」
「っ……! かっ、可愛いわけあるかッ!」

 こんなこと、ただ聞き流せばいいのにカッとなってつっかかってしまう。男が可愛いなんてあるわけがない。そもそも早漏が可愛いと言われて嬉しいはずがない。

「あー……もう俺、やめる……立ってらんねぇ」

 こんな一回イッただけで腰が抜けてしまうなんて情けない。
 わかんねぇけど、なんか、一人でしてる時よりも感度が増してる気がする……緊張のせいか……?

「ああ、じゃあ座ろう。俺に跨って」
「え」

 有馬の胸を借りてる状態である以上なす術もない。その場で有馬が足を伸ばして座り、俺は太腿辺りに乗る。床に両膝をついて、有馬の両肩に手を置いて跨っている状態になる。
 なんだこの体勢……

「これ、すげぇ嫌だ……」
「俺はすっごくいいよ。チョコの顔がよく見えるから」

 だから嫌だ。抱き合ってると互いの顔は見えないし、キスしてる時は目を瞑っていて殆どそれどころではない。けどこの体勢はなんだ。顔も身体も見られてる感覚が強い。膝を床について跨っているので直ぐに立つことも難しい。強いて言えば相手のこともよく見えるのは利点かもしれない。

「チョコのお尻の感触も気持ちいいし、なんて素晴らしい眺めなんだ! 凄く興奮するよ!」
「ああそうかよっ」

 有馬が俺を見ながら自分のを規則的に擦り上げている。荒い息を吐きながら段々余裕が無くなっていく。澄ましたような整った顔が次第に快感で歪んでいく。
 最近の俺はおかしい。屋上で有馬のを手伝った時も、今も、有馬の気持ち良さそうにしてる顔を見てるのは嫌じゃない。弱点を知れたとはまた違うけれど、普段と違う一面を見ている優越感というのか、とても気分が良いのは確かだ。あの時は有馬が鼻血を出して慌ててそれどころではなかったが、今なら分かる。俺はまた興奮している。尻が太腿に触れてて、揺れる振動で感じてしまっているのかもしれない。だがそれを抜きにしても反応するのが速い。また俺のモノは勃起している。

「はぁっ、はぁっ……チョコのも、また、勃ってるね……一緒に擦ろうか」
「ん、ああ……っ」

 腰を引いて性器の位置を調整し重ね合わせる。有馬の手と俺の手が二つを包み込み、同時に扱いていく。

「はっ、はあ、すごいっ、チョコの、すっごく硬くなってるよっ」
「そりゃっ、はぁ、勃ったら、硬くなんだろっ」
「さっきよりも硬い気がする」

 そうなのか……?
 そんなことを意識したことはない。だが言われてみれば確かに硬いような気もする。感度が増して硬度も増した。この変化は明らかに今日起こっている。もしかしたら、有馬を好きだと自覚したからなのかもしれない。

「気持ちイイ……チョコの手、すっごくイイよっ」
「そらぁ、よか、ったな……っ」

 こんな行為はただの処理でしかなくて、気持ちがいいとかそんな感情よりも苦しさの方が強かった。辛いことの方が多かった。でも今は純粋に気持ちがいい。
 自分の手と有馬の手が同時に扱き上げていく。自分が有馬の太腿に座っている分、高くなっている為、腰を引いて先を擦り付けてみたり、有馬のをつついてみたり、段々快感に忠実になっていく。そして互いの性器が一際膨れ上がる。

「んっ、くっ……イくよっ!」
「っ……俺、も……!」

 有馬が先に射精し、それに呼応するみたく俺もイッた。せっかく下を脱いだのに、二人の白濁は床やシャツに飛ばされてしまった。そんなのはお構いなしに、引き寄せて抱きしめてきた。肩に額を押し付けてきて長く息を吐いている。
 俺もそっと有馬の背中に腕を回した。

「っはぁ……、はぁー……気持ち良かった……」
「ん……俺も……良かった」

 素直な感想を述べるのは、ちょっとした感謝の気持ちも含まれる。こんな面倒な体質を持った自分を好きだと言ってくれたことや、ただの処理行為を気持ち良くしてくれたこと。
 まだ自覚したばかりだが、有馬のことが好きで、好きな相手が、ちゃんと恋人ができたのだと思うと胸が温かくなる。恥ずかしいけれど今は嬉しい気持ちの方が上だ。
 回した手で背中をポンポンと軽く叩いたり、撫でたりしてやる。

「チョコ……」
「ん?」
「チョコが抱きしめてくれるなんて感動して俺また勃っちゃったよ」
「……そう、だな」

 開け透けなもの言いに苦笑する。股間に有馬のソレがぶつかってくるのだから間違いない。

「……挿れちゃいたいくらいだよ」
「それは……っ」
「わかってる。何も準備してないし、チョコの心の準備も出来てないだろ? だからまた今度」

 強引で結果を急ぐ有馬がここにきて成長を見せている。
 挿れるってどこに? なんて聞きたいような聞きたくないような。きっと男同士でもそういうことはするのだろうと考えはしていたが、あまりにも想像力が足らない。男女のセックスも曖昧な知識なのに男同士なんて未知数だ。でもこれからは知っていかないといけないことなのだと思うと焦る。

「まずはチョコと一歩前進出来たことを喜ばないとね」

 肩から額を離して顔を見合わせる。それからにっこりとキラキラ笑顔を向けてきた。その笑顔を見たら、これからの不安も少しだけ緩和されたような気になる。

「ああ、そうだな」

 これからコイツと少しずつ、触れたり、触れられたり、勉強したり、遊びに行ったり、色んなことに慣れていきたい。変態だけどキラキラした顔面で、天然でおかしくて、そんなコイツをもっと知っていけたらいい。
 悠長に和んでいたら、下半身丸出しで冷えたのか二人してくしゃみをする。それからティッシュで散らばった白濁を二人で掃除することにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)

藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!? 手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!

天国地獄闇鍋番外編集

田原摩耶
BL
自創作BL小説『天国か地獄』の番外編短編集になります。 ネタバレ、if、地雷、ジャンルごちゃ混ぜになってるので本編読んだ方向けです。 本編よりも平和でわちゃわちゃしてちゃんとラブしてたりしてなかったりします。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する

清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。 たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。 神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。 悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。

ガテンの処理事情

BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。 ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

処理中です...