99%興味【打ち切り】

朝陽ヨル

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一章〈sports〉~仲直りのお手伝い~

五 拓視点

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 怖いと思ったのは事実だ。力が入らなくて、有馬に迫られて、抵抗出来ずにキス以上のことをされるがまま。それをされてたら嫌悪感が強くなっただろう。身体の相性を確かめるとか急にブッ飛んだことを言ってきたが、実際は探り探りのキスだけだった。不安そうな顔で確かめてきて、気遣われてるなって思えて、それがすごく安心に繋がった。それで気が緩んで、キスしたくなったんだ。
 キスしたくなった。前の出来心とは違う、もっと温かい感情が別にある。

「なあ、ちょっと……離れねぇか」
「今は……うん。離れないと駄目、かもな」

 男の生理現象だコレは。敏感な俺は当然の如くそうなってしまっている。
 そして有馬の場合は何でそこまでそうなってしまったのか分からないが、抱きしめられてる時にビビるくらい主張してて俺は気が遠くなった。互いに一歩離れて見れば確信するしかない。
 喧嘩した日もコイツ勃ってたよな……あの時はよく分からなかった……というよりあんまり見なかったから気にしてなかったけど……
 体育の授業を抜け出してきた有馬は当然服装は体操着だ。上はジャージだが下はハーフパンツ。柔らかい素材だからなのか制服の時よりも明らかに主張が激しい。

「えっと…………どうしよっか、コレ」
「……こんなんじゃ授業戻れねぇだろ。ちっと大人しくしてるか、便所行ってヌいてくるかじゃねぇの」
「そ、そうだよな!」

 ハハハとわざとらしく笑っている。これは照れているのだろうか。

「俺はここで少し風に当たってる」
「そうか? じゃあ俺はちょっと行ってこようかな。それともヌき合いっこするかい?」
「!? そ、その動きやめろっ!」

 利き手で包んで上下させる動きをしていてリアルに想像してしまう。
 コイツもそういうことするってことだよな? 
 この時、何故か俺の頭の中では珍しく好奇心が働いていた。自慰をしている時は必ず隙ができる。普段と違う顔が見られる。俺ばかり感じて恥ずかしい声を聞かれているから、今度は有馬の恥ずかしい声を出させてやりたい。そしてその主張大なブツがどんなもんなのか少しだけ見てみたい欲もある

「……俺は……いい。でも……」
「でも?」

 この時の俺はどうかしていた。どうにかしてコイツの弱点を知りたいだとか、俺ばかりでズルい、見返してやりたい。そんな気持ちが先行していた。おかしいくらい興奮していて、だからもっと冷静になっていればこんなことを言い出さなかったハズだ。俺からこんなことを言うなんて。

「…………キス以上のこと、少しだけ進んでみるか?」
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