17 / 73
一章〈eccentric〉~声に出さなきゃ伝わらない事だってある~
二 有馬視点
しおりを挟む
廊下を歩きながら考え事をしている。考え事というか、恋焦がれていた。
かわいい。あの時、放課後。チョコとまともに顔を合わせて話した……あの時そう思った。一目惚れだった。実際同じクラスだから何度も顔は見たことあるから一目惚れとは違うんだけど、あの時、確かに恋に落ちたんだ。
丸い瞳とか、不機嫌そうに吊り上がった短眉とか。ツンツンな髪と態度も。少し高めな声も。何もかもが可愛く思えた。
俺はもうお前にメロメロさ。あぁ……、あの時声を掛けて本当に良かったよ。たとえお前に嫌われていたって。片想いな一方通行だって。俺はお前が……好き。好きだから離れた。俺といると、きっとお前はまた恥ずかしい思いをすると思う。俺は目立つの好きだしさ。それにもっと触りたいって思うから。好きなんだから当然な感情だよな? 触りたい。触りたい。本当はもっと、たくさん触っていたい。抱きしめたい。キスもしたい。……離れたくない。体質はあの時……いや、もっと前から知っていた。チョコのウィークポインツは全身で分からない方がおかしい。知っていたけど、今まで興味が湧かなかったんだ。いつも一人でいたから関わって欲しくないんだろうって思って、あえて避けてた。でもあの時、偶然教室に二人っきりで、偶然ふっと興味が湧いて、それで運命的な出会いを果たした。声をかけるタイミングって大事なんだな。あぁ……でもなんでもっと早くにチョコのかわいさに気づかなかったんだろ? あんなにカワイイのに! 体質なんて気にしないでぎゅうってしてしまおうかとかも考えたんだよ。文句言ったって、暴れたって、かまわず抱きしめようって。……でもダメだった。そんなことをしたら本当に嫌われてしまうって分かっていたからね。みんなにバラすのも……公開プレイもダメだって分かった。チョコはスッゴく照れ屋で恥ずかしがりだ。大仏の前での出来事でさえ、あれくらいのことで物凄く傷ついた顔をしていた。……もっと知りたい、もっと知ることが出来たらチョコを傷つけずに済む。離れて……本当は離れたくないけど、今は様子を見よう。慌てることなんかないハズだ
「あ……チョコ。戻ってきたんだ」
教室に入っていったのは確かにチョコの後ろ姿だった。いつの間にかクラスからいなくなっていたから心配した。
今まで関わってこなかった間、チョコはああしていつの間にか姿を消していて、きっと誰とも関わらないように怯えて過ごしていたんだと思う。遠くからでも見守っていたい。心配するくらいは許されるだろうか……
かわいい。あの時、放課後。チョコとまともに顔を合わせて話した……あの時そう思った。一目惚れだった。実際同じクラスだから何度も顔は見たことあるから一目惚れとは違うんだけど、あの時、確かに恋に落ちたんだ。
丸い瞳とか、不機嫌そうに吊り上がった短眉とか。ツンツンな髪と態度も。少し高めな声も。何もかもが可愛く思えた。
俺はもうお前にメロメロさ。あぁ……、あの時声を掛けて本当に良かったよ。たとえお前に嫌われていたって。片想いな一方通行だって。俺はお前が……好き。好きだから離れた。俺といると、きっとお前はまた恥ずかしい思いをすると思う。俺は目立つの好きだしさ。それにもっと触りたいって思うから。好きなんだから当然な感情だよな? 触りたい。触りたい。本当はもっと、たくさん触っていたい。抱きしめたい。キスもしたい。……離れたくない。体質はあの時……いや、もっと前から知っていた。チョコのウィークポインツは全身で分からない方がおかしい。知っていたけど、今まで興味が湧かなかったんだ。いつも一人でいたから関わって欲しくないんだろうって思って、あえて避けてた。でもあの時、偶然教室に二人っきりで、偶然ふっと興味が湧いて、それで運命的な出会いを果たした。声をかけるタイミングって大事なんだな。あぁ……でもなんでもっと早くにチョコのかわいさに気づかなかったんだろ? あんなにカワイイのに! 体質なんて気にしないでぎゅうってしてしまおうかとかも考えたんだよ。文句言ったって、暴れたって、かまわず抱きしめようって。……でもダメだった。そんなことをしたら本当に嫌われてしまうって分かっていたからね。みんなにバラすのも……公開プレイもダメだって分かった。チョコはスッゴく照れ屋で恥ずかしがりだ。大仏の前での出来事でさえ、あれくらいのことで物凄く傷ついた顔をしていた。……もっと知りたい、もっと知ることが出来たらチョコを傷つけずに済む。離れて……本当は離れたくないけど、今は様子を見よう。慌てることなんかないハズだ
「あ……チョコ。戻ってきたんだ」
教室に入っていったのは確かにチョコの後ろ姿だった。いつの間にかクラスからいなくなっていたから心配した。
今まで関わってこなかった間、チョコはああしていつの間にか姿を消していて、きっと誰とも関わらないように怯えて過ごしていたんだと思う。遠くからでも見守っていたい。心配するくらいは許されるだろうか……
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?


ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる