癒やしは囁きと共に

朝陽ヨル

文字の大きさ
上 下
19 / 26
付き合ってから

蟠り 四

しおりを挟む
 諸々の手続きでバタバタと忙しく、落ち着いてきたのは引っ越してから一週間が経った頃。
 十五時が過ぎてChirpは休憩時間となった。ローランは従業員ではないが、従業員全員と顔見知りで仁の恋人ということもあり、特別に営業時間ではない時間帯は店内に入って過ごしている。
 
「ローラン、勉強捗ってるか?」
「まあまあかな。よく使う接客用語は覚えられたけど発音が難しい」
「だよなぁ。オレも覚えるのスゲー苦労した」

 ローランは日本に来て新しい仕事に勤めることになった。レストランのウェイターで今までで一番定番な仕事だろう。求人要項で外国語が話せる点が重要視され応募して受かったのだ。外国人を接客することが多いと予想されるが、基本は日本語で接客することになっている。接客業の先輩であるChirpの従業員に、休憩時間に手本を見せてもらったり、聞いてもらったりしている。

「じゃあなんか言ってみろ」
「ええと……カシ、コマリ……マシタ、イラシャイマセ?」
「かしこまりました、いらっしゃいませ、だな。……あー……こうした方がいいってのはよくわかんねえからアルに聞いてくれ。教えるの上手いし、あいつハーフだしな」
「クォーターって言ってましたよ」
「あ? そうだったか」

 仁がハーフでもクォーターでもどちらでもいいのだろう。随分と淡白な返しをして笑った。

「そういえば、最近店で変わったことあります?」
「変わったこと?」

 グルはほんの少し考えたがすぐに「無いな」と答える。

「なんでそんなこと気にするんだ?」
「それはやっぱりあの掲示板のことが気になるし」
「掲示板?」

 ――あれ……もしかしてグルさん、あのウェブ掲示板のこと知らない……? 仁さん話してないのかな

「し、知らないなら別に気にしなくていいっス」
「待て待て、そう言われたら気になるだろ」
「……ですよね」

 引き返せなくなったローランは正直に例の掲示板をグルへ見せた。それを見てみるみる内に険しい表情となっていく。

「……おい、これはなんの冗談だ」
「わからないんスよ。多分、俺の元カレの仕業じゃないかって話してて。でも仁さんは決まったわけじゃないから様子見ようって言ってて、だから何か変わったことないか気になって」
「チッ……またアイツかよ」
「また……?」
「お前の元カレ、前にここに来たんだよ。それでお前と別れろって言ってきた」
「え……仁さんそんなこと言ってなかった」

 ――どうして教えてくれなかったんだろう…… 

「投稿は秋か。……成る程な」
「何かわかったんスか」
「秋ぐらいまではそこそこ新規の客が増えてたんだ。だが冬になって新規の客が予想よりも来なかった。冬の新作メニューなんかも出してたんだが売れ行きがよくなくてよ。常連は来てくれてたんだが……」
「少しずつお客さん増えてましたもんね。冬ならケーキとか食べに来そうなもんだけど」
「だよな」
「「ただいま」」

 買い出しに出ていた仁とコクが帰ってきた。するとローランとグルが一斉に仁の顔を見る。

「どうしたの二人とも」
「お前はコレ知ってたのかよ」

 グルは掲示板画面を突き出した。
 それを確認した仁は困った顔をしている。

「……知ってたよ」
「仁さん、俺の元カレがここに来たっていうのは」
「来たよ。すぐに別れてって言われた」
「本当なんだ……。じゃあやっぱり、その掲示板の犯人は威暗イアンさんってことで決定したも同然っスよね!?」
「そうだよな! スゲー色々書いてあるし営業妨害だとか名誉毀損で訴えられるだろ!」
「ちょ、ちょっと待って! グルはそうやってすぐに騒ぎ立てるから言わなかったんだよ」
「あァ? なんだと」

 グルの表情からは明らかに苛立ちが見て取れる。元々厳つめの顔立ちをしていて、初見の人なら大体怖がられるだろう。しかし仁が怯むことはなく話し続ける。

「事を荒立たせたくないんだよ。もっと変な噂が広まったらバイトの子たち怖がっちゃうだろうし」
「もう広まってんだろ! こんなサイトに書かれてんだ。ネットってのはすぐに拡散されんだよ。そのせいで最近、新規客が少ないんだろうが!」
「客足の減りはたまたまだと思うんだ。十一月くらいまではハロウィンフェアで盛況だったし」
「けど冬は客少ねぇだろ」
「冬と言っても十二月は師走と言ってみんな忙しい時期だし、クリスマスケーキならケーキ屋さんで買うだろうからわざわざカフェで食べることは少ないと思うよ。それに今はまだ一月で、二月にはバレンタインデーもあるから客足に関してはそれまで待ってみてもいいんじゃないかな」
「二月までコレ放置するのかよ! こんな好き勝手書かれてよ!」
「何か行動を起こすには早すぎるってことだよ。それに書かれてることが全てでたらめってわけじゃなさそうだしね」
「オレの料理の味が普通って言いてぇのか!」
「そこじゃなくて、盛り付け方が雑な時あるだろ? 僕もカウンター席のお客さんと話してることが多いし。こんな形ではあったけど、まずはお客さんの意見として改めて見直すべき課題はあるよ」

 仁とグルの言い合いをオロオロとしながら見守るローランと、落ち着いているが表情からは心中穏やかではなさそうな鵠。
 グルが仁に掴みかかると、二人は一斉に声を上げた。

「グル!」
「グルさん!」
「呑気なこと言ってんじゃねぇよッ! 行動するのに早いとかねぇ! 盛り付けをキレイにだとか品評会じゃあるまいし、腹に入っちまえば同じだろ! そういう理詰めみてぇな言い方が腹立つんだよ! お前は昔からトロいよな。小綺麗に飾って逆にパフォーマンス力落ちてるのわかんねぇのかよ!」
「……グルみたいに雑にしたくないだけだよ。包丁の入れ方で味は変わるし、見た目で喜んでくれる人もたくさんいるんだよ」
「チッ……、このヤロォッ!!」
「いっ……ッ!」
「仁さんッ!!」

 グルが仁を殴り飛ばした。壁にぶつかりそのまま壁にもたれている。食器等が落ちなかったことが幸いだった。
 ローランは仁に寄り、ぶつかった頭や肩を見て怪我がないか確認する。

「お前は殴ってこないのかよ」
「……僕はケンカが嫌いだよ」
「丸く収まりやがって」
「そうやってすぐカッとなるのはグルの悪いところだ」
「男なら拳で語れってんだよ!」
「その考えには賛成できない」
「やめろっ!」

 鵠がグルの身体にしがみつく。身長は十センチ以上差があり、細く力の弱い鵠では止められそうにない。ローランもグルと仁の間に立ち塞がる。

「グルさん、これ以上続けるなら俺が相手します」
「……」

 鵠にはしがみつかれ、ローランには睨まれ、頭に血が上っていたグルもたじろぎ冷静さが戻ってくる。

「……っ……これ以上はしねぇよっ。おらっ、鵠離せ」
「離したらまた殴りにいく」
「しねぇって!」
「グル、信用ならない」
「信頼度低いな!?」
「殴る人最低」
「~~~~っああああーーっ、悪かったな!」
「声大きい。うるさい。謝るのは店長にして」
「……コイツには謝らねぇ! 一服してくる!」

 そう言ってグルは奥の勝手口から出ていった。

「仁さん大丈夫スか……血は出てなさそうだけど病院行きますか?」
「あはは、大丈夫だよ。鵠、氷嚢もらえるかな」
「ん」

 手早く氷嚢を作って渡すと、バンダナを取って頭に直接氷嚢を触れさせた。

「ごめんなさい、殴られる前に俺が止めてればよかった……殴るとは思ってなくて」
「僕も殴られると思ってなかったよ。久々に殴られた」
「殴られたことあるんスか!?」
「うん。幼馴染みだし、付き合い長いから」
「そういう時って仁さんもやり返したりしてたんスか?」
「子供の時はね。でも力が強くて、自分が思ってたよりも怪我させちゃった時があったんだ。それからケンカはしたくなくて」
「そうだったんスか……」

 泣きそうな切ない表情で仁の手を握る。

「仁さんには人を傷つけてほしくない。仁さんの手は、みんなに美味しいコーヒー淹れたり、笑顔になれる料理を作ってほしいっス」
「ローランくん……」

 ほんの数秒見つめ合うが、じっと鵠にも見つめられて恥ずかしくなってローランが手を離した。

「ローラン。さっき言ってた掲示板見せて」
「あ、ああ、いいけど」

 例のウェブ掲示板の画面を鵠に見せる。画面を暫く見た鵠はほとんど顔色を変えず、ただ溜め息を吐いた。

「このサイト知ってる。簡単に掲示板作れるサイト。暇潰しに良いって流行ってる。中国限定で」
「なんでそんなこと知ってるんだ?」
「俺、中国のハーフ」
「マジ!?」
「中国国内でしか流行ってないから、見るのは中国人がほとんど。URLを教えないと他の人に見せられない秘匿性の高いやつ」

 鵠が中国のハーフだという事実も驚きだが、それ以上にサイトの全貌がこんなにも簡単に分かることの方が驚きが大きい。

「あと投稿が変。Chirpの書き込みには海外の人も書かれてるけど、他店の書き込みには全部匿名。投稿日時もほぼ同じ。明らかにChirpを標的にしてる悪戯」
「い、イタズラ……?」
「色んな国の人が書き込みしたように見せてるやらせってこと」
「やっぱりそう思うよね」
「えっ、仁さんも分かってたんスか?」
「中国で流行ってるのは知らなかったけど、投稿が妙だなとは。鵠の話が本当なら、この投稿は日本国内には全然広まってないことになるよね」
「じゃあお客さんが減ってたのはやっぱりただの偶然……。あっ、グルさんにも教えないと!」
「いいよ。僕が後で話しておくから」
「でもまたケンカになりませんか……?」
「グルは話せば分かるから。ケンカとか小さな争いは対話を諦めたら起こるものだから、僕はなるべく話し合いで解決したいんだ」
「大人な対応だ……!」
「ねえ、さっきイアンって言った?」
「ああ、元カレのこと?」
「そう。そのイアンって名前も聞いたことある。同名かもしれないけど、金持ちの御曹司って有名」
「うわ……それは当たってるかもしれない。別荘とか、高い店貸し切りにしてることあったから」
「変なのと関わってる噂もある。気をつけて」
「わかった。色々教えてくれてありがとう」

 鵠は頷き、買ってきた物をバックヤードへ運びにいった。
 残ったローランは仁に問いかける。自分の中でモヤモヤとしていることを。

「聞いてもいいスか。どうして威暗さんが来たことを教えてくれなかったんスか。教えてもらってても何もできなかったけど」
「それは……不安になってほしくなかったから」
「不安?」
「帰国して遠距離になって、遠距離恋愛って相手に何かあってもすぐに駆けつけられないから。それにキミは新生活の準備をしていた。そんな不安でいっぱいの時に元カレさんが僕に会いに来たって言ったら、早くどうにかしないとって焦ると思ったから」
「それは……掲示板見た時も思いました。俺には何が出来るんだろうって色々考えてました」
「もしかしたら一人で元カレさんに会いにいって説得しに行くんじゃないかって。だから言わなければ少しは不安にならないかと思ったんだけど……秘密にしてた方が不安にさせちゃったか
な」
「俺……単純だから、さっきみたいに威暗さんが犯人だ! って騒いだかもしれない。それこそグルさんみたいに怒ってたかも。何も出来ないのに……。でもやっぱり、情報があった方が出来ることがあるかもって安心します」
「そっか。黙っててごめんね」
「いえ! サイトとかネット詳しくないのに、わからないことでも冷静になって判断して、それで掲示板の投稿がおかしいって答えを導き出してて、お客さんが減ってることも、投稿の内容も受け入れてて、ちゃんと店のことを考えてる。そういうところやっぱり仁さんはカッコイイっス」
「……」
「仁さん? ……うわわっ!?」

 急に抱きしめられる。嬉しいがカフェ内で大胆な行動が恥ずかしくてやたらとドキドキしてしまう。手を背中にそっと回して衣服を摘まんでいる。

「うあっ、あの、どど、どうしたんスか……?」
「ううん。ローランくんがここにいるんだなって嬉しくなったから」
「ええ? それはどういう……?」
「真っ直ぐでいてくれるキミが好きだよ」

 抱きしめられながら耳元で言われると、顔中が沸騰したように暑くなってくる。そして離れて満足そうな笑顔を見たら更に鼓動がうるさい。

「さあ、休憩時間だからお昼食べよう。ローランくんは昼食済んでる?」
「……こ……小腹が空いたくらい……」
「じゃあ一緒に買ってきたもの摘まもう」

 二人は一緒にバックヤードへ行き、先に食べている鵠と合流する。ローランは暫く緊張していて摘まんだ菓子の味があやふやだった。
 少し時間が経って気まずそうなグルも合流し、話し合いながら昼食をとった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ポケットのなかの空

三尾
BL
【ある朝、突然、目が見えなくなっていたらどうするだろう?】 大手電機メーカーに勤めるエンジニアの響野(ひびの)は、ある日、原因不明の失明状態で目を覚ました。 取るものも取りあえず向かった病院で、彼は中学時代に同級生だった水元(みずもと)と再会する。 十一年前、響野や友人たちに何も告げることなく転校していった水元は、複雑な家庭の事情を抱えていた。 目の不自由な響野を見かねてサポートを申し出てくれた水元とすごすうちに、友情だけではない感情を抱く響野だが、勇気を出して想いを伝えても「その感情は一時的なもの」と否定されてしまい……? 重い過去を持つ一途な攻め × 不幸に抗(あらが)う男前な受けのお話。 *-‥-‥-‥-‥-‥-‥-‥-* ・性描写のある回には「※」マークが付きます。 ・水元視点の番外編もあり。 *-‥-‥-‥-‥-‥-‥-‥-* ※番外編はこちら 『光の部屋、花の下で。』https://www.alphapolis.co.jp/novel/728386436/614893182

処理中です...