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付き合ってから
ビターなチョコレート味 三(R18)
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――初めてのエッチでフェラするのは普通? したら引かれるかな……。これくらいじゃ勃たないのが普通なのか……普通ってなんだろう……
「ローラン君」
「えっ!? あっ、なんスか!?」
ちらっと仁の視線がローランの下半身に移り、またローランの顔に戻ってくる。
「下辛そうだから触ろうか?」
「えっ……、えっ……と…………さ、触りますか……?」
仁の下半身を触ってショックを受けて理性が戻ってきたからか、仁の提案は願ってもないことなのに羞恥心が大きく、歯切れの悪い返答になってしまった。
仁は困ったような微笑を浮かべて。
「僕が触って嫌じゃなければね」
「嫌なんてとんでもない! それに俺も触りたいっス!」
「僕のも!? それってお互いのを触るってこと?」
「ただお互いの触るだけじゃオナニーするのとほとんど変わらないので、お互いのをくっつけて一緒に触ると気持ちいいスよ」
ローランは手を前に出してあたかもソレがあるように指で形作り、上下に扱く動作をして見せる。
その生々しい動きに仁は固唾をのみ、ほんのりと頬を紅潮させ恥じらいを見せた。
「じゃ、じゃあやってみようか!」
すっくとベッドから立ち上がって下衣に手を掛ける。抵抗があり恥ずかしそうな表情をしつつ下衣を下ろすと、グレーの下着が顕になる。
ローランは急に恥ずかしくなり目を逸らした。そして自身も立ち上がり続いて同じように下衣を下ろすと深緑の下着一枚になる。下着越しに勃起していて妙に恥ずかしい。
身長差があり立ちながらだと高さが合わず、仁がベッドに寝転び、その上にローランが覆い被さる。そして下着の中に手を入れて性器を取り出した。
――うわああああ!! とうとう仁さんのを見てる!! 仁さんの……ちょっと皮覆ってて先っぽが少しだけ見えてて……ピンクっぽくてなんか可愛い……!!
「そんなにまじまじと見られると恥ずかしいよ……っ」
「あっすっすみません! 今から触るのかと思ったらつい興奮しちゃって!」
「……嫌だったら言ってね」
「大丈夫です!」
仁が二人分を重ねる。そして擦り合わせたり握ってみたり扱いていく。
触られている間、ローランは仁の顎や首筋、胸など届く範囲にキスを落としていった。
「……っ……は、んっ……!? んっ……きもちぃ……っ!」
「気持ちいい?」
性器を扱くと同時に片手は再び乳首を触られている。長い指が触れる度、高い声を上げながらこくこくと頷いた。
ローランのそれらの反応を見ながら、手の動きを速めたり触る位置を変えてみたりと仁なりに工夫をして触っていく。
――仁さんに触られてる……ヤバッ……仁さんに触られてるって思ったら凄く気持ち良い!
「ふぁ……ふぅ、……ふう……んんっ」
口を結びくぐもった声を漏らし続け、やんわりと触られたモノの先端からは徐々に透明な液体も漏れ出す。
「は、んぅ……あ、あっでちゃっ……う……ん、んんっ!」
仁の上を跨ぎながら性器を触られて、段々と快楽が我慢出来ず動きに合わせて腰を揺らしていると耐えられない程の快感が押し寄せてきた。そして動きは止まらず白濁を仁の手へと散らした。
「んぅ、……はあ……はあ……、……っ!」
イッてしまえば余韻は一瞬だった。反射的に閉じていた目を開き、互いの性器を見ると絶句する。自分のモノは半勃ち状態で先端から精液が垂れているのに対し、仁のモノはまだ勃起すらしてなかったのだ。
――なんで、どうして?
「どうしたの!?」
頭で嫌な考えが止まらなくなり、じんわりと目頭が熱くなってしまいには涙が溢れ出る。
そんな様子のローランを見て仁はギョッとし、慌てて身体を起こしローランを汚れていない方の手でそっと包み込み背中を撫でた。
「ごめん、嫌だった?」
問いにローランは思い切り顔を横に振る。
「違うんです! 触られるの嬉しいし、俺、気持ちよくて、もう出しちゃったし。でも、仁さんまだ勃ってもないし、俺……やっぱり魅力無いのかなって考えたら怖くてっ……」
「キミはとても僕にはもったいないくらい魅力的だよ」
真剣な眼差しを向けながらローランの目尻に溜まる涙を指で拭う。それから横の棚に予め置いておいたティッシュ箱からペーパーを取り、手に付着した精液を拭き取った。そして今度は両手で抱きしめる。
ローランも縋るように強く抱きしめ返した。
「僕より全然若いし、恋愛経験豊富ならそれだけ魅力的ってことだよ」
「仁さんにとって魅力的じゃないなら意味ないスよ……」
「うーん、勃たないから魅力的じゃないなんて少し飛躍し過ぎじゃないかな? 僕はキミが大好きだし、魅力的に思ってる。勃たないのは……ごめん。こういう行為が久し振りなのと、その……、凄く緊張してるんだ。緊張して頭の中で同じ数を足してって無心になってさ」
「お、同じ数……?」
「ニ足すニは四。四足す四は八って。緊張を解す時に数えるっていう……あれ? 集中したい時だったかな?」
「…………。…………ふふっ……はははっ」
落ち着いているようで実際は少し間抜けな様子に、含み笑いをしていたが堪えきれず笑い出した。目は潤んでいるが溢れる涙は止まる。仁が包み隠さず答えてくれる為、ローランはこうしてすぐに安心することが出来る。それだけ仁のことを信頼しているようだ。
「それって頭使い過ぎてそっちに集中しません?」
「うん……途中からわからなくなっちゃって」
「全然効果無いじゃないスか。深呼吸した方がよっぽど効果ありそう」
「……そうかもね」
間を置いて二人は顔を合わせ笑い合う。兜合わせをしただけでそれからはローランのモノも気分も落ち着き、ベッドに横たわりながら和やかなピロートーク。
本心はもっと先のことも、痛くても最後までしたいと思っていた。けれどそれはまだ早かったようで、知識と心の準備を整える必要がある。続きは今ではない。急いですることでもない。ペースはゆっくりだが着実に進んでいる。その事実は確かにローランに勇気を与える。
数日後、ローランは主人であるアルスとその他従者と共に帰国していった。
「ローラン君」
「えっ!? あっ、なんスか!?」
ちらっと仁の視線がローランの下半身に移り、またローランの顔に戻ってくる。
「下辛そうだから触ろうか?」
「えっ……、えっ……と…………さ、触りますか……?」
仁の下半身を触ってショックを受けて理性が戻ってきたからか、仁の提案は願ってもないことなのに羞恥心が大きく、歯切れの悪い返答になってしまった。
仁は困ったような微笑を浮かべて。
「僕が触って嫌じゃなければね」
「嫌なんてとんでもない! それに俺も触りたいっス!」
「僕のも!? それってお互いのを触るってこと?」
「ただお互いの触るだけじゃオナニーするのとほとんど変わらないので、お互いのをくっつけて一緒に触ると気持ちいいスよ」
ローランは手を前に出してあたかもソレがあるように指で形作り、上下に扱く動作をして見せる。
その生々しい動きに仁は固唾をのみ、ほんのりと頬を紅潮させ恥じらいを見せた。
「じゃ、じゃあやってみようか!」
すっくとベッドから立ち上がって下衣に手を掛ける。抵抗があり恥ずかしそうな表情をしつつ下衣を下ろすと、グレーの下着が顕になる。
ローランは急に恥ずかしくなり目を逸らした。そして自身も立ち上がり続いて同じように下衣を下ろすと深緑の下着一枚になる。下着越しに勃起していて妙に恥ずかしい。
身長差があり立ちながらだと高さが合わず、仁がベッドに寝転び、その上にローランが覆い被さる。そして下着の中に手を入れて性器を取り出した。
――うわああああ!! とうとう仁さんのを見てる!! 仁さんの……ちょっと皮覆ってて先っぽが少しだけ見えてて……ピンクっぽくてなんか可愛い……!!
「そんなにまじまじと見られると恥ずかしいよ……っ」
「あっすっすみません! 今から触るのかと思ったらつい興奮しちゃって!」
「……嫌だったら言ってね」
「大丈夫です!」
仁が二人分を重ねる。そして擦り合わせたり握ってみたり扱いていく。
触られている間、ローランは仁の顎や首筋、胸など届く範囲にキスを落としていった。
「……っ……は、んっ……!? んっ……きもちぃ……っ!」
「気持ちいい?」
性器を扱くと同時に片手は再び乳首を触られている。長い指が触れる度、高い声を上げながらこくこくと頷いた。
ローランのそれらの反応を見ながら、手の動きを速めたり触る位置を変えてみたりと仁なりに工夫をして触っていく。
――仁さんに触られてる……ヤバッ……仁さんに触られてるって思ったら凄く気持ち良い!
「ふぁ……ふぅ、……ふう……んんっ」
口を結びくぐもった声を漏らし続け、やんわりと触られたモノの先端からは徐々に透明な液体も漏れ出す。
「は、んぅ……あ、あっでちゃっ……う……ん、んんっ!」
仁の上を跨ぎながら性器を触られて、段々と快楽が我慢出来ず動きに合わせて腰を揺らしていると耐えられない程の快感が押し寄せてきた。そして動きは止まらず白濁を仁の手へと散らした。
「んぅ、……はあ……はあ……、……っ!」
イッてしまえば余韻は一瞬だった。反射的に閉じていた目を開き、互いの性器を見ると絶句する。自分のモノは半勃ち状態で先端から精液が垂れているのに対し、仁のモノはまだ勃起すらしてなかったのだ。
――なんで、どうして?
「どうしたの!?」
頭で嫌な考えが止まらなくなり、じんわりと目頭が熱くなってしまいには涙が溢れ出る。
そんな様子のローランを見て仁はギョッとし、慌てて身体を起こしローランを汚れていない方の手でそっと包み込み背中を撫でた。
「ごめん、嫌だった?」
問いにローランは思い切り顔を横に振る。
「違うんです! 触られるの嬉しいし、俺、気持ちよくて、もう出しちゃったし。でも、仁さんまだ勃ってもないし、俺……やっぱり魅力無いのかなって考えたら怖くてっ……」
「キミはとても僕にはもったいないくらい魅力的だよ」
真剣な眼差しを向けながらローランの目尻に溜まる涙を指で拭う。それから横の棚に予め置いておいたティッシュ箱からペーパーを取り、手に付着した精液を拭き取った。そして今度は両手で抱きしめる。
ローランも縋るように強く抱きしめ返した。
「僕より全然若いし、恋愛経験豊富ならそれだけ魅力的ってことだよ」
「仁さんにとって魅力的じゃないなら意味ないスよ……」
「うーん、勃たないから魅力的じゃないなんて少し飛躍し過ぎじゃないかな? 僕はキミが大好きだし、魅力的に思ってる。勃たないのは……ごめん。こういう行為が久し振りなのと、その……、凄く緊張してるんだ。緊張して頭の中で同じ数を足してって無心になってさ」
「お、同じ数……?」
「ニ足すニは四。四足す四は八って。緊張を解す時に数えるっていう……あれ? 集中したい時だったかな?」
「…………。…………ふふっ……はははっ」
落ち着いているようで実際は少し間抜けな様子に、含み笑いをしていたが堪えきれず笑い出した。目は潤んでいるが溢れる涙は止まる。仁が包み隠さず答えてくれる為、ローランはこうしてすぐに安心することが出来る。それだけ仁のことを信頼しているようだ。
「それって頭使い過ぎてそっちに集中しません?」
「うん……途中からわからなくなっちゃって」
「全然効果無いじゃないスか。深呼吸した方がよっぽど効果ありそう」
「……そうかもね」
間を置いて二人は顔を合わせ笑い合う。兜合わせをしただけでそれからはローランのモノも気分も落ち着き、ベッドに横たわりながら和やかなピロートーク。
本心はもっと先のことも、痛くても最後までしたいと思っていた。けれどそれはまだ早かったようで、知識と心の準備を整える必要がある。続きは今ではない。急いですることでもない。ペースはゆっくりだが着実に進んでいる。その事実は確かにローランに勇気を与える。
数日後、ローランは主人であるアルスとその他従者と共に帰国していった。
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