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七話 仲良きことは美しき哉

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 持っているおやつの数が減ってきたことや、体力を考えて休憩することになった。皆ベンチでそれぞれ休んでいる。
 主に疲れているのは凛々華とオモチである。
 クックとココロはまだ体力に余裕がありそうだ。持ってきていた給水器でクックに水をやり、自身もペットボトルのジュースを飲んで水分補給をする。 

「はぁ~……つかれたぁ」
「リリカちゃんもオモチちゃんもたくさんうんどうしたもんね」
「うん……クックさんとなかよくなるためにうんどうしようって言ったのに、いつもと同じになっちゃった……」 

 残念そうに眉を下げて笑う凛々華。普段もおやつを見せては運動して与えるという一連の繰り返しをしているようだ。 

「でもケンカしてないし、なかよくなれる思う」
「そうだよね」
「気になってたんだけど、オモチちゃんが付けてるのなに? キレイだね」
「これ? 【ピヨタグ】だよ」 

 オモチは首からペンダントを下げている。約五cm×三cmのプレートをネックレスで通している物で所謂ドッグタグであるが、ピヨタグは羽を象ったプレートが主流だ。プレートの素材もドッグタグとは違い、ピヨが誤って飲み込んだとしても問題がないように溶ける素材を使用している。指輪のように光沢感のあるものや、マット加工してあるものなど好みに合わせて作ることが可能である。
 ピヨタグはドッグタグのピヨ専用バージョンというだけで、使用用途はドッグタグとほぼ同じでありプレートの裏に文字が刻印されている。
 ピヨグッズ店でも刻印無しはオシャレなアクセサリーとして売られており、簡単に入手が可能だ。 

「オモチに付けたらかわいいだろうなって思って、お父さんに買ってもらったの」
「そうなんだ。うん、かわいい」 

 オモチの飾り羽を邪魔せず、首が締まらない程度の丁度いい長さのネックレスとなっていて、光沢のあるプレートが日光を反射して眩く輝いている。 

 クックさんも付けたらきっとかわいいんだろうな…… 

 水を飲み喉の渇きを潤したクックは、ベンチの上に置いたカゴの中でじっと座り目を閉じて休んでいた。
 ココロの視線に気が付くと顔を上げる。すると喉元を撫でられ、くすぐったくもあるが心地よいのか目を細めている。 

 このへんに、なにかまいたらかわいいかも。男の子だからカッコよくしてもいいよね 

 どんなピヨグッズがあるかもまだわからないというのに想像はどんどん膨らんでいく。人形などに着せ替えをして可愛くしたり、オシャレをさせたいという気持ちが湧くのは女の子としてごく自然なことである。ペットに対してそう思うことも例外ではない。 

 おじいちゃんか伯父さんに買ってっておねがいしてみようかな? でもこの前クッションとか買ってもらったばっかりだし……あ、ピヨが大すきな伯母さんにきいてみようかな。……でも太郎丸さんなにも付けてないし、あんまりきょうみないかも……
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